「ねえナナ。あたし達の出会いを覚えてる?あたしは運命とか信じちゃうタチだから、これはやっぱり運命だと思う」
このセリフ、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは、りぼんで連載された『NANA』という漫画の登場人物、ハチの名言です。
今回は、最近また話題が沸騰している、漫画『NANA』について、簡単なあらすじとネタバレ、その後の考察についてご紹介していきます!
私自身、『NANA』がとても好きな作品なので読んだことがある人も、ない人も、ぜひ興味を持っていただけたら幸いです!
※この記事はネタバレを含んでいます。
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漫画『NANA』について
出典:Amazon
『NANA』は、矢沢あいさんが手がける少女漫画作品です。
おおまかなあらすじは以下の通りになっています。
東京に住む彼氏と同居するために、上京してきた小松奈々。
そしてミュージシャンとして成功を掴むために東京に出てきた大崎ナナ。
同じ年で同じ名前の二人は東京へ向かう電車の中で運命的な出会いを果たします。
偶然が重なり一緒に同居することになった二人ですが、ナナの所属するBLACK STONESとナナの恋人である本城連が所属するTRAPNEST、二つのバンドのメンバーとの関わりを深めながら物語は進んでいきます。
恋愛や友情、そして音楽に対する情熱が溢れる感動の物語です。
この『NANA』は2019年時点で累計発行部数5000万部を記録しており、2006年にはアニメ『NANA-ナナ-』が放送され、また2005年には映画化もされました。
最近のTikTokでは『NANA』ブームが最熱しており、数多くの投稿にアニメ『NANA』のエンディング曲である『黒い涙』が使用されています。
『NANA』の登場人物
ここからは『NANA』の登場人物について簡単に説明していきます。
大崎ナナ(おおさきなな)
出典:RENOTE
1981年3月5日生まれ。『NANA』の主人公。
作品中に登場するバンド「BLACK STONES」のメインボーカリストです。
ナナの母親は4歳の時に蒸発し、父親はもともといませんでした。育ててくれた祖母もナナが15歳の時に亡くなっています。
そんな時にノブの紹介で本城連と出会い、交際を始めます。
母親に捨てられてしまったトラウマからか、独占欲が強く、恋人である蓮だけでなく、奈々やヤスにも依存しているような様子が見られます。
ナナは勝気で言葉遣いが悪く、キレやすい性格だといえますが、とても愛情深く仲間思いです。
小松奈々(こまつなな)
出典:RENOTE
通称「ハチ」。
1980年11月30日生まれ。『NANA』のもう一人の主人公です。
ナナとの共同生活初日に、彼女から「妙になつっこくて従順なんだけどすっげぇ世話がかかる犬みたい」という発言から「ハチ」と呼ばれるようになります。
奈々は一般家庭の出自で、三人姉妹の次女で県内普通レベルの女子高を卒業しています。
性格はナナとは対照的で、愛嬌があり天真爛漫で、誰にでも好かれる愛されキャラです。
しかし、一目ぼれが多く流されやすい一面もあり、恋愛体質です。
BLACK STONES(ブラスト)
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ここからは、大崎ナナがメインボーカルを務めるパンクバンド「BLACK STONES(通称:ブラスト)」のメンバーを紹介していきます。
「ブラスト」は「ブルート」を解散したヤスとレンを中心に、レンの後輩であったノブと、ノブの同級生であったナナを誘って結成されたバンドです。ナナの地元で当時はアマチュアとして活動していましたが、レンの脱退で活動休止を余儀なくされてしまいます。
その後、上京してきたナナを追ってノブが合流、ベーシストとして新たにシンが加入したことに加え、弁護士事務所で働くヤスも再びドラムでの参加を決意し、新生ブラストとして活動を再開します。
実力はもちろん、ナナとレンの熱愛報道もあり、一気に人気を集め、メジャーデビューまで昇りつめ、最終的にはトラネスと肩を並べるバンドとなります。
高木泰士(たかぎやすし)
初登場時21歳。ブラストのリーダーでドラムを担当。
ナナの保護者的な役割を務めているところからも伺えるように、スキンヘッドにサングラスという凄みや威圧感を感じさせる見た目とは裏腹に、広い心を持ち大人っぽい性格で、周囲から絶大な信頼を得ています。
気分の波が激しく「今」にしか目がないメンバーたちと対照的に、常に先を見据え冷静な判断をしています。
寺島伸夫(てらしまのぶお)
ナナと同い年で、初登場時は18歳。ブラストのギタリスト、作曲担当。
旅館を経営する裕福な家庭の一人息子として生まれ、何不自由なく育ちました。
