エンタメ

死ぬまでに読むべき本ランキングTOP32!名作と呼ばれるベストセラー小説・自己啓発・教養本

教養自己啓発実用書読むべき本小説

2024/04/07

1冊の本を読み終わったとき、次に何を読むか迷ったことはありませんか?

せっかく時間をかけて本を読むのであれば、時間に見合う程価値のある本を読みたいですよね。

今回は、小説や自己啓発本、教養本まで、一生に一度は読むべき本をランキング形式でご紹介します!

目次[ 表示 ]

一生に一度は読むべき!人生を豊かにしてくれる本

一生に一度は読むべき本とは、どのような本でしょうか?

人によって好みのジャンルや文体が分かれるなかで、それでも多くの人に「読むべき」とおすすめしたい本とは、「人生を豊かにしてくれる」本です。

ここでの「人生を豊かにしてくれる」本とは、例えば自分の人生だけでは見ることのできないものを見せてくれたり、味わうことのできないものを感じさせてくれたり、限りある人生の幅を広げてくれるような本を指します。

勿論、1冊の本を読み通すにはそれなりの時間が必要となってくるため、基本的には好きな本を読むべきですが、次に読む本が決まっていないというときは、是非人生を豊かにしてくれる「名作」を手に取ってみてください。

有名な本ばかりなので、あらすじだけは知っているという方も多いかもしれませんが、「名作」たちは結末を知っていても楽しめる本ばかりです。

また、死ぬまでに読みたい本と合わせてこちらの記事では死ぬまでに食べたいものを紹介しています。
読書のお供にぜひいかがでしょうか?

死ぬまでに食べたい本当に美味しいお取り寄せ12選!スイーツやおつまみなど

死ぬまでに読むべき本ランキングTOP32!

1.『カラマーゾフの兄弟』/ドストエフスキー

※引用元:Amazon

あらすじ

町で有名なフョードル・カラマーゾフの家に、一家の兄弟3人が集合した。

父と遺産問題で揉めている長男・ミーチャ、西洋的インテリの次男・イワン、無垢な修道僧の三男・アリョーシャ。

そして、私生児のスメルジャコフ…。

一家が抱える問題は次第に混迷を極め、遂に父親のフョードルが殺害される。

世界最高峰の小説

読むべき小説は?と問われたとき、村上春樹など多くの著名人や有識者があげる本こそ、『カラマーゾフの兄弟』です。

「プロとコントラ」など一部難解な章もありますが、物語自体はミステリー小説のような筋であり、また光文社古典新訳文庫の亀山郁夫訳では現代的で平易な文章が用いられているため古典文学に馴染みのない方でも読みやすくなっています。

本作『カラマーゾフの兄弟』をはじめ、『罪と罰』『悪霊』『未成年』『白痴』は「ドストエフスキー5大長編」と呼ばれており、いずれも名作揃いで日本人に人気が高いため、是非死ぬまでに読んでみて下さい。

著者
ドストエフスキー著/亀山郁夫訳
出版社
光文社
ページ数
443頁(1巻)
価格(税込)
796円(1巻)

2.『死に至る病』/キルケゴール

※引用元:Amazon

あらすじ

「死に至る病」とは「絶望」のことである。

哲学者キルケゴールが、人間の絶望に関する考察を書き綴った著作。

人間の「絶望」三段階

本作は、キルケゴールが教化(=人を教え導き、内面的な影響を与えて望ましい方向へ進ませること)を目的として、キリスト教的な観点から人間の絶望について考察した哲学書です。

哲学書と聞くと「難しそう」と敬遠されがちですが、世にありがちな専門用語で固められた難解な本とは異なり、哲学的な知識が無くても充分に楽しめる内容になっています。

自分が絶望していることに気付いていない俗世間の人々の「絶望」から、神の前にひとり孤独に「絶望」している人間まで、「絶望」が三段階にわたって考察されており、後世の文学に少なからぬ影響を及ぼしました。

「死に至る病」とは何か?是非、その答えを紐解いてみてください。

著者
キルケゴール著/斎藤信治訳
出版社
岩波書店
ページ数
237頁
価格(税込)
1,001円

3.『悲しみよこんにちは』/サガン

※引用元:Amazon

あらすじ

もうすぐ18歳を迎えるセシルは、プレイボーイの父レイモンとその恋人のエルザの3人で南仏の海辺の別荘へヴァカンスに出かける。

大学生のシリルとの恋を楽しんでいたセシルだったが、ヴァカンスに合流したアンヌと父が再婚に走り始めたことを察知し、再婚を阻止するためある計画を実行する…。

「わたしは、観念的な存在などではなくて、感受性の強い生身の人間を、侵してしまったのだ」

10代の少女の繊細で生々しい内面が鮮やかに描かれている本作『悲しみよこんにちは』は、発表当時日本でも大きな話題となりました。

フランス文学らしい雰囲気の中で紡がれる17歳の少女とプレイボーイの父、そしてその父をとりまく女性たちの一夏の物語は、どこか物悲しく、心に残るような後味を残してくれます。

