目次[ 表示 ]
- 香典袋の準備
- 香典袋の選び方
- 香典袋の販売場所
- 香典袋を書くときのマナー4つ
- 1:筆や筆ペンを使う
- 2:表書きは薄墨
- 3:慶弔用のスタンプも使用可能
- 4:内袋は読みやすさを重視
- 【宗教別】表書きの書き方4つ
- 1:仏式
- 2:神式
- 3:キリスト教式
- 4:宗教・宗派が不明なとき
- 【ケース別】名前の書き方5つ
- 1:会社から出すケース
- 2:数名で出すケース
- 3:夫婦で出すケース
- 4:代理で出すケース
- 5:旧姓を使うケース
- 内袋の書き方
- 表面に入れる内容
- 裏面に入れる内容
- 香典袋に入れるお札を準備するポイント
- 新札はNG
- お札を入れる向き
- 香典袋は折り込み方に注意
- 失礼にならないよう香典袋の書き方を覚えておこう
香典袋の準備
冠婚葬祭の時に祝儀袋や香典袋の書き方に迷う方もいるでしょう。個人か会社で出すのか、宗派や袋、お金の入れ方など間違えたら失礼なことも多くあります。
特にご祝儀と違い、香典は通夜と葬儀で渡すので用意する時間も少ないでしょう。事前に書き方を知り、その時に慌てないようにしておきましょう。これから、香典袋の準備の仕方について紹介していきます。
香典袋の選び方
香典袋を選ぶ時には故人の宗教や宗派を知ることが大切になります。宗教や宗派の違いによって袋の表書きなどが変わってくるためです。
まず、不祝儀袋を選ぶ時には白や黒・双銀の水引で、結び方は「結び切り」や「あわじ結び」のものにしましょう。ほどけない結び方の水引は「繰り返さないように」という意味が含まれています。
水引は印刷されているものと実際に水引が結ばれているものがありますが、袋の中に入れる金額が多いほど結ばれているものを使用するようになっています。
香典袋は上包みと中袋でできているものが多くありますが、地域によっては「重ねて包むと不幸が重なる」と考えられていることもあるため、注意が必要です。その場合は中袋がないタイプの香典袋を使用し、そのまま紙幣を上包みに包みます。
香典袋の販売場所
香典袋は急に必要になってくるのでさまざまな場所で販売されています。故人の宗教などがわからないときには無地のものを選ぶことが無難です。
同時に薄墨の筆ペンも必要になるため、香典袋と一緒に購入しておけばペンがなくて困ることもなくなるでしょう。
香典袋を書くときのマナー4つ
香典袋には多くのマナーがあります。宗教や宗派によって変わる内容もあれば、基本的には同じマナーの場合もあります。香典袋を書くときのマナーを理解しておくことで、書き直しが少なくなるでしょう。
これから、香典袋を書くときのマナー4つを紹介していきます。
1:筆や筆ペンを使う
香典袋にはサインペンやマジックは略式とされているため、基本的には使用しません。筆や筆ペンを使うことが主になっています。
しかし、一部例外もあります。中袋ありなしに限らず、誰がいくら持ってきているか故人の家族が管理できるので、裏面の名前や住所はペンで書いても良いとされています。しかし、表面は薄墨の筆などを使用するのがマナーとなっているので書き間違えないように注意が必要です。
2:表書きは薄墨
香典袋の表書きや名前などは薄墨で書くのが礼儀となっています。
これは故人を悼み・涙することで墨が薄くなったことや、急いで駆け付けたので墨をしっかりと用意する余裕がなかったことを意味しています。薄墨の筆ペンが香典袋同様にさまざまな場所で販売されているので一緒に購入しておくと使う時に便利です。
3:慶弔用のスタンプも使用可能
現在では慶弔用のスタンプが販売されており、筆で文字を書くのが苦手な方に人気があります。しかし簡単にできる反面、薄墨に仕上げることが難しいことと気持ちがあまりこもっているように見えない印象を与えてしまうこともあり、相手によっては注意が必要です。
4:内袋は読みやすさを重視
すでに内袋に記入する内容のマナーがありましたが、基本的には内袋は読みやすさとわかりやすさを重視することが大切です。
名字を変更した場合には旧姓を添え、中に入れた金額がわかるようにと内袋は大切な情報がたくさん書かれています。そのため内袋は濃い色で読みやすく書き、故人の家族が誰なのかわかるように配慮していく必要があります。
【宗教別】表書きの書き方4つ
香典には宗教や宗派によって袋の種類や表書きの書き方は違います。宗教の違いによって通夜や告別式の考え方が違うため、お供えや花代という意味でお金を用意しているところもあります。そのため、表書きの書き方も宗教や宗派の考えが出ており注意が必要です。
1:仏式
仏式では表書きには「御霊前」と書くのが主になっています。
この書き方は葬儀とお通夜の両方で使えますが、浄土真宗では「御霊前」は使用できません。故人が浄土真宗の場合の書き方は「御仏前」や「御香料」になります。そして香典袋の絵柄は無地か蓮の花が書かれたもの、水引きの色は白黒か双銀のものが選ばれています。
