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【2023最新】食べ物小説ランキングTOP12!ほっこりするベストセラーや料理が出てくるおすすめの物語

食べ物短編ベストセラー2023最新ほっこり小説グルメ

2023/11/05

小説やエッセイにしばしば登場する「食べ物」。

美味しそうな料理や、アッと驚くような使われ方をした食材など、物語の中で「食べ物」は多様な魅力を放っています。

今回は、「食べ物」をテーマにした様々な小説をランキング形式でご紹介します!

 

※ランキングは筆者の感想に基づき、独断で作成しております。

目次[ 表示 ]

料理が美味しそう!「食」がテーマの小説を読もう

温かくて美味しい料理で疲れた登場人物たちの心を癒す…。

そんなイメージが強い食べ物小説ですが、ほっこりした小説のほかにも、様々な小説が発表されています。

料理にトリックをしこんだミステリー小説に、料理から始まるドロドロとした人間ドラマ…。

料理の描写が美味しそうなことは勿論、小説のストーリー自体にも多分に魅力が含まれています。

食べ物小説はネットなどで再現レシピが掲載されている場合も多いため、是非気になったメニューを検索してみてください。

【2023最新】食べ物小説ランキングTOP12!

1.『東京近江寮食堂』/渡辺淳子

※引用元:Amazon

あらすじ

定年退職を間近に控え、10年前に失踪した夫を探すためにやってきた妙子。

慣れない東京の地でトラブルに見舞われ、ひょんなことから谷中にある宿泊施設・近江寮で食事をつくることに。

個性的な管理人や常連客の貧相な食生活を改善していくうちに、妙子の料理は人を動かし、運命を変えていく…。

滋賀県の郷土料理を文字で味わおう!食べ物小説の傑作

還暦間近の主人公・妙子は滋賀県の出身。

慣れない東京の地でたどり着いた県民寮「近江寮」で、同じく滋賀県出身の人々に滋賀の郷土料理を振舞います。

「滋賀の郷土料理って?」という方も多いかもしれませんが、この小説を読むと衝動的に滋賀県までその魅力的な料理を食べに行きたくなること間違いなし!

料理の描写は勿論、それぞれの登場人物もとても生き生きと描写されており、物語の先行きに少しハラハラしながらも、ほっこりココロを温めることができる小説です。

著者
渡辺淳子
出版社
光文社
ページ数
289頁
価格(税込)
726円

2.『ランチのアッコちゃん』/柚木麻子

※引用元:Amazon

あらすじ

彼氏にフラれ気分絶不調の最中、怖い上司「アッコ女史」こと黒田敦子部長から突然1週間のランチ交換を命じられた派遣社員・澤田三智子。

アッコ女史の風変わりなお昼のコースを巡るうちに、三智子は自分に自然と活力が湧いていることに気づき…。

柚木麻子の出世作!ココロのビタミン剤

柚木麻子を一躍人気作家へと押し上げた大ヒットシリーズ「アッコちゃんシリーズ」。

シリーズ累計16万部を突破し、多くの人にココロの栄養素を与え続けています。

柚木麻子といえば、2020年に発表され話題となったベストセラー『BUTTER』などでも絶賛されたように、丹念で「贅沢」なグルメの描写が人気ですが、この『ランチのアッコちゃん 』でもその筆力は余すことなく発揮されています。

