エンタメ

【2024最新】探偵小説ランキングTOP17!名作シリーズ・海外・かっこいい・最近など

ミステリー海外小説新刊探偵小説

2024/03/09

警察も頭を悩ませるような難事件もスパっと解決!鮮やかな推理で事件の謎を解き明かす姿が人気の名探偵たち。

シャーロック・ホームズポワロ明智小五郎金田一耕助…。

歴史にその名を刻んだ名探偵たちは、今でも世界中で愛されています。

今回は、その圧倒的な推理力と引き換えに少し人間として常識の枠からはみ出してしまった、個性豊かな名探偵が登場する探偵小説をランキング形式でご紹介します。

目次[ 表示 ]

探偵小説とは?世界中から愛される超個性的な探偵たち

「探偵小説」とはミステリー小説のなかの1ジャンルで、その名の通り「探偵」が登場するミステリー小説を指します。

ちなみに、探偵役が警察関係者である場合は「警察小説」と呼ばれるまた別のジャンルに分類されるため、ここでは除外されます(諸説あり)。

日本で有名な名探偵といえば、江戸川コナンや金田一耕助、シャーロック・ホームズなどでしょうか。

いずれの探偵たちも、名がつくほどの推理力を持つ一方、常人とは少し違う感性を持っており、周囲を驚かせることも…。

「探偵小説」は、ミステリー要素に加え、そんな困った探偵たちの人間性も楽しめるジャンルなのです。

【TOP1~9】探偵小説ランキング|日本三大名探偵から世界的な名探偵まで

1.【金田一耕助】『本陣殺人事件』

※引用元:Amazon

あらすじ

江戸時代から続く宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に、離れ座敷で新郎新婦が惨殺された。

離れ座敷の周囲に降り積もった雪には足跡もなく、離れ座敷は完全な密室状態であった。

事件当日の夜に鳴り響いた琴の音と、枕元の金屏風に残った3本指の血痕。

金田一耕助が導き出した事件の真相とは…?

国民的名探偵・金田一耕助のデビュー作

日本三大名探偵」の1人、金田一耕助が初めて横溝正史の作品中に登場したのが、本書に収録された『本陣殺人事件』です。

フケ症の雀の巣のような蓬髪、平凡な顔立ちに貧相な体躯、服装は皺だらけの絣の単衣の着物と羽織によれよれの袴を合わせ、形の崩れた帽子を被って足元は汚れた白足袋に下駄というイメージの定着した金田一耕助。

実はアメリカ帰りのエリートで、圧倒的な推理力で警察が手を焼くような事件を華麗に解決してみせます。

金田一耕助が解決した事件では本作のほかに『犬神家の一族』や『八つ墓村』なども有名ですが、金田一耕助の事件簿シリーズにはしっかりとした時系列があるため、是非順番通りに読んでみてください。

横溝正史の文章は同時代の作家と比較して非常に読みやすいため、ミステリー小説初心者さんにもおすすめです。

著者
横溝正史
出版社
KADOKAWA
ページ数
416頁
価格(税込)
704円

2.【シャーロック・ホームズ】『シャーロック・ホームズの冒険』

※引用元:Amazon

あらすじ

「赤毛組合」。

新聞に掲載された奇妙な広告は、赤毛の成人男性であるというだけで週4ポンドも支給されるという奇妙な組合のメンバーを募集していた。

その広告の通りに赤毛組合の一員となったジェイベス・ウィルソン氏は百科事典を書き写すだけで4ポンドの支給を受けるが、ある日赤毛組合は事務所ごとその存在を忽然と消してしまう。

一見害のない奇妙な事件だが、ホームズはこの事件の裏に、非常に大きな悪だくみがあると推理する…。(『赤毛組合』)

世界一有名な名探偵「シャーロック・ホームズ」のデビュー作

世界中に「シャーロキアン」と呼ばれる熱狂的なファンを持つ名探偵シャーロック・ホームズ

欧米には300以上のファンクラブがあり、日本にも「日本シャーロック・ホームズ・クラブ(JSHC)」と呼ばれる団体が存在します。

その名をしらぬ者はいないという程有名なシャーロック・ホームズですが、ドラマや映画なども多数発表されているため、意外と原作小説には触れたことがないという方も多いのではないでしょうか。