また、仏教では初七日・四十九日と呼ばれる法事と1周忌・3回忌などの法要もありますが、法事や法要で渡すものには「御仏前」「御沸前」「御供物料」と書いてあるものを選びましょう。
曹洞宗の場合
仏教の中でも、曹洞宗は禅宗と呼ばれている宗派の1つです。曹洞宗は葬儀をお釈迦様の弟子になるためにするので、葬儀も特徴的なところがあります。香典袋の表書きは「御霊前」「御香典」を使用しますが、中に入れる金額や差出人の書き方は他と違いはありません。
真宗の場合
浄土真宗は葬儀を供養として行っていません。浄土真宗では、故人はすぐに阿弥陀如来によって極楽浄土に行っているという考えがあるからです。そのため故人は亡くなってすぐに仏様になることから、香典袋の書き方は「御仏前」と記入します。
2:神式
神式の葬儀では仏教とは違うマナーが多くあります。仏教は故人の成仏祈願を祈って葬式を行いますが、神道では「故人の魂が家の守護神になる」という考え方で神葬祭という葬式を行います。
そのため不祝儀袋は白色のもの、水引は黒と白の結び切りなどのマナーがあり、注意が必要です。表書きは「御霊前」「御神前」「御玉串料」など記入することが可能です。「御香典」は仏式のみ使用するものなので神式では記入しません。
3:キリスト教式
キリスト教はカトリックとプロテスタントの2つで大きく分かれています。基本的にはキリスト教では香典という言葉は使用せず、お花料と言っています。
表袋は無地のものか、百合の花や十字架が書かれているものを使用するのが主となっています。よく市販されているもので蓮の花が描かれているものがありますが、こちらは仏教用なので間違えないようにしましょう。
カトリックの場合
カトリックでは「御花料」「御ミサ料」「献花料」「御霊前」などの表書きが使用できます。仏式でも使われる「御霊前」と書く場合は、水引は黒白か銀色一色、一部地域では黄白のものを使います。
他の表書きを記入する場合は、百合や十字架の描いてある袋を選びます。もちろん、無地の袋も使用可能です。
プロテスタントの場合
プロテスタントの場合は、「御花料」「忌慰料」「献花料」の3つの表書きを使用します。「御ミサ料」はミサをプロテスタントでは行っていないため使用しません。
表袋はカトリックと同じように無地・百合・十字架のもの全て使用できますが、無地の場合はカトリックで使用できる「御霊前」はプロテスタントでは使えないのを覚えておきましょう。
4:宗教・宗派が不明なとき
宗教や宗派が事前にわからない場合にはまず、ご香典袋は白無地のものを選びます。香典袋の書き方は「御霊前」や「御香典」と書きます。「御霊前」だと真宗・浄土真宗では使用しないため、もし仏式とわかっている場合には「御香典」と書く方法もあります。
また、無宗教の場合の書き方も「御霊前」が使用できます。無宗教の場合は水引などなしの白い封筒に包んでも大丈夫です。中に入れる金額も親・兄弟・友人など仏式の包み方とほとんど変わりはありません。
【ケース別】名前の書き方5つ
会社や親子、家族で香典を出す場合には名前を連名にすることもあります。
しかし、人数が多くなると誰の名前までをどういう風に記入すればいいか迷うでしょう。購入したビニールの袋に「お香典袋書き方見本」などが書いている場合もありますが、なかなか連名などは書かれていないため、こちらで紹介していきます。
1:会社から出すケース
会社で4名以上の大人数で出す時は代表者1名の名前か、会社名や部署名などを真ん中に書きます。
会社から出すときには、少人数の場合と部署全員などの場合で書き方が変わり、代表者の名前を書く際には肩書きを記入しておくと丁寧で、遺族にもわかりやすくなります。また、会社から出す場合には「職場一同」「職員一同」「社員一同」と足して書くこともあります。
2:数名で出すケース
職場の仲間など複数名で出す時は、お金を出す方が3名以下であれば全員の名前を書きます。3名の場合は1人目を真ん中に書いた後、残り2人を左に書きます。記入する場所は役職の高い方など目上の方の名前を右にします。
記名する人数が3名いる場合は右から順に立場の高い方の名前を記入しましょう。
同僚で出す時は立場が一緒になるので、五十音順で書けば角が立ちません。また、2名の場合は真ん中に集まるように名前を書きます。「友人一同」などの書き方もあります。
3:夫婦で出すケース
夫婦で出す場合には書き方が2パターンあります。一般的には夫婦で出す時には夫の名前のみを書きますが、故人との関係が2人とも良かった場合や夫婦で参列する場合には連名で書くと良いでしょう。
2人の名前を書く時には、夫の名前をフルネームで書き、妻は下の名前のみ夫の名前の左側に記入します。中袋にも同じように書き、どちらも基本的には夫の名前を中央になるようにします。