父親の再婚を妨害するために様々な策略を巡らせる主人公セシルは、その行為はアンヌという生身の人間を侵すということに、取り返しがつかない状況になるまで気付くことが出来ませんでした。

人と対峙するとき、相手は自分が脳内で描いた一面的で観念的な存在ではなく、生身の人間であることを忘れてはいけない、と教えてくれる名作です。

著者
サガン著/河野万里子訳
出版社
新潮社
ページ数
197頁
価格(税込)
649円

4.『モンテ・クリスト伯』/アレクサンドル・デュマ

※引用元:Amazon

あらすじ

若く優秀な船乗りであるエドモン・ダンテスは、婚約者と結婚式の最中、ダンテスを憎む恋敵や仕事仲間、隣人の陰謀により、無実の罪で逮捕される。

監獄のなか、真実を知ったダンテスは自らを陥れた者たちへの復讐を誓う…。

世界一名高い復讐譚

アレクサンドル・デュマによる『モンテ・クリスト伯』は、復讐劇が描かれた小説のなかでは世界で最も高名であり、何度も映画や劇場で演じられてきました。

人を憎むことを知らなかった善良な青年エドモン・ダンテスが、思想犯として投獄された先の監獄でファリア司祭と出会ったことをきっかけに莫大な富と豊富な知識を手に入れ、領地持ちの貴族「モンテ・クリスト伯」となりかつて自分を陥れた人々に復讐していく…。

「古典」に分類されますが、もともと大衆向けに書かれた娯楽小説のため、物語自体が面白く、難解な表現や思想は登場しません。

エドモン・ダンテスが正体を隠し相手に近づき復讐を遂げる様や、成功し社会的地位を得た人間がかつての罪に苦しみ、溺れていく様が鮮やかに描かれています。

勧善懲悪的な雰囲気や、シェイクスピアの悲劇のようなロマンティックな恋愛劇もあり、日本人にとっても馴染みやすい名作古典物語です。

著者
アレクサンドル・デュマ著/山内義雄訳
出版社
岩波書店
ページ数
353頁(1巻)
価格(税込)
946円(1巻)

5.『星の王子さま』/サン=テグジュペリ

※引用元:Amazon

あらすじ

飛行機が故障し、砂漠に不時着した「僕」が出会ったのは、いくつもの星を巡って7番目の星・地球にたどり着いた、ちいさなちいさな星の王子さまだった。

「いちばんたいせつなこと」について教えてくれる物語

本作『星の王子さま』は世界中で70年以上愛され続けており、不朽の名作として大切に読み継がれてきました。

日本では多くの学校が授業教材として採用しているため、学生時代に読んだという方も多いのではないでしょうか。

児童向けに出版されることが多いこの本ですが、大人にこそ読んでほしい、読むべき本です。

童話のような短い物語であり、読むのに長い時間はかからないため是非未読の方も、かつて読んだという方も読んでみてください。

王子さまが地球にたどり着くまでに見てきた大人に滑稽さを感じながらも、どこか自分との共通点があるように思えるのではないでしょうか。

目には見えない大切なことについて教えてくれます。

著者
サン=テグジュペリ著/河野万里子訳
出版社
新潮社
ページ数
443頁(1巻)
価格(税込)
528円

6.『今昔物語集』/国東文麿

※引用元:Amazon

あらすじ

インド・中国・日本の1000を超える説話を収めた、日本最大の説話集。

日本に今も根付く「因果応報論」

本作『今昔物語集』は、その名の通り釈迦降臨から、本作が成立したとされる平安末期までの、昔話や噂話など口伝によって人々が語り継いできた様々な説話が収録されています。

日本に今も根強く残っている「因果応報論」を説く物語など、中心となっているのは仏教説話です。

仏教説話といっても民話のようなもので、教科書よりも分かりやすく仏教の教えを説いています。

極楽浄土があるという西へひたすら進み、仏の声を聞いたという悪人の話など、面白い話がたくさん掲載されているので、是非手に取ってみてください。

著者
国東文麿著/武石彰夫訳
出版社
講談社
ページ数
592頁(本朝世俗編上)
価格(税込)
1,848円(本朝世俗編上)

7.『ツァラトゥストラ』/ニーチェ

※引用元:Amazon

あらすじ

山に入り、孤独のなか思索を深めていたツァラトゥストラは、人々にその知恵を説き、間違った道徳を打破するため、山を下りた。

「人類への最大の贈り物」

神は死んだ」という言葉で有名な哲学者ニーチェの代表作、『ツァラトゥストラ』。

人類への最大の贈り物」「ドイツ語で書かれた最も深い作品」とニーチェ自身が自負しており、物語形式のためニーチェ作品の中では一番読みやすい作品です。

『新約聖書』の福音書で語られる、イエスの生涯をモチーフとしながら、作品全体でイエスのもたらした道徳を批判しているため、『新約聖書』と併せて読むとさらに面白く読めるかもしれません。

ニーチェといえば「ニヒリズム」で、なんとなく暗いイメージを持っている方が多いですが、ニーチェの作品自体は非常に明るく、活気に満ちており、哲学にありがちな陰鬱なイメージとはかけ離れています。

