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SF小説おすすめ20選!日本の作品から海外の作品まで!古典と呼ばれる名作から新刊を紹介

SFSF小説小説おすすめ

2023/03/08

子どものころにワクワクしながら読んだ宇宙を舞台とした冒険譚や、大ヒット作となった近未来映画など、SFは多くの人々から長く愛されてきたジャンルです。

しかし、それゆえに作品数も膨大で、今日に至るまで実に多様な名作が生み出されているため、「SF小説に挑戦しようと思うけど、何から読めばいいかわからない…」という方も多いはず。

そこで今回は不朽の名作から新刊まで、国内外のおすすめのSF小説を紹介していきます!

目次[ 表示 ]

SF小説とは?

SF小説とは?ファンタジー小説との違いなど分かりやすく解説!

SFとは、S(サイエンス)F(フィクション)の略で、科学的な空想に基づいたフィクション小説です。

出版社や書店などではSF小説とファンタジー小説が同じジャンルとして分類されることも多いですが、両者の違いは、科学的な考証に基づいているか否かという点にあります。

ただ、作品によってどの程度科学的な考証を行っているかは異なるため、はっきりと区別できる作品ばかりではありません。

下に紹介するように、完全な異世界の中で繰り広げられる医療小説から、現実世界を舞台として、できる限り実際の科学技術を用いて宇宙へ向かう小説など、一口にSF小説といっても多種多様な作品が存在します。

SF小説のジャンル

科学が進んだ先の世界・・・?「ディストピア小説」

ディストピア小説とは?

「ディストピア」とは、「ユートピア(理想郷)」の対義語で、反理想的な世界を意味します。

そのディストピアを題材としたこのジャンルの小説は、世界の悲観的な未来像を描いていて、特に多く取り扱われるのは、科学が進んだ先に待っている地球の荒廃と、近未来の過度な統制社会です。

特に科学技術礼賛からその問題点へと視点が切り替わっていった20世紀前半から半ばにかけて盛んに描かれるようになりました。

代表作

『1984年』|ジョージ・オーウェル

『すばらしい新世界』|オルダス・ハックスリー

徹底的な科学考証に基づいた「ハードSF」

ハードSFとは?

ハードSFとは、徹底的な科学考証によって科学的・論理的に整合性のとれた世界を描くジャンルで、本格派SFとも呼ばれます。

対比されるのはライトSFで、読みやすい反面ファンタジーのような物語になってしまいます。

ハードSFは難解な専門用語が用いられていたり、設定が緻密であったりと、SF初心者には少し難しいと感じられてしまうかもしれませんが、はまってしまうと緻密に練られた科学的整合性の中に穴を見つけたいと思うほどに入り込んでしまうはず!

代表作

『月世界旅行』|ジョージ・ヴェルヌ

『コロンビア・ゼロ』|谷 甲州

西部劇のようなアクションを宇宙規模で繰り広げる「スペースオペラ」

スペース・オペラとは?

西部劇などで人気の、ヒーローが活躍して悪役を倒すアクション小説。その舞台を宇宙に移した、騎士道物語などがスペース・オペラに該当します。

映画作品では『スター・ウォーズ』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などがスペース・オペラです。

アクションシーンが映えるので、人気映像作品が多数生産されていますが、文章でも胸がワクワクするジャンルです。

代表作

『銀河英雄伝説』|田中 芳樹

『銀河パトロール隊』|E・E・スミス

近未来の世界を描く「サイバーパンク」

「サイバーパンク」とは?

サイバーパンクとは、SF作品の代表的な題材である未来都市の中でも、特に近未来に焦点を当てた作品群です。1980年代に人気を博しました。

サイバーパンクという名前の通り、多くは人体と機械の融合が進んだ世界、サイボーグの世界を描いた作品が多いのが特徴です。

アニメ化もされ、日本中で愛されている名作漫画『攻殻機動隊』もこのジャンルに分類されます。

代表作

『ニューロマンサー』|ウィリアム・ギブスン

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』|フィリップ・K・ディック

おすすめSF小説【日本編】

きまぐれロボット|星新一

※引用元:KADOKAWA公式サイト

あらすじ

退屈を持て余したエヌ氏は、ある日博士から退屈しないロボットを購入します。

オールマイティーなロボットと一緒に島の別荘に出かけたエヌ氏。はじめは順調でしたが、次第にロボットがおかしな行動をとるように。

怒ったエヌ氏は製造者である博士に問い合わせますが…?

