目次[ 表示 ]
あさりの砂抜きとは?
あさりはスーパーなどで手軽に入手できる貝類ですが、食べる上で気をつけたいのがあさりの中に含まれる砂の存在です。砂のジャリッとした食感は料理の美味しさを損ねてしまいます。
あさりを美味しく食べるためには、調理する前に内部の砂を取り除く「砂抜き」という処理が必要になります。ぜひ正しい砂抜きの手順を知って、あさりを美味しく料理しましょう。
スーパーで買ったあさりも砂抜きが必要?
スーパーや鮮魚店などで買ったあさりも砂抜きが必要なのでしょうか。
実はあさりは出荷・輸送の段階で砂抜きがされているため、店頭に並んでいるものが大量の砂を含んでいることはほぼありません。よく見てみると、パッケージに「砂抜き済」と記載されているものもあります。
しかしスーパーなどで買ったものは砂抜きが不十分な場合があるため、あさりを買ってきたら砂抜きをすることが大切です。
あさりの砂抜きに必要なもの
あさりの砂抜きに必要なものは主に「水」、「塩」、「バットやボウル」、「ザル」の4つです。あさりを買ってきてすぐに、家にあるもので砂抜きを始められます。
「水」と「塩」については、あさりがひたひたに浸るくらいの量で約3%の塩分濃度の塩水を作る必要があります。塩水の作り方についてもこの記事でご説明します。
あさりを洗うときや塩水に浸したあさりを置いておくときのために「ザル」「バットやボウル」などの容器を用意します。あさりを重ねずに並べる必要があるため、大きめのものを準備しましょう。
他に、3%の塩水を作るためにあると便利なのが「500mlのペットボトル」です。また、砂抜き中のあさりの蓋として「アルミホイル」が適しているので、これらも可能であれば用意しましょう。
基本的なあさりの砂抜き手順6つ
基本的なあさりの砂抜きには6つの手順があり、スーパーで買ってきたあさりも潮干狩りで手に入れたあさりも所要時間が異なるだけで基本は同じです。
また、あさりだけでなくしじみやはまぐりなどの他の貝類も同じ手順で砂抜きできます。
1:あさりを洗う
まず、あさりの殻表面の汚れを取り除くために軽く洗いましょう。水を張ったボウルにあさりを入れ、両手で挟んで軽くこすり洗いしていきます。
スーパーなどで買ったあさりはそれほど汚れていないので、さっと水洗いする程度で問題ありません。逆に潮干狩りでとってきたあさりは丁寧に汚れを落とす必要があります。
2:3%の塩水を用意する
あさりの砂抜きには、海水と同じ濃度の3%の塩水が適しています。あさり300gに対し、水200ml、塩小さじ1杯(6〜7g)が3%の塩水を作る目安です。厳密に計量しなくても、舐めてみて少ししょっぱいと感じる濃度で問題ないと言われています。
もし500mlのペットボトルがあれば、簡単に3%の塩水を作れます。500mlの水に対し、キャップ2杯分(約15g)の塩を加えると、およそ3%の塩水になるためです。
もし潮干狩りであさりをとってくる場合は、可能であれば現地の海水をペットボトルに入れて持ち帰り砂抜きに使用しましょう。人工的に作った塩水よりも、本物の海水の方が砂の抜けが良いと言われているためです。
また、砂抜きの塩水の適温は20度前後です。極端に冷たすぎたり熱すぎたりしないようにしましょう。
3:塩水にあさりを入れる
作った塩水をボウルなどの容器に入れ、その上にザルを重ねてあさりを入れていきます。あさり同士が重ならないようにしましょう。
ザルを重ねるのは、こうすることで砂が下に落ち、一度吐いた砂を再びあさりが吸うのを防げるためです。バットなど平らな容器の場合も同様に、網を重ねるのがおすすめです。
水の量は、あさりがひたひたに浸る程度が最適です。あまり深く浸けてしまうと、あさりが酸欠になって死んでしまうことがあるので、余分な塩水は捨てましょう。
4:蓋をして砂を吐かせる
