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伊藤潤二の漫画を読む順番は?おすすめの順番・代表作・アニメ化作品など

アニメ化ホラー伊藤潤二富江漫画おすすめ

2024/05/23

伊藤潤二は日本のホラー漫画家です。

アートとしても評価される美麗で緻密な絵と、奇抜な発想を独創的な世界観に昇華させる才能は、いまや日本国内にとどまらず各国に熱狂的なファンを生み出しています。

今回は、伊藤潤二の“おぞましくも美しい“作品たちをご紹介します!

目次[ 表示 ]

伊藤潤二ってどんな人?

まずは漫画家、伊藤潤二のプロフィールをご紹介します。

人物の説明

引用元:伊藤潤二展 誘惑 JUNJI ITO EXHIBITION ENCHANTMENT

 

伊藤潤二は1986年2月、月刊ハロウィン(朝日ソノラマ)の第1回楳図賞に投稿した作品富江が掲載され、デビューしました。

デビュー後しばらくは歯科技工士と並行して活動していましたが、1990年には専業となりました。

コンスタントに作品を発表し、ニューウェーブホラーの第一人者として現在でも活躍されています。

デビュー作『富江』や幻想ホラー 『うずまき』などが代表作です。

漫画家としての立ち位置

日本人初のLibrary Journalのベストブックスへ選出、第50回アングレーム国際漫画祭では特別栄誉賞、サンディエゴ・コミコンではインクポット賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を得ています。

また漫画界のアカデミー賞と呼ばれるアイズナー賞を計4回受賞の快挙を達成しました。

これは手塚治虫の5回受賞に次いで、大友克洋の4回受賞と並ぶ受賞数です。

映像化した作品も多く、デビュー作でもある『富江』は計8回も映画化され、人気の高さを伺うことができます。

作風

美人画のような優美さグロテスクさを描き出す一方で、ホラーでありながら笑いの要素も残された作風が特徴です。

丸ペンを使った緻密な描き込みの画風は「ホラー漫画というジャンルを超越した唯一無二の芸術」とも称され、奇妙かつリアル、そして怪しさと美しさが感じられます。

代表作と読むべき順番とは?

次に伊藤潤二の代表作と読むべき順番をご紹介します。

1.『富江』

引用元:Amazon

あらすじ
川上富江は、長い黒髪、妖しげな目つき、左目の泣きぼくろが印象的な、絶世の美貌を持った少女。性格は傲慢で身勝手、自身の美貌を鼻にかけ、言い寄る男たちを女王様気取りで下僕のようにあしらう。だが、その魔性とも言える魅力を目にした男たちは皆、魅せられてゆく。 やがて、富江に恋する男たちは例外無く彼女に異常な殺意を抱き始め、殺害に至る。しかし、富江は死なない。何度殺害されても甦り、身体をバラバラに切り刻もうものなら、その肉片1つ1つが再生し、それぞれ死亡前と同じ風貌と人格を備えた別々の富江となる。そして、その富江たちがそれぞれ、男たちの心を狂わせてゆく。 これは、そんな魔の美少女・富江と彼女に関わることによって人生を誤る男たち、そして彼らを取り巻く人々の人間模様を描いた物語である。

説明

富江は何度殺されても、どこからか現れ、平然と復活します。

どんなにバラバラにされても体の一部から復活する再生能力や、作品から漂う不気味さは伊藤潤二ならではの特徴です。

彼女からは逃げられないという恐怖心が、読者の心を離しません。

一方で富江はその美しさゆえに作中で何度も殺害されます。

加害者であり、被害者でもある富江の美しさに出会ったらもう、逃れることはできません。

2.『うずまき』

引用元:Amazon

あらすじ
呪われた土地・黒渦町に住む女子高生・五島桐絵とその恋人・斎藤秀一の周りで起こる禍々しいうずまきにまつわる惨劇、怪奇現象が発生する。人がねじれる、カタツムリに人が変身する。台風が町に吸い寄せられる…。 時間と共に徐々に現実と乖離し、捩れ歪む黒渦町。呪いが収束するその中心にあるものとは。