ただ、この作品で語られているニーチェの思想は非常に観念的で、単体で理解するには限界があるため、作品を理解したいという方は、後にニーチェ自身が出している解説書『この人を見よ』や、『道徳の系譜学』『善悪の彼岸』など他の著作を読んで理解を深めるのがおすすめです。

著者
ニーチェ著/丘沢静也訳
出版社
光文社
ページ数
325頁(上巻)
価格(税込)
858円(上巻)

8.『完全自殺マニュアル』/鶴見済

※引用元:Amazon

あらすじ

身近な道具で簡単に自殺する方法や、最も苦しまずに自殺する方法まで、様々な自殺方法を徹底的に解説するマニュアル書。

自殺者を激減させた「聖書」

本書は、19993年7月に太田出版から発行されるや否や瞬く間に10代〜20代を中心に爆発的なブームを引き起こし、ミリオンセラーとなりました。

かなり賛否の分かれた問題作ですが、何故か発売から2年間、自殺者は激減

辛いときいつ死んでもいいと思うと、じゃあ今じゃなくてもいいか、と思わせてくれる、お守りのような本です。

様々な自殺方法をジャンル別に分け、必要な道具、苦痛度や手間、リスク、事例に統計と徹底的に解説しており、変わった方法で自殺を遂げた事例までおまけとして掲載されています。

自殺について解説しているのに、なぜか非常に明るく、読者を笑顔にさせてくれるガイドブックです。

著者
鶴見済
出版社
太田出版
ページ数
198頁
価格(税込)
1,282円

9.『金閣寺』/三島由紀夫

※引用元:Amazon

あらすじ

幼いころから父親に最高の美として教えられ、自身も最高の美として崇めていた金閣。

少年はなぜ、破滅に至ったのか。

「金閣を焼かなければならぬ。」

三島由紀夫の代表作である本作は、実際に1950年7月1日におこった金閣寺焼失事件を基に、犯人の青年僧の心理に迫った傑作純文学です。

幼いころから金閣の美しさに取りつかれた青年が、戦争でも焼けなかった金閣を前に、「金閣を焼かなければならぬ」と決意し、自分の中の金閣寺の幻想と心中するように破滅していく。

身体的なハンディキャップを抱えて育った少年の養育過程から、実際に金閣寺を焼き、パンを口に掻き込むシーンまで、非常に丹念に描写されています。

なぜ青年は金閣を焼かなければならなかったのか?

三島由紀夫の文学世界に、是非身を投じてみてください。

著者
三島由紀夫
出版社
新潮社
ページ数
384頁
価格(税込)
825円

10.『純粋理性批判』/カント

※引用元:Amazon

あらすじ

空間とは、時間とは何か?認識はどのように成り立つのか?

従来の形而上学を批判し、古代以来哲学が抱えてきた難問に挑む。

現代哲学の祖カントの代表作

現代の哲学者や思想家の大多数はカントを支持しており、カントの思想に影響を受けています。

日本においてもカント主義が主流となっており、カントを理解することは現代哲学を理解するために必須となっています。

生涯生まれついた地ケーニヒスベルクから出ることなく、常に同じ歩幅で歩き続けたカントが見つけた真理とは?

『実践理性批判』と併せてお楽しみください。

著者
カント著/中山元訳
出版社
光文社
ページ数
422頁(1巻)
価格(税込)
990円(1巻)

11.『神曲』/ダンテ

※引用元:Amazon

あらすじ

35歳のダンテは、尊敬する古代ローマの大詩人ウェルギリウスの導きにより、地獄・煉獄・天国をめぐる。

現在の「地獄」のイメージを作り上げ、定着させた名著

「地獄」というと、どのようなイメージを持ちますか?

実は、現在多くの人が思い浮かべる、罪の重さによって階層が分けられ、悪魔が跳梁跋扈するような「地獄」のイメージを作り、定着させたのはこの『神曲』なのです。

ギリシャ神話や聖書に登場する偉人達から、ダンテの論敵まで、実に多くの人々が登場し、絢爛たる世界観を織りなしています。

後の時代の文学にも影響を与えていますが、特に「地獄編」は世界的に高く評価されており、世界文学の最高傑作と言われています。

とにかく登場する人物が多く、「誰?」となりがちなので、『ギリシャ神話』を読んでから挑戦するのがおすすめです。

著者
ダンテ著/平川裕弘訳
出版社
河出書房新社
ページ数
509頁(地獄編)
価格(税込)
1,078円(地獄編)

12.『ファウスト』/ゲーテ

※引用元:Amazon

あらすじ

満たされない欲求をもてあまし、鬱屈した退屈な日々を送っていたファウストは、悪魔メフィストフェレスを呼び出し、死後の魂と引き換えに契約を結ぶ。

ドストエフスキーなど、後世の文豪に多大な影響を与えた不朽の大作

本作『ファウスト』は2部構成で、主人公ファウストが悪魔と契約して若返り、人生のあらゆる快楽や悲哀を体験する物語が描かれています。

誘惑する悪魔と魂を救済する天使というモチーフは後の作家たちに多大な影響を与えており、特にドストエフスキーは『カラマーゾフの兄弟』や『悪霊』など多くの著作で『ファウスト』のモチーフを多用しています。