日本が誇るSF界の巨匠星新一の代表作。

小学生の教科書に掲載されていたこともあり、「子供向け」という印象が強い方も多いかもしれませんが、星新一のショート・ショートは大人でも止まらないほど のめりこむこと間違いなし!

未だに星新一にしか描けないといわれている簡潔にして明瞭な文体と、皮肉とユーモアを織り交ぜた痛快な結末

短い文章の中に深い意味が込められているので、結末がわかっていてももう一度読みたくなります。

星新一さんの作品についてはこちらの記事でより詳しくご紹介しています!

星新一ショートショートおすすめ30選!ドラマ化・アニメ化された作品も一挙紹介!

こんな人におすすめ

・さくさく短編を読みたい人
・皮肉やユーモアが好きな人
・有名作品からSFに挑戦してみたい人

『きまぐれロボット』の詳細

著者
星新一
著者のほかの作品
『つぎはぎプラネット』
『きまぐれ星のメモ』
『ようこそ地球さん』
刊行年・出版社
2006年1月25日・角川文庫

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日本沈没|小松左京

※引用元:KADOKAWA公式サイト

あらすじ

一夜にして沈んだ鳥島の南東にある無人島の調査に乗り出した深海潜水艇の責任者の小野寺と地球物理学者の田所博士は、海底の異変に気付く。

日本各地で頻発する火山噴火や地震。

調査を進めていく中でやがて2人は日本列島が海底に沈むという恐るべき推論にたどり着き…。

前述の星新一の友人にして、同じくSF界の「御三家」とよばれる小松左京の代表作。

何度も映像化されており、2022年にもドラマ化されました

作品を読んだことがない方でも、「日本沈没」という言葉は聞き覚えがあるのではないでしょうか。

1970年代に描かれた作品ですが、令和になった今日でも全く色あせない現実感を与えてくれます。

こんな人におすすめ

・長編を読みたい
・地球規模の災害のスリルを味わいたい
・映像化された作品を読みたい

『日本沈没』の詳細

著者
小松左京
著者のほかの作品
『ゴルディアスの結び目』
『復活の日』
『さよならジュピター』
刊行年・出版社
2020年4月24日・角川文庫

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鹿の王|上橋菜穂子

※引用元:KADOKAWA公式サイト

あらすじ

戦士団の頭であったヴァンは戦争の中で奴隷となり、岩塩鉱に囚われていたが、ある夜不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。

