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フェミニストの意味とは?
「フェミニストという言葉をよく見聞きするけれど、意味を聞かれると答えられない」という方も少なくないことでしょう。そこでまずは、フェミニストの意味について解説していきます。
フェミニストとは、一般的に「男女同権主義者」や「男女同権論者」といった訳語があてられる英単語で、女性が男性と同じような権利・地位を獲得することを主張する人を表します。
外来語として定着しているため、日本語訳を使わずに「フェミニスト」とそのまま使われることがしばしばです。
フェミニストにおけるイメージとは?
世間はフェミニストという言葉や存在に対して、どのようなイメージを抱いているのでしょうか。端的に言えば、人によってフェミニストに対する意見やスタンスはさまざまです。
抑圧された女性を解放して平等で公正な社会の実現を促してくれる存在としてフェミニストを肯定的に捉える人もいれば、男性を口うるさく批判して社会を「女尊男卑」へと誘導しようとする存在だと否定的に受け止める人もいます。
フェミニストの基本知識
現代社会においてフェミニストという言葉は、新聞やテレビニュースはもちろんのこと、SNSや日常生活の中でも少なからず登場するものとなっています。
だからこそ、フェミニストについて基本的な知識を得ておきたいと言えるでしょう。ここからは、フェミニストという言葉が生まれた背景やその使い方についてご紹介していきます。
フェミニストの語源について
フェミニストは女性を意味する「フィメエール(female)」に語源をもち、女性らしさを意味する「フェミニン(feminine)」に「~する人」という意味の「~ist」をプラスして生まれた言葉です。
そのため、「女性主義者」と訳されることもあります。また、女性の権利獲得や男性との同権を主張する考えや動きのことを「フェミニズム」と呼びます。
フェミニズムとはもともと18世紀末のヨーロッパで生まれた思想であり、それが世界に広まることでフェミニストの存在も増えていきました。
フェミニストの使い方について
フェミニストは、女性が男性と同じような権利をもつことを主張する人を指す言葉であるため、ある人物の思想や政治的スタンスを表現するときによく使われます。
たとえば、「あの人はフェミニストである」「私はつらい少女時代の経験から、フェミニストになった」といった使い方をします。
フェミニストと呼ばれる人の特徴
「男女同権主義者」といった訳語があてられることの多いフェミニストですが、人によって、また社会や時代によってフェミニストやフェミニズムが意味するものは変わってきます。
「男女同権主義者」といった訳語があてられることの多いフェミニストですが、人によって、また社会や時代によってフェミニストやフェミニズムが意味するものは変わってきます。
では、現代においてフェミニストとはどのような人を指すのでしょうか。ここからは、フェミニストと呼ばれる人の特徴についてご紹介していきます。
女性に優しい人
フェミニストとは抑圧された女性の解放や権利の付与を主張する人を意味する言葉ですが、日本ではこのような本来の意味とは違った使われ方をすることもあります。
女性の権利獲得や地位向上に関心がなくとも、女性に対して優しい態度をとる人、とりわけレディ・ファーストの精神をもった男性のことを、日本ではしばしば「フェミニスト」と表現します。
状況を変えたいと思っている人
時代や社会によって、フェミニストが克服しようとする問題や課題は変わってきます。たとえば19世紀のフェミニストの多くは、当時女性に参政権が与えられていないことを問題視し、その獲得を訴えました。
また1960年代のフェミニストは、男性と同じ仕事をしても女性には低い賃金しか与えられないことや子供を産まない権利が認められていないことを問題視し、ウーマン・リブと呼ばれる社会運動を展開しています。
女性の置かれた差別的で不平等な状態を批判的に捉え、よりよい環境や社会を実現するためにその状況を変えたいと思っている人も、フェミニストという言葉で表現されます。
出典:19世紀アメリカ女性労働史の研究|愛知学院大学
フェミニストにおける類義語
フェミニストは現時点で女性に認められていない権利を女性が獲得することを支持することから、「女権論者」といった言葉で表現されることがあります。
また、19世紀末から20世紀初頭にかけてのイギリスでは、フェミニストは主に女性参政権獲得のための運動を実践したことから、参政権を意味する「サフラージ」にちなんで、「サフラジェット」と呼ばれました。
そのため、サフラジェットもフェミニストの類語のひとつとして挙げられるでしょう。
フェミニストにおける対義語
女性の権利獲得を肯定するフェミニストを否定的に捉える人のことを、しばしば「アンチ・フェミニスト」と呼びます。
そのため、フェミニストの対義語として「アンチ・フェミニスト」やその日本語訳にあたる「反女権論者」といった言葉が挙げられるでしょう。
また、女性を男性よりも劣った存在として蔑視したり、女性という存在そのものを憎悪したりする人のことを「ミソジニスト」と表現します。
フェミニストの主義主張とは相容れない存在であることから、ミソジニストもフェミニストの対義語として位置付けることが可能です。
フェミニストについて理解を深めよう
今回はフェミニストの意味やその基礎知識についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
フェミニストと一口にいっても、時代や社会によって、また人によってその思想や主義主張は異なります。
そのため、特定の人物を「フェミニスト」という文脈で理解する際には、その人が具体的にどのようなことを問題視し、どのような点を変革しようとしているのかを知る必要があると言えるでしょう。