説明

何が怖いとは具体的に言い表すことはできないのですが、「うずまき」に執着する人々の行動が常軌を逸しているものであることから、底知れぬ恐怖を感じます。

少しずつ人々が「うずまき」に犯されていく様が描かれ、やがて想像もしえない結末へとつながっていきます。

一方で、リアリティーもありながら、作品にどこかコミカルな部分もあるのが、より一層作品の面白さを増しています。

物語の展開力、見るものを惹きつける画力、まさに「うずまき」のような引力を持つこの作品は伊藤潤二の傑作の一つといえるでしょう。

3.『死びとの恋わずらい』

引用元:Amazon

あらすじ
幼少期に住んでいた町に越してきた少年。霧深いことで有名だったその町では、霧がかる四辻で出会った人に占ってもらうという「辻占」が少女たちの間で流行していた。そんな彼女たちの目当てはひとつ。謎の黒服の美少年、「四辻の美少年」に「辻占」をしてもらうことだった。だが、彼は冷酷なお告げしかしない。呪いのようなお告げに取り憑かれた少女たちは狂い、次々に異常な死を遂げるのだった。

説明

辻占いとは黄楊 (つげ) の櫛 (くし) を持ち、道の辻に立って、最初に通る人の言葉を聞き吉凶を判断するという、古くから日本で行われてきた占いです。

濃霧の街を徘徊し、冷酷な言葉を吐くという、愛を知らない四つ辻の美少年の禍々しさと美しさが、哀しくも魅力的な作品です。

少年は怪異に憑かれ少女は恋に憑かれる、どこか耽美で物悲しい雰囲気を楽しむことができます。

謎の美少年の悪魔的なお告げによって人格を変えられ破滅していく者たちの姿から、目を離すことができません。

余話『白服の美少年』も併せて読むと、物語の真相が明らかになります。

4.『ギョ』

引用元:Amazon

あらすじ
忠は恋人の香織と沖縄旅行に来ていたが、忠がスキューバ中に謎の生物に出くわす。その後、気分が悪くなったという香織を連れて別荘に戻るが、そこで足の生えた奇妙な魚を発見。それから間もなく大量に出現した歩行魚の大群は上陸、人々への襲撃を開始する。更に彼らは人間や動物にも感染する恐ろしい細菌ガスを撒き散らしていた。東京に逃げ帰った二人だが、後を追うかの様に歩行魚達は日本全土に大量発生。さらには香織も細菌に感染してしまい…

説明

魚から4本の足を生やした歩行魚が海から大量に襲ってくるパニックホラー

細菌に感染してしまったら自分の体が内側から腐っていき自分の死臭を嗅ぎ続けて歩行器に取り付けられ意識を失うまで生き続けることになります。

想像しただけで気持ち悪いですよね。

パニックホラーものが好きな方は是非読んでみて下さい、普通のホラーとは違った気持ち悪さ生臭さを感じることが出来ます。

5.『伊藤潤二自選傑作集』

引用元:Amazon

あらすじ
厳選した伊藤潤二お気に入りの読み切り9編を収録した自選傑作集。 各作品の創作秘話的な解説と執筆当時のアイデアノートから抜粋したメモやラフも収録。 収録作品は『中古レコード』、『寒気』、『首吊り気球』、『ファッションモデル』、『あやつり屋敷』、『画家』、『長い夢』、『ご先祖様』、『グリセリド』。

説明

作者本人が厳選しただけあって、どの作品にも「らしさ」がふんだんに含まれており、「伊藤潤二のホラーを味わいたい!」という方にはお勧めの傑作集です。

個人的に収録されている『グリセリド』は今まで読んだ中で圧倒的な気持ち悪さで、トラウマ級の作品となりました。

伊藤潤二作品は、ただ怖い・気持ち悪いのではなく、人間の持つ「気持ち悪いけど見てみたい」という相反する欲求を突いて来るとも言えるでしょう。

読むべき順番

伊藤潤二は作品数が多く、どの作品から手を付けて良いかわからない…という方も多いと思います。

おすすめは先ほど代表作として紹介した5作品を順番に読んでいくこと!

5作品目を読み終わるころには、伊藤潤二作品の美しさと恐ろしさ、作品としての完成度の虜になること間違いなしの順番です。

【アニメ】伊藤潤二『コレクション』おすすめ5選!

