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Bluetoothのバージョンとは何か?
Bluetoothのバージョンとは、Bluetoothの規格の1つです。Bluetoothの最初のバージョンは「Bluetooth1.0」で、バージョンアップごとに新しいものが登場してきました。
本記事では、Bluetoothの各バージョンの特徴やバージョンを確認する方法などを紹介していきます。
プロファイルとは何か?
プロファイルもBluetoothの規格の1つで、Bluetoothが通信できるデータの種類を定義したものです。Bluetoothを搭載した機器には様々な種類がありますが、機器によって通信を行うデータの種類はほぼ決まっています。
例えば、Bluetoothイヤホンの場合は音を送受信するプロファイル、パソコンのマウスはマウスポインタを動かすためのデータのプロファイルが定義されています。
Bluetoothの各バージョンの特徴について5つ
近年では身の回りの様々な機器に搭載されているBluetoothですが、はじめてBluetoothが登場したのは1999年と、今から約20年以上前です。
Bluetoothは現在までに多くのバージョンアップを繰り返してきましたが、バージョンごとにどのような特徴があるのでしょうか。
ここからは、Bluetoothの各バージョンの特徴について5つ紹介していきます。
1:ver1世代
ver1世代のBluetoothは、1999年に登場した初めてのBluetoothです。
一般的に普及したのは「Bluetooth1.1」からで、さらにその2年後に「Bluetooth1.2」がリリースされました。
2:ver2世代
ver2世代のBluetoothは、2004年に登場しました。「Bluetooth2.0」はver1世代と比べて、最大通信速度を3Mbpsに切り替える機能が追加されました。
また、3年後に登場した「Bluetooth2.1」は従来よりもペアリングを高速で行えるようになっており、現在のBluetoothの基礎部分が完成したバージョンであると言われています。
3:ver3世代
ver3世代のBluetoothは、2009年に登場しました。
この「Bluetooth3.0」は、最大通信速度24Mbpsというハイスピードモードを搭載したバージョンでしたが、消費電力が大きいことから一般的にはあまり普及しませんでした。
4:ver4世代
ver4世代のBluetoothは、ver3世代と同じく2009年に登場しました。
この「Bluetooth4.0」は、ver3世代の消費電力が大きいという課題を解決するために、省電力性能を追加したバージョンです。
また、4年後には「Bluetooth4.1」、その翌年には「Bluetooth4.2」がリリースされましたが、「Bluetooth4.2」はiPhone 6SからiPhone 7までのバージョンにも使われています。
5:ver5世代
ver5世代のBluetoothは、2016年に登場した新しいバージョンです。「Bluetooth5.0」は「Bluetooth4.0」と比較しても、通信範囲は約4倍、さらに通信容量は約8倍など、非常に性能が向上しています。
現在では「Bluetooth5.1」が最新のバージョンとして利用されており、IoT機器にも活用されています。
以下で、最新バージョンであるver5世代の「ブロードキャスト通信容量」「データ通信速度」「通信可能距離」について、それぞれ詳しくご紹介します。
ブロードキャスト通信容量
ver5世代のBluetoothは、ver4世代に比べてブロードキャスト通信容量が8倍に増加しています。ブロードキャスト通信容量とは、一方向かつ不特定多数に対して発信する情報のサイズのことです。
ブロードキャスト通信容量が増えたことによって、ver5世代のBluetoothではより多くの情報が発信できるようになりました。
データ通信速度
ver5世代のBluetoothは、ver4世代に比べてデータ通信速度が2倍と高速化しています。
もともと、ver3世代の時点で最大速度24Mbpsを実現する高速化オプションが追加されていましたが、ver3世代はマウスなどに使用される規格となっていたことから、高速通信を活かす機会はあまりありませんでした。
そのため、ver4世代では逆に通信速度を1Mbpsに抑える方へと路線変更しましたが、ver5世代ではその通信速度を2Mbpsに高速化しています。
通信可能距離
データ補正技術を改良することで通信可能距離を伸ばすことに成功したver5世代のBluetoothは、ver4世代に比べて通信可能距離が4倍に拡大しています。
具体的には、これまでのBluetoothでは通信を遮るものがない場所での通信可能距離は最大約100mまでとなっていましたが、ver5世代では約400m以上離れた場所でも電波が届くようになりました。
Bluetoothのバージョンでのイヤホンについて4つ
ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に、Bluetoothのバージョンが気になるという方も多いでしょう。それでは、Bluetoothのバージョンによってイヤホンにはどのような違いが出るのでしょうか。
