少し寂しい世界の中で、登場人物が交錯していく様子を描いた『スプートニクの恋人』。
そんな『スプートニクの恋人』が好きな人におすすめの小説を5作品紹介します!
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『スプートニクの恋人』とは
まずは『スプートニクの恋人』を復習しましょう!
22歳の春に「すみれ」は生まれて初めて恋に落ちた。恋に落ちた相手はすみれより17歳年上で、既婚者で、さらにつけ加えるなら、女性だった。
小学校の教師である「ぼく」は大学在籍中にすみれと知り合い、以来すみれに恋をしていた。「ぼく」にとって長いあいだすみれしか存在しないのも同じだった。
「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。
広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。
村上春樹の小説は独特な世界観で読解が困難なものも多いですが、その中でも『スプートニクの恋人』は比較的読みやすいです!
タイトルにもある「スプートニク」は人類最初の人工衛星の名前ですが、なぜこれがタイトルに入っているのかは、ぜひ小説を読んで考えてみてください!
『スプートニクの恋人』が好きな人におすすめな本5選
続いて『スプートニクの恋人』が好きな人におすすめの小説を、5作品ご紹介します!
肩ごしの恋人(唯川恵)
室野るり子の結婚式に参加した早坂萌は、新婚の男柿崎祐介と関係を持ったり、家出した青年秋山崇と一夜を過ごすなどしていた。
一方るり子は夫・室野信之に飽き、崇を家に連れ込んだりしていたものの、信之の浮気により家を出て萌の家に押しかける。
萌は会社をやめたばかりであったが、るり子と実家に帰る気のない崇を家に泊め、3人の共同生活が始まった。
浮気や不倫、嫉妬などネガティブな場面も多いですが、その中でも自分で自分を受け入れ、前に進んでいく2人の女性の物語です。
直木賞を受賞したこの小説は、米倉涼子さんが主演でドラマ化されています。
夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)
男性主人公である先輩は、クラブの後輩である黒髪の乙女に恋をしていたが、彼女はそんな先輩の存在にも気づかず自由に過ごしていた。
ある日クラブの先輩のお祝いの会で、黒髪の乙女はお酒を飲みに1人で街に出る。
先輩はそれを追いかけ、乙女の酒飲み対決に居合わせた。
それから2人は何度も出会って不思議な体験をし、徐々に距離を縮めていく。
山本周五郎賞受賞、2007年本屋大賞第2位、アニメ映画化など、輝かしい実績のある恋愛小説です。
不思議な出来事が多く起きコメディ要素も多いため、よくある恋愛小説とはまた違った楽しみ方ができます。
夜のピクニック(恩田陸)
全校生徒が夜通し80キロ歩く高校生活最後のイベント「歩行祭」。
他の生徒たちがこれまでの思い出や卒業後についてにぎやかに語っている中、甲田貴子は三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するため、密かな賭けに臨んだ。
第2回本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞を受賞した小説です。
「みんなで夜歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう」というキャッチコピーで映画化もされていています。
様々な事実が交錯する、どこか不思議な物語です。
阪急列車(有川浩)
片道15分の阪急今津線という列車で出会いが重なり、甘酸っぱい恋愛や壮絶な人間関係などがあらわになる。
すべての短編が様々な方向に交錯し続いていく連作短編集。
他の章の人物や出来事が、また他の章に影響を与えていくという不思議な形式の小説です。
読み終わったあとはほっこりすること間違いなし!
映画化もされていて、主演は中谷美紀さん、戸田恵梨香さん、宮本信子さん、また有村架純さんや勝地涼さんも出演しています。
ストーリー・セラー(有川浩)
デザイン事務所に務める彼の同僚の彼女は、少し変わっていた。
彼は会社でそんな彼女のUSBを見つける。
USBの使用は社内で禁止されていたため、不正をしていないか確認しようとファイルを開くと、そこには彼女が書いた小説があった。
その小説をきっかけに彼と彼女は恋に落ち同棲を始め、ついに彼女は小説家デビューを果たしたが…?
sideAとsideBの2つの物語で構成されていますが、この小説のポイントはどこからが彼女が書いた小説で、どこまでが現実なのかが分からなくなるという点です。
読んでいると頭がふわふわするような感覚になるギミックがあります。
読みやすい恋愛小説がおすすめ!
『スプートニクの恋人』が好きな方には、読みやすい恋愛小説がおすすめです!
ぜひ読んだことのない恋愛小説にも触れてみてください!