Excel(エクセル)は社会人にとって必須スキルです。社会人になってからでも覚えることはできますが、学生の内から理解しておくと覚えることが減るので、スムーズに仕事をすることができます。
そこで、超初心者向けにエクセルの表の作り方や基本操作・使い方を解説していきます。
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エクセル初心者が覚えるべき基本操作
まずは、エクセルの画面構成と覚えるべき基本動作・機能を紹介していきます。
エクセルの知っておくべき機能12選
エクセルの画面構成は上記の画像のようになっています。
1,クイックアクセス
左上にあるのが「クイックアクセスツールバー」です。よく使用されるコマンドが表示され、元々「上書き保存」「元に戻す」「やり直し」の3つがあります。
このコマンドはカスタマイズすることも可能で、【ファイル】から【オプション】を選択し、左のダイアログボックスから【クイックアクセスバー】を選択することでカスタマイズすることができます。
2,タブ
先程紹介した「クイックアクセスツールバー」の下にあるのが「タブ」です。
9つのタブがあり、エクセルで使用する目的別にまとめられています。
3,リボン
タブの下にあるのが、「リボン」です。「ファイル」タブ以外のタブをクリックすると各タブのリボンが表示されています。
このリボンもカスタマイズすることができます。【ファイル】から【オプション】を選択します。そこから【リボンのユーザー設定】からカスタマイズが可能になります。
4,名前ボックス
「リボン」の下に表示されるのが「名前ボックス」です。「名前ボックス」は現在選択しているセルの位置が表示されます。セルを複数選択すると何行・何列が選択されているかも確認することができます。
5,数式バー
「名前ボックス」の右側にあるのが「数式バー」になります。選択しているセルに関数や数式を直接入れる、または確認することができます。
セルには関数や数式の結果だけが表示されるので、その結果の式を知りたい場合はこの「数式バー」から確認することができます。
6,ワークシート
画面中央に大きく表示されているセルが集まっているエリアのことを「ワークシート」と言います。表形式や複数のセルで作られており、この「ワークシート」のセルにデータを入力していきます。
7,列番号
「ワークシート」の上に表示されているのがセルの列数を表す「列番号」になります。
セルの列を確認する際や列を追加or削除する際に、非表示になっている列を確認するのに使用します。
8,行番号
「ワークシート」の左側に表示されているのが「行番号」になります。「行番号」はセルの行数を表しています。セルの行を確認する際や行を追加or削除する際に、非表示になっている列を確認するのに使用します。
9,セル
ワークシート内にあるマス目のことを「セル」と言います。
10,スクロールバー
「ワークシート」の右側にあるのが「スクロールバー」です。現在表示されているウィンドウだけで収まらない時、このバーをスライドさせます。
11,ステータスバー
一番下の左側にあるのが「ステータスバー」です。「ステータスバー」は情報表示領域を意味し、セルが入力モードなのか編集モードなのか確認することができます。
さらに、数値データを複数選択するとデータの個数や合計値/平均値が表示されるので便利な機能です。
12,画面表示切り替え
「ステータスバー」の右側にあるのが「表示切り替えボタン」です。このボタンでは「標準」「ページレイアウト」「改ページ プレビュー」の切り替えを行うことができます。
エクセルでよく使用するショートカットキー
エクセルを使用する際によく使うショートカットキーを表にまとめました。
Windows | Mac | 操作内容 |
---|---|---|
Ctrl+S | ⌘+S | 作業中のファイルを上書き保存 |
Ctrl+X | ⌘+X | 選択されたセルを切り取り |
Ctrl+C | ⌘+C | 選択されたセルをコピー |
Ctrl+V | ⌘+V | コピーされた内容をペースト |
Ctrl+Z | ⌘+Z | 直前のコマンドまたは操作を戻す |
Ctrl+Y | ⌘+Y | 直前のコマンドまたは操作を繰り返す |
エクセル初心者が覚えるべき計算と関数
エクセルでは、様々な計算式と関数を使用します。
ここでは、エクセル初心者が覚えるべき計算と関数を紹介していきます。
エクセルで計算するには
エクセルの基本的な計算で使う記号は足し算「+」引き算「-」掛け算「*」割り算「/」になります。
計算をする際に、結果を表示したい時はセルに「=」を入力すると結果が出ます。
上記の画像では、【B2】を選択し、数式バーに「=2*3」を入力しました。そして「Enter」を押すと計算結果「6」が出ます。
エクセルでよく使用する基本的な関数