こんな上司が欲しい!と、思わずバリバリの営業ウーマン系上司「アッコ女史」に会いたくなる小説です。

著者
柚木麻子
出版社
双葉社
ページ数
200頁
価格(税込)
591円

3.『ランチ酒』/原田ひ香

※引用元:Amazon

あらすじ

バツイチ・アラサー・職業「見守り屋」。

犬森翔子は様々な事情を抱える客からの依頼に応え、人やペットに限らず、とにかく頼まれたものの寝ずの番を勤める。

そんな翔子の唯一の贅沢は、別れた夫のもとで暮らす愛娘の幸せを願いながら、最高のランチと酒に癒される束の間の時間、「ランチ酒」。

食べ物小説といえばこの人!原田ひ香の「絶品」グルメ小説

『三千円の使い方』で話題となった、食べ物小説の名手・原田ひ香。

原田ひ香の描く小説に登場する料理は多くの熱烈なファンにより再現され、レシピが多数公開されています。

カフェや温かい料理など、健康的なイメージが強い食べ物小説ですが、この作者の食べ物小説には、「酒」が登場します。

子供や女性だけでなく、働き盛りの所謂「おじさん」たちにも好評間違いなしのメニューも多数登場するため、是非幅広い年代層に読んでほしい小説です。

「見守り屋」とは?と思った方は是非、物語を紐解いてみてください。

著者
原田ひ香
出版社
祥伝社
ページ数
322頁
価格(税込)
759円

4.『食堂のおばちゃん』/山口恵以子

※引用元:Amazon

あらすじ

姑の一子と嫁の二三が仲良く切り盛りしている定食屋兼居酒屋「はじめ食堂」。

心と体、そしてお財布にも優しい二人の料理は、明日への活力になります。

元・食堂のおばちゃんが描く食べ物小説!著者によるレシピを添えて

何故か故郷を思い出し、温かい気持ちになる言葉「食堂のおばちゃん」。

東京の下町にある食堂で、家族が仲良く切り盛りしている財布に優しい定食屋さんと聞けば、もうそれだけでココロが癒されてしまうかもしれません。

食堂を切り盛りする一子と二三、そして常連さんたちの温かい人柄とそれを取り巻く人間関係は、ときに波乱万丈ありつつも、読者に明日を生きる活力を与えてくれます。

一昔前の物価がまだ低い時代を舞台としているため、懐かしい思い出を引き出してくれる小説です。

是非シリーズ作品と併せてお楽しみ下さい。

著者
山口恵以子
出版社
角川春樹事務所
ページ数
221頁
価格(税込)
660円

5.『カレーライスは知っていた』/愛川晶

※引用元:Amazon

あらすじ

警察への通報の直後に殺された女性のマンションに残されていた、カレーの入った鍋。

宮城県警きっての敏腕凄腕刑事である父の留守を預かっていた美少女代理探偵・根津愛は、なんとたった一口そのカレーを食べただけで犯人を名指ししてしまう…。

食べ物ミステリーの傑作!被害者のマンションに残されたカレーに潜む謎とは?

ほっこり王道食べ物小説とは打って変わり、この小説は「食べ物」にトリックを仕掛けたミステリー小説です。

古いミステリー小説ですが、今なお多くのミステリーファンを唸らせています。

「美少女探偵」とあるため、キャラクター性の強いアンチミステリーかと思いきや、中身はかなり本格派

表題作のカレーライスのほか、コロッケ、納豆など、食べ物とからめたトリックが冴えわたります。

なぜ愛はカレーライスを一口食べただけでその殺人事件の犯人を名指しすることができたのか?

是非根津愛の推理に挑戦してみてください!

著者
愛川晶
出版社
光文社
ページ数
505頁
価格(税込)
412円

6.『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』/標野凪

※引用元:Amazon

あらすじ

住宅街の大通りを1本逸れた、鬱蒼とした木々に囲まれたおひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。

都会の喧騒から少しだけ遮断され、暖かな日差しが差し込むこのカフェは、いつもより気分が沈んだときだけ、なぜか見つけやすくなります。

今日も、店主そろりの優しい料理を求めて、頑張りすぎたお客さんたちがこのカフェを訪れる…。

毎日がんばるあなたへ。ドードーのような考え方と美味しい料理を提供します。

毎日が頑張りの連続な社会。

SNSや人間関係、理想の生き方に感染症…。様々な困難が毎日疲れたココロを蝕んできます。

毎日にちょっと疲れたとき、この小説を読んで「自分をいたわる」ことをしてみませんか?

