デビュー後すぐに作品がドラマ化され、「メフィスト賞」、「このミステリーがすごい!」など数多くの賞を受賞したミステリー作家、井上真偽をご存じでしょうか?
2015年に『恋と禁忌の述語論理』を発表し、初の文庫化が2017年の『探偵が早すぎる』のため、作品数は少ないですが、1作品1作品がミステリーファンを唸らせるほどの作品になっています。
この記事で紹介している順番に作品を読めば、井上真偽完全制覇です!
『恋と禁忌の述語論理』
※引用元:講談社公式サイト
あらすじ
雪山の洋館での殺人。犯人は双子のどちらか。なのに何れが犯人でも矛盾。
この不可能な事件を“奇蹟”の実在を信じる探偵・上苙丞が見事解決──と思いきや、天才美人学者・硯は、その推理を「数理論理学」による検証でひっくり返す!!
他にも個性豊かな名探偵たちが続々登場。(引用元:講談社公式サイト)
まず最初に読むべき作品は、井上真偽のデビュー作、『恋と禁忌の述語論理』。
この作品の謎の解明役は美人数学者。従来の探偵とは異なり、完全なるミステリー(怪奇現象)を徹底的な「数理論理学」によって鮮やかに謎を解明します。
名探偵が活躍する多くの作品に共通する「探偵の思考がよくわからず、飛躍しているように感じる」という感覚を一切無くし、読者を完全に唸らせます。
『探偵が早すぎる』
※引用元:講談社公式サイト
あらすじ
犯行計画を立てただけなのに……どこからともなく名探偵がやってきた?完全犯罪をもくろむ殺人者は、誰にも見破られぬように犯罪計画を立てた……はずだった。
「キミ、殺そうとしてるよね?」彼の犯罪計画の穴とは!?
ミステリ界が今、最も注目する才能が放つ、究極の倒叙ミステリ!(引用元:講談社公式サイト)
この作品の探偵、千曲川光は、事件が発生する前に、犯人とトリックを暴きだし、主人公を窮地から救います。
「探偵は事件発生後にしか動けない」、江戸川乱歩や横溝正史らが活躍する時代からの常識とも言える批判を覆す、全く新しいミステリーです。
2022年に広瀬アリスさん、滝藤賢一さんらによりドラマ化もされており、人気の作品です。
『その可能性はすでに考えた』
※引用元:講談社公式サイト
あらすじ
山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。唯一生き残った少女には、首を斬られた少年が自分を抱えて運ぶ不可解な記憶があった。
首無し聖人伝説の如き事件の真相とは?
探偵・上苙丞(うえおろじょう)はその謎が奇蹟であることを証明しようとする。(引用元:講談社公式サイト)
『その可能性はすでに考えた』と、その続編である『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』は、井上真偽の代表作といわれるミステリー小説です。
怪奇現象はその原理が解明できなければ奇蹟となる。
主人公はこの世に奇蹟が存在することを証明するため、提示された謎がどのようにしたら引き起こされ得るかということをしらみつぶしに検証していきます。
『ベーシックインカム』
※引用元:集英社公式サイト
あらすじ
SFとミステリーをかけあわせた、井上真偽の短編集です。
収録されている5編は繋がっているような、繋がっていないような…。ラストまで読んで、本当の意味が分かる作品です。
東京大学を卒業している井上真偽ならではのミステリーになっています。
『ムシカ 鎮虫譜』
※引用元:実業之日本社公式サイト
あらすじ
スランプに悩む音楽大学の同級生グループが夏休みに訪れたのは瀬戸内海に浮かぶ小さな無人島「笛島」。
そこには霊験あらたかな音楽の神が祀られているという。
しかし、上陸し神社をお参りする彼らを待ち受けていたのは、なぜかカメムシの大群だった。さらにカマキリ、スズメバチ、ムカデ、そして……。(引用元:実業之日本社公式サイト)
井上真偽の作品群の中で、異色の作品『ムシカ 鎮虫譜』。
ミステリーのジャンルではサスペンスに属する小説です。
論理的な謎解きが特徴的な井上真偽が、虫が人に襲い掛かってくるというショッキングな描写で圧倒的な筆力を発揮します。
井上真偽の新感覚ミステリーを楽しもう!
数多くのミステリー作家がデビューし続ける中でも異色の才能を示している井上真偽。
これからもミステリーファン絶賛の作品を生み出してくれること間違いなしのため、作品数が少ない今、完全制覇を楽しみましょう!