4:代理で出すケース
夫が参列できずに妻が代理を務めるなど、代理で出すケースがあります。仮に夫の代理を務める場合は、まずは夫の名前をフルネームで記入します。香典を持っていく方の名前は必要ありません。
その代わりに、袋に書いた夫の名前の左に「内」と書いておきます。これを書くことで、身内が参列したことを表しています。
5:旧姓を使うケース
渡すものになるので名字が変わってしまい、誰からのものかわからなくなっては意味がありません。
表書きは新しい名字にするのが基本とされています。そのため名字が変わった場合には中袋の名前横に旧姓を書き、表書きには新しい名字を書くという方法があります。
また、外袋のみの内袋がない場合などは、表書きに新しい名字で名前を書いてから名字の左横にカッコと旧姓を添えて書くことも可能です。
内袋の書き方
香典袋には内袋というものがあり、こちらには渡す方の住所氏名や入っている金額を記入します。これは遺族が葬儀後に香典返しをする際に必要になります。
そのため、わかりやすさを重視して内袋は薄墨ではなく黒色で記入します。基本的には表裏の書き方は共通しているので覚えておきましょう。
表面に入れる内容
表面には中央に袋に入れた金額を書きます。金額を記入する時には旧字体の漢字を使用し、金額の前に「金」をつけましょう。
5千円の場合は「伍仟圓・伍阡圓」、1万円なら「壱萬圓」など記入します。例えば、3万円を入れた場合には「金参萬圓也」と書きます。「也」を語尾に使用していますが、必ず入れる必要はありません。
金額の数字は大字・旧字で書くのが正式
金額は縦書きの旧字体で書くのが正式なものとなっています。しかし、金額を書くところが横書き用になっているものが最近はあり、その場合は算用数字・アラビア数字で記入します。
もし横書きの欄が最初からあった時には、「3000円」という風に算用数字・アラビア数字で金額を書きましょう。どうしても数字が気になる方は「三千円」と漢数字で書くことも可能です。
一 | 壱・壹 |
二 | 弐・貳 |
三 | 参・參 |
五 | 伍 |
十 | 拾・什 |
千 | 仟・阡 |
万 | 萬 |
円 | 圓 |
裏面に入れる内容
裏面の左下に縦書きで住所、氏名を記入します。郵便物を出す時と同じように右側から郵便番号・住所・氏名の順に記入します。裏書は中袋なしの場合でも書き方は一緒です。
香典返しなどで遺族が必要になったりするため、住所は番地やアパートの名前、部屋番号まで省略せずに書きましょう。
香典袋に入れるお札を準備するポイント
香典袋にお札を入れておけば大丈夫と思っていませんか。実は香典袋にお札を入れるときにも注意する点がいくつかあり、逆にしてしまうとお祝いの意味になってしまうことが多くあります。
何も考えずに準備するとお祝いの使い方をしてしまい、とても失礼になってしまうので間違えないように入れ方を覚えておくことが大切です。
新札はNG
結婚式などで渡している祝儀では新札を用意することがマナーとされていますが、お悔やみの時のマナーは逆になります。新札は銀行などで用意することが多く、新札を出してしまうと故人の不幸のために以前から用意していたとされて失礼にあたります。
もし持っていたお札がちょうど新札であった場合や、用意した時に新札しか出てこなかった時は折り目を付けてから入れましょう。
お札を入れる向き
封を開けた時にお札に描かれている人の顔が裏向きになるように入れます。これも祝儀とは反対になっており、「悲しいことのため顔を伏せている」という意味合いでこの入れ方になっています。
具体的には中袋の裏の住所や名前が書いてある方に、お札の人物が見えるようにします。さらに人物はすぐに見えない袋の下側にくるように入れるのがマナーになっています。
香典袋は折り込み方に注意
これまでさまざまな内容で祝儀と不祝儀の違いを出していますが、包みの折り込み方も同じではありません。
祝儀では包みの折り込み方は左右を折った後に「上→下」の順番に折り込みます。これは喜びを受け止めるという意味があります。
逆に不祝儀では左右を折った後に「下→上」の順で折り込みます。これは悲しみで下をむき、悲しみを流すという意味が含まれており、間違えると失礼にあたるので注意が必要です。
失礼にならないよう香典袋の書き方を覚えておこう
冠婚葬祭で必要になるものは細かなマナーが存在しています。香典袋の書き方や金額、袋の選び方だけでなく、故人の宗教や関係性などを考えて用意しなければいけません。用意する時間もあまりないため、いざとなった時に慌てる方も多くいます。
急いで用意するとミスが増えるため、相手に失礼になることがあるでしょう。もしもの状況でも慌てることがないように、事前に香典袋の書き方を覚えておきましょう。