『赤毛組合』『まだらの紐』『ボヘミアの醜聞』…。

本作は、そんな名だたる有名作品を一気に読むことができる、シャーロック・ホームズ入門作です。

是非世界一の名探偵の活躍を原作小説で味わってみてください。

著者
コナン・ドイル著/延原謙訳
出版社
新潮社
ページ数
472頁
価格(税込)
605円

3.【明智小五郎】『D坂の殺人事件』

※引用元:Amazon

あらすじ

私はD坂の喫茶店で、明智小五郎という男と話していた。すると向かいの古本屋の様子がおかしい。その店の妻が殺されていたのだ。私は明智が犯人かと推理するが…。

江戸川乱歩を読まずには日本のミステリーは語れない

日本三大名探偵」のうちの1人、明智小五郎が初めて登場した作品『D坂の殺人事件』。

それに加え、日本でもっとも有名な暗号ミステリー『二銭銅貨』も収録されている本作では、江戸川乱歩らしい傑作が楽しめます。

江戸川乱歩は「少年探偵団」など児童向けの作品も数多く書いており、特に明智小五郎といえばそちらのシリーズでの活躍が有名のため健全で大衆的なイメージが強いですが、実は大人向けの作品には倒錯的でマニアックなものが多く、ほの暗いミステリーが得意な作家です。

有名どころでは『人間椅子』、ミステリー以外では『芋虫』が江戸川乱歩「らしい」作品とされていますが、明智小五郎が初登場する本作『D坂の殺人事件』も、これらの作品と同様に倒錯的な表現が多用されています。

そんな江戸川乱歩ですが、海外の傑作ミステリーを日本に積極的に輸入したり、新人ミステリー作家を発掘したり、日本のミステリー界に欠かせない人物です。

ミステリーが好きな方は是非、江戸川乱歩と、江戸川乱歩が生み出した名探偵の活躍を1度は目にしてください。

著者
江戸川乱歩
出版社
KADOKAWA
ページ数
352頁
価格(税込)
660円

4.【エルキュール・ポアロ(ポワロ)】『オリエント急行の殺人』

※引用元:Amazon

あらすじ

冬の欧州を横断する豪華列車・オリエント急行。

国籍も身分も様々な乗客が乗り込む中、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体となって発見される。