皆が死にゆく中、何故か生き残ったヴァンは同じく生き残った幼い少女ユナとともに逃亡する。

一方、謎の伝染病が流行している王幡領では、天才医術師ホッサルが治療法を懸命に探していた…。

2015年本屋大賞受賞作である『鹿の王』。

児童文学作家でもある上橋菜穂子の描くファンタジー世界をもとに、伝統的に用いられてきた医療と、実証的な近代医療の対立が描かれます。

天才医術師ホッサルが施す新たな治療法を用いれば死に至る伝染病から人々を救うことができますが、その治療法は長きにわたる人々の信仰に反するもの。

死後の魂の安寧のために治療を拒否する人も、生きるために「穢れた」治療法を受け入れる人もいる中で、命とは何か、医療はどうあるべきかが問われます。

こんな人におすすめ

・医療系小説が好きな方
・ファンタジーのような世界観が好きな方
・小説で泣きたい方

『鹿の王』の詳細

著者
上橋菜穂子
著者のほかの作品
『精霊の守り人』
『獣の奏者』
『香君』
刊行年・出版社
2017年6月17日・角川文庫

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ペンギン・ハイウェイ|森見登美彦

※引用元:KADOKAWA公式サイト

あらすじ

小学四年生の主人公が住む町に突然大量のペンギンが現れた。

主人公はこの怪事件を調査していく中で、近所のお姉さんに行き着いた。

主人公とその友人たちは事件の解決に乗り出し、その過程で様々な道と遭遇する…。

『夜は短し歩けよ乙女』で有名な森見登美彦の描く、青春とSFを掛け合わせた青春SF小説

青春や恋愛のイメージが強い森見登美彦ですが、SF小説でも実力を発揮します。

SFとしての魅力だけではなく、小学生のキャラクターたちが魅力的で、現実的な日常の描写におもわず過ぎ去りし日々を思い出してしまいます。

こんな人におすすめ

・青春小説が好きな人
・小学生探偵団が好きな方
・日常のなかの謎が好きな方

『ペンギン・ハイウェイ』の詳細

著者
森見登美彦
著者のほかの作品
『夜は短し歩けよ乙女』
『四畳半神話体系』
『夜行』
刊行年・出版社
2012年11月22日・角川文庫

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旅のラゴス|筒井康隆

※引用元:新潮社公式サイト

あらすじ

舞台は高度な文明を失った代償として人々が超能力を獲得した世界。

北から南へ、南から北へ、ひたすら旅を続けるラゴス。

集団転移・壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷のみに落とされながら、なぜラゴスは旅を続けるのか?

星新一・小松左京と並んでSF界の「御三家」と呼ばれる筒井康隆のSF小説。

『くたばれPTA』や『文学部唯野教授』などキャッチーなタイトルと挑戦的な題材のイメージが強い筒井康隆ですが、この『旅のラゴス』は異色の作品です。

牧歌的で児童文学らしいという、良い意味で「筒井康隆らしくない」作品なので、「SFを読みたいけど暗い話は苦手」という方にもおすすめです。

こんな人におすすめ

・牧歌的な作品が好きな人
・異空間と異次元のクロスなど不思議な世界が好きな人
・人の一生を描いた作品を読みたい方

『旅のラゴス』の詳細

著者
筒井康隆
著者のほかの作品
『くたばれPTA』
『文学部唯野教授』
『時をかける少女』
刊行年・出版社
1994年3月25日・新潮社

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横浜駅SF|柞刈湯葉

※引用元:カドカワBOOKS公式サイト

あらすじ

改装工事を続けた<横浜駅>は遂に自己増殖を始め、本州の99%は<横浜駅>と化した。

人々が脳内に埋め込まれたsuicaで管理されるエキナカ社会。

その外で廃棄物を頼りに暮らす主人公ヒロトは、人類の未来を担う使命を課され…。

「自己増殖する<横浜駅>」、その言葉を聞いただけで手に取ってみたくなる作品です。

元々web小説として書かれたライトノベルのため、本を読むのが苦手という方にも読みやすくなっています。

この作品の特徴は何といってもその題材で、改装工事を続けていった結果、横浜駅が自己増殖をするようになり、JRが必死の抵抗を続けるも本州の99%が「横浜駅化」したというとんでも設定。

