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冷凍肉を解凍するポイント
冷凍すると肉が長持ちするので便利ですが、解凍する時に方法を間違えるとせっかくの肉が美味しくなくなってしまいます。冷凍保存をするなら、解凍する際のポイントを知ってから冷凍しましょう。
ドリップが流れ出ると肉の旨味も一緒に流れてしまうので、ドリップができるだけ流れないような解凍方法がおすすめです。では、どのように解凍すればいいのか、ポイントを確認しましょう。
ゆっくり解凍する
1つ目のポイントは、ゆっくり解凍することです。短時間で解凍するために急激に温度を上げると、肉の鮮度が損なわれて旨味がなくなってしまいます。早く解凍するために冷蔵庫ではなく室温で解凍すると、肉の表面の温度が高くなって細菌が繁殖する危険性もあるので避けましょう。
調理を始める時間が近づくと、焦って早く解凍しようとしてしまいがちです。焦らず解凍できるよう、早めに準備をしましょう。
低温を意識する
2つ目のポイントは、低温を意識することです。低温で解凍すると、肉の旨味が逃げにくいのでおすすめです。
電子レンジやお湯による解凍では、肉の温度が高くなりがちです。肉の温度が上がると鮮度が損なわれますし、肉の表面と中心部分の温度差が大きいとドリップが流れ出ることで旨味が失われます。
さらに解凍ムラも起きやすいので注意が必要です。解凍ムラがあると、調理する際に火が入りやすい部分とそうではない部分ができます。
冷凍肉の解凍方法8選
冷凍肉は、ゆっくりと低温で解凍するのがポイントです。では、具体的にどのように解凍すれば旨味を損なわず、美味しく食べられるのでしょうか。おすすめの方法を8つ紹介するので、自分に合った方法を選んで肉を解凍してみてください。
1:電子レンジで温める
電子レンジで温める場合は、解凍機能が便利です。解凍機能を使えば高温になり過ぎないように加減してくれますが、解凍時間が長いと温まってしまうことがあるので、様子を見ながら解凍しましょう。機種によっては解凍ムラができるものもあります。
肉の重さで自動的に時間を調整してくれるなど便利な機能が付いている電子レンジもあるので、説明書も確認しましょう。
2:流水解凍する
流水解凍は、ボウルなどに水を張ってビニール袋に入れた肉を浸し、水をかけながら解凍する方法です。肉を水に浸すので、水が直接入らないようきちんと密封したり袋を2重にしたりしておきましょう。水が直接かかると、旨味が損なわれてしまいます。
あまり肉の温度を上げずに解凍できるので、ドリップが出にくい方法です。ドリップと一緒に旨味が流れ出て味が損なわれるのを防げるでしょう。
3:氷水解凍する
氷水解凍とは、氷水を利用して肉を解凍する方法です。水が中に入り込まないように、2重にしたビニール袋や保存袋の中に肉を入れ、氷水に浸します。肉が解凍できるまで、氷を追加しながら様子を見ましょう。
肉の種類やパッケージによって解凍に必要な時間が大きく違うので、肉の様子を見ながら解凍します。時間と手間がかかる点はデメリットですが、お肉を美味しく食べるにはおすすめの方法といえるでしょう。
4:ぬるま湯につける
急いでいて少しでも早く解凍したい場合は、ぬるま湯につける方法もあります。流水解凍をするよりもドリップが出やすくなりますが、大きく味が落ちるのを防ぎつつ早めに解凍できます。
ビニール袋を2重にするなどして水が直接かからないようにした肉をボウルなどに入れ、35~40℃程度のぬるま湯を上からかけながら解凍しましょう。上下を返して、両側が同じように解凍できるようにします。
5:冷蔵庫で解凍する
冷蔵庫で解凍すると、旨味や品質が損なわれにくいのでおすすめです。冷蔵庫は低温に保たれているので、急激な温度の変化がありません。肉の外側と中心部分に温度差ができにくいため、ドリップが流れ出にくく、肉を美味しく解凍するのに向いています。
肉から溶け出るドリップなどが他の食べ物につくと衛生的にも良くないので、容器に入れたりビニール袋を2重にしたりして解凍すると安心です。時間はかかりますが、手間はかからない方法です。