偶然乗り合わせた探偵ポアロが推理に乗り出すも、全ての乗客には完璧なアリバイがあった。

「世界三大ミステリー作家」「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティーの代表作

「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーの生み出した名探偵エルキュール・ポアロ

シャーロック・ホームズと同様、世界中から時代を超えて愛される彼は『スタイルズ壮の怪事件』でデビューし、本作『オリエント急行の殺人』で世界的な名声を手にしました。

ちなみに、「ポワロ」表記と「ポアロ」表記がありますが、より原語であるフランス語の発音に近いのは「ポワロ」、日本で一般的なのは「ポアロ」です。

ポワロシリーズの独占出版権を手にしている早川書房が「ポアロ」表記のため、日本には「ポアロ」表記が浸透しました。

アガサ・クリスティーといえばクローズド・サークルミステリー

本作『オリエント急行の殺人』も広義のクローズド・サークルに該当します。

雪で立ち往生する列車。犯人には逃げ道がないにも関わらず、車内の誰にも犯行は不可能…。

映画などで非常に有名な作品ですが、これを読まずにミステリーファンは語れません。

是非1度原作小説を紐解いてみてください。

著者
アガサ・クリスティー著/山本やよい訳
出版社
早川書房
ページ数
333頁
価格(税込)
1,034円

5.【ネロ・ウルフ】『料理長が多すぎる』

※引用元:ハヤカワ文庫公式サイト

あらすじ

世界各地から選出された、15人の名誉あるシェフたち。

そんな彼らが保養地カノーワ・スパーに集い開催するのは、ソースの味きき大会。

そこに招待された主賓ネロ・ウルフは、美食家探偵という名に恥じぬように130キロという重い腰をあげ、列車に乗り込むが…。

シャーロック・ホームズの息子とされている美食家探偵ネロ・ウルフの代表作

体重が約130キログラムという、名探偵としては珍しい堂々とした体格の食と蘭を愛する名探偵ネロ・ウルフ

ミステリーファンの間では「ネロ・ウルフはシャーロック・ホームズの息子」という考察もされており、シャーロック・ホームズと並ぶほど世界的に有名な名探偵です。

そんな彼が今回挑戦するのは、15人の名誉あるシェフたちが開催するソースの味きき大会!…のはずが、殺人事件がおこり、更には命を狙われることに。

ネロ・ウルフとその助手アーチー・グッドウィンが登場するのは本作で5回目ですが、ネロ・ウルフシリーズは単体で楽しめるうえ、本作『料理長が多すぎる』以外は絶版のため、本作から入るのがおすすめです。

気に入ったら、是非古本屋をめぐって他のネロ・ウルフシリーズを探してみてください。

著者
レックス・スタウト著/平井イサク訳
出版社
早川書房
ページ数
328頁
価格(税込)
770円

6.【C・オーギュスト・デュパン】『モルグ街の殺人』

※引用元:Amazon

あらすじ

パリのモルグ街で、人間離れした怪力で母娘が殺害された。

しかし、現場は完全なる密室。

事件の解明に乗り出したC・オーギュスト・デュパンは、この事件の謎にどのように終止符を打つのだろうか…。

世界初の名探偵C・オーギュスト・デュパン

本作『モルグ街の殺人』は史上初のミステリー小説とされており、本作に登場する探偵役C・オーギュスト・デュパンも、世界初の名探偵となります。

ミステリー小説は非常に広範なジャンルのため、「史上初のミステリー小説」という定義にも諸説ありますが、意外な犯人・一見不可能に見える犯罪のトリック・探偵・探偵の相棒という、現在一般的にイメージされる「ミステリー小説」のひな形が本作であるということから、一般的には『モルグ街の殺人』=『史上初のミステリー小説』とされています。

短編ですが、古典的な表現が多く、一部難解な部分もあるため、海外古典を読みなれていない方には少し読みづらく感じられますが、本作を基に現代まで様々な傑作ミステリーが生まれており、ミステリーが好きな方にとっては必読書です。

著者
エドガー・アラン・ポー著/河合祥一郎訳
出版社
KADOKAWA
ページ数
352頁
価格(税込)
836円

7.【神津恭介】『刺青殺人事件』

※引用元:Amazon

あらすじ

松下研三は、東亜医大の早川博士に誘われて「江戸彫勇会」の「刺青競艶会」を見学し、その場を圧倒した背中に見事な大蛇丸の刺青を持つ野村絹枝という、土建屋をしている竹蔵の愛人に魅了された。

後日絹枝を訪ねた研三はそこで刺青の由来と、大蛇丸・綱出姫・自雷也という三すくみを兄妹で彫り分けたことへの不安を聞かされる。

絹枝との約束で再度研三が彼女の自宅に訪ねたとき、彼女は既に胴体のない死体となっており…。

「神津の前に神津なく、神津ののちに神津なし」

日本三大名探偵」の最後のひとり、神津恭介のデビュー作である本作『刺青殺人事件』。

「神津の前に神津なく、神津ののちに神津なし」とうたわれる程の名探偵・神津恭介は何度もドラマ化・映画化されている、日本のお茶の間で大人気のキャラクターです。

『刺青殺人事件』は戦後まもなくに発表された古典ミステリーで、神津恭介も他の日本三大名探偵である金田一耕助や明智小五郎に比べると影の薄い存在ですが、令和の今読んでも全く見劣りしないほどの面白さを持っています。