古典文学を読み始める際は、是非『ファウスト』をご一読下さい。

著者
ゲーテ著/手塚富雄訳
出版社
中央公論新社
ページ数
465頁(悲劇編第1部)
価格(税込)
1,540円(悲劇編第1部)

13.『源氏物語』/紫式部

※引用元:Amazon

あらすじ

皇子に生まれながらも、幼くして母を亡くし、近衛中将となった光源氏の、栄華を極めた生涯。

学校で習う「古文」の基となっている物語

学校で「古文」の時間に読んだという方も多い『源氏物語』。

奈良時代から江戸時代まで、幅広い年代の文学を「古文」という授業では扱っていますが、なぜ習う文法はひとつなのだろう、と不思議に思ったことはありませんか?

そもそも言葉とは時代や使い手によって変化するものであり、「正しい用法」というものが確定し難いものですが、日本の教育課程における「古文」は、この『源氏物語』での用法を採用し、文法を統一したのです。

全54巻と長く、登場人物も多いため読み通すのは至難の業ですが、現代語訳やダイジェスト版、コミカライズなども多数出版されており、取り掛かりやすいように様々な工夫が凝らされています。

是非、読みやすい媒体で物語の流れや登場人物のイメージを掴んでから、全文にチャレンジしてみてください。

著者
紫式部著/柳井滋他訳
出版社
岩波書店
ページ数
624頁(1巻)
価格(税込)
1,584円(1巻)

14.『夢をかなえるゾウ』/水野敬也

※引用元:Amazon

あらすじ

夢を隠し持ちながらも、ダメダメな人生を送っている「僕」のもとに、突然現れたインドの豊穣の神「ガネーシャ」を名乗る、何故か関西弁で話す奇妙なゾウ。

ニュートンやビルゲイツ、孔子まで、自分が育てたおかげで成功したと豪語するゾウは、「僕」にこのままでは成功できないという現実を叩きつける。

小説形式で楽しく読める!日本一読まれている自己啓発本

現在0巻から4巻まで、5巻発行されている人気シリーズ『夢をかなえるゾウ』。

建築家になりたいという夢を抱きながら、行動を起こすことなくくすぶっていた主人公のもとに現れたゾウ・ガネーシャが提示した課題は、どれも即日実践できるような簡単なものばかり。

小説形式のため物語自体も面白く、主人公と一緒になって課題にチャレンジしよう!と思わせてくれます。

何故か関西弁で喋る親しみやすいガネーシャと一緒に、夢を叶える道を歩んでみませんか?

著者
水野敬也
出版社
文響社
ページ数
364頁(1巻)
価格(税込)
1,595円

15.『華氏451度』/レイ・ブラッドベリ

※引用元:Amazon

あらすじ

華氏451度。この温度で紙は引火し、そして燃える。

主人公モンターグは「ファイアマン」として、日々451と刻印されたヘルメットをかぶり、禁止された「本」を燃やしてまわる。

しかし、風変わりな少女と出会い、本と心中する老女を見て、「本に何かがある」と悟った主人公は、燃やされる直前の本を1冊家に持ち帰り…。

「本」が禁止された近未来

互いに相反する内容を綴って人を惑わせ、憂鬱に陥れるとして「本」が禁止され、所持が確認されると「ファイアマン」によって家ごと燃やされる近未来。

人々は高速で走る車と四方から自分に語り掛けてくるテレビに夢中になり、「本」という存在を自主的に廃していきます。

スピードや爆音など即物的な快楽に興じる人々を弾劾し、「本」を守ろうとする少数派「知識人」は憎まれ、迫害を受け、社会はますます均質になり、人々の知能は低下していく…。

統計データを記憶して「自分の頭で考えた気」になり、爆音を響かせて生理的な反応を興し「映画を楽しんだ気」になる民衆たちの姿が批判的に描かれ、「本」が廃りつつある現代社会を鋭く批判した本作は、70年前に描かれているにもかかわらず、ますますリアルに私たちに迫っています。

5分で読めるダイジェスト版を読めばそれでいいのか?「本」には価値があるのか?是非、考えてみてください。

著者
レイ・ブラッドベリ著/伊藤典夫訳
出版社
早川書房
ページ数
299頁
価格(税込)
946円

16.『ドン・キホーテ』/セルバンテス

※引用元:Amazon

あらすじ

騎士道物語を読みすぎて頭がおかしくなり、自分が騎士であるという妄想にとりつかれてしまったアロンソ・キハーノはドン・キホーテと名乗り始める。

古ぼけた甲冑に身を包み、痩せ馬ロシナンテに跨って従者サンチョを従え、愛しの姫ドゥルシネーアのため、いざ冒険へと旅立つ!