伊藤潤二の漫画作品は数多くのアニメや映画が公開されています。

今回はアニメ伊藤潤二『コレクション』より、5作品を紹介します。

1.第1話『双一の勝手な呪い』

引用元:第1話 | TVアニメ伊藤潤二「コレクション」

あらすじ
陰気な少年双一には秘密があった。クラスでは不気味がられながらも誰からも相手にされず、家族の中でも浮いた存在ではあるが、双一の自己評価はまったく違う。なにしろ「超人的な能力」を持っているのだ。それを知らない周囲の者を心の中で見下しながら、深夜の杉林を訪れる双一。彼の「超人的な能力」とは、不気味な呪いをかける力だった。

説明

伊藤潤二作品の中でもホラーギャグ要素が強い双一シリーズ。

ホラーな目にあわせてやる」が決め台詞で、日々悪意をばらまきながら生きていますが、詰めが甘いためだいたい自分も酷い目に合う、という憎めない男の子です。

双一が石坂を追いかけるシーンも迫力満点で、漫画とも違う動画のパワーを感じることができます!

2.第2話『ファッションモデル』

引用元:第2話 | TVアニメ伊藤潤二「コレクション」

あらすじ
大学の映画サークルに所属する岩崎は、ある日見かけた雑誌の中のモデルの異様な風貌が頭から離れず悩まされていた。その記憶がようやく薄れ掛けた頃、映画サークルでは主演女優を公募することになる。応募書類の中には、岩崎が雑誌で見かけたモデルが。岩崎の反対にも関わらず、プロの参加で作品の名が売れることを期待した監督の織田が彼女の採用を決めてしまう。

説明

作中に登場するファッションモデル、淵さんは瘦せた長い顔に薄い眉毛、口を開くとサメのような歯が現れる、という異様な存在感を放つ女性です。

車内での和やかなトークシーンや、淵さんへの恐怖を抱く岩崎が彼女から追われるシーンは、ニメならではの迫力を楽しむことができます。

3.第5話『押切異談』

引用元:第5話 | TVアニメ伊藤潤二「コレクション」

あらすじ
洋館に住む押切は、ある夜家の廊下でクラスメイトの未央が怯えた様子でいるのに出くわす。彼女は心配する押切から逃げるように、姿を消してしまった。翌日、何事もなかったように振る舞う未央の様子を見て、あれは異次元の未央の姿だったのではないかと考える押切。どうやら押切の屋敷には、この世界とは異なる世界に通じる出入り口があるようなのだ。

説明

押切トオルに巻き起こる不思議な出来事を描く押切シリーズ、そのシリーズ名となる押切君が登場するのが、今回放送された『押切異談』です。

押切君の家は異次元につながっており、別の自分や同級生が家の中に突然現れます

アニメ版『押切異談』は怪物の気持ち悪さが漫画よりコミカルに描写されており、ホラー表現としてはライト寄りの印象伊藤潤二初心者の方はこの回あたりから見てみるのもいいかもしれません。

4.第7話『道のない街』

引用元:第7話 | TVアニメ伊藤潤二「コレクション」

あらすじ
寝ている相手の耳元で優しくささやくと、その声の主の夢を見るようになり意識してしまうという「アリストテレス」。これを行い彩子の夢の中に現れた岸本が、同じく夢の出てきた男に殺されてしまう。この事件の後、彩子の部屋は常に家族から覗かれるようになった。家族の異常な行動を相談すべく、叔母の元に向かった彩子は、驚くべき光景を目にする。

説明

一体何が何やら・・・という話なのですが、そこは流石伊藤潤二作品というべきでしょうか、この訳の解らなさこそが面白くてクセになります

異常な行動をとるようになった家族、変異していく街、切り裂きジャック…。

超展開が続くため、人によってはホラーというより訳の分からない夢のようだととらえる人も多いです。

悪夢のような幻想的なストーリーに引き込まれること間違いなしの名作です。

5.第9話『画家』

引用元:第9話 | TVアニメ伊藤潤二「コレクション」

あらすじ
新進画家・森光夫の個展「ナナのアンニュイな世界」は大いに盛り上がっていた。 しかし会場に現れた美女トミエは森に対し、モデルの女性を変えたら絵がもっとよくなると言い残して去る。 再び現れたトミエをモデルに絵を描くことになった森だが、できあがった作品を見たトミエは「自分の美しさを描き出していない。期待はずれだった」と断じる。

説明

伊藤潤二作品の圧倒的人気キャラ、富江の登場する回!

