九州といえば焼酎をイメージされる方も多いかもしれません。
しかし、佐賀は周囲の山々の伏流水が豊富であり、古くから九州でも有数の穀倉地帯であることから、伝統的に日本酒造りが盛んな地域でもあります。
今回はそんな佐賀のおすすめの日本酒や酒蔵について紹介します。
目次[ 表示 ]
- 佐賀の日本酒の特徴
- 佐賀には23軒の酒蔵が存在
- 日本酒の製造環境は?
- 味わいの傾向は?
- 佐賀の日本酒おすすめ10選
- 1.東長(あずまちょう)|瀬頭酒造
- 2.能古見(のごみ)|馬場酒造場
- 3.肥前蔵心(ひぜんくらごころ)|矢野酒造
- 4.光武(みつたけ)|光武酒造場
- 5.聚楽太閤(じゅらくたいこう)|鳴滝酒造
- 6.万齢(まんれい)|小松酒造
- 7.幸姫(さちひめ)|幸姫酒造
- 8.松浦一(まつうらいち)|松浦一酒造
- 9.前(さき)|古伊万里酒造
- 10.基峰鶴(きほうつる)|基山商店
- 佐賀にある人気の酒蔵
- 富久千代(ふくちよ)酒造
- 五町田(ごちょうだ)酒造
- 天山(てんざん)酒造
- 東鶴(あずまつる)酒造
- 佐嘉(さが)酒造
- 天吹(あまぶき)酒造
- 佐賀の美味しい日本酒を楽しもう
佐賀の日本酒の特徴
佐賀には23軒の酒蔵が存在
日本酒の製造環境は?
佐賀県は九州の北西部に位置し、北側に玄界灘、南側に有明海と2つの海に接しています。
背振山地の南側から有明海にかけては、筑後川や嘉瀬川等の土砂の堆積により形成された広大で、平坦な低地である佐賀平野が広がっています。
また、年間を通じて温暖な気候にも恵まれており、水路によって細部まで導かれた水資源によって多くの水田が造成され、古くから九州でも有数の穀倉地帯として活用されてきました。
背振山地や多良岳等からの伏流水も豊富であり、古くから酒造りを行いやすい環境にあったといえます。
佐賀における酒造りの歴史は古く、12世紀から13世紀頃の鎌倉時代に「肥前酒」の名称にて、鎌倉幕府に酒を献上していたとの伝承も伝えられています。
特に清酒造りが盛んになったのは19世紀中頃(江戸時代末期)で、佐賀藩10代藩主となった鍋島直正公が、疲弊した藩の財政を立て直すため酒造りを奨励したことによるといわれています。
潤沢にある米の特性を活かし、米の旨みを多く残すことを目指した酒造りをおこないました。
味わいの傾向は?
ふくよかな米の旨みを多く残し、口当たりはまろやかで、口全体に米特有の甘味の広がりが感じられる芳醇な酒です。
このような佐賀の日本酒は、甘味と旨みが豊かな醤油による甘辛い味付けの料理も多い九州の、比較的味の濃い料理とともに味わう食中酒として良く調和します。
佐賀の日本酒おすすめ10選
1.東長(あずまちょう)|瀬頭酒造
※引用元:大吟醸東長 | 東長|瀬頭酒造株式会社
200年以上の歴史を持つ佐賀の老舗蔵、瀬頭酒造の大吟醸酒。
地元農家と自社の田んぼで社員自らが作った山田錦を丹念に磨き、多良岳山系の清冽な水で作ったお酒。
3年連続全国新酒鑑評会金賞を受賞。穏やかな酸味と旨味があり、メロンなどのデザート類やアボカドを使ったサラダなどと相性が良いです。
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『東長』の商品情報
- 銘柄名
- 東長(あずまちょう)
- 酒造名
- 瀬頭酒造
- 味わい
- 甘口/リンゴ・モモのような甘い香り/すっきり濃厚
2.能古見(のごみ)|馬場酒造場
※引用元:純米吟醸 通年商品
原料には佐賀鹿島の山田錦を使用し、『能古見』を代表するお酒として多くの人に親しまれています。
果実のようなかぐわしい香りのあるお酒でありながら、山田錦の味わいをしっかりと出しており、食事との相性が良いです。
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『能古見』の商品情報
- 銘柄名
- 能古見(のごみ)
- 酒造名
- 馬場酒造場
- 味わい
- 甘口/華やかでフルーティーな香り/すっきり
3.肥前蔵心(ひぜんくらごころ)|矢野酒造
1796年の創業から約200年以上も地元から愛され続ける『肥前蔵心』。
「優しい味わいで食に寄り添い豊かさを届ける酒」を目指し、全国の鑑評会でもたびたび入賞しています。
酸味・旨味・渋みの3つのバランスがちょうどよく、キリっとしたドライな味わいが食中酒にもぴったりです。
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『肥前蔵心』の商品情報
- 銘柄名
- 肥前蔵心(ひぜんくらごころ)
- 酒造名
- 矢野酒造
- 味わい
- 辛口/さわやかで酸味のある香り/すっきり軽やか
4.光武(みつたけ)|光武酒造場
1688年創業の光武酒造場の代表銘柄『光武』は、地元佐賀の酒造好適米と多良山系の良質な伏流水を使用しています。