次に紹介するのは、エクセルでよく使用する基本的な関数です。
関数とは、計算を楽にするために元からエクセルに入っている数式のことを指します。先程紹介した計算をする必要なく、早く正確に計算することができます。
SUM関数
「SUM関数」とは、セルに含まれる数値の合計(SUM)を計算する関数です。
引数(ひきすう)とはセル範囲や条件などを示します。引数が3つ以上ある時は「:」で区切ります。
例)=SUM(M2,M3)
└この場合は、M2とM3の合計値を求めることができます。
さらに画像を使って紹介していきます。
いちごとリンゴの個数の合計を求めたい時は、まず計算結果を表示したセルを選択し、関数「=SUM」を入力します。
いちごとリンゴの個数の数値が入力されたセルを選択します。
「=SUM(C2:C3)」のセル選択が完了したら、「Enter」を押すといちごとリンゴの合計値がセルに表示されます。
※引数が3つ以上ある時は下記の画像のように「:」で区切ります。
AVERAGE関数
「AVERAGE関数」とは、選択したセルの平均値を出せる関数になります。
得点の平均や値段の平均、個数の平均など指定したセルの値の平均値を求める際に使用します。先程の例として挙げたいちごとリンゴの例で個数の平均値を求めていきます。
まずは、先程と同様に計算結果を表示したいセルと選択し、「=AVERAGE(」と入力します。
次に、平均値を知りたいセルを指定します。この時、Ctrlキーを押しながらC2、C3をクリックします。
「=AVERAGE(C2:C3)」と入力し、「Enter」を押すと平均値が表示されます。
IF関数
「IF関数」は設定した条件に従って、値を変化させる関数です。
具体的な例を紹介していきます。会社の飲み会を開催するために、社員から集金することになりました。若手社員の負担を減らすために、30歳より上の社員は¥4,000、30歳以下の社員は¥2,000と決定しました。
IF関数を使うと、誰がいくら払うのかを自動で振り分けてくれます。
そんなIF関数の使い方を紹介していきます。
まずは、社員の名前を年齢を表と「30歳より上なら¥4,000、30以下なら¥2,000」という引数を作成します。
次にセルにIF関数を入力していきます。
IF関数で使う式は「=IF(論理式,真の場合,偽の場合」となります。
そのため、この例では「=IF(B2>30,$E$1,$E$2)」と入力します。
・「B2>30」は「もしも社員が30歳より上ならば」という条件
・「$E$1」はE1セルの「¥4,000」の値を選択している
・「$E$2」はE2セルの「¥2,000」の値を選択している
すると、佐藤さんの支払う金額が分かり、オートフィル機能で計算式をコピーすると以下のように全ての社員の払う金額が振り分けられるということになります。
オートSUM・AVERAGE
先程紹介した関数をより早く・簡単にできる「オート機能」があります。
上記の画像の赤い四角で囲った箇所から、関数を選択すると計算してくれます。
とても便利な機能なので、活用してみてください。
エクセル初心者が覚えるべき表の作り方
関数や数値の計算を解説したところで、次に簡単な表の作り方を紹介していきます。
ステップ1.データを入力する
まず行うべきは、セルに数値などを入力することです。
ここからの例は試験の科目別点数表を挙げています。
B3のセルから名前A~E、C2からG2までに科目名とその下にA~Eの点数を入力しました。
オートフィル機能
A~Eに1〜5の番号を振る際に、役経つのが「オートフィル機能」です。
名前を入力した列の左にA3セルから縦に番号を入力することにします。連続した数値を入力したい時は連続する数値の先頭を入力し、そのセル(ここではA3)を選択します。
セルを選択したら、選択したセルの右下に四角いポッチが表示されます。ポッチにマウスポインターを合わせると黒の十字に変わります。
そのまま下にドラッグします。
するとドラッグしたセルまで連続した数値が表示されます。このように「オートフィル機能」を使用すると、簡単な数字はもちろん、日付や曜日なども簡単に入力することができるので、覚えておくと便利な機能になります。
ステップ2.計算する
ステップ1で入力した数値を使って計算していきます。
SUM関数を使って合計点を算出する
まずは、各学生のテストの合計点を求めていきます。
計算結果を表示したいセルを選択し、合計値を計算する関数「=SUM」を入力します。
国語、社会、数学、理科、英語の点数を合計したいので、C3〜G3までをドラッグし、選択します。
選択し、合計値を表示するセルが「=SUM(C3:G3)」となったのを確認し「Enter」を押すと合計値が表示されます。
B~Eの学生の合計値も同じ手順で算出することができます。
先程紹介した「オートフィル機能」はこういった関数にも使用できるので、ぜひ使ってみてください。