漫画でもアニメでも、変わらず蠱惑的な魅力を持つ富江にほれぼれとしてしまいます。

誰かを殺してでも自分のものにしたくなるほどの富江の美しさと、感情を爆発させ罪を犯す森のシーンは作画班の意気込みを感じます。

薄気味悪く、そして美しいホラーが好きな方におすすめです。

ホラー以外のおすすめ作品3選!

伊藤潤二はホラー漫画を主に執筆していますが、それ以外の作品も存在します。

ここではホラー漫画以外の3作品を紹介します。

ホラーが苦手な方は、まずはここから読んでみるのがおすすめです。

1.『人間失格』

引用元:Amazon

あらすじ
文学界の名作を独自の解釈で綴る異色作。 隣人の幸福が理解できない。なのに、隣人の目が気になって仕方ない。そんな主人公・大庭葉蔵が必死で身につけたのが道化だった。上京した葉蔵は堀木に誘われ、非合法活動に参加する。 活動に疲れた葉蔵はある女給と出会うが……

説明

日本文学の不朽の名作『人間失格』をトップホラー漫画家である伊藤潤二が独自の表現で描いた作品

他人の視線が怖くてたまらなくて、その結果嘘を重ねて、関わる人たちを不幸にしてしまう葉蔵の魅力をホラーとして表現するという技は、まさに伊藤潤二ならでは。

個人的にはモテモテの葉蔵を取り巻く女性陣が、可憐な可愛さでお気に入りです。

原作『人間失格』を読んだことがある方もない方も、”新解釈”『人間失格』として読んでみてもよいかと思います。

2.『憂国のラスプーチン』

引用元:Amazon

あらすじ
”外務省のラスプーチン”と呼ばれた辣腕外交官”憂木衛”が、北方領土返還に尽力しながらも”国策捜査”の名の下に逮捕され…。 ソ連、ロシア政権上層部に最も食い込んだ西側の“スパイ”としての活躍と、日本の取調室で繰り広げられる東京地検特捜部エリート検事との壮絶な闘いを描く。

説明

佐藤優の著書『国家の罠』をコミカライズした本作。

組織とは、官僚とは、そして外交とは、そして「国策捜査」とは、日本の体制について深く考えるきっかけを与えてくれることは間違いありません。

無実を主張する外交官vs罪を捏造する検察官。取調室内の息詰まる闘い。

巻末の座談会も含め、知らない世界を垣間見れるような作品です。

3.『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』

引用元:Amazon

あらすじ
本来、犬好きだったホラー漫画家のJ氏が、婚約者の意向で2匹の猫を飼うことになる。購入したばかりの新居で猫が原因となって起こる数々の騒動が描かれた、実話に基づいた作品。

説明

猫好き必見

伊藤潤二の独特のタッチで描かれる猫漫画です。

ほのぼの猫エッセイがホラーテイストになるとこんなに面白いのか!と思わせてくれた作品。

ホラー漫画家の書く猫…人間を食いちぎるくらいしてきそうですし、絵や台詞回しはホラー漫画のそれであるのにも関わらず、描写自体は猫飼いならあるあると頷きたくなってしまう日常の光景ばかりなので、ギャップで笑ってしまうこと間違いなしです!

珠玉の作品を読んで恐ろしくも美しい世界に引き込まれよう

今回は伊藤潤二作品の読む順番やアニメ化作品、ホラー以外のおすすめ作品をご紹介させていただきました。

今でも日本のホラー漫画界の第一線を走り続ける伊藤潤二の作品は、どれも気味の悪さと魅力にあふれたものであったかと思います。

また2024年5月現在、東京都にある世田谷文学館にて、企画展『伊藤潤二展 誘惑 JUNJI ITO EXHIBITION:ENCHANTMENT』が2024年4月27日(土)~9月1日(日)の日程で開催されています。

伊藤潤二初の大規模な個展である本企画展は、自筆原画やイラスト、絵画作品に加え、描き下ろしの新作も楽しむことができます。

漫画でも展示でも、日常と非日常ホラーとユーモアを自在に行き来する伊藤の作品世界に“震える”ひと時を楽しんでみるのはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

じろ

静岡県出身の「じろ」です。 主に旅行・グルメ・エンタメのジャンルを書いています。 読書と食べ物、それから旅行が好きです! 皆様の生活に新しい興味を生み出せるような情報をお届けします。

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