塩水に浸けたあさりは、アルミホイルなどの蓋をかぶせて置いておきます。蓋をかぶせる理由は、光を遮って砂の中と同じ状態にすることであさりが砂を吐きやすくなるためです。
また、あさりは水を勢いよく吐き出すことがあるので、周辺が汚れるのを防ぐためにも蓋があると便利です。アルミホイルがなければ新聞紙などでも問題ありません。
砂を吐かせる時間ですが、スーパーで買ってきたあさりは一時間ほどで大丈夫です。潮干狩りでとってきたあさりは砂を多く含んでいるので、半日ほど置いておきましょう。
5:塩抜きをする
あさりは砂抜きの過程で、塩水から余分な塩分を吸い込んだ状態になっています。この塩分調整のため、塩抜きという工程が必要になります。砂抜きしたあとは、水を捨てます。あさりを30分ほどザルにあげておくことであさりに塩分を吐かせられます。
6:良く洗う
塩抜きが完了したら、仕上げにあさりを洗っていきましょう。あさり同士をこすり合わせるようにして流水で丁寧に洗います。
あさりを洗うタイミングは、料理に使う直前が適しています。
あさりを上手に砂抜きするためのポイント3つ
あさりの砂抜きがうまく出来たかよくわからないという方のために、チェックすべきポイントをまとめました。悩んだときは是非参考にしてみてください。
また、急いで砂抜きしたいときに役立つ、お湯を使った時短の砂抜き方法についてもご紹介します。砂抜きに十分な時間が取れないというときはこちらも試してみてはいかがでしょうか。
1:砂抜きができているかの目安
あさりを浸けていた容器を見て、砂が落ちていたり塩水が黒く汚れていたりすれば砂抜きができています。
また、砂抜きをしている途中にそっと蓋をめくってあさりの様子を見てみるのもよいでしょう。あさりが水管を出していれば、活発に砂を吐き出しているといえます。
2:あさりが砂を吐かない理由
正しい方法で砂抜きをしたはずなのに、うまくいかないように見える場合は、あさりの鮮度に問題があると考えられます。
残念ながら、活きの良くないあさりや死んだあさりは、長時間塩水に浸けても砂を吐き出しません。あさりが死んでいるか確認するポイントは、臭いと身のはみ出し方です。
新鮮なあさりは臭わないので、生臭いものは避けましょう。また、貝の蓋が開きっぱなしになっていて触っても動かない、逆に蓋が全く開かない場合もあさりが死んでる可能性があります。他にも貝に穴が空いていたり、浸した水が白く濁っていたりしたら要注意です。
死んだあさりを食べると体調不良の原因となり得るため、不安なものはあらかじめ取り除いておきましょう。
3:時短でできる砂抜きの方法
あさりの砂抜きは難しいものではありませんが多少面倒ですし、今すぐ食べたいというときでも時間がかかります。そんなときに試していただきたいのが、お湯を使ったやり方です。
お湯を使うと5分ほどで砂抜きができ、大幅な時短になります。
時短砂抜きに用意するものは「45〜50度のお湯」と「貝を並べられる平たい容器」です。手順も、あさりを容器に重ならないように並べ、お湯をかけて5分ほど置くだけと簡単です。温度が高すぎるとだしが出てしまうので注意しましょう。
しかしこの方法では若干砂が残る場合があるので、時間に余裕があるなら通常の砂抜き方法の方がより綺麗に砂を吐かせられます。
砂抜きしたあさりのおすすめ調理法
上手に砂抜きできたあさりを美味しく食べるための、特におすすめの調理法は「酒蒸し」「お味噌汁」「パスタ」などです。
シンプルながらあさりの旨味が味わえるのは「酒蒸し」です。酒と醤油や粗塩で手早く完成させられるのもポイントです。
あさりのだしが溶け込んだ煮汁を無駄なく使うには、「お味噌汁」や「パスタ」も良いでしょう。酒蒸しで残った煮汁を活用するのもおすすめです。
基本的なあさりの砂抜き方法を知ろう
あさりの砂抜き方法は、基本的な手順を覚えれば難しいものではありません。しじみやはまぐりなど他の貝類でも使える方法ですので、ぜひ日々の料理に活用してみてください。