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洗濯機の洗浄手順と洗い方3選|洗濯機の洗浄手順と洗い方3選など紹介

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2021/06/08

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洗濯後に衣類に付く黒い小さな物体の正体って?

洗濯機から取り出した衣類に小さな黒い物体が付いていたことはありませんか。その正体は、洗濯槽に発生した黒カビの可能性が高いです。

洗濯槽に黒カビが繁殖してしまうと洗濯する度に水の中へ溶け出し、黒いカスや粒となって衣類に付着してしまうのです。これではいくら洗濯しても綺麗になりません。

汚いだけでなく臭いもします。さらに放置して酷い状態になると、最悪病気を引き起こす恐れもあります。

洗濯槽に黒カビが繁殖する要因について

問題に対処する時はその原因について知ることが重要です。では、洗濯槽に黒カビが繁殖するのはなぜなのでしょうか。

大きな原因は二つあります。皮脂や洗剤カスに代表される汚れと、高い湿度です。

脱いだ服に付着した皮脂や埃、洗剤の残りカスなどが洗濯槽に蓄積すると、それはカビの栄養になります。さらに濡れた衣服や閉めたままの蓋などで内部の湿度が高いとカビが繁殖しやすくなるのです。

衣類の汚れや埃・水垢・洗剤の残りカスの蓄積

衣類に付いた皮脂や埃、洗濯後の水垢、溶け残った洗剤は汚れの層として洗濯槽の外側に溜まっていきます。空気中のカビはこの層を分解しようと定着しに来るのです。

カビは初め黄色ですが、蓄積された汚れの分解が進むと共に茶褐色、黒と色が変わっていきます。

蓋を閉めていることによる湿度の上昇

湿度の上昇はカビの大きな発生要因です。洗濯直後の槽内は濡れていて湿度が上がりやすい状態です。この時すぐに蓋を閉めると水分が乾燥せず、湿度が上昇し、カビが発生しやすくなってしまいます。

また、濡れたままの洗濯物を取り出さずに放置するのもよくありません。

洗濯機の洗浄手順と洗い方3選

普段見えない洗濯槽裏の黒カビを予防・除去するためには、洗濯機を定期的に洗浄する必要があります。業者に依頼すると確実ですが、毎回頼むのも大変ですし、自分でもお手入れできるようになるのが理想的です。

ここではご家庭で実践できる三つの洗濯機洗浄方法を部位や使用する洗剤別に紹介します。ただしメーカーや型番によって構造や使っていい洗剤に細かい違いがあるので、必ずお手持ちの洗濯機の取扱説明書もご確認ください。

1:洗濯機の洗剤投入口やフィルター系の洗浄のポイントについて

洗剤投入口とフィルター系は洗剤の残りカスや糸くずが付着しやすいため、パーツ毎に取り外し、可能なら洗濯のたびに洗浄するのがポイントです。

縦型・ドラム式・全自動洗濯機、メーカーなどによって構造が異なるので使っている洗濯機について調べてみましょう。

パーツの外し方

縦型の洗剤投入口は多くの場合、ケースを手前に引いてから斜め上へ持ち上げると取り外せます。その後洗剤と柔軟剤用のケースを外しましょう。ドラム式なら突起部などをつまんで持ち上げます。

自動投入タンク内に洗剤を入れるタイプの場合は、タンク内の洗剤や柔軟剤を排出してから取り出します。

糸くずフィルターは槽内にあるつまみを軸からずらして取り外します。ドラム式はフィルターを外す際、内部から水漏れすることがあるため事前に脱水し、水受けの桶やタオルなどを用意してから作業してください。乾燥フィルターは二枚あるので位置を調べてから取り外しましょう。

いずれも必ず運転が停止してから取り外すようにしてください。

洗い方のコツ

洗剤投入口もフィルターも水洗いが基本の洗い方です。しかしそれだけでは頑固な汚れを落とせないこともあります。

そのような時は中性洗剤を溶かしたお湯や、布や綿棒、ブラシで拭き掃除しましょう。傷を付けるとカビや破損の原因となるので優しく丁寧に洗うことを心がけてください。お湯の温度は熱すぎると部品を痛めるのでぬるめにしましょう。