古典作品にありがちの難しい言い回しも少なく、ミステリーとしての構成もしっかりとまとまっているため、非常に読みやすい作品です。

是非『刺青殺人事件』から神津恭介の活躍を紐解いてみてください。

著者
高木彬光
出版社
光文社
ページ数
418頁
価格(税込)
814円

8.【火村英生】『46番目の密室』

※引用元:Amazon

あらすじ

密室ミステリーの巨匠が、自らのトリックで殺された。

日本の「ディクスン・カー」と呼ばれ、45の密室トリックを発表してきたミステリー作家・真壁聖一が、客を招いたクリスマスの日、別荘で殺害された。

彼を殺したのは、彼の46番目のトリックなのか…。

「国名シリーズ」などを含む、有栖川有栖の傑作探偵シリーズ

現在も次々と新作を発表しているミステリーの巨匠・有栖川有栖。

彼の生み出した名探偵が、火村英生です。

2019年にも斎藤工さんと窪田正孝さんによってドラマ化された、本作『46番目の密室』から始まる「火村英生シリーズ」は、別名「作家アリスシリーズ」とも呼ばれ、特に『ロシア紅茶の謎』など、タイトルに国名を冠した作品は「国名シリーズ」として有栖川有栖の作品の中でも非常に人気です。

古い作品ですが読みやすく、長いシリーズでとことん探偵や探偵を取り巻くキャラクターたちと付き合いたいという方には非常におすすめです。

有栖川有栖のデビュー作でもあるので、日本のミステリーを読むうえでは必読書でもあります。

著者
有栖川有栖
出版社
講談社
ページ数
434頁
価格(税込)
803円

9.【ブラウン神父】『ブラウン神父の童心』

※引用元:Amazon

あらすじ

フランス警察の至宝であるヴァランタン。

彼は長年追い続けてきた盗賊フランボウを捕らえるため、イギリスの地に降り立った。

フランボウに関する情報もなにひとつない中、汽車の中でヴァランタンは奇妙な小柄の神父と出会う。

翌朝、ヴァランタンがフランボウを捜索していると、前日出会った神父を含む2人連れの神父が奇行を繰り返している場面と出会い、ヴァランタンは彼らこそフランボウへと繋がる手がかりであると確信する…。

世界的な名探偵・ブラウン神父のデビュー作!

江戸川乱歩が「チェスタトンのトリック創案率は探偵小説随一」と語る程一目置いていた世界的ミステリー作家G・K・チェスタトン。

彼の生み出した名探偵が「ブラウン神父」であり、小柄で不器用、団子のように丸く間の抜けた顔の、とても頭が切れるとは思えない風貌の善良な神父という、なんとも珍しい探偵です。

BBCでドラマ化もされており、現在までに11シーズンも放送されました。

逆説的な言い回しが多く、警句や神学的な問答も頻繁に登場するため読みづらいと感じる方も多いですが、ミステリーとしてのプロットは非常に完成度が高く、痛烈な風刺とユーモアのセンスもずば抜けているため、是非一度手に取ってみてください。

著者
G・K・チェスタトン著/ 中村保男訳
出版社
東京創元社
ページ数
381頁
価格(税込)
814円

【TOP10~】探偵小説ランキング|現代を生きる名探偵から新進気鋭の名探偵まで

10.【ロバート・ラングドン】『ダ・ヴィンチ・コード』

※引用元:Amazon

あらすじ

ルーブル美術館のソニエール館長の遺体が、グランド・ギャラリーでダ・ヴィンチの最も有名な素画「ウィトルウィウス的人体図」を模した状態で横たわっている状態で発見された。

殺害当夜、館長と会う予定でいたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察に捜査協力を求められ…。

世界中で物議を醸した問題作!これは史実か、フィクションか?

