目次[ 表示 ]
- 忖度の読み方と言葉の意味
- 忖度がポジティブに使われる場合の意味合い
- 忖度がネガティブに使われる場合の意味合い
- 忖度の使い方における3つのポイント
- 1:名詞でも動詞としてでも使える
- 2:かしこまった場で使う
- 3:目上の人に使う
- 忖度を使用した例文
- 友達へ使用する場合
- 上司・取引先・お客様へ使用する場合
- 忖度の間違った使い方
- ネガティブな意味として使用すること
- 「~に忖度」と使わない
- 忖度の類義語として用いられる10の言葉や表現
- 1:斟酌
- 2:推測
- 3:推察
- 4:推考
- 5:顧慮
- 6:憶説
- 7:お心遣い・お気遣い
- 8:くみ取る
- 9:空気を読む
- 10:察し
- 忖度の対義語として用いられる4つの言葉
- 1:利己的
- 2:わがまま
- 3:独善
- 4:身勝手
- 日本と外国の忖度文化の違い
- 忖度を英語表現する場合の使い方
- 忖度の意味と使い方を理解しよう
忖度の読み方と言葉の意味

忖度は「そんたく」と読み、「相手の心中を察したり、推し量ったりする」意味があります。「忖」と「度」の両方に「推し量る」という意味があるため、忖度は似たような意味を組み合わせた熟語になります。また、忖度という言葉は日本文化ならではの言葉になります。
忖度がポジティブに使われる場合の意味合い
忖度の元来の意味である「相手の気持ちを推し量る」ことは、決して悪いことではなく、ポジティブに受け取られることです。
目上の人に限らず、いろいろな相手に対する思いやりを示す言葉になります。仕事や学校、プライベートで相手と付き合うために、無意識のうちに忖度を行うこともあります。
忖度がネガティブに使われる場合の意味合い
元来忖度という言葉には、ポジティブな意味しか含有されていません。しかし、流行語になったことをきっかけに、ネガティブな意味に拡大解釈されるようになりました。
本来の、相手の気持ちを推し量るという意味から、権力がある相手の意向を推し量るというネガティブな意味が含まれるようになりました。
忖度の使い方における3つのポイント

忖度という言葉は、使う時にいくつか注意しなければいけないことがあります。忖度という言葉を使ううえでポイントになることを3つ紹介するので、正しく使えるようにしましょう。
1:名詞でも動詞としてでも使える
忖度は、名詞としても使えますし、動詞としても使えます。名詞として使う場合は、「忖度があった」という形になります。動詞として使う場合は、「忖度する」という形です。
「忖度」のみで使用する場合は、名詞として使うことになるのに対して、「忖度+する(しない)」として使用する場合は、動詞として使うことになります。
2:かしこまった場で使う
忖度という言葉は、日常生活の場で頻繁に使われることはありません。
どちらかというと丁寧な言葉に該当するため、ビジネスシーンや政治の場などのかしこまった場で使用することが多いです。
3:目上の人に使う
忖度という言葉は丁寧な言葉に当たるため、目上の人に使います。目上の人に使用する場合は、ネガティブな意味を含めないように注意してください。ポジティブな意味になるようにしましょう。
忖度を使用した例文

忖度という言葉を正しく使うために、実際にどのようにして使えば良いのか知りたいのではないでしょうか。ここでは、忖度を使用した例文として、友達に使用する場合と上司・取引先・お客様に使用する場合の2パターンを紹介していきます。
友達へ使用する場合
忖度という言葉は、友達などにも使用することが可能です。ここでは、友達へ使用する場合の例文を紹介します。
・仕事で失敗した同僚の気持ちを忖度して、飲み会を開催しました。
・毎日部活で忙しい友人の心を忖度しました。
・試合で負けてしまった友人の気持ちを忖度して、言葉を選んで慰めました。
いずれの例文も相手のことを推し量ったうえで、何らかの行動を取っています。友人の気持ちを気遣うという意味で、忖度という言葉を使うこともあります。
上司・取引先・お客様へ使用する場合
ここでは、上司・取引先・お客様へ使用する場合の例文を紹介します。
・日頃の部長との会話を忖度して、次の食事会は中華にしました。
・日頃のお客様の行動を忖度した結果、最適な提案ができました。
・会議では忖度を止めて、自分の意見を出し合いましょう。
これら3つの例文を見ていくと、上司や取引先、お客様に使うことがふさわしいことが分かります。1つ目と2つ目の例文のように、上司やお客様の意見や行動をベースにして推し量ったうえで、最適な行動を取るということです。
3つ目の例文のように、相手のことを推し量ることは止めて、積極的な意見を出していこうというポジティブな意味でも忖度が使われます。
忖度の間違った使い方