掃除の後は忘れずに、綺麗な布や自然乾燥で水気をなくしてから元の場所に取り付けます。

2:フタの裏やパッキンの裏の洗浄方法について

お手入れで盲点となるのが蓋やパッキンの裏です。普段は目に入らないことも多く、溝や隙間が多く想像以上に汚れが溜まりやすい場所です。

気付けばカビになっていることも少なくありません。月に一度は見落としがちな場所に糸くずなどがないか軽くチェックし、汚れていたらすぐに掃除しましょう。

以下の洗浄剤や道具を使用します。
●乾いた布
●濡らしたタオル
●綿棒
●柔らかいブラシ
●台所用中性洗剤(汚れが酷い時)

フタの裏の洗浄方法

蓋の裏は柔らかい布と綿棒で洗浄します。乾いた布と綿棒で埃を拭き取り、水に浸けてから固く絞ったタオルで汚れを取り除きましょう。

本体部分に水が直接掛かると部品を痛める恐れがあるので避け、水拭きする際も布をよく絞るようにしてください。また、揮発性溶剤やクレンザーの使用は控えましょう。

日頃の洗濯で洗剤の粉末や液体が付着した場合も、この方法ですぐに拭き取るようにしてください。

パッキンの裏の洗浄方法

ドラム式は洗濯槽を覆うパッキンの洗浄が重要です。パッキンにカビが生えるとゴムの中に根付いてしまうため除去が困難になります。

糸くずや水滴は柔らかい布で拭き取り、パッキンの裏の溝は濡らしてから絞った布で異物が残らないように掃除します。正面下方にある水抜き穴が詰まったら綿棒でお手入れしましょう。

汚れが酷い時は台所用中性洗剤を含んだ布で拭き掃除します。洗剤をパッキンに直接掛けると痛んでしまうので必ず布を使用してください。

3:洗濯機の洗濯槽の洗浄方法について

洗濯機のカビを防ぐためには定期的な槽洗浄が効果的です。ここでは洗濯機洗浄剤による槽洗浄の仕方を解説します。

お使いの洗濯機に槽洗浄機能があるなら最低限の操作で簡単に洗浄できます。槽洗浄機能がない場合、槽の穴の有無によってやり方が異なるため、必ず取扱説明書に従ってください。

衣類用洗剤や台所用漂白剤は故障を引き起こすことがあるため使用しないでください。また、換気は十分に行いましょう。

重曹を使用する場合

重曹は弱アルカリ性による酸性汚れの中和、環境への優しさ、コンビニや100均など安い価格で容易に入手できる点が評価され、今では定番の掃除グッズです。洗剤の代用品としてもよく紹介されています。

しかし洗濯槽の洗浄を目的とした時、重曹はおすすめできません。専用洗剤と比較して洗浄力が低いため汚れを落とすためには量が必要となりますが、大量に使うと溶け残ったり、排水経路を詰まらせたりします。このため重曹は洗濯槽洗浄には不向きです。

また、クエン酸やお酢も金属を錆びさせる恐れがあるので避けた方が無難です。

酸素系クリーナーを使用する場合

酸素系クリーナーは発泡する際の強力な酵素で汚れを剥がして落とす商品です。生分解性が高く、比較的環境への配慮がなされています。また、落とした汚れが浮遊物として可視化されるため効果を実感しやすいです。

40~60℃ほどのお湯を高水位まで溜め、酸素系クリーナーを適量投入します。洗濯機を約5分回したら電源を切り、6時間ほど放置します。

剥がれ落ちた汚れは水に浮くためゴミ取りネットなどで取り除く必要があります。最後に通常運転させ、一連の工程を汚れが出なくなるまで繰り返します。

酸素系クリーナーは非推奨とするメーカーも存在するため、洗濯機の取扱説明書をよく調べてください。

塩素系クリーナーを使用する場合

塩素系クリーナーは殺菌・除菌力が強く、カビ対策に優れています。低温の水でも十分に作用しますが、人体への刺激も強力です。

初めに塩素系クリーナーの投入か給水のどちらかを洗濯機の取扱説明書の通りに行います。工程が終わったら槽洗浄コースあるいは標準コースで回します。

運転が終了したらフィルターを掃除し、汚れが残っている場合はすすぎを繰り返します。何回かすすいでも汚れを落とし切れなかったら、再び槽洗浄します。

洗濯機の掃除で使う洗浄剤の選び方3つ

スーパーや薬局、オンラインショップなど様々な場所で手軽に購入できる洗浄剤ですが、いざ買おうとすると種類が多過ぎて選ぶのに迷ってしまうことがあると思います。洗浄の仕組み、値段、入手のしやすさ、安全性、市販品や業務用など観点も様々です。