本作は『天使と悪魔』に続く、世界的に大人気のミステリーシリーズ「ロバート・ラングドンシリーズ」の作品です。

世界中で非常に話題となった作品で、フィクション作品であるはずなのに、「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」と著者が発言し、実在の団体名もあげられたため、多くの研究者を巻き込んで論争が繰り広げられました

44言語に翻訳された本作は合計7000万部を超える大ベストセラーとなり、映画化もされましたが、宗教上の理由などから映画の上映禁止となった国も多く、各国で『ダ・ヴィンチ・コード』の嘘を検証する番組が制作されました。

また上記の論争だけでなく、本作のプロットが他の作品の盗用であるとも指摘され裁判沙汰になるという事件もおきるなど、非常に問題が多い作品です。

しかし、たった1作の「嘘」が世界中を巻き込んだのも、本作が世界中の人々をその面白さで魅了したからです。

是非、「ダ・ヴィンチ・コードの嘘」に取り込まれてください。

著者
ダン・ブラウン著/越前敏弥訳
出版社
KADOKAWA
ページ数
308頁
価格(税込)
660円

11.【夢水清志郎】『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』

※引用元:Amazon

あらすじ

親でも見分けがつかない私たちの三つ子の隣に、「名探偵」を名乗る奇妙な人物が引っ越してきた!

表札にも名刺にもしっかりと「名探偵」を記載するその人物は、ものわすれの達人で、自分のことも、ご飯を食べたかも忘れてしまう。

しかしその実力は本物で、初めて一目で私たちを見分けてしまった。

そんな名探偵のもとに、子どもがテーマパークで次々と姿を消してしまうという事件を解決してほしいという依頼が舞い込んできた。

果たして、名(迷)探偵は華麗にこの事件を解決して見せるのだろうか…。

笑いがいっぱい!大人も子ども楽しめる名作ミステリーシリーズ

本作『そして五人がいなくなる』は、「怪盗クイーンシリーズ」など数々の名作小説を生み出してきた人気児童作家・はやみねかおるの名(迷)探偵・夢水清志郎のデビュー作です。

児童向けの小説ですが、大人が読んでも非常に面白く、ミステリー自体も本格的です。

著者のはやみねかおるは個人的な「ミステリーの原則」をあげており、なかでも「ハッピーエンド」という原則は、ただ事件を解決するだけでなく、登場人物たち全員が幸せな結末を迎える、ということを課しています。

本作『そして五人がいなくなる』でも、名探偵夢水清志郎は遊園地で消えた子供たち、その親、犯人までもハッピーエンドへ導きます。

児童文学と侮るなかれ。是非一度手に取ってみてください。

著者
はやみねかおる
出版社
講談社
ページ数
276頁
価格(税込)
825円

12.【春桜亭円紫】『空飛ぶ馬』

※引用元:Amazon

あらすじ

文学部の女子大生の主人公、「私」はある日、大学の教授の勧めでOBである落語家・円紫さんと出会う。

円紫さんへの取材の後、教授は幼いころの不思議な体験について語る。

「私」は、すぐに謎が解けたという円紫さんに助言を受けながら1歩1歩真相へと近づく…。

日常系ミステリーの巨匠・北村薫が生み出した安楽椅子探偵・円紫さん

本作『空飛ぶ馬』から始まる「円紫さんと私」シリーズは、主人公の「私」が直面する様々な「日常の謎」を落語家・円紫さんが解決していくという、日常系ミステリーの代表作とも言われる人気シリーズです。

このシリーズの探偵役である円紫さんは所謂「安楽椅子探偵」で、「私」の話を聞くだけで事件の謎を鮮やかに解明してしまいます。

勿論事件やトリックなど、ミステリー自体も非常に本格的で面白い作品ですが、本シリーズの魅力はそれだけでなく、当初覆面作家であった北村薫が本当に女子大学生なのではないか、と噂されるほど繊細でリアルな主人公「私」の心理描写であったり、日常の謎に潜む人間の悪意や淡い好意であったり、とにかく人間の描写が非常に突出した魅力を放っています。

殺人事件などではなく、あくまで日常に潜むふとした謎であるからこそ、人の感情が見え隠れする…。

主人公「私」の成長など、シリーズを通して味わえる魅力も満載のため、是非本作『空飛ぶ馬』だけでなく、シリーズの他作品も紐解いてみてください。

著者
北村薫
出版社
東京創元社
ページ数
357頁
価格(税込)
792円

13.【湯川学】『探偵ガリレオ』

※引用元:Amazon

あらすじ

突然燃え上がった若頭の頭、心臓だけ腐った男の遺体、池に浮かんだデスマスク、優待離脱した少年…。

説明のつかない難事件とぶつかったとき、警視庁捜査一課の草薙は、必ず友人である、帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学を訪ねる。

