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鶏肉を冷凍保存すべき理由
鶏肉にはカンピロバクターという細菌が含まれる可能性が高く、東京家政大学の研究によると市販の鶏肉の約半数からカンピロバクター菌が検出されています。
冷凍した鶏肉からもこの菌が見つかっていることから、冷凍したとしても完全に安全とは言えませんが、常温や冷蔵庫での保存と比較しても、肉汁が他の食品に付着することで引き起こされる二次感染を予防できます。
また、衛生面上の理由の他にも、鶏肉を冷凍保存することで以下のメリットがあります。
使う頻度が高いため
鶏肉は照り焼きや唐揚げなど様々な料理に応用が利くため、使用頻度は高くなりがちです。
アンケート調査によると、肉料理の中でも「豚肉」、「鶏肉」を食べる人は全体の約8割であり、特に20代で人気なお肉の種類が鶏肉である、という結果が出ています。(『マイボイスコム株式会社』調べ)
鶏肉は大容量の場合は1~2kgほどの塊で売られていることもあるため、多めに購入して日持ちするように小分けで冷凍することで、家計も助かります。
賞味期限を伸ばすため
鶏肉は他のお肉と比較しても消費期限が短く傷みやすいものです。そのため、長期保存したいという場合には冷凍保存をお勧めします。
冷凍庫に入れることで約1ヶ月は持つため、「購入しても一度で使い切れない」とお悩みの方は、ぜひ冷凍で保存してみて下さい。
おすすめの鶏肉の冷凍方法9選
鶏肉は冷凍の際に小分けにする、サランラップではなくフリーザーパックを使用するなど、ひと工夫をすることで長期保存ができます。
また、先に下味をつけて冷蔵保存することで、調理の時間を短縮できるため、すぐにお肉を使いたいときにも重宝します。
それでは、これから9種類の冷凍保存の仕方を紹介します。
1:茹でてから冷凍する
鶏肉は茹でてから冷凍すると、調理の際にすでに鶏肉に火が通っているため時短することが可能です。お湯で茹でるだけでも問題ありませんが、長ネギや生姜と一緒に茹でることで、鶏肉の臭みが防げます。
茹でたあとはお好みで食べやすい大きさに分け、ジップロックなどを使って冷凍庫に保管します。茹で汁もそのままスープなどに使えるため、捨てずに活用すると良いでしょう。
2:生のままで冷凍する
続いて、生のまま冷凍する方法を紹介します。まず、自分や家族が食べやすいサイズに小分けし、ラップで包みます。
ラップで包むことで空気に触れにくくなり、乾燥を防げるだけではなく、必要な分だけ解凍できるため品質の劣化を防ぐことができます。
ラップで包んだら、ジップロックなどに入れ冷凍庫に保管しましょう。
3:唐揚げにしてから冷凍する
次に、唐揚げにしてから冷凍する方法を紹介します。先に唐揚げにしてしまうことで、実際に食べる時には調理する必要もなくなります。
まずは普通に鶏肉に衣をつけ、180℃の油で揚げます。このときに下味にマヨネーズ大さじ1を加えることで、鶏肉の柔らかさと水分を保つことができます。
解凍したときにべちゃっとしないように、鶏肉の中の水分を取り除くため気泡が少なくなるまでしっかりと揚げます。
その後、2~3個ずつラップで包み、粗熱が取れたら冷凍庫に入れて保管しましょう。
4:レンジで酒蒸ししてから冷凍する
忙しくてじっくり鍋で煮るのが難しい、洗い物は極力少なくしたいという方にはレンジで酒蒸ししてから冷凍するという方法もあります。
耐熱皿の上に鶏肉をのせ、塩少々、酒大さじ1をふりかけ、ラップをかけて電子レンジで3~4分温めるだけです。
あとは食べやすい大きさに切り分け、ジップロックなどに入れ、冷凍庫で保管しましょう。
5:塩こしょうで下味をつけてから冷凍する