6:アルミホイルに包む
肉をアルミホイルに包んで解凍する方法もあります。アルミには熱を伝えやすい性質があるので、それを利用して解凍する方法です。
アルミホイルに包んだまま常温で置いておく方法と、アルミホイルに包んだ肉をビニール袋などに入れて流水で解凍する方法とがあります。常温で解凍する場合は、雑菌の繁殖などに十分注意しましょう。
7:水をいれたフライパンで加熱する
少量の肉を解凍する際におすすめなのが、水を入れたフライパンで加熱する方法です。解凍したい肉を、70ml程度の水を入れたフライパンの中に入れます。蓋をして3分ほど強火にかけ、火を止めてから1分程度蒸らします。
フライパンの中の水蒸気のエネルギーを使って解凍する方法で、肉の周りに水分があるので肉がしっとりしたまま解凍できる点もメリットです。
8:なべ底で挟む
アルミタイプの鍋やフライパンを2つ持っている人は、アルミが熱を伝える性質を利用して肉を解凍することもできます。
保存袋などに入れた肉を裏返したフライパンや鍋の上に置き、その上にぬるま湯を入れた鍋やフライパンを乗せて、なべ底で挟みます。この方法は、薄い肉におすすめの解凍方法です。
ぬるま湯は、30~35℃程度のお湯が向いています。途中で一度肉の上下を返して、両側を同じように温めましょう。
冷凍肉を解凍するときの注意点4つ
冷凍肉を解凍する場合、注意点を守るとより美味しく肉を食べられます。では、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。4つの注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1:ドリップは拭き取ること
ドリップとは肉を解凍する時に出る赤い液体のことですが、ドリップには水分やタンパク質が含まれています。そのため解凍すると味が落ちやすいのですが、ドリップがついたまま肉を調理すると水っぽい料理になったり臭いが出たりします。
そのため解凍した肉のドリップはペーパータオルで拭き取って調理しましょう。
ドリップには細菌が繁殖しやすいので、流れ出たドリップを捨てる場合は加熱しない食材につかないよう注意しましょう。
2:半解凍にすること
肉を解凍する場合は、完全に解凍するのではなく半解凍にしましょう。完全に解凍するとドリップが出やすくなり、旨味が失われてしまいます。外側が溶けていれば、調理するには問題ありません。
脂が多い肉のほうが比較的溶けやすいので、肉の様子を見ながら解凍し過ぎないように注意しましょう。
3:加熱ムラに気を付ける
電子レンジで解凍すると加熱ムラができる場合もあるので、気を付けましょう。解凍する時は、冷凍庫から取り出してすぐの状態のままで加熱します。一部分が溶けていると、加熱ムラが起きやすくなります。
ドリップが加熱されると加熱ムラの原因になるので、キッチンペーパーを敷いてドリップを吸い取る方法がおすすめです。加熱し過ぎると火が通ってしまうので、「解凍モード」または「弱モード(100~200W)」で1~2分ごとに返しながら解凍しましょう。
4:再冷凍はしない
一度解凍した肉は、再冷凍しないようにしましょう。理由は2つあり、1つ目は味が落ちることです。肉を解凍する際にはドリップが出て、味が落ちます。再冷凍するとさらにドリップが出てしまうので避けましょう。
2つ目の理由は、食中毒菌が増える可能性があることです。肉の温度変化によって、食中毒を起こす菌が活動を始める場合があります。熱に強い食中毒菌もいるので、できるだけ菌を増やさないようにする必要があります。
上手に冷凍肉を解凍しよう
冷凍した肉は、上手に解凍するとより美味しく食べられます。解凍する時にドリップが多く出ると旨味が失われるので、できるだけドリップを出さないよう、ゆっくり時間をかけて低温を意識しながら解凍するのがポイントです。
氷水解凍や冷蔵庫での解凍など、肉を解凍する方法はいくつかあります。かけられる時間も考えながら、上手に冷凍肉を解凍して美味しく食べましょう。