「並みのSFに飽きた!」という方は是非挑戦してみてください。

こんな人におすすめ

・普通のSFは読み飽きた!という人
・ライトノベルが好きな人
・独特な世界観に惹かれる人

『横浜駅SF』の詳細

著者
柞刈湯葉
著者のほかの作品
『まず牛を球とします。』
『重力アルケミック』
『未来職安』
刊行年・出版社
2016年12月24日・カドカワBOOKS

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第四間氷期|安部公房

※引用元:新潮社公式サイト

あらすじ

薔薇色の未来を盲信して安住している人々。

しかし、万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発し、事態は急転化していく。

電子頭脳の未来予想は次々に意外な方向に展開していき、遂には人類の過酷な未来を語りだす…。

1951年『壁』で芥川賞を受賞した安部公房が手掛ける未来SF。

残酷な未来が提示されたとき、人々はどう向き合うべきか。

ありふれた日常生活の秩序にこそ最も重い罪があるという自覚を促す作品です。

1970年に刊行されたにもかかわらず、現在でも全く色あせない魅力を持っています。

こんな人におすすめ

・考えさせてくる小説が好きな人
・ディストピアが好きな人
・日常に疑問を抱いている人

『第四間氷期』の詳細

著者
安部公房
著者のほかの作品
『壁』
『砂の女』
『緑色のストッキング』
刊行年・出版社
1970年11月10日・新潮社

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虐殺機官|伊藤計劃

※引用元:ハヤカワ文庫公式サイト

あらすじ

9.11をきっかけに、徹底的なセキュリティ管理体制に移行した先進諸国と内戦や大量虐殺が急激に増加した後進国とで二分された世界。

アメリカで結成された戦闘のための医療措置を施した暗殺のための特殊部隊、「アメリカ情報軍特殊検索群ⅰ分遣隊」。

その暗殺対象リストに掲載されたジョン・ポールという人物が訪れた国では必ず半年以内に内戦や大量虐殺が始まる。

母国アメリカを敵に回し、闘争を続けている「虐殺の王」の目的とは…?

伊藤計劃のデビュー作である『虐殺器官』とそのシリーズ。

大規模テロ以降、徹底的なセキュリティ管理体制に移行した先進諸国というディストピア小説の要素と、心理状態まで戦闘に適するように様々な改造が施された特殊部隊というサイバーパンクの要素が組み合わさった名作です。

伊藤計劃による原作小説のほか、コミカライズ版やアニメ映画なども制作されています。

こんな人におすすめ

・アニメが好きな人
・特殊精鋭部隊が好きな人
・サイボーグが好きな人

『虐殺器官』の詳細

著者
伊藤計劃
著者のほかの作品
『ハーモニー』
『屍者の帝国』
『伊藤計劃記録Ⅰ』
刊行年・出版社
2014年8月8日・ハヤカワ文庫JA

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彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?|森博嗣

※引用元:講談社公式サイト

あらすじ

「ウォーカロン」、「単独歩行者」と呼ばれる、人工細胞でつくられた生命体は、人間との差がほぼ無く、人間との識別は容易ではない。

そんな中、ウォーカロンと人間との識別方法を研究している研究者のハギリは、何者かに命を狙われる。

彼を保護しに来たウグイによると、その研究成果が襲撃理由ではないとのことだが…?

『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?』の著者である森博嗣は国立大学の工学部助教授を務めており、この作品も本格的なSF小説になっています。

SF作品で人気の高い、人工細胞でつくられた生命体を題材としており、人間性とは、命とは何かを問いかける作品です。

テーマに共通点もあるため、大人気アニメシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス』や名作古典SF『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が好きな方にもおすすめです。

こんな人におすすめ

・王道的なSF小説が読みたい人
・アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』が好きな人
・『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が好きな人

著者
森博嗣
著者のほかの作品
『すべてがFになる』
『オメガ城の惨劇』
『そして二人だけになった』
刊行年・出版社
2015年10月20日・講談社

『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?』のご購入はこちら

残月記|小田雅久仁

※引用元:双葉社公式サイト

あらすじ

「そして月がふりかえる」
不遇な人生の末に幸福を手にした男が、ある日突然ほとんど同じ、けれど決定的に違う世界に放り込まれる。

「月景石」
叔母の形見である月の風景が表面に浮かぶ石。生前、叔母は石を枕の下に敷いて眠ると、月へ行けるが「悪い夢」を見るといった。主人公はそれを思い出し、実行するが…。

「残月記」
近未来の独裁政権となった日本、差別対象である伝染病・月昴に侵された主人公は愛する女性のため、命をかけて戦い続ける。

日本SF作家クラブが毎年発表している、日本SF大賞の2023年の受賞作です。同時に本屋大賞ノミネート、吉川英治文学新人賞を受賞しており、史上初の快挙を達成した作品です。