忖度という言葉は、注意して使う必要があります。ここでは、忖度という言葉の間違った使い方について確認しておきましょう。間違った使い方を把握することで、正しい使い方を学ぶきっかけになるでしょう。
ネガティブな意味として使用すること
忖度には、相手の気持ちを察するという意味しかありません。しかし、本来の意味にプラスしてネガティブな意味が含まれる場合は間違いになります。
たとえば、「好待遇での人事異動は、人事部長への忖度の結果だと言われている」という例文は、忖度にネガティブな意味が含まれるため間違いです。正しいと思っている人もいるかもしれませんが、実際には間違いのため注意してください。
「~に忖度」と使わない
忖度の間違った使い方に該当するのが、「~に忖度」です。「~に忖度」という形で使うのではなく、「~を忖度」という形で使うのが正しいです。
たとえば、「部長の立場に忖度した」という文は間違いに該当し、正しくは「部長の立場を忖度した」になります。
忖度の類義語として用いられる10の言葉や表現

忖度の類義語として用いられている言葉がいくつかあります。それぞれの言葉の違いを知ることにより、忖度の正しい使い方が理解できるでしょう。ここでは、忖度の類義語として10の言葉や表現を紹介します。
1:斟酌
斟酌は「しんしゃく」と読み、意味は相手の心情や事情をくみ取ることです。斟酌は忖度の類義語に相当しますが、斟酌は相手のことを推し量るだけでなく、言動を控えたり、手加減したりするというニュアンスが加わることが多いです。
忖度の場合はただ相手のことを思うだけに過ぎませんが、斟酌の場合はそれに加えて行動にも及びます。
2:推測
推測とは、ある情報や物事をベースにしてあらゆるものを推し量ることを言います。客観的な情報や物事をベースにしていろいろと考えを巡らせることで、相手のことを判断するということです。推測する対象として、人だけでなく、物事にも使用できます。
相手のことを推し量るというニュアンスであれば、忖度とそれほど違いがありません。ただし、推測の場合は、客観的な立場から相手を推し量るというニュアンスが強くなります。
3:推察
推察は、他人の事情などに対して心中を推し量ることです。他人の見ることができない心情などを察するということです。
推察が対象とするものは、表現されていない他人の考えや思いです。そのため、考えや思いが言葉で表されていたり、感情を吐き出していたりする場合に、推察が使われることはありません。
内面に留まっている考えや思いを外から推し量ることから、忖度と似ていると言えるでしょう。
4:推考
推考とは、物事などの事情を推測して考えることです。あれこれと事情を推し量って考える頭の中の動きを指します。
忖度は相手の心情を推し量ることを言うのに対して、推考は相手の心情を推測しながら考えるという意味です。考えるというニュアンスを強調しているのが、推考ということです。
5:顧慮
顧慮とは「こりょ」と読み、周りの事情に配慮して、それに対して心を配ることです。他人のことについて使うのが一般的ですが、自分のことにも使用ができます。
周りの事情を配慮するところまでは忖度とさほど変わりませんが、顧慮の場合はその後心配したり気に掛けたりするところが若干違います。
6:憶説
憶説とは「おくせつ」と読み、根拠がなく予想した仮説という意味です。相手の心中を推し量ることは、根拠がなく予想した仮説に過ぎないため、忖度の類義語と判断できます。相手の気持ちに対して仮説を立てる場合は、忖度の代わりに憶説を使用しても構いません。
ただ、友人や家族など相手のことを良く知っている場合は、憶説より忖度のほうがふさわしいと言えます。
7:お心遣い・お気遣い
お心遣い・お気遣いという言葉は、共にあれこれと気を配ることを表します。あれこれと気を配って相手を心配するという意味です。他人のことを推し量るという意味の忖度と似たような意味になります。
他人を推し量るという意味で忖度と似ていますが、「お気遣いに感謝します」などのように、他人が自分に対する配慮してくれたことに対して感謝する意でも使用可能です。忖度よりも幅広く使用できます。
8:くみ取る
くみ取るとは、相手の気持ちを推し量って理解するということです。元来くみ取るという言葉は、液体を汲んで移し入れるという意味です。そこから転用する形で、相手の気持ちを汲んで理解するという意味もあります。
相手の立場を察するという意味で、忖度と似ていると言えます。くみ取るという言葉には、相手の言いたいことや考えていることを汲んで理解しようというニュアンスが強いです。
9:空気を読む
空気を読むとは、「場の空気を読む」を起源とした言葉で、その場の雰囲気や状況を察することを言います。空気を読むことは、あくまで一時的なもので、その場でうまく収まるように判断することです。
空気を読むことと忖度は、あまり変わらない意味で使われることがあります。しかし、忖度はその場にいなくても常日頃から相手のことを推し量ることに対して、空気を読むとはその場で一時的に雰囲気や状況を察して相手のことを推し量ることを言います。
10:察し
察しとは、周囲の状況や発言内容などを基にして、その先にあるものを察した時に使用します。ネット用語の察しもこの意味で使われています。
この察しという言葉は、相手のことを思い量って表立って言わないようにしようという配慮なので、忖度に似た言葉だと言えます。ただ、相手に察したことを伝えることになる点は、忖度と異なります。
忖度の対義語として用いられる4つの言葉

