「純文学」と聞くと思い浮かぶ、「難しそう」「とっつきにくい」というイメージ…。
しかし、純文学作品の中にも、読みやすく、面白い作品は多数存在します!
今回は、短くて読みやすく、現代の日本人に馴染みやすい純文学をご紹介します。
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『コンビニ人間』|村田沙耶香
※引用元:文春文庫公式サイト
あらすじ
36歳で未婚、彼氏もいない。コンビニバイト歴18年。
「普通」がわからない中、コンビニの「店員」でいるときのみ、私は世界の歯車になれる。
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2016年に芥川賞を受賞した現代の純文学であり、短編のためとても読みやすい作品です。
「普通」の人間がわからず、周りにいる人間の言葉遣い、服装、行動を模倣して社会になじもうとするがうまくいかず、奇異な目で見られる。
普段「普通」のひとが何気なく過ごしてる日常に、どうしても馴染めない女性の物語に、どこか共感を覚えてしまうかもしれません。
- 刊行年
- 2018年
- ページ数
- 176ページ
『むらさきのスカートの女』|今村夏子
※引用元:朝日文庫公式サイト
あらすじ
主人公「わたし」は、近所で「むらさきのスカートの女」と呼ばれている女性が気になってしまい、観察を続けている。
ついに「わたし」は、「むらさきのスカートの女」と友達になるため、彼女が同じ職場で働くように画策し始める…。
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「何も起きていないはずなのに、何故か面白い」と話題になり、2019年に芥川賞を受賞しました。
果たして本当におかしいのは「むらさきのスカートの女」か、それを観察する「わたし」か…。
2019年に発表され、2022年に文庫化されたばかりの、今旬の作家の人気純文学作品を是非読んでください!
- 刊行年
- 2019年
- ページ数
- 211ページ
『ノルウェイの森』|村上春樹
※引用元:講談社公式サイト
あらすじ
飛行機がハンブルク空港に着陸すると、機内に小さな音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れ出した。
僕はそれを聴いて20歳のころを思い出し、激しく動揺し、混乱していた。
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日本の現代の純文学における代表作家といえば、村上春樹。
そんな村上春樹の代表作が、この『ノルウェイの森』です。
現代日本の純文学を読みたいという方は、有名かつ読みやすいこの作品から入るのもおすすめです。
主人公が20歳の大学生であり、物語も恋愛が中心となっているため、共感しやすい作品でもあります。
- 刊行年
- 2004年
- ページ数
- 304ページ(上巻のみ)
『金閣寺』|三島由紀夫
※引用元:新潮社公式サイト
あらすじ
「金閣を焼かなければならぬ。」
幼いころから父親に最高の美として教えられ、自身も最高の美として崇めていた金閣。
少年はなぜ、破滅に至ったのか。
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三島由紀夫の代表作である、『金閣寺』。
実際の事件をモデルにしており、リアルな心象表現と細かな描写が印象的な作品です。
三島由紀夫は一般的に「難しい」「思想が強い」と思われがちですが、実際に読んでみるとどこか共感できる部分があることに気付きます。
主人公が学生のため、中高生など学生にもおすすめです。
- 刊行年
- 1960年
- ページ数
- 383ページ
『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』|トルストイ
※引用元:光文社古典新訳文庫
あらすじ
官界において、成功を収めた役人・イワン・イリイチは病気になり、自身の死に直面する。(イワン・イリイチの死)
主人公が列車で出会った奇妙な男性は、嫉妬に狂い、遂にその美しい妻を手にかけたという…。(クロイツェル・ソナタ)
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『戦争と平和』で有名なトルストイの、短編作品です。
『戦争と平和』は歴史小説であり、6巻(光文社古典新訳文庫)もあるため、難しい本という印象がありますが、本作品は短く、「死」や「恋愛」という誰もが直面する問題をテーマにしているため、読みやすい作品です。
『クロイツェル・ソナタ』はその題名の通り、音楽のようなリズム感と列車のようなスピード感があり、気付いたら物語に入り込んでしまっているでしょう。
- 刊行年
- 2006年
- ページ数
- 364ページ
純文学は読みやすくて面白い!
純文学は大衆文学とは異なり、人生の根幹にかかわる部分を主題にした作品が多いため、難しいという印象があるかもしれません。
しかし、人生の根幹にかかわるような、「恋愛」「死」「美」という問題は、生きていくうえで誰しも1度は考える問題です。
それゆえ、共感できる作品も多く、世代を超えて愛されています。
あなたも、お気に入りの1冊を見つけてみませんか?