奈々と性格は似ていて、人懐っこく騒がしいですが、そんな性格や見た目の反面、真面目でお酒に弱い一面も見られます。
後に、奈々と交際しますが、奈々と元カレのタクミの間で妊娠が発覚し、二股を疑ってしまったことで別れてしまいます。
岡崎真一(おかざきしんいち)
ブラストのベーシスト。初登場時15歳。
生まれと育ちはスウェーデン。
母親はシンが生まれて間もなく自殺し、シンの父親が母親の浮気相手であったという理由から、父からは邪険な扱いを受けるなど、複雑な家庭の生い立ちです。レンに憧れており、ギターの弾き方がレンに酷似していると言われています。
複雑な生い立ちなこともあり、年齢に関わらずませているが、その反面無邪気で子どもっぽく、仲間思いな性格です。
後に「トラネス」のレイラと恋愛関係に発展するようになります。
TRAPNEST(トラネス)
出典:UtaTen
次は、「TRAPNEST(通称:トラネス)」のメンバーたちについて紹介していきます。
「トラネス」はレイラとタクミを中心に結成されたロックバンドです。
ブラストと同じ町でインディーズとして活動し、後にブラストを脱退したレンがメンバーに加わり、メジャーデビューを果たします。
日本でトップを誇る超人気バンドです。
芹澤レイラ(せりざわれいら)
トラネスのボーカリスト兼作詞担当。
日本人離れした美貌と抜群の歌唱力で舞台上では、高嶺の花のような存在です。
しかし、その印象とは異なり、子どもっぽく天然な性格です。日本人とアメリカ人のハーフですが、公表していません。
幼馴染のタクミのことをずっと好きで密かな恋心を抱いています。
本城蓮(ほんじょうれん)
元ブラストのベース担当で、途中から脱退、その後はトラネスのギターと作曲を担当しています。
ヤスや他のメンバーで結成されたブルートの解散後、中学の後輩のノブ、その友人で会ったナナとともにブラストを結成しました。
ブラストではノブにギターを担当させ、レンはベースをしていましたが、トラネスのメジャーデビューに際してギターとしてタクミに引き抜かれ、トラネスに加入することになりました。
穏やかで温厚な性格だが、繊細な部分を持っており、「ナナとトラネスどっちも大切にしたい」という思いからドラッグに手を染めてしまうようになります。
一ノ瀬巧(いちのせたくみ)
トラネスのリーダーでベース担当兼プロデューサー。
根っからの仕事人間で、頭の回転が早く、とっさの判断による対応で周囲の人たちをピンチから救う場面も多々見られました。
父親がアルコール依存症で、母親は病気でタクミが高校三年生の時に亡くなりました。それゆえ、温かい家族に憧れているという一面も持っています。
後に奈々と恋愛関係に発展し、妊娠が発覚したことから、奈々と結婚します。
藤枝直樹(ふじえだなおき)
トラネスのドラム担当。
奈々と同様、中流階級の家庭出身という一般的な生い立ち。
非常に明るく、単純な性格で、バンドのムードメーカー的な存在です。
私生活でヤスと親密に関わっており、何かあるとすぐにヤスに告げ口するところがあります。
『NANA』のあらすじを簡単にご紹介
ここからは、『NANA』のあらすじについて、5巻ずつ簡単に説明していきます。
1~5巻までのあらすじ
日本一のボーカリストになるという夢を叶えるために上京したナナと彼氏を追いかけて上京してきた奈々(ハチ)。二人は偶然同じ新幹線に乗り合わせ、隣の席に座ります。そして、数日後に二人は再会を果たし古いアパートで二人で同居をすることになりました。
その後ナナは、上京してきたヤスとノブ、新メンバーのシンを加えた4人で東京で新生BLACK STONES(ブラスト)を結成します。一方、ハチは専門時代から付き合っていた彼氏がバイト先の後輩と浮気をしていたことが発覚し、失恋してしまいます。
傷心中だったハチですが、新生ブラストのライブに訪れ、ブラストの発足当初からファンであった美里と出会います。その美里から、ナナとトラネスのレンがかつて恋人同士であったことを知ります。
そして、ナナをレンに会わせたいという思いで偶然当たったトラネスのライブにハチはナナを誘います。ハチは実家にナナを招待しますが、そこでナナは少しずつ自分の生い立ち、過去の話をし始めます。二人の絆が深まる場面です。
ハチとヤスの計らいで、ライブ後にナナはレンと再会。最初は復縁するつもりはないと主張し続けたナナでしたが、お互いの気持ちを確かめ合い。二人はまた恋人関係に戻ることになるのです。
6~10巻までのあらすじ
レンと再会させてくれたお礼に、ナナは、サプライズでハチの憧れのタクミを家に招き、紹介します。
その後、再びタクミから連絡を受けたハチは、誘いを断れず割り切ってタクミと夜を過ごします。その後、タクミはツアー中にハチとの出来事をメンバーに話しますが、ハチのことが好きになり始めていたノブは、その話を聞いて激怒し、タクミと口論になります。
ハチは、タクミと関係を続けてしまいますが、ノブのことも気になり始め、女遊びの激しいタクミと一途なノブの間で心は揺れ動きます。