探偵ガリレオのデビュー作!東野圭吾が生んだ大人気名探偵

ミステリーを読まない人ですらその名を知らぬものはない、というほど人気の日本を代表する作家・東野圭吾。

彼が生んだ探偵の中でも特に知名度・人気度共に突出しているのが、「ガリレオ」と呼ばれる天才科学者・湯川学です。

ドラマでは福山雅治さんが湯川学役を務め、「実に面白い」という彼の台詞が非常に話題となりました。

2021年にシリーズ第10作となる『透明な螺旋』が刊行された「ガリレオシリーズ」は、1998年に本作『探偵ガリレオ』から始まりました。

20年以上続く「ガリレオシリーズ」ですが、未だにファンからの「初期の作品が好き」という声も根強く、本作の人気も衰えません。

今からでも遅くはありません。是非、「ガリレオシリーズ」を1作目から味わってください。

著者
東野圭吾
出版社
文藝春秋
ページ数
330頁
価格(税込)
759円

14.【篠川栞子】『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~』

※引用元:Amazon

あらすじ

大学の卒業を前に就職先が倒産してしまい、無職の状態が続いている五浦大輔は、母に頼まれて自宅にある祖母の遺品『漱石全集』にあった夏目漱石のサインが本物か否かを確かめるため、本の値札に記されていた「ビブリア古書堂」へと赴く。

入院している店主・篠川栞子によってそのサインに隠された秘密を知った大輔は、翌日店主に渡す菓子折りを求めた先で叔母に会ったことで、サインの謎には更に自分に関する重大な秘密が隠されていると確信する。

栞子を見舞う際、大輔がそのことを告げると、栞子は大輔にビブリア古書堂で働かないかと持ちかける…。

本好き必見!「古本」にまつわる謎を解き明かすブック・ミステリー!

本好きの方々から熱烈な人気を誇るミステリージャンル「ブック・ミステリー」。

その代表作が、本作『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~』から始まる「ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ」です。

2013年には剛力彩芽さん主演でドラマ化され、「月9」枠で放送されました。

探偵役は「本の虫」を体現したような古本屋の店主・篠川栞子

場合によっては人の命すら奪いかねないほどの価値を持った古本たちにまつわる謎を、華麗に解き明かします。

また、「ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ」はミステリー自体の面白さだけでなく、著者の三上延さんが実際に魅了された本がところどころで登場したり、「本」に魅了され、人生を狂わせてしまった人々の様々な感情が交錯したり、奥の深い面白さを持ったシリーズです。

