小説を読んでいると、著者の独特な世界観を持つストーリーについつい引き込まれてしまうことがありますよね。今回は、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が好きな人に向けて、おすすめの小説を5選紹介します!どれも著者の個性豊かな表現に、読むのを止められなくなってしまうこと間違いなしです!
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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』とは?
本のあらすじ
多崎つくる、鉄道の駅をつくるのが仕事。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。
何の理由も告げられずに。
死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。全米第一位にも輝いたベストセラー。
村上春樹を初めて読みたいという人にとってもおすすめの小説です!36歳になった彼は、絶縁された理由を求め、元親友たちのもとを訪ねます。次々と明かされる絶縁の真相と深まる謎。衝撃の結末には読み返さずにはいられない作品です。
この本は、読む人にとって様々な解釈が存在するというところが魅力のポイントです。読めばその回数だけ新しい発見があるはずです!ぜひあなたなりの解釈を見つけてみてはいかがでしょうか。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が好きな人におすすめの小説5選紹介!
『モルグ街の殺人』|エドガー・アラン・ポー
本のあらすじ
古典ミステリの傑作。歴史上初めての推理小説と言われる「モルグ街の殺人事件」。天才的な探偵オーギュスト・デュパンの名推理が冴える。現代に至るまで推理小説の基礎となった作品。暗号小説の草分け「黄金虫」。オーギュスト・デュパンが活躍する「盗まれた手紙」。三話を収録。
『モルグ街の殺人』は、世界最初の推理小説と言われています。この作品が世に出たのは1841年のこと、なんと今から170年近く前の話になっています。読んでみて驚かされるのは、その内容と手口の斬新さが今なお使われているものであるということです。これから推理小説を読んでいく上で、その原点がどうであったのか、ぜひ読んでみることをおすすめします。
『葉桜の季節に君を想うということ』|歌野晶午
本のあらすじ
かつては探偵事務所で働き、いまは「何でもやってやろう屋」を自称して気ままな生活を送る「俺」こと成瀬将虎。ある日、高校の後輩のキヨシの頼みで、彼が密かに惚れている久高愛子の祖父の不審死と、高額で布団や健康食品を売りつける蓬莱倶楽部の調査を引き受ける。
ミステリー文学賞&年末ランキング4冠、本格ミステリーの新時代を告げた記念碑的傑作です。物語は、「なんでもやってやろう屋」を自称する私立探偵成瀬が、とある霊感商法の調査を依頼されたところから始まる探偵モノです。恋愛要素もふんだんにあり、推理小説初心者でも楽しめる内容になっています。
『青の炎』|貴志祐介
本のあらすじ
櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3 人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。
2003年に、二宮和也(嵐)主演で映画化もされた作品です。主人公は、完全犯罪に挑む17歳の少年。一見完璧に見える完全犯罪でも綻びが露見し、次第に追い詰められていくその過程が丁寧に描写されています。読む人は、主人公が完全犯罪を計画する背景、まっすぐな思いに引き込まれ、いつのまにか謎解きよりもどうか主人公が捕まらないようにと願い始めているはずです。17歳の少年の心の軌跡を描いた青春小説のようなミステリー小説です。
『アヒルと鴨のコインロッカー』|伊坂幸太郎
本のあらすじ
大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的はたった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!四散した断片が描き出す物語の全体像とは?注目の気鋭による清冽な傑作。
推理小説やミステリー小説における文学賞と言えば、推理作家小説やミステリー大賞を思い浮かべますが、この本で受賞したのは、第25回吉川英治文学新人賞です。推理小説やミステリー小説の賞ではないので、いかにこの本が物語として質が高いかを物語っています。作中の文章も、雰囲気の良い読み口で描かれているので、大変読みやすさに優れています。本を読むのが苦手という人にもおすすめしたい一説です。
『七回死んだ男』|西澤保彦
本のあらすじ
同一人物が連続死してしまう恐るべき殺人の環。殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む主人公の少年探偵。どうしても殺人が防げない、不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは?時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。
この作品は、他のミステリー小説と大きく異なる点があります。それは、「犯人を探し出すこと」が目的ではなく、「犯人を阻止すること」が目的のミステリー小説だということです。本作は、タイムトラベルとミステリーを融合させた作品なので、タイトルの「七回死んだ男」とは、主人公の祖父のことです。主人公は、タイムトラベルする力を持ちますが、自分の意思とは関係なく、強制的にタイムトラベルに巻き込まれてしまいます。いつタイムトラベルするかがわからないまま殺人を阻止しようとする様子が、コミカルかつポップなノリで物語はすすんでいきます。こんなにテンポが良くていいのかと思いつつ、いつの間にかゲーム感覚で謎解きに夢中になっていること間違いなしです!ミステリー初心者にとっては楽しめる1冊になっています。
異色な世界観を持つ物語にきっとのめり込んでしまうはず!
いかがでしたか?今回は、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が好きな人に向けておすすめしたい小説を5選紹介してきました!それぞれの著者が描く個性的で独特な世界観に、読んでいてついつい引き込まれてしまう作品ばかりです。
メジャーな小説からマイナー小説まで紹介したので、ぜひ好きな本の幅を広げてみてはいかがでしょうか?