月を題材としたSF短編を3作品が収録されています。

小田雅久仁の作品には、Twitter文学賞を受賞した『本にだって雄と雌があります』もあり、こちらはファンタジー作品ですが、本好きにはたまらない作品です。

こんな人におすすめ

・月を題材とした作品が好きな人
・新刊のSF小説が読みたい人
・異世界が好きな人

『残月記』の詳細

著者
小田雅久仁
著者のほかの作品
『本にだって雄と雌があります』
『増大派に告ぐ』
『よぎりの船』
刊行年・出版社
2021年11月18日・双葉社

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おすすめSF小説【海外編】

1984年|ジョージ・オーウェル

※引用元:ハヤカワ文庫公式サイト

あらすじ

一党独裁体制のオセアニアでは、市中に「ビッグ・ブラザーは見ている」というポスターが張られ、国民はテレスクリーンで24時間監視されていた。

そんな中、スミスは体制の転覆を目論む「ブラザー連合」に興味を持ち始め…。

SF作品の名作古典といえば、この作品。「史上最高の文学100」にも選出されています

ロシアによるウクライナ侵攻勃発の際に再注目され、書店に平積みにされました。

ジョージ・オーウェルはジャーナリストでもあり、ディストピア小説である『1984年』や『動物農場』以外にも、『カタロニア賛歌』など実際の戦争を描いたノンフィクションや、エッセイ『一杯のおいしい紅茶』なども著しています。

こんな人におすすめ

・ディストピア小説の名作古典が読みたい人
・独裁政権の世界観が好きな人
・史上最高の文学が読みたい人

『1984年』の詳細

著者
ジョージ・オーウェル
著者のほかの作品
『動物農場』
『カタロニア賛歌』
『一杯のおいしい紅茶』
刊行年・出版社
2009年7月1日・早川書房

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すばらしい新世界 |オルダス・ハックスリー

※引用元:光文社公式サイト

あらすじ

世界戦争の終結後、暴力を排除し、安定を世界のモットーとした世界が形成された。

人間は受精卵の段階から選別され、5つの階級に分けられて徹底的に区別されていた。

孤独な青年バーナードは、出かけた野人保護区で恐るべきものに出会う…。

SFで人気のある出生管理をテーマとした作品といえばこれ!と言われる古典作品です。

戦争も競争もなくなり、平和なはずの世界、完璧に安定した世界に足りないものとは何か?

遺伝子選別の段階でミスがあったと噂されている主人公が感じている世界の違和感の正体は?

科学が進歩し、出生管理を現実の問題として考えなければならない今こそ読みたい作品です。

こんな人におすすめ

・出生管理をテーマとした作品が好きな人
・シェイクスピアが好きな人
・ディストピア小説の名作古典が読みたい人

『素晴らしい新世界』の詳細

著者
オルダス・ハックスリー
著者のほかの作品
『知覚の扉』
『ルーダンの悪魔』
『島』
刊行年・出版社
2017年1月7日・早川書房

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アンドロイドは電気羊の夢を見るか?|フィリップ・K・ディック

※引用元:ハヤカワ文庫公式サイト

あらすじ

第三次世界大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかが地位の象徴になっていた。

人口の電気羊しかもっていない主人公リックは、そこで火星から逃亡した奴隷アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って狩りを始める…。

特殊な機器を用いなければ人間とアンドロイドの区別がつかなくなってしまった世界で、人間は「人間らしさ」を示すために、人間らしい愛情をもって生きた動物を飼うことが求められる世界。