滑稽ながら、登場する誰もが愛おしい不朽の名作

『アーサー王伝説』や『シャルルマーニュ伝説』など、騎士道を貫く騎士たちの登場する小説を読みすぎて、自分も騎士であると思い込み、巨人討伐へ出かけるドン・キホーテは、やせこけた身体で剣をふりまわし、風車へ立ち向かいます。

その時代錯誤な妄想と、行動の滑稽さは周囲の嘲笑を呼びますが、誰に諭されても決して自分の妄想を諦めず、憧れの騎士道物語に出てくる冒険を遂げようとする姿は400年以上世界中で愛され続けてきました。

かの有名な日本最大級のディスカウントストアも、彼の既存の常識や権威に屈しない姿に理想を見出し、同じ名前を冠してます。

登場人物全員が饒舌で、愛らしい、でもやっぱりどこか滑稽な小説です。

著者
セルバンテス著/牛島信明訳
出版社
岩波書店
ページ数
431円(前編1巻)
価格(税込)
1,100円(前編1巻)

17.『モモ』/ミヒャエル・エンデ

※引用元:Amazon

あらすじ

町はずれの円形劇場跡に迷い込んだ不思議な少女モモ。

町の人たちは、彼女に話を聞いてもらい、幸福な気持ちを楽しんでいた。

しかし、そこへ「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄り、人々からどんどん「時間」を盗んでいく…。

世界中で読み継がれてきた「資本主義」への批判書

本作『モモ』は時間どろぼうに時間を奪われた人々が殺伐とした雰囲気をまとい、街も色を失くしていくという、児童向けのファンタジー小説ですが、資本主義や合理主義を痛烈に批判しています。

資本主義の発達以降、「時間」というものは何よりも効率的に使わなければいけないという風潮が広がり、現代では「タイパ」という言葉が当たり前に用いられるようになりました。

しかし、『モモ』のなかでは人々が節約した時間が時間どろぼうに奪われていましたが、「タイパ」を突き詰めてまで節約した時間はいったい何に消費されているのでしょうか?

流行りのおもちゃを手にし、モモと語り合うことを辞めてしまった子供たちの物悲しさが胸に刺さります。

著者
ミヒャエル・エンデ著/大島かおり訳
出版社
岩波書店
ページ数
409頁
価格(税込)
880円

18.『変身』/カフカ

※引用元:Amazon

あらすじ

ある朝、グレゴール・ザムザが何か気がかりな夢から目を覚ますと、自分が一匹の巨大な虫になっているのを発見した。

カフカを理解すれば、世界が広がる

フランツ・カフカの代表作『変身』は、ある日突然人間が巨大な虫へと変貌してしまう、という常人ではなかなか理解が追い付かないような物語であり、かつ虫へと変貌するメカニズムや理由が一切解明されないため、なんとも気持ちの悪い小説です。

発表と同時に当時の文学界に衝撃をもたらし、様々な解釈を呼びました。

『変身』に限らず、カフカの作品は何れも理解ができないという気持ち悪さがあり、『審判(判決)』や『断食芸人』、『城』など最早グロテスクとしか言いようのない世界観が描かれています。

しかし、カフカは通常の人間が描くことのできない世界を描いており、カフカの世界の一端でも理解できると、自分の世界を広げることができます。

『変身』は短く、またカフカ作品の中では比較的理解しやすいため、カフカ入門書としておすすめです。

著者
フランツ・カフカ著/高橋義孝訳
出版社
新潮社
ページ数
121頁
価格(税込)
506円

19.『サラバ!』/西加奈子

※引用元:Amazon

あらすじ

父の海外赴任先であるイランで生を受けた歩は、革命のあおりを受け日本への帰国を余儀なくされる。

難なく小学校に溶け込んだ歩とは対照的に、特別を目指した結果「御神木」とバカにされ、孤立していく姉。

そんな折、再び父の赴任が決まり、一家全員でエジプトへと越す。

裕福な日本人と、物乞いをする子供たち

第152回直木賞を受賞した本作『サラバ!』の上巻では、社会に旨く馴染むことのできない姉と対照的に、かわいらしい容姿と器用な立ち回りで周囲から可愛がられて育つ歩の幼少期が語られます。

西加奈子の小説にしばしば登場する、「選ばれた自分と、選ばれなかった誰か」というテーマこの作品にも息づいており、何不自由なく暮らす私たちがいる一方で、満足に食べることもままならず児童労働や物乞いで日銭を稼ぐ子供たちが確かに世界に存在することを思い起こさせてくれます。

母親が邪険にあしらっている物乞いの少年たちに、いつも大人たちにしているように微笑みかける歩と、そんな歩に唾を吐きかけるエジプトの少年。

日本では発展途上国を支援する留学プロジェクトが整備され、多くの中高生が支援に訪れ、賞賛されていますが、その姿は現地の人々にどのように映っているのでしょうか。

著者
西加奈子
出版社
小学館
ページ数
331頁(上巻)
価格(税込)
792円(上巻)

20.『ボッコちゃん』/星新一

※引用元:Amazon

あらすじ

バーで人気の美人店員、「ボッコちゃん」には、ある大きな秘密があった。(表題作)