ここでは、Bluetoothのバージョンでのイヤホンについて、「音質」「消費電力」「安定性と接続距離」「電波」の4つを中心に紹介していきます。
1:音質
Bluetoothは、ver1世代の「Bluetooth1.2」で無線LANの電波との干渉を軽減したことにより、音質が改善されています。
それ以降のバージョンは、特にバージョンが上がることによってイヤホンの音質も上がるといったことはありません。
そのため、「Bluetooth 4.0」のワイヤレスイヤホンを「Bluetooth 5.0」に変えたとしても、音質が良くなるということはないでしょう。
2:消費電力
Bluetoothの消費電力が大きく改善されたのは、「Bluetooth 4.0」以降です。バージョンが上がることで省電力性が向上することはありましたが、大きく変わったのはver4世代からだと言えるでしょう。
ver3までのバージョンは「クラシック」、ver4世代以降のバージョンは「LE」と呼ばれており、それぞれ消費電力に大きな違いがあります。
ここでは、「クラシック」と「LE」についてそれぞれご紹介します。
クラシック
Bluetooth 3.0以前の規格がデスクトップ周りで使用されることが多かったことから、クラシックでは消費電力よりも通信速度を重視しています。
また、以前のバージョンではありますが、現在でもマウスやキーボードなどのBluetoothの規格として採用されています。
クラシックとLEは、それぞれ互換性などもないことから、Bluetooth 3.0以前とBluetooth 4.0以降はほぼ別物であると言えるでしょう。
LE
Bluetooth 4.0以降のLEは、現在多数のスマートフォンに搭載されている規格です。消費電力を抑えることを重視した規格となっており、モバイルに最適化されています。
また、LEはワイヤレスイヤホンなどが普及したことで、より一層進化のスピードを加速させていると言えるでしょう。
3:安定性と接続距離
Bluetoothはバージョンが新しくなるほど通信の安定性が上がり、接続距離も伸びていきます。
そのため、できるだけ最新のバージョンを使用することで、ワイヤレスイヤホンの接続可能距離が伸び、スマホなどとの通信も途切れにくくなるでしょう。
4:電波
Bluetoothでは電波到達距離を「Power Class」という分類によって定めています。Power Classでは、Bluetoothの電波の強さを1から3までの3段階にわけています。
ここでは、Bluetoothの電波強度である「Class1」「Class2」「Class3」についてそれぞれご紹介します。
Class1
Class1は最も電波の到達範囲が広いPower Classです。最大出力の上限は「100mW」、最大通信距離は「100m程度」となっています。
ただし、現在の日本市場では100mWに到達するような製品は流通できないため、Class1であっても実際の出力は10mW以下となっています。
Class2
Class2の最大出力の上限は「2.5mW」、最大通信距離は「10m程度」です。一般の市場で販売されているBluetooth機器の多くはClass2対応となっています。
そのため、市場に出回っているワイヤレスイヤホンやヘッドホンなどのほとんどは、「通信範囲は10m」と記載されています。
Class3
Class3の最大出力の上限は「1mW」、最大通信距離は「1m程度」です。
つまり、Class3の通信範囲は1m程度となっているため、ワイヤレスイヤホンを選ぶ際にはClass3を避けるようにしましょう。
Bluetoothのバージョンを確認する方法
Bluetooth対応機器を購入する場合はバージョンについて確認することが大切です。それでは、スマートフォンやパソコンなどを購入する際にはどのようにして調べれば良いのでしょうか。
ここでは、最後にBluetoothのバージョンを確認する方法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Androidスマホとパソコンの調べ方
Androidスマホやパソコンの場合、様々な種類があるため個別に調べる必要があります。
検索エンジンを使って「機種名」+「Bluetoothバージョン」というように検索すれば、バージョンを調べることができるでしょう。
機種によって表記の仕方は異なりますが、「Bluetoothバージョン:5.0」のように記載されています。
iPhoneでの調べ方
iPhoneの場合、iPhone SE~iPhone 7 Plusまでは「Bluetooth 4.2」、iPhone 8以降は「Bluetooth 5.0」となっています。
そのため、使用するiPhoneのBluetoothのバージョンに合わせ、機種に対応したバージョンのワイヤレスイヤホンを選ぶと良いでしょう。
Bluetoothのバージョンの違いや互換性を理解する
Bluetoothには様々なバージョンがあり、それぞれ通信距離や安定性などが異なります。
Bluetooth機器を購入する際は、ぜひ本記事で紹介したBluetoothのバージョンの概要やバージョンごとの特徴、Bluetoothのバージョンでのイヤホンの特徴などを参考に、快適に利用できるバージョンのものを購入するようにしましょう。