AVERAGE関数を使って平均値を算出する
次に、テストの点数の平均値を算出するために、平均値を求めるAVERAGE関数を使用します。計算結果を表示したいセルに「=AVERAGE(」と入力し、範囲を選択します。
選択したセルが「=AVERAGE(C3:G3)」であることを確認し、「Enter」を押すと平均値が算出できます。
ステップ3.レイアウトを整理する
最後にレイアウトを整理していきます。
文字サイズの変更
文字のサイズを変更したい時は、変更したい範囲を指定し、ホームタブ内にある「フォントサイズ」箇所にある「v」をクリックし、お好みのサイズに変更したら完了です。
文字色の変更
文字色を変更した時は、ホームタブ内にある「フォントの色」の「v」をクリックし、お好みの色に変更したら完了です。
セルの背景色の変更
セルの背景色を変更したい時は、ホームタブ内にある「塗りつぶしの色」の「v」をクリックし、お好みの背景色に変更したら完了です。
左右・中央揃えのやり方
文字の左右、中央揃えを統一にしたい時はまず、揃えたいセルを選択し、その後ホームタブ内にある「配置」から「左右、中央揃え」の中のどれかを選択します。
罫線の引き方
最後に罫線を引いて、見やすくバランスを整えていきます。
まず、罫線を引きたいセルを選択します。その後ホームボタン内にある「フォント」グループから「罫線」の「v」をクリックします。「罫線」の中から付けたい罫線を選択したら完了です。
エクセル初心者がやりがちな失敗
最後にエクセル初心者に起こりがちな失敗例と解決方法を紹介していきます。
「####」と出てしまう
表と作り、日付などを入力すると「♯♯♯♯」と表示されてしまうことがあります。これはセルの表示形式に問題があり、表示形式を見直せば解決します。
「表示形式」とはホームボタン内の「数値」グループの中にあるコマンドのことを指します。
日付を入力したのに、セル上に反映されない場合は
1,日付を入力したセルを選択し、表示形式を「日付」に指定する。
日付を入力したセルの表示形式を「日付」に指定すれば、西暦や月日が表示されるようになります。
2,あらかじめ表示形式を「文字列」と指定してから入力する。
あらかじめセルの表示形式を指定しておけば、入力した数値をそのまま表示することができます。
頭の「0」が消えてしまう
エクセル内に電話番号などを入力する際に、頭の「0」が消えてしまうことがあります。
頭の「0」を消さずに入力する方法を紹介していきます。
アポストロフィーやシングルクォーテーションを使用する
セル内に数値を入力する時にその先頭に「’」(アポストロフィー、シングルクォーテーション)を入れるとセル内のデータが文字列として扱われるので、頭の「0」が消えずに表示されます。
表示形式を文字列に変更する
また、数値を入力したいセルを選択し、ホームタブ内にある数値グループの中の「表示形式」をクリックし、「文字列」を選択します。すると、そのまま数値が反映されます。
計算が正しくできない
先程紹介した「オートフィル機能」を使って計算結果が正しく表示されないということありませんか?
例えば、購入額に10%の手数料をかけた金額結果を表示したときにまず下記のようにデータを入力し、計算します。
購入額×手数料(10%)なので、「=(購入額)*(手数料10%)」となり、残りの手数料を表示するためC4の数式をオートフィルしようとして、下にドラッグすると下記のようになってしまいます。
C5のセルを確認してみると、「=B4*C1」となっている計算式が「=B5*C2」となってしまっています。手数料の数式はC1のセルなので、数式がコピーされていてもC1を固定しなければいけません。
そこで使用するのが「絶対参照」です。
絶対参照とは、数式をコピーした際に指定したセルがずれないようにする計算方法なので、もし数式がずれてしまった場合は絶対参照を用います。
絶対参照の使い方は、固定したいセルの列数と行数の前に「$」を入力します。ここで選択されているセルは「C1」なので「$C$1」と入力します。
「Enter」を押し、手数料を算出したらオートフィル機能を使用し下にドラッグすると「C1」を固定したので、それぞれの手数料を計算することができます。
セル内の改行ができない
セル内で改行しようとして「Enter」を押すと入力が完了してしまいます。
セル内を改行したい時は、
1,セルをダブルクリックし編集モードに変更する
2,改行したい箇所をクリックし、カーソルを合わせる
3,「Alt」キーを押しながら「Enter」を押す
この手順でセル内を改行することができます。
まずは、Excel(エクセル)に慣れることから始めよう!
なExcelは機能が多くあるので、初めから使いこなすには最初は難しいと思います。
基本的な操作を理解し、関数やショートカットキーなどの作業効率が上がる方法を繰り返し使い徐々に自分のものにしていきましょう!