教科書にも採用された、日本のSFを確立した巨匠

日本SF三大作家のひとり、星新一の代表作である本作『ボッコちゃん』には、表題作を含め星新一自身が選んだ50のショート・ショートが収録されています。

時事問題や性描写を一切用いず、登場人物も一切の個性が排された普遍的な人物のため、大人から子供まで、年代を問わず長年愛されてきました

日本人は3人称の文章を書くのが苦手であり、また日頃の訓練をしていない人は文章が書けないと星新一は自身のエッセイにおいて語っています。

実際、星新一の簡潔明瞭な文章は、一見真似しやすいように見えて、プロの作家ですらその文体を完全に真似できる人はいません。

是非、星新一を読んで類稀なる文体を感じてください。

著者
星新一
出版社
新潮社
ページ数
280頁
価格(税込)
737頁

21.『ヴェニスの商人』/シェイクスピア

※引用元:Amazon

あらすじ

恋に悩む友人のため、自身の肉1ポンドを担保に悪徳高利貸しシャイロックから借金をしてしまう若き商人アントーニオ―。

商船が嵐でことごとく遭難し、財産のすべてを失ってしまった彼が、いよいよ胸の肉を切り取らなければならなくなったとき…。

世界で一番知られている作家シェイクスピア

世界中で最もその名を知られている作家は間違いなく彼であるというほど、人類史全体に大きな爪痕を残した偉大な作家ウィリアム・シェイクスピア。

4大悲劇」と呼ばれる『ハムレット』『オセロー』『リア王』『マクベス』や、喜劇作品『夏の夜の夢』『から騒ぎ』など、多数の名作を世に多く残しました。

その中でも、特におすすめしたいのがこの『ヴェニスの商人』。

勿論、『ロミオとジュリエット』などの悲劇作品は人間の豊かな感情を味わうことのできる、人生を豊かにしてくれる作品ですが、この『ヴェニスの商人』は日本において最も早くから上演されており、背景にある宗教対立や人種差別について考えさせてくれます。

現代でも多くの作品がシェイクスピアをモチーフとしているため、シェイクスピアを読んで是非それらの作品への理解を深めてください。

著者
シェイクスピア著/福田恒存訳
出版社
新潮社
ページ数
176頁
価格(税込)
440円

22.『ソクラテスの弁明・クリトン』/プラトン

※引用元:Amazon

あらすじ

若者を誘惑し、堕落させた罪で裁判にかけられたソクラテスの弁明と、死刑宣告を受けた彼が脱獄を唆す友人に語った言葉。

哲学の祖ソクラテスが遺し、プラトンが書き綴った言葉

高校の倫理で習うソクラテス。

無知の知」や「悪法もまた法なり」という名言はよく知られていますが、「哲学の祖」と言われる彼の思想は多岐にわたります。

しかし、ソクラテスは書物を人々の記憶を阻害するものとして嫌っており、その思想を自身では書き遺そうとしませんでした。

そんな彼の思想を後世にまで遺し、「哲学の祖」とまで言わしめた人物こそ、ソクラテスの弟子、プラトンです。

本作『ソクラテスの弁明』においては、裁判で自己の思想を高らかに演説する姿から、粛々と罰の執行を待つ姿まで、プラトンから見たソクラテスの姿が綴られています。

かなり短く、読みやすいため是非「哲学の祖」の思想に触れてみてください。

著者
プラトン著/久保勉訳
出版社
岩波書店
ページ数
135頁
価格(税込)
572円

23.『戦争と平和』/トルストイ

※引用元:Amazon

あらすじ

帝政ロシア末期、ナポレオンが率いるフランス軍はロシアへ侵攻を始める。

首都サンクトペテルブルクにまでフランス軍が侵攻したこの歴史的大戦争という国難に、ロシアの民衆は貴族から農民まで、例外なく巻き込まれていく。

こちらの本は映画化もされています。
以下の記事では死ぬまでに観たい映画もご紹介しているので、ぜひご覧ください。

死ぬまでに見るべき映画25選!邦画・洋画など不朽の名作を厳選

「いつかは読みたい本」代表、世界最高の長編小説

2011年に朝日新聞がとった、「いつかは読みたい本ランキング」で『源氏物語』や『坂の上の雲』に続き、第3位となった本作『戦争と平和』。

とにかく長いと評判で、光文社古典新訳文庫で全5巻。それぞれ500頁を優に超えています。

しかし、読む前はその圧倒的なボリュームに気圧されても、いざ頁を開くとスルスルと物語世界に入り込めるため、想像よりも早く読み終わります。

また、ニコライとソーニャ、マリアの三角関係はどうなるのか、ナターシャとアンドレイの恋の行方は…と、続きが気になるようなストーリー展開となっており、難解と言われる部分も概ね史実通りのため、一般に思われている程読み難い小説ではありません。

「いつか」ではなく、「今」物語のページを開いてみませんか?