「自己肯定感を上げるやかんコーヒー」や、「心が雨の日のサンドイッチ」など、思わずなんだろう、と気になってしまうようなメニューがあなたを迎えてくれます。

絶滅してしまった鳥・ドードー。その生き方は、私たちの日常に少し違う視点を提供してくれるかもしれません。

著者
標野凪
出版社
双葉社
ページ数
240頁
価格(税込)
630円

7.『うしろむき夕食店』/冬森灯

※引用元:Amazon

あらすじ

「うしろむき」なんて名前だけれど、出てくる料理とお酒は絶品揃いのお店「うしろむき夕食店」。

ステンドグラスが嵌め込まれた観音開きの扉のレトロな洋館からは、今日も満月のような照明のあかりと、おいしそうな匂いが漂ってきます。

そんな「うしろむき夕食店」の名物「料理みくじ」は、食事にも人生にも迷ってしまうお客さんに意外な出会いを提供してくれると評判で…。

人生の壁にぶつかってしまった貴方に必要な「うしろむき」

可愛いエビフライが印象的な表紙の本作『うしろむき夕食店』。

きりりとした白髪の女将と不幸体質の希乃香さんが元気に迎えてくれる「うしろむき夕食店」の名物「料理みくじ」は、その名の通り食べる料理を御神籤で決めます。

うしろむき」とは、決してネガティブな思考のことではありません。

ほっこりさせてくれるだけでなく、明日を生きるための活力や希望を与えてくれるこの物語の指す、「うしろむき」とは何か?

人生に迷ってしまったそこの貴方、是非「うしろむき夕食店」へと赴いてみてください。

著者
冬森灯
出版社
ポプラ社
ページ数
301頁
価格(税込)
814円

8.『食堂かたつむり』/小川糸

※引用元:Amazon

あらすじ

同棲していた恋人に全て持ち逃げされ、恋だけでなくあまりにも多くのものを失ってしまった倫子は、衝撃のあまり声も失ってしまう。

山あいのふるさとへ戻った倫子は、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない小さな食堂を始める…。

ほっこり…だけじゃない!不穏な棘が読者を刺す食べ物小説

本作の著者小川糸といえば、『ライオンのおやつ』などほっこりと温かい感動小説の中で巧みに料理を登場させるイメージがありますが、この作品は全体を通してかなり落ち着いた雰囲気に包まれています。

同著者の他の作品と同様に調理過程や料理自体が丹念に描写されていながらも、人間の優しさという皮を剥ぎ、「生きる」ということを浮き彫りにする本作。

人生の転機に訪れるお客さんの心を動かす料理を作る倫子の心はどこまでも落ち着いていて、「食べる」ということと「生きる」ということについて考えさせられます。

感動して泣いたり、ほっこりしたり、逆に不気味に感じたり…。

読後の解釈がかなり読者に委ねられた作品です。

著者
小川糸
出版社
ポプラ社
ページ数
290頁
価格(税込)
616円

9.『タルト・タタンの夢』/近藤史恵

※引用元:Amazon

あらすじ

フランスの田舎にあるレストランやオーベルジュを転々としながら修行してきた変わり者のシェフ三舟が営む、下町の片隅にある小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」。

無精ひげを生やし、髪を後ろで無造作に束ねた無口なシェフは、その料理で本当のフランス料理好きの舌を唸らせるだけでなく、客たちが巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎まで鮮やかに解き明かします。

絶品フランス料理と共に味わう、極上の本格ミステリ

2021年に放送された、西島秀俊さん主演のTVドラマ 『シェフは名探偵』の原作小説である本作『タルト・タタンの夢』。

数多く存在するグルメ小説と比較し、フランス料理に関する専門知識がかなり豊富に含まれているため、フランス料理に馴染みのない方は少し戸惑ってしまうかもしれませんが、シェフの鮮やかな料理と謎解きの腕に、たちまち虜になります。

人が死なない日常系ミステリのため、普段ミステリー小説を読まない方にもおすすめです。

是非、名前を聞いただけでは想像がつかない異国の料理に想いを馳せながら、謎を紐解いてみてください。

著者
近藤史恵
出版社
東京創元社
ページ数
212頁
価格(税込)
770円

10.『お江戸やすらぎ飯』/鷹井伶

※引用元:Amazon

幼いころに江戸の大火で両親と生き別れ、吉原で育った佐保には、ある特殊な力があった。

佐保が持つ能力、それは身体の不調を当て、症状に効く食材を見出す力。

佐保はその能力を活かし、病人を救う料理人を目指す!