本好きの方、本に少しでも興味がある方は是非手に取ってみてください。

著者
三上延
出版社
KADOKAWA
ページ数
322頁
価格(税込)
715円

15.【城塚翡翠】『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

※引用元:Amazon

あらすじ

推理作家の香月史郎は、「夢枕に女が立つ」という大学時代の後輩・倉持結花とともに、死者が見えるという霊媒師・城塚翡翠のもとへ向かう。

しかし、後日香月史郎と城塚翡翠が共に結花のもとへ向かうと、彼女は自宅アパートで血を流して死んでいた。

香月は霊媒師の能力を活かして犯人を探すという城塚とともに、結花を殺害した犯人を推理していくが…。

どんでん返しからのどんでん返し!あなたは2度、騙される。

「マツリカ」シリーズなど、日常系ミステリーを数多く手がけ、「日常系ミステリーの巨匠」とうたわれた相沢沙呼が初めて本格ミステリーへ挑んだ「城塚翡翠」シリーズ。

>発売するや否や瞬く間に大ベストセラーとなり、翌年にはドラマ化まで実現されました。

そんな「城塚翡翠」シリーズの面白さは、なんといってもトリックの緻密さ。

必ず本文中に結末の伏線が張り巡らされており、真相のヒントが全て読者の目に晒されています。

しかし、絶対に真相にはたどり着けず、読者は著者と城塚翡翠に「2度」騙されることでしょう。

どんでん返し系には飽きた、大抵のミステリー小説の結末を予測できる、という方こそ、もしかしたらラストで大きく裏切られるかもしれません。

是非、相沢沙呼と城塚翡翠に挑戦してみてください。

著者
相沢沙呼
出版社
講談社
ページ数
496頁
価格(税込)
990円

16.【ダニエル・ホーソーン】『メインテーマは殺人』

※引用元:Amazon

あらすじ

資産家の婦人が、自らの葬儀の手配をした当日に殺害された。

彼女は、自分が殺害されることを知っていたのだろうか…。

2年連続ミステリランキング海外部門全制覇の傑作ミステリー!新たな名探偵がここに!

本作の探偵役はダニエル・ホーソーンという元刑事、そしてワトソン役は作家と同名のミステリー作家・アンソニー・ホロヴィッツという「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズは、2年連続日本国内のミステリランキングの海外部門を全制覇する、という快挙を達成しました。

非常に有名な「このミステリーがすごい!」や「〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい!」など、どの賞も権威のあるものばかり。

そんな本作『メインテーマは殺人』は、本格中の本格ミステリーでありつつ、エンターテイメント性も兼ね備えた名作です。

本文中に伏線が張り巡らされ、読者に対してフェアプレーが繰り広げられるも、多くの方がワトソン役の著者と同じ間違いを犯してしまい、歯がゆい思いをすることでしょう。

エンターテイメントとしても面白く、探偵役のダニエルも、ワトソン役の著者も、非常に憎めない性格をしています。

海外ミステリーに興味があるという方にも、全く読んだことがないという方にもおすすめです。

著者
アンソニー・ホロヴィッツ著/山田蘭訳
出版社
東京創元社
ページ数
476頁
価格(税込)
1,210円

17.【上苙丞】『その可能性はすでに考えた』

※引用元:Amazon

あらすじ

外界から隔絶された山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。

そこから唯一生き残った少女は、首を斬られた少年が自分を抱えて運んでくれたと語る。

探偵・上苙丞はこの事件が「奇蹟」であると証明するため、事件の解明に乗り出す。

これは奇蹟か、人為か?「奇蹟の実在」を証明せよ!

本作『その可能性はすでに考えた』は、続編の『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』と合わせて、探偵・上苙丞が活躍するミステリーシリーズです。

井上真偽の魅力は、なんといっても非常に緻密でロジカルなトリック

探偵役が解説する通り、ひとつひとつ全て証明可能な論理を積み重ねて可能性を潰していき、事件の真相へとたどり着きます。

また、トリックだけでなく探偵の上苙丞本人も魅力がいっぱいのキャラクターで、彼は「奇蹟の実在」を証明するために数々の難事件へと挑みますが、その理由は彼の生い立ちと深くかかわっており…。

果たして、「奇蹟」は存在するのか。是非、その目で確かめてみてください。

著者
井上真偽
出版社
講談社
ページ数
400頁
価格(税込)
836円

「推理力」だけじゃない!個性あふれる名探偵たちの活躍をお見逃しなく!

「探偵小説」は数多く存在するミステリー小説の中でも、エンターテイメント性も兼ね備えた幅広い層に人気の高いミステリーです。

今回ご紹介した探偵小説は、いずれも「ミステリーとしての面白さ」以外にも、探偵や事件の関係者たちの人間性が非常に魅力的で、普段ミステリー小説を読まない方にもおすすめです。

是非、探偵たちとともに数々の難事件・珍事件へと挑戦してみてください。

この記事を書いた人

Yu

千葉県出身の「Yu」です。 主に、小説、メイク・コスメのジャンルを執筆しています。 本が大好きで、幅広く読んでいます。 皆様のお役に立てるような情報を発信してまいります!

SHARE

この記事をシェアする