傷みやすい鶏肉を長期保存するために、塩こしょうを加えひと手間をかけることで肉質を柔らかくできます。また下味をつけることで、解凍したときに調理が効率的になります。
調味料をまぶして冷凍する際には臭みを防ぐため、事前にしっかりと水分を取ってから冷凍して下さい。
6:カレーで下味をつけてから冷凍する
鶏肉にカレー粉で下味をつける方法もおすすめです。解凍した後、ほぐしてチキンカレーに入れたり、フライパンで焼いてタンドリーチキンにしても美味しくいただけます。
ジップロックにヨーグルト1/3カップ、カレー粉、トマトケチャップ大さじ1、塩小さじ2/3を入れてよく混ぜ、鶏肉を一口大に切り分けたものを漬けます。
その後しっかりと空気を抜き、冷凍保存しましょう。
7:生姜としょうゆで下味をつけてから冷凍する
生姜としょうゆで下味をつけることで、鶏肉の臭みも取れ、そのまま焼くだけで夕食やお弁当の一品を飾ることができます。
この方法では冷凍をする際、キッチンタオルなどで水気をよく切り、お肉に味を染み込ませるために数回お肉をフォークで刺して下さい。
その後、酒、しょうゆ、生姜(または生姜汁)を加えてよく揉んでから冷凍庫に入れれば完成です。
8:生姜と塩麹で下味をつけてから冷凍する
続いては生姜と塩麴で下味をつける方法です。
やり方は今までと同じく、ジップロックに塩麹と生姜を混ぜよく揉んでから冷凍するだけです。
塩麴が肉を柔らかくし余分な水分を吸収するため、風味やコクがアップしますし、解凍後もそのまま焼くだけで十分おいしくいただけます。
9:香味野菜で下味をつけてから冷凍する
最後に、ネギなどの香味野菜で下味をつける方法をご紹介します。
ジップロックに余分な部分を取り除き平たくした鶏肉2枚と長ネギ、生姜の千切りを一緒に入れ、そこに塩小さじ1/4と酒1/4カップを混ぜ合わせたものを投入し密閉保存します。
このとき、お肉と香味野菜が重ならないようにしてください。
香味野菜のジューシーな香りが鶏肉に移るため、香ばしいシンガポールチキンライスなどの料理をする際に便利です。
鶏肉を冷凍保存するときのポイント
お肉を冷凍保存する際に大切なポイントは酸化を防ぐことと急速冷凍を行うことです。
このポイントを守るために、お肉に付着したドリップをふき取ること、できるだけ薄く、密閉させて保存すること、そして急速冷凍機能があれば急速冷凍を行うことが大切です。
もし急速冷凍の機能がないのであれば、金属トレイに乗せたまま冷凍することで冷凍時間を短縮することができます。
鶏肉を冷凍するときの注意点
ここまで鶏肉の保存方法を9つ紹介してきました。
長期保存が可能でストックしやすいため、一人暮らしの方や主婦にも最適な冷凍保存ですが、お肉の鮮度を保ち安全でおいしく調理していただくためにも、次の2点に注意が必要です。
パックのまま冷凍しないこと
スーパーなどから購入したときのままパックで冷凍してしまうと、空気に触れやすいため酸化が進み、劣化の原因となってしまいます。
保存する際にはジップロックなどで可能な限り密封することを強くお勧めします。
保存容器で冷凍保存しないこと
簡単に保存でき、繰り返し使えることから保存の際に定番となっている保存容器ですが、鶏肉などの生肉を冷凍する際にはお勧めできません。
パックでの冷凍保存と同じく、保存容器も空気に触れやすく酸化が進みやすいためです。
密閉保存ができるフリーザーパックの使用をお勧めします。
鶏肉の冷凍方法を参考にしよう
鶏肉は冷凍保存することで、長期保存が可能になるだけでなく、下味をつけて保存することで様々な料理の作り置きができるため、時短料理やお弁当作りにも大活躍します。また、今回紹介した方法は、他のお肉にも十分応用できます。
この記事を参考にして食材の冷凍保存を活用し、食品ロスの少ない効率的でコスパの良い生活を目指しましょう。