奴隷生活から逃れたアンドロイドは生存のために様々な方法で自身を人間に偽造します。

生まれた時からアンドロイドであることを知らずに育ったアンドロイドや、自律思考し、生きることに必死なアンドロイドの姿に、人間とは何かを考えさせられます

こんな人におすすめ

・アンドロイドが好きな人
・宗教が好きな人
・ディストピア小説の名作古典が読みたい人

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の詳細

著者
フィリップ・K・ディック
著者のほかの作品
『高い城の男』
『ユーピック』
『スキャナー・ダークリー』
刊行年・出版社
1977年3月16日・早川書房

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のご購入はこちら

華氏451度|レイ・ブラッドベリ

※引用元:ハヤカワ文庫公式サイト

あらすじ

華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。

書物が禁制品となった世界で、主人公モンターグは昇火器で隠匿されていた書物を焼き尽くす昇火士の一人であった。

しかしある晩、風変わりな少女と出会ってから、彼の人生は変わっていく…。

日本のSF界の巨匠星新一が愛し、何度も自身のエッセイにも登場させたSF作家であるレイ・ブラッドベリ。

紙の書物が禁忌となってしまう、衰退してしまうというのは古典SF小説では普遍的にみられる設定ですが、この作品では書物を直接焼くという衝撃が味わえます。

本を焼くことに強い感情を持つ本好きにこそ読んでほしい作品です。

『華氏451度』の詳細

著者
レイ・ブラッドベリ
著者のほかの作品
『火星年代記』
『10月はたそがれの国』
『たんぽぽのお酒』
刊行年・出版社
2014年6月26日・早川書房

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夏への扉|ロバート・A・ハインライン

※引用元:ハヤカワ文庫公式サイト

主人公の飼い猫ピートは、冬になると「夏への扉」を探し始める。

家の中のドアの一つが夏に通じていると固く信じているのだ。

そして主人公もまた「夏への扉」を探していた…。

主題歌Lisaさん、主演山崎賢人さんで2021年に上映された映画「夏への扉ーキミのいる未来へ」の原作小説です。

ファンタジー的な設定ですが、主人公は冷凍睡眠で未来に送り込まれるというSFで人気の題材も盛り込まれています。

タイムトラベルで過去と未来を行き来する、時間SFの古典名作です。

こんな人におすすめ

・猫が好きな人
・タイムトラベルが好きな人
・映画化作品の原作が読みたい人

『夏への扉』の詳細

著者
ロバート・A・ハインライン
著者のほかの作品
『宇宙の戦士』
『異星の客』
『月は無慈悲な夜の女王』
刊行年・出版社
2020年12月3日・早川書房

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星を継ぐもの|ジェームズ・P・ホーガン

※引用元:東京創元社公式サイト

あらすじ

月面調査員が、深紅の宇宙服をまとった死体を発見した。

解析すると、この死体は死後五万年を経過していることが判明する。

果たして現生人類とのつながりは…?

本格SF作品にして、本格ミステリ作品です。

徹底的な科学交渉を基礎としたハードSFであるのと同時に、謎が謎を呼ぶミステリー小説であるため、読み始めると最後まで止まらなくなってしまいます。

漫画化もされているため、まずはそこから入るのもおすすめです。

こんな人におすすめ

・宇宙が好きな人
・ミステリが好きな日知
・漫画の原作小説が読みたい人

『星を継ぐもの』の詳細

著者
ジェイムズ・P・ホーガン
著者のほかの作品
『未踏の蒼穹』
『火星の遺跡』
『揺籃の星』
刊行年・出版社
1980年5月23日・東京創元社

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われはロボット|アイザック・アシモフ

※引用元:ハヤカワ文庫公式サイト

あらすじ

ロボットは人間に危害を加えてはならない…このロボット工学三原則の第一条を改変されたロボットの事件にロボット心理学者キャルヴィンが挑む。

アイザック・アシモフの名前は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。

アイザック・アシモフは大学教授でもあり、SF黄金時代の立役者で、ロボット工学三原則の生みの親です。

ロボット工学三原則とは、「ロボットは人間に危害を加えてはならない」「ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない」「ロボットは前2項に反しない限りにおいて自己を守らなければならない」という規定です。

