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適宜の読み方と言葉の意味
適宜(てきぎ)という言葉は、公用文やビジネス文書など公の場で多く使用されます。したがって、使う場面が限られています。「適宜対応します」、「適宜対応させていただきます」のように使用します。
よく目にはするが、意味をあまり理解できていない人・不安に思いながら使用している人も少なくないでしょう。適宜とはどのような意味なのか紹介していきます。
適宜の正しい3つの使い方と例文
「適宜(てきぎ)」という言葉には3つの正しい意味があります。各自で判断するとき、状況に適するとき、最善だと思うとき、と3つ正しい意味があります。「適宜(てきぎ)」の使い方と例文を紹介します。
1:各自で判断するときに使う
その場の状況に応じて、各自がよいように行動するさまを指します。使用例として、「手の空いた者から適宜昼食をとってくだい。」などが挙げられます。
判断を個人に委ねられ、その個人が考えるタイミングで行動するという意味で使用されます。
2:状況に適する意味で使う
状況によく合っていることや、そのさまを指します。使用例として、「成績不振者に適宜個人指導をする」などが挙げられます。
適宜の「宜」には相応しい・合っているという意味が含まれています。「適」にも同様に「正しい」という意味が含まれています。よく合っている=相応しいと解釈が可能です。
3:最善だと思うときに使う
その場の状況に応じて、各自がよいように行動するさまを指します。使用例としては「グループごとに適宜休憩を取ってください。」などが挙げられます。
判断を個人に委ねると同時に、その個人や集団が最善であると考えるタイミングで行動するという意味で使用したいときに使います。「各自で判断」と似た意味ですが、「最善」という要素を含んでいるかの違いがあります。
適宜の類義語や類似表現として使われる9つの言葉
「適宜」の類義語や似た表現として使われる言葉を紹介します。また、「適宜」の意味の違いに触れながら、同義語について紹介していきます。ぜひ参考にしてみください。
1:随時
随時は「ずいじ」と読みます。随時は「いつでも」「必要に応じて」という意味になります。
使用例として、「随時巡回する」や「随時入院することが可能」などが挙げられます。
2:適当
適当は「てきとう」と読みます。適当には条件・目的・要求などに、うまくあてはまるといった意味と程度などがほどよいという意味があります。
使用例としては、「スーパーの建設に適当な土地」「彼はこの仕事に適当な人材である」「調味料を適当に加える」などがあります。
3:都度
「都度」は「つど」と読みます。都度には物事が行われるたびといった意味があります。
都度には「回数」という要素もあり、理解しやすいのではないでしょうか。「旅行するその都度、有名なお寺に立ち寄っている。」のようにも使用することができます。
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4:適切
適切は「てきせつ」と読みます。適切には、状況・目的などにぴったりあてはまること、その場や物事にふさわしいことといった意味があります。
使用例として、「彼は適切に判断する。」「適切な表現を心がけよう。」などがあります。
5:適正
適正は「てきせい」と読みます。「正」という漢字が含まれており、「正しい」という意味が含まれた熟語です。
使用例としては、「あの会社は適正な価格で商品を販売する。」などがあります。
6:適時
適時は「てきじ」と読みます。適時にはそれを行うのにちょうどよいとき、そのタイミングといった意味があります。
英語では「タイムリー」と呼ばれています。タイムリーは時機がちょうどよい折に行われるさまで、「タイムリーな話題」と使用すれば聞きなじみが多い人もいるでしょう。
7:然るべき
然るべきは「しかるべき」と読みます。然るべきには、適当な・ふさわしいといった意味と、当然である・当たり前といった意味があります。
使用例として、「然るべき人に相談するべきだ」「君は謝罪して然るべきだ」などがあります。
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8:必要に応じて
必要に応じては「必要(ひつよう)に応じて(おうじて)」と読みます。「必要」と「応じる」と2つに分けることで理解できます。必要は、必ずいるという意味です。
「応じて」は「~に応じて」と頻繁に使用されます。
9:相応・相応しい
相応は「そうおう」と読みます。そして、相応しいは「ふさわしい」と読みます。同じ漢字をもっているにもかかわらず、読み方が異なっています。
相応(そうおう)は、つりあいがとれていること・ふさわしいことの意味があり、「収入相応な暮らしを送っている」といった使い方をします。
相応しい(ふさわしい)はにつかわしい・つり合っているの意味があり、「収入に相応しい生活を送るべきだ」といった使い方をします。
適宜の対義語として使われる言葉
適宜の意味や類義語、その使い方や例文をここまで紹介してきました。ここからは、適宜とは意味が反対の言葉である対義語を2つ紹介します。適宜の類義語の意味も少しずつ違いがありました。適宜にも少しずつ異なる意味をもっています。
「適宜」の対義語を「適宜」とはどこが違うのかを、説明しながら紹介します。
1:定時
定時は「ていじ」と読みます。定まった時間と書く熟語です。
適宜とは違い、定時には、行動するタイミングが定まっている、という意味があります。そのため、「定時に上がる」、「定時通りに運行」と予め時間が定まっているときに使用されます。
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2:常時
常時は「じょうじ」と読みます。
常という漢字は「いつも、ずっと」という意味があります。そのため、常時とは継続して行動するときに使われる熟語です。
適宜の対義語として使われる言葉
適宜を使用するときに注意するべき点を紹介します。注意点を知らずに誤った使い方をしてしまうと、目上の人に失礼だと思われてしまう可能性があるでしょう。ここからは「適宜」を使用する上で注意してほしい点を3つ紹介します。
1:適宜の言葉で指示されたときは意味を吟味した上で行動する
「適宜」という言葉を見たら、書き手の意図を考える必要があるでしょう。また、意味の解釈を迷うのであれば、詳しい意味や使用した背景を尋ねた方がいいでしょう。
2:目上の人に対しては依頼する形で使わない
目上の人に対しては依頼する形で使わないとは、言い換えれば部下から上司に、会社から顧客に使うのにはふさわしくないということです。
なぜなら、「適宜休憩を」「適宜昼食を」のように指示や依頼する際に使われるため、目上の人に指示・依頼をするときにはあまり適していません。
さらに、「適宜」という言葉には敬意は含まれていません。したがって、取引先や上司など目上の人に使う場合は失礼に当たります。しかし、目上の人に向けて「適宜」という言葉を使用できる例もあります。
3:失礼のないように謙譲語や丁寧語と組み合わせる
適宜は単体では目上の人に使用できません。指示的な場面・依頼の場面以外では条件付きで「適宜」という単語を使用することができます。それは、敬語を使用することです。
「適宜ご連絡いたします」のように使用します。つまり、指示的な要素は存在せず、行動するのは「適宜」を使う側です。
適宜の意味や使い方を理解しよう
適宜適切など意味が似た言葉も組み合わせた言葉も存在しています。「適時適切な対応を」というような使い方で、ニュースや記事、ビジネスシーンでの使用頻度が高い言葉です。
「適時適切」とは「適時」と「適切」を組み合わせたものです。意味を考えれば、「ベストなタイミングで相応しい行動をとる」でしょう。
似たような意味だと思っていてもニュアンスの違いがあるため、ケースバイケースで使用する言葉を変えた方が上司や取引する相手とトラブルが少なくなるでしょう。
何時、~が完成したとき、のように具体性をもった言葉を使用すればトラブルも回避できます。常時、具体的な時間やタイミングを指示するのは困難です。そのため意味を深く理解するとよいでしょう。