著者
トルストイ著/望月哲男訳
出版社
光文社
ページ数
525頁(1巻)
価格(税込)
1,188円(1巻)

24.『アンネの日記』/アンネ・フランク

※引用元:Amazon

あらすじ

ドイツで裕福なドイツ系ユダヤ人家庭の次女として生まれたアンネは、ナチスの迫害から逃れるためオランダのアムステルダムへ移住する。

その後、姉マルゴーの召喚を期に隠れ家生活に入った一家。

ナチによって強制収容所へ連行されるまで、ナチ占領下で13歳から15歳を過ごした、少女の夢と苦悩。

ユネスコ世界記憶遺産に登録された、人類が受け継いでいくべき記録

『アンネの日記』は、第2次世界大戦のドイツで起きたユダヤ人迫害を、ユダヤ人の少女目線で書き綴った日記です。

現在でも、人種差別や虐殺という人類の忌まわしい記憶を忘れないよう、世界中で読まれています。

ユダヤ人を迫害したナチスが成し遂げたかった、「民族浄化」。

これは、決して大戦下のドイツだから起こり得た特殊なケースではありません。

日本にも、1996年までは優生思想に基づく「優生保護法」が存在していました。

この日記を開くときは、是非自分の中の優生思想と向き合ってみてください。

25.『百年の孤独』/ガルシア=マルケス

※引用元:Amazon

あらすじ

蜃気楼の村コマンドという広い世界で、村の開拓者一族ブエンディアン家が、6代に渡って経験してきた、人間の苦悩の数々。

世界の小説のあり方を変えた小説

『百年の孤独』の成立以前と成立以後で、世界の小説は分けられるとされるほど、多くの作家に影響を与えた本です。

独特な語り口で、いきなり「アウレリャノ・ブエンディア大佐」が銃殺される直前のシーンから始まるため、読み始めはかなり戸惑いますが、読み進めていくと不思議な文体で語られる、不思議な世界「コマンド」に引き込まれていきます。

様々な挿話から成り立っているため、物語の全体像が掴みにくく、読み通すのは根気がいる作業となりますが、個性的なキャラクターが訴えてくる「人間という存在」は、必ず人生を豊かにする知見をもたらしてくれることでしょう。

著者
ガルシア=マルケス著/鼓直訳
出版社
新潮社
ページ数
492頁
価格(税込)
3,080円

26.『こころ』/夏目漱石

※引用元:Amazon

あらすじ

夏の別荘地・鎌倉で「先生」と出会った「私」は、東京へ帰った後も、暫く「先生」との交友を続ける。

「先生」の人間性に惹かれる「私」に対し、どこか一線を引いているような「先生」に蟠りを感じていた「私」は、実家に帰省している間に先生が自死したことを知る。

「私」のもとに届けられた遺書には、先生のある罪について綴られており…。

日本の近代文学を代表する名作

『吾輩は猫である』『三四郎』など、数々の日本史に残る名作を遺した夏目漱石ですが、なかでもこの『こころ』には、日本の純文学特有の心理描写に富んでおり、多くの人を魅了してきました。

精神の未発達ゆえに「先生」を慕う「私」と、それを窘める「先生」の会話や、物語後半部分の「先生」の遺書など、心に深く刻み込まれるような場面が多く、読み終わったときには誰かにこの物語を読んでほしい、と推薦したくなります。

しかし、実は「私」の「先生」に対する感情や「先生」の自殺理由は作中ではっきりと明示されてはおらず、現在でも議論が分かれています。

はっきりと明示されていないからこそ心に染み渡るという、日本の純文学の代表作らしい美しい物語です。

著者
夏目漱石
出版社
KADOKAWA
ページ数
335頁
価格(税込)
360円

27.『人を動かす』/デール・カーネギー

※引用元:Amazon

あらすじ

カーネギー・デールが、その深い人間洞察とヒューマニズムで書きあげた、実話と実践を交えた人が生きていくうえで身に着けるべき人間関係の原則。

あらゆる自己啓発書の原点

上記で紹介した、『夢をかなえるゾウ』でも用いられている、人付き合いの根本原則を解き明かした実用書です。

現在読まれている実用書の多くがこの本を基に書かれているため、人間関係の実用書を手に取るならばまずこの本を手に取ることをお勧めします。

作家である著者が集めた豊富な実例と事例で分かりやすく書かれており、内容も「笑顔を忘れない」「まずほめる」など、突飛ではない、人間関係の当たり前を思い出させてくれるものです。

人間関係が上手くいっていないという方は、是非この本にある根本原則から実践してみてください。

著者
デール・カーネギー著/山口博訳
出版社
創元社
ページ数
320頁
価格(税込)
715円

28.『「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版』/シェリー・ケーガン

※引用元:Amazon

あらすじ

魂の不存在と、人格の同一性について、デカルト的観点から論理的に導き出す。

「魂」は存在するのか?

一時期電車広告などで盛んに宣伝され、話題となった本作『「死」とは何か』。

しかしこの本の内容は、広告を見た人が恐らくイメージしたであろう内容とはかなりかけ離れています。

本作では、人間を精神と肉体の二元論で考えたデカルトの手法の考察を通して、「魂」や「死後の世界」が存在するかどうかということや、主観的自己同一性、安楽死や尊厳死の是非について述べられています。

目が覚めたとき、あなたは自分が「自分であること」を証明できますか?