江戸時代の「食の知恵」!美味しくて健康になる、やさしい料理

時代小説とグルメ小説をかけ合わせた名作シリーズ「お江戸やすらぎ飯シリーズ」。

人の体調に合わせた料理を見極めることができる少女・佐保は人々を癒すため、漢学や薬膳を活用した療養食を提供する料理人を目指します。

グルメ小説にはココロを癒して身体の健康につなげる物語が多いですが、この小説は病人の身体にダイレクトな優しさを提供します。

巻末にはレシピが付属しており、読者への癒しの提供にも余念がありません。

是非美味しい知恵をココロと身体で味わってみてください!

著者
鷹井伶
出版社
KADOKAWA
ページ数
288頁
価格(税込)
748円

11.『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』/古内一絵

※引用元:Amazon

あらすじ

元超エリートイケメン、現ドラッグクイーン。

そんな彼(彼女)が、ある町の路地裏で営む店には、今日も様々な悩みを抱える人たちが集まってきて…。

「オカマ」が提供する言葉と料理がお客を包む夜食カフェ

疲れたお客さんたちを明るく励まし、滋養たっぷりの料理で癒してくれる180cm越えの「オカマ」店主・シャール

現在ではあまり使われていない「オカマ」という言葉があえて多用され、シャールの人格がより生の人間らしく、読者に寄り添うように描かれています。

料理の描写も丁寧で、思わず食べたくなるものばかり。

身近な人にも打ち明けられず、独りで悩んでしまう夜23時に思わず開きたくなる物語です。

著者
古内一絵
出版社
中央公論新社
ページ数
265頁
価格(税込)
1,650円

12.『おいしいごはんが食べられますように』/高瀬隼子

※引用元:Amazon

あらすじ

職場でそこそこ上手く生きている二谷と、皆に守られながら生きる芦川。

そして、優秀で頑張り屋だけれども「上手くやる」ことができない押尾。

二谷は料理上手な芦川と付き合いながらも、息苦しさから押尾との共犯関係に走り…。

食べ物を通して描かれる胸糞人間ドラマ

第167回芥川賞を受賞した本作『おいしいごはんが食べられますように』は、食べ物を通して人間関係が「胸糞悪く」描かれるという、グルメと人間関係を描いた小説としては珍しいジャンルの物語です。

誰に感情移入するかで胸糞ポイントが変わってきますが、登場人物たちは皆三者三様の「ままならさ」を抱えて生きています。

職場内の微妙な人間関係の中で「上手くやる」のが幸せなのか、仕事は出来なくても周囲に庇われ「女性らしい」生き方をするのが幸せなのか、人間関係が上手くいかなくとも仕事を「頑張って」キャリアを築くのが幸せなのか…。

162頁と短いですが、心に残り続けます。

著者
高瀬隼子
出版社
講談社
ページ数
162頁
価格(税込)
1,540円

飯テロ小説からミステリーまで!幅が広い「食べ物」小説

ダイエット中は絶対に読んではいけないような「飯テロ」小説からトリッキーな本格ミステリー、そして胸糞人間ドラマまで…。

「食べ物」を描いた小説には、まだまだ様々な名作が存在します。

是非小説を読んで、絶品料理を目で味わってみてください

この記事を書いた人

Yu

千葉県出身の「Yu」です。 主に、小説、メイク・コスメのジャンルを執筆しています。 本が大好きで、幅広く読んでいます。 皆様のお役に立てるような情報を発信してまいります!

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