その後、ハチはノブとの交際を決意します。しかし、幸せな日々を送り始めていた矢先、ハチの妊娠が発覚します。ハチは「俺の子じゃなくても育てる」と言って認知してくれた経済力のあるタクミと過ごすことを選択します。
ノブを裏切るようになってしまったこと、レンとの報道で気軽に外出できなくなってしまったことが原因で、ナナとハチの間にすれ違いが生じてしまいます。
11~15巻までのあらすじ
レンとナナも同様に、お互い多忙なスケジュールをこなす中ですれ違いが生じていましたが、レンはナナにプロポーズをします。その後二人は結婚記者会見を開き、トラネスとブラストがCDを同時発売することも決定します。
トラネスのボーカルであるレイラの誕生日パーティーで、ナナとハチは仲直りします。ブラストのシンとトラネスのレイラをはじめ、ノブはAV女優の百合と、ヤスは女優の美雨とそれぞれ恋愛関係が始まります。
そんな中、週刊誌にレンとレイラのスキャンダルが出てしまいます。仕事第一のタクミはそれをもみ消す形でハチと入籍します。ハチはレンとレイラの身代わりだということを知らず、素直に喜びます。
スキャンダルが出てしまったことで責任を感じたレイラはシンに別れを告げ、そのことに対して対してシンも「なかったことにした方がいい」と答えます。
16~21巻までのあらすじ
トラネスはパパラッチの目を逸らす目的も含め、イギリスへレコーディング合宿に行くことになります。
シンはレイラに振られてしまい、自暴自棄になります。そしてブラストのツアー前日に薬物使用でで逮捕されてしまいます。シンの逮捕の影響でブラストは活動休止となり、ナナはソロ活動へと転向します。
シンとの別れで孤独感を感じたレイラはずっと思いを寄せていた幼馴染のタクミと愛人関係になります。一方レンは薬物の禁断症状で苦しみ、運転中にナナの幻覚を見ながら交通事故で亡くなってしまいます。
ストーリーの合間には未来の描写が挿入されており、奈々は皐という子供と一緒にいる様子が描かれています。また、ナナは行方不明になっていることがうかがえます。
『NANA』の最終回
ここからは皆さんが気になるであろう『NANA』の最終回について、またその後の考察について解説していきます!
『NANA』は完結していない
結論から言うと、『NANA』はまだ完結していません!!!
『NANA』は2009年から無期限休載中なのです。
これは、作者である矢沢あいさんの健康問題が大きく関係しています。
矢沢あいさんは過去にも健康上の問題を抱えており、長期間の連載や連続した作品作りが身体的・精神的に大きな負担となったため、休息をしていると考えられます。
また、もう一つの理由として「続きが描けない」といった噂もされています。
これは、人気キャラであるトラネスのレンが死亡したことで、誹謗中傷を受けたことも関係しているかもしれません。
連載から10年以上経っても、「NANA」の再開や完結を期待する声は多く出ています。
矢沢あいさんのペースにあわせて、連載再開を待ちましょう!
大崎ナナは死んだのか?
また「ナナが死亡した」という話も出回っていますが、結果としてナナはおそらく死んでいません!!
ナナはレンの死後、塞ぎ込んでしまい、ブラストも活動休止を余儀なくされます。
最愛の人を失った痛みはいつまでも続き、ナナは笑うことも話すこともできなくなってしまいました。
しかし、ブラストメンバーの支えもあり、なんとか人間らしさを取り戻しつつあったナナの姿から場面は切り替わり、未来のシーンになります。
未来のシーンでは、ナナと奈々が同居し、メンバー中でも思い出の地となった707号室にみんなが集まる場面から始まる。そこには、奈々、奈々の子どもである皐、ノブ、ヤス、シンの姿があり、ナナの姿はありませんでした。
未来のシーンまでの間にナナは行方不明となっており、メンバーは必死に居場所を探し回っていました。
そんなメンバーたちの元に、差出人不明の一通の手紙が届き、そこには左腕に蓮の花のタトゥーが入った髪の長いナナの姿が写っていました。
そして、同封されていたビデオテープからはイギリス訛りの英語が録音されており、メンバーたちはナナがイギリスにいるのではないかと推測することができました。
このことから、ナナは亡くなっておらず、イギリスで生きていると考えられます。
漫画『NANA』についてのまとめ!
今回の記事では、漫画『NANA』の登場人物やあらすじ、考察まで解説してきました!
いかがだったでしょうか?
「NANA」は様々な個性を持つキャラクターたち、また彼らの複雑な人間関係が表現された素晴らしい作品ですね!
また、作品は休載中でありながらも、大崎ナナは生きている可能性が高いことが分かりましたね。
矢沢あいさんが自身のペースに合わせて作品連載を再開してくれることを待ちましょう!
私自身、『NANA』はすごく好きな作品の一つなので、この記事で少しでも興味を持ってくれた方がいたら幸いです!