もしかしたら今これを見ているあなたは、昨晩眠っている間に記憶や意識を入れ替えられた「誰か」かもしれません…。

著者
シェリー・ケーガン著/柴田裕之
出版社
文響社
ページ数
751頁
価格(税込)
3,135円

29.『セロ弾きのゴーシュ』/宮沢賢治

※引用元:Amazon

あらすじ

上手に弾くことができず、楽団のお荷物だったセロ弾きのゴーシュは、夜ごと訪れる動物たちにセロを弾くうち、名手となっていく。

またこちらは大人気ジブリアニメにもなっています。
他にも死ぬまでに観たいアニメをこちらの記事でも紹介しているのでぜひご覧ください。

死ぬまでに見るべき神アニメ6選!バトル系や大人が見ても面白いなど

宮沢賢治の童話的世界観と優しい物語

宮沢賢治の代表作といえば、『銀河鉄道の夜』や『注文の多い料理店』ですが、この『セロ弾きのゴーシュ』は、『銀河鉄道の夜』ほど観念的でなく、『注文の多い料理店』ほど童話的でもありません。

しかし、それゆえに楽団の合奏でいつも音を台無しにしてしまうゴーシュの不器用な感情や、動物たちの豊かなキャラクター性がほんのりと心を照らしてくれます。

「ゴーシュ」とは、フランス語で「左」という意味で、宮沢賢治がこの物語を書いた当時の日本では左利きの人間は「不出来」や「不器用」な人として、差別の対象となっていました。

左利きの不器用なゴーシュの物語は、この時代に生きた童話作家・宮沢賢治ならではの優しい物語です。

著者
宮沢賢治
出版社
KADOKAWA
ページ数
323頁
価格(税込)
572円

30.『存在と時間』/ハイデガー

※引用元:Amazon

あらすじ

「存在」とは何か?

「ある」という概念を、「時間」との関係で定義したハイデガーの代表作。

「ある」とは何か

「存在する(ある)」とは何かと問われて、皆さんは答えることができますか?

人間は当たり前のように「ある」という概念を用いていますが、実はその定義を突き詰めて考えようとした古代ギリシア以降の無数の哲学者たちは、はっきりとした答えを見出すことが出来ませんでした。

この、「ある」とは何かという難問に対し、ひとつの答えを提示したのが本作『存在と時間』です。

読破するのに時間がかかり、理解するのにはもっと時間がかかるため多くのダイジェスト版が出版されていますが、名著と呼ばれる本は、時間をかけてでも読む価値のあるものです。

長いようで短い人生、「ある」ということについて考えてみませんか?

著者
ハイデガー著/中山元訳
出版社
光文社
ページ数
466頁(1巻)
価格(税込)
1,386円

31.『沈黙の春』/レイチェル・カーソン

※引用元:Amazon

あらすじ

自然の力を忘れた現代人により、自然は破壊された。

化学薬品が自然を破壊し、人体を害しているなか、私たちは何をすべきか。

自然保護と化学物質公害の重大性

人々の生活を豊かにするかに思われた化学薬品は植物や動物を蝕み、人々が愛した鳥たちの鳴き声は、春になっても響かなくなってしまった。

化学薬品が引き起こした自然破壊や健康被害について、事例ごとにその被害や原因、現状について具体的に解説した本作『沈黙の春』。

発表と同時に世界中に衝撃とともに受け入れられ、自然環境保護の重要性について議論を巻き起こしました。

人類の生活を豊かにする為に開発された薬品たちはなぜ公害を引き起こしたのか?

調査と対策、自然に対する正しい理解について訴えた本です。

著者
レイチェル・カーソン著/青樹簗一訳
出版社
新潮社
ページ数
394頁
価格(税込)
825円

32.『失われた時を求めて』/プルースト

※引用元:Amazon

あらすじ

夢うつつのなか語られる、ひとりの人間の長い、長い人生。

世界で最も長い小説

「最も長い小説」としてギネス世界記録に登録された小説『失われた時を求めて』。

しかし、ただ長い小説であれば100年以上「名作」として読み継がれはしません。

ひとりの人間の長い人生を描いた物語は、人間心理を丹念に、美しく描写しています。

光文社古典新訳文庫では現在6巻まで刊行されていますが、完結までほど遠く、まだまだ新刊を待つ必要があります。

既訳はいくつか出版されていますが、完結済みの邦訳でおすすめなのは、岩波文庫(全14巻)です。

既訳で一気に読み進めるもよし、発刊を待って少しずつ読み進めるもよし。

是非、世界で一番長く、完成された世界を堪能してください。

著者
プルースト著/高遠弘美訳
出版社
光文社
ページ数
376頁(1巻)
価格(税込)
1,056円(1巻)

名作は、思い立った今読むべき

名作とは、得てして「いつかは読みたい…」と思いつつも、その長さや格式の高さに気圧され、なかなか手が出せないものです。

しかし、いざページを開いてみると、今度はその面白さに圧倒されるかもしれません。

長い間、多くの人を魅了してきたからこその「名作」。

ダイジェスト版や要約が多数出版されていますが、それはあくまで参考程度に。

是非、「名作」に自分の目で触れてみてください。

この記事を書いた人

Yu

千葉県出身の「Yu」です。 主に、小説、メイク・コスメのジャンルを執筆しています。 本が大好きで、幅広く読んでいます。 皆様のお役に立てるような情報を発信してまいります!

SHARE

この記事をシェアする