商品選びに迷った時は自分が洗浄剤に求める長所が何なのかを意識すると良いでしょう。ここでは殺菌力・所要時間の短縮・エコロジーの3つの長所を観点として紹介していきます。

1:殺菌力で選ぶ

カビ対策を重視するなら強い殺菌力を持つ塩素系漂白剤、特に使い方が簡単な液体タイプがおすすめです。汚れを溶かして落とすためゴミが浮遊物となることもなく、洗浄の後はすすぐだけでいいというメリットもあります。

除菌と消臭ができる反面で、肌や環境にも強い刺激を与える点や独特な臭気があることには注意が必要です。

2:掃除にかかる所要時間で選ぶ

一般に槽洗浄は半日ほどの時間がかかるものとされています。しかし、短時間で済ませられるならその方がいいという方もいるでしょう。

手早く終わらせたい時には時短効果が謳われている商品がおすすめです。主な特長として浸け置き不要や洗浄に掛かる時間が20分程度であることが挙げられます。

時短を特長とする洗浄剤はその多くが酸素系漂白剤です。

3:環境面で選ぶ

小さなお子さんや自然環境への影響を考えるなら、主要成分に生分解性の高い過炭酸ナトリウムを使用している酸素系漂白剤がおすすめです。塩素系と比較してにおいや肌への刺激が弱い特徴があります。

環境面をより重視するなら過炭酸ナトリウム単体で使用するとよいでしょう。安価に入手できるため経済的にも優秀です。

酸素系漂白剤はドラム式洗濯機で使えないことがあるため、事前によく調べてください。

洗濯機を綺麗に使う方法5つ

カビへの理想的な対処法はそもそもカビを発生させないことです。発生原因は汚れなので、洗濯機を綺麗に使えばそのままカビの予防になります。

洗濯機を綺麗に使うためのポイントを紹介します。

1:汚れた衣類は洗濯直前に入れる

衣類に付いた汗や埃は湿気や栄養となってカビを呼び寄せてしまいます。特に汚れた衣類を大量に詰め込むのは厳禁です。

すぐに洗わない衣類は洗濯カゴなどに取っておいて、洗濯直前まで槽内は空の状態にしておきましょう。衣類の汚れが酷い時はお風呂の残り湯に浸けておくのも効果的です。

2:掃除の理想の頻度は?

フィルターは毎回、槽洗浄は月に一度の頻度で掃除するのが理想です。最低でも二ヶ月に一度のお手入れが快適に使い続けるための目安のようです。

定期的に槽洗浄のタイミングを知らせる機能が搭載されている機種もあります。

3:蓋はなるべく開けよう

蓋を閉めていると湿度が上がるためなるべく開けておくようにしましょう。少しでも風通しをよくし乾燥させれば、カビは発生しづらくなります。

ただしドラム式のドアは、メーカーによっては閉めたままにするよう注意喚起しています。取扱説明書や公式ホームページを調べて判断してください。

4:定期的に乾燥機能を使う

洗濯機に乾燥機能があるなら週に一度、乾燥運転することでカビの発生を抑制できます。洗濯槽の内外の湿気が飛ぶため効率の良い方法です。乾燥運転の後は必ず乾燥フィルターに付いたゴミを清掃しましょう。

5:適量を守って洗剤・柔軟剤を入れる

少なすぎる洗剤は汚れを落とせませんが、過剰に入れても洗浄力が上がるわけではありません。柔軟剤は大量に入れると衣類の黒ずみの原因にもなります。適量を守らないと溶け残った洗剤・柔軟剤が経路を詰まらせたり、石鹸カスがカビの栄養になったりします。

過度な洗剤は危険を招くこともあります。投入する前に説明をよく読み、適量を守りましょう。

洗濯機の洗浄方法を実践しよう

陰となる場所に発生する黒カビは早期発見が難しく、日頃から対策しておくことが重要です。

洗濯機を定期的に洗浄して、肌に触れる衣類の清潔を保ちましょう。それがひいてはあなたや家族の健康を守ることにも繋がります。

この記事を書いた人

Bee

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