昔ながらの「箱麹」と呼ばれる麹で造られたお酒は、米の旨味が引き出され、芳醇で豊かな味わい、かつフルーティーな香りを楽しむことができ、和食とも相性が良いです。
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『光武』の商品情報
- 銘柄名
- 光武(みつたけ)
- 酒造名
- 光武酒造場
- 味わい
- 甘口/フルーティーな香り/コクのある甘味
5.聚楽太閤(じゅらくたいこう)|鳴滝酒造
300年を超え郷土・唐津に愛され続け、郷土文化の一つとして地酒を世界に発信している鳴滝酒造。
佐賀県産の高品質な米と、極めてなめらかな仕込み水の特性を活かし、丁寧な発酵管理を行っています。口当たり柔らかく、のど越しなめらかでふっくらとした味わいが特徴です。
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『聚楽太閤』の商品情報
- 銘柄名
- 聚楽太閤(じゅらくたいこう)
- 酒造名
- 鳴滝酒造
- 味わい
- 甘口/穏やかな甘い香り/まろやか
6.万齢(まんれい)|小松酒造
※引用元:日本酒 | 小松酒造株式会社
日本酒消費量の縮小を受け、一度は休業となったものの、元証券マンである蔵の長男が復活させた小松酒造。
唐津の自然豊かな環境を活かし、機械に頼らず全工程を手作りで行った日本酒は、さらりとすっきり、キレのある味わいです。
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『万齢』の商品情報
- 銘柄名
- 万齢(まんれい)
- 酒造名
- 小松酒造
- 味わい
- やや辛口/穏やかなバナナ・後から米の香り/淡麗かつふんわりとした旨み
7.幸姫(さちひめ)|幸姫酒造
幸姫酒造は1934年、酒蔵の町・佐賀県鹿島で創業されました。
屋号と代表酒を「幸姫」とする名称は、創業者の一人娘の充実した人生を願う、深い思いが込められているそうです。
甘くて香り高い酒造りで有名な佐賀の日本酒の中でも、こちらではフレッシュでさわやかな味を追求しています。
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『幸姫』の商品情報
- 銘柄名
- 幸姫(さちひめ)
- 酒造名
- 幸姫酒造
- 味わい
- 甘口/メロンのようなフルーティーな香り/ほんのり甘くさわやか
8.松浦一(まつうらいち)|松浦一酒造
創業正徳6(1716)年の松浦一酒造は、フランス・パリの日本酒コンクールにて受賞するなど、実力を兼ね揃えた老舗酒蔵。
甘味、酸味と心地よい苦みがふくよかな味わいを作り出す、バランスの取れた日本酒です。香りも穏やかで飲み疲れもなく、食中酒におすすめです。
『松浦一』のご購入はこちら
『松浦一』の商品情報
- 銘柄名
- 松浦一(まつうらいち)
- 酒造名
- 松浦一酒造
- 味わい
- 甘口/たくわんとリンゴのような香り/すっきりと優しい甘み
9.前(さき)|古伊万里酒造
1909年創業の古伊万里酒造は、佐賀県産の酒米を中心に、竜門水系の軟水で仕込み、ゆっくりと時間をかけて低温発酵することで柔らかな味わいを造り出しています。
その中でも「古伊万里 前」は、佐賀の日本酒の特徴である「甘味」をすっきりと現代風に造り、若い日本酒ファンを中心に人気の高まっている蔵の看板酒。
焼き鳥やから揚げなど、肉料理とも相性が良いです。
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『前』の商品情報
- 銘柄名
- 前(さき)
- 酒造名
- 古伊万里酒造
- 味わい
- 辛口/モモのような香り/ドライな飲み口
10.基峰鶴(きほうつる)|基山商店
※引用元:純大山田 | kiyamashoten
佐賀県と福岡県の県境にある基山商店の代表銘柄『基峰鶴』は、KURA MASTER 2021の純米大吟醸酒部門で金賞を受賞するなど、国内外からの評価も高い日本酒。
地元の人々に美味しいお酒を飲んでほしいとの思いから、品質最優先をモットーに作られています。
基山の伏流水と地元産の山田錦を100%使用した、贅沢な味わいです。
『喜峰鶴』のご購入はこちら
『喜峰鶴』の商品情報
- 銘柄名
- 喜峰鶴(きほうつる)
- 酒造名
- 基山商店
- 味わい
- 辛口/フルーティーな香り/すっきりとした酸味
佐賀にある人気の酒蔵
富久千代(ふくちよ)酒造
佐賀県の日本酒を代表する銘柄『鍋島』を造り出した富久千代酒造。
地元の酒屋を中心に販売し始めた比較的新しい銘柄ですが、2010年には世界的なワイン・コンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」の日本酒部門で一位を獲得するなど、世界的、全国的にも人気の日本酒です。