忖度の類義語について紹介してきました。ここからは、忖度の対義語として4つの言葉を紹介していきます。忖度の対義語に当たる4つの言葉に共通することは、自分のことしか考えないというニュアンスです。
1:利己的
利己的とは、他人の立場などを考えず、自分の利益のみを追求するさまを表します。自分の利益のみを追求することがポイントで、他人の感情や立場について考えられない点で、忖度の対義語に該当します。
2:わがまま
わがままとは、他人のことを考えずに自分のことを押し通すことです。とくになんらかの信念があるわけではなく、自分のやりたいことをやり通すことです。他人のことを考えることがなく自分を押し通すため、忖度とは真逆の考えになります。
3:独善
独善とは、独りよがりや自分だけが正しいと思い込むことなどを表します。「独善的」という言葉で使用されることが多くなります。
独善は自分のことだけ考えて、相手のことを顧みないということで、忖度とは真逆の言葉です。
4:身勝手
身勝手とは、他人のことを考えず自分の都合だけで振る舞うことです。身勝手は「身が勝手に動くこと」の省略形だと言われています。
身勝手という言葉に、他人のことを思いやるというニュアンスが全くないため、忖度とは真逆です。
日本と外国の忖度文化の違い

日本では忖度することを美徳とする文化がありますが、外国では忖度する文化がありません。
日本では全てのことを伝えるのではなく、周囲の雰囲気や状況から察して行動を取ることが往々にしてあります。
その反面、外国人に忖度のことを説明してもなかなか理解してもらえません。外国では、ストレートに意見を言い合いながらコミュニケーションを取るなど、何も言わなければ伝わらない文化だからです。
忖度を英語表現する場合の使い方

英語で表現する時、直接的に忖度に該当するものはありません。なぜなら、海外で忖度する場面がほとんどないからです。
忖度にニュアンスが近い英語表現が以下の5つになります。忖度というニュアンスを外国人に伝える時に参考にしてみてください。
・guess「推測する」
・surmise「推察する」
・conjecture「推測」
・reading between the line「行間を読む」
・read what someone is implying「誰かが暗示していることをくみ取る」
忖度の意味と使い方を理解しよう
忖度という言葉は、流行語になったことで注目を浴びて、ネガティブな言葉として受け取られるようになりました。本来はポジティブな言葉ですから、ポジティブな意味になるように使用しましょう。
忖度という言葉を正しく使用すれば、相手に対する誠意や配慮が伝わるでしょう。本記事を読んで忖度の意味と使い方をしっかりと熟知し、相手の立場になって物事を考えられるようにしてください。