この作品を読まずにロボットSFは語れない!という作品です。

こんな人におすすめ

・ロボットが好きな人
・短編連作形式が好きな人
・個性的なロボットが登場する作品を読みたい人

『われはロボット』の詳細

著者
アイザック・アシモフ
著者のほかの作品
『ファウンデーション』
『最後の質問』
『永遠の終わり』
刊行年・出版社
2004年8月6日・早川書房

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地底旅行|ジュール・ヴェルヌ

※引用元:東京創元社公式サイト

あらすじ

鉱物学の世界的権威リデンブロック教授は、16世紀アイスランドの錬金術師が残した謎の古文書に導かれ、死火山の噴火口から地球の中心部を目ざす地底世界の大冒険旅行に出発した…。

SF作家の祖と呼ばれるジュール・ヴェルヌの代表作です。

ジュール・ヴェルヌといえば、理論的には再現可能といわれるほど徹底的に科学交渉がなされたハードSF

代表作の一つ『月世界旅行』は、三崎律日著『奇書の世界』にも紹介されているほど、科学にも衝撃を与えました。

ストーリーはワクワクするような冒険譚のため、ハードSFでも入りやすい作品です。

こんな人におすすめ

・ハードSFが好きな人
・SFの祖と呼ばれる巨匠の作品が読みたい人
・冒険譚が好きな人

『地底旅行』の詳細

著者
ジュール・ヴェルヌ
著者のほかの作品
『月世界旅行』
『八十日間世界一周』
『海底二万里』
刊行年・出版社
1968年11月29日・東京創元社

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たんぽぽ娘|ロバート・F・ヤング

※引用元:河出書房新社公式サイト

あらすじ

たんぽぽ色の髪が風に舞う、未来から来た女に会った。「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」……。

ドラマ化もされた人気シリーズ『ビブリア古書堂の事件手帖』にも登場した、時間SFです。

シリーズのひとつ、スペシャルブックである『栞子さんの本棚』にも収録されています。

幻想的で、きれいなストーリーのため、ディストピア小説など暗い話や読後感の悪い話が苦手な方にも読みやすい話です。

こんな人におすすめ

・『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが好きな人
・読後感の良い作品が好きな人
・短編を読みたい人

『たんぽぽ娘』の詳細

著者
ロバート・F・ヤング
著者のほかの作品
『時をとめた少女』
『ジョナサンと宇宙クジラ』
『ピーナッツバター作戦』
刊行年・出版社
2013年5月28日・河出書房新社

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フランケンシュタイン|メアリー・シェリー

※引用元:新潮社公式サイト

あらすじ

若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。

ある時、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。

だが、創り上げた“怪物”はあまりに恐ろしい容貌をしていた…。

言わずと知れたモンスター、「フランケンシュタイン」の原作小説です。

メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』は世界最古のSF小説と言われており、1818年に書かれました。

勘違いされがちですが、「フランケンシュタイン」は科学者の名前であり、生み出されたモンスターは「名前のない怪物」とされています。

こんな人におすすめ

・有名なモンスターの始まりである小説を読みたい人
・元祖SF小説を読みたい人
・ゴシック小説が好きな人

『フランケンシュタイン』の詳細

著者
メアリー・シェリー
著者のほかの作品
『マチルダ』
『透明少女』
『最後の人間』
刊行年・出版社
2015年1月1日・新潮社

『フランケンシュタイン』のご購入はこちら

SF小説の面白さに触れよう!

SF小説の中には、近未来を描いた作品が数多く存在し、その中でも多くの未来像において書籍が衰退しています。

出版不況と言われ、街の本屋が次々と閉店していく昨今、本が簡単には読めなくなってしまう、というのもありえない話ではなくなってきています。

科学技術が進歩し、身近に用いられている機器の仕組みすらわからなくなっている今だからこそ、SF作品を読んで新しい世界に出会いに行きましょう!

この記事を書いた人

Yu

千葉県出身の「Yu」です。 主に、小説、メイク・コスメのジャンルを執筆しています。 本が大好きで、幅広く読んでいます。 皆様のお役に立てるような情報を発信してまいります!

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