酒蔵見学はもちろん、レストラン、旅館運営等も行い、鹿島市にある酒蔵と共同して「鹿島酒蔵ツーリズム」を行うなど、酒蔵の価値を発信する新たなビジネスとしても注目を集めています。
『富久千代』酒造について
- 酒造名
- 富久千代酒造
- 創業
- 1923年
- 銘柄名
- 鍋島
- 所在地
- 〒849-1322 佐賀県鹿島市浜町1244-1
酒蔵見学情報
富久千代酒造の運営する『御宿 富久千代』に宿泊の方のみ、見学可能
五町田(ごちょうだ)酒造
引用元:五町田酒造公式サイト
五町田酒造の位置する佐賀県西南部は、三方を山に囲まれ、寒暖の差が激しいため、稲作をはじめとする農業が盛んな地域です。
1988年から地元栽培会と協力し、酒造好適米「山田錦」の栽培を開始しました。現在では収穫量・品質ともに安定し、「米の旨みを表現する」日本酒を醸しています。
『五町田』酒造について
- 酒造名
- 五町田酒造
- 創業
- 1922年
- 銘柄名
- 東一
- 所在地
- 〒849-1425 佐賀県嬉野市五町田甲208
酒蔵見学情報
見学不可
天山(てんざん)酒造
天山酒造は、西日本随一の名滝「清水の滝」が流れる祇園川を目の前に、明治8(1875)年に創業しました。
祇園川には全国名水百選にも選ばれた天山山系の伏流水が流れ、ミネラル分が多いため酒造りにとっては理想的な名水だそう。
毎年6月にはホタルを見ることもできるため、酒造見学のついでにいかがでしょうか。
酒造見学に関しては、現地はもちろんのこと、オンラインやヴァーチャルでの見学も可能です。
「不易流行」という蔵の精神の通り、地元小城の自然の恵みを最大限に生かし、新しい革新的な挑戦を行っています。
『天山』酒造について
- 酒造名
- 天山酒造
- 創業
- 1875年
- 銘柄名
- 天山・七田
- 所在地
- 佐賀県小城市小城町大字岩蔵1520番地
酒蔵見学情報
見学可(要予約)
東鶴(あずまつる)酒造
江戸末期創業の東鶴酒造は、平成元年を境に休業していましたが、平成21年より蔵元自らが杜氏となり、家族ぐるみで経営、酒造りを行っています。
酒造りには多久の山々から流れ込む伏流水で、柔らかくすっきりした味わいの良質な軟水を使用。
多久市に唯一残る酒蔵として、家族の絆を大切に「作り手の顔が見える酒」を作り続けているそうです。
『東鶴』酒造について
- 酒造名
- 東鶴酒造
- 創業
- 1830年
- 銘柄名
- 東鶴
- 所在地
- 〒846-0012
佐賀県多久市東多久町大字別府3625-1
酒蔵見学情報
見学不可
店頭販売あり(不定休)
佐嘉(さが)酒造
佐賀県最古の歴史を持つ佐嘉酒造は、元禄元(1688)年、佐賀藩の余剰米の利用法として酒造りを命じられたのが始まりだそう。
佐賀県の日本酒造りの立役者である、藩主鍋島直正により旧社名である「窓乃梅酒造」と名付けられました。
現在は新たな日本酒文化を提供する酒蔵として、より一層佐賀を盛り上げていくために、「佐嘉酒造」と改名し、営業を続けています。
日本酒だけでなく、焼酎や蒸留酒などの製造もおこなっており、新たな魅力を生み出しています。
『佐嘉』酒造について
- 酒造名
- 佐嘉酒造
- 創業
- 1688年
- 銘柄名
- 窓乃梅・佐嘉
- 所在地
- 〒849-0203
佐賀県佐賀市久保田町大字新田
1833−1640番地
酒造見学情報
見学可(3月の蔵開き・イベント開催時のみ)
天吹(あまぶき)酒造
天吹酒造の特徴は、なんといっても花酵母を使用していることです。
花酵母とは花の中から分離された酵母のこと。フルーティーでキレのあるアベリアや、上品な香りとしっかりとした味わいでお燗にぴったりのマリーゴールドなど、培養する花によって味わいや香りにはっきりとした違いがあり、個性が豊かです。
酒造好適米と背振山系のまろやかな伏流水、そして花酵母という自然の恵みを活かし、独自の製法で造る日本酒は、花酵母の華やかな薫りとお米本来の絶妙な旨味を最大限に引き出します。
『天吹』酒造について
- 酒造名
- 天吹酒造
- 創業
- 1688年-1704年(元禄年間)
- 銘柄名
- 天吹
- 所在地
- 〒849-0113
佐賀県三養基郡みやき町大字東尾2894
酒蔵見学情報
平日のみ見学可(要予約)
佐賀の美味しい日本酒を楽しもう
佐賀の日本酒を10選、酒蔵を6選ご紹介させていただきました。
ひとくちに「佐賀の日本酒」といっても、酒蔵や製法によりどれも味わいは異なり、個性豊かなものばかりです。
酒蔵見学については可能な場所、不可能な場所とありますが、時勢の変化により見学可能となる酒蔵も増えると考えられます。
ぜひ、佐賀へ訪れた際には、美味しい郷土料理にぴったりの日本酒を探してみるのはいかがでしょうか?