皆さん新型コロナウィルスの影響で生活が大きく変わりましたよね?
現在もマスク着用や手洗いうがいなど様々な予防をしていると思います。
そんな中、政府(厚生労働省)から感染予防対策の一環としてスマホアプリの導入を推奨されたと思います。
今回この記事の中では、アプリ『COCOA(ココア)』について、
世の中の新型コロナウィルス感染症に対する意識について、
アプリの仕組み、使い方についてを分かりやすく解説していきます。
目次[ 表示 ]
新型コロナウイルス感染症に関する意識調査
そもそも日本で初めて新型コロナウイルスの感染者が出たのは2020年1月16日でした。
当時から危機感を持っていた方がいたかもしれませんが、
ここまでの影響を及ぼすとは多くの方が思わなかったと思います。
2020年5月25日に緊急事態宣言が解除された後も国内では感染者は確認されています。
そんな中、セコム株式会社は6月23日~24日に第9回「日本人の不安に関する意識調査」を行いました。
その調査の中では5つの質問がされていましたが、今回はその中でも2つを取り上げたいと思います。
Q1:新型コロナウイルス感染症の影響で、これまでにどんなことに不安を感じましたか?
自分が新型コロナウイルスに感染すること 86.3%
周囲に新型コロナウイルスを感染させてしまうこと 59.9%
医療機関の逼迫 41.4%
その他 40%未満
Q1から多くの人は自分の感染と自分の周囲の人への感染を気にしているといったことが分かります。
Q2:新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、今後どのようなことに不安を感じますか?
自分が新型コロナウイルスに 感染すること 83.7%
感染拡大の第2波の到来 71.8%
周囲の人に新型コロナウイルスを感染させてしてしまうこと 58.6%
国内景気の悪化 43.2%
その他 40%以下
Q2.からも多くの方は自分の感染と、周囲の人への感染に多く方が関心を持っていることが分かります。
また今後については感染者が増えて第2波の到来に関しても関心が高いことが分かります。
2つに共通していることは、自分の感染と自分の周囲の人に感染する事でした。
引用元:セコム株式会社報道資料
厚生労働省が6月19日に「COCOA(ココア)」をリリース
厚生労働省は6月19日に新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOA(ココア)をリリースしました。
しかし様々な要因から実際に普及率は国民の約14%にとどまっています。
新型コロナウイルスに対して関心を持っているにもかかわらず、なぜアプリは普及しないのでしょう?
以下ではCOCOAの現状について分かりやすく解説をしていきます。
COCOAとは
厚生労働省は6月19日にCOCOA(ココア)をリリースしました。
そもそも「COCOA」とはCOVID-19 Contact Confirming Applicationを略したもので、
新型コロナウイルスの陽性者に接触していたことを通知してくれるアプリです。
機能としては大きく分けて2つあり、
1つ目はアプリ内で症状を入力することで検査の予約や受診の案内を速やかにしてくれます。
2つ目は過去14日間で陽性者と濃厚接触をしたかを通知してくれます。
現在のダウンロード数は人口の約2割
COCOAの現在のダウンロード数は10月9日現在で約1821万件です。
これは日本の人口の約14%にあたります。
政府は当初日本の人口の約6割がダウンロードすれば効果が見込まれると発表しました。
この「6割」というのはオックスフォード大学の研究グループによる数字で、
ちなみに日本の人口の6割は約8400万人で「LINE」に匹敵する数字です。
普及にはまだまだ時間がかかりそうですね…。
2割の利用でも効果あり
上記したようにCOCOAが配信された当初は人口の約6割がダウンロードしないと
効果が発揮されないと言われていましたが、
同大学の研究で2割程度のダウンロードでも効果が発揮されることが分かりました。
日本大学生産工学部マネジメント工学科の大前佑斗助教は2つの前提条件を元にシュミレーションを行いました。
1つ目は人口の2割(10月9日現在とおよそ同じ)がCOCOAを利用していること。
2つ目は感染者と接触をした報告を受けた人のうち8割が自粛すること。です。
アプリ利用者約1000人のうち10人が感染しアプリにその旨を報告したとします。
その報告は感染者に接触していたその他の利用者にも通知はいくので、
その報告を受けて8割が自主したとすると、
1ヶ月後の感染者数はCOCOAを利用しないときよりも3分の2以下に減少する。
ということが分かりました。
つまり周りが入れてないからダウンロードしないというのは安易な考えかもしれません。
COCOA(ココア)の仕組み
COCOAのプライバシーの観点からダウンロードしたくないといった方もいるかもしれませんが、
そのことも踏まえつつCOCOAの仕組みや使い方について分かりやすく解説をしていきます。
コロナウイルス接触通知の仕組み
そもそも本アプリではスマートフォンのBluetoothを利用して、
他のスマートフォンと接触した際に通知を受けす仕組みになっています。
ここで言う「接触」の定義としては陽性者と1メートル以内に15分以上接触していることです。
プライバシーは守られる
意識調査で分かったように多くの方は新型コロナウイルス感染症への感染を気にかけています。
しかし厚生労働省に感染予防対策として推奨されているCOCOAをダウンロードする人は少ないです。
その理由として多かったのは個人情報の観点で警戒をしているからでした。
しかし、COCOAはプライバシーに最大限に配慮した仕組みになっています。
①本アプリでは個人情報や位置情報の登録はないので、
名前、メールアドレス、住所、電話番号などの登録は一切なく完全匿名性です。
②アプリをダウンロードしても利用するかどうかは本人次第で、陽性者登録も本人の同意が前提です。
③アプリ内の記録はすべて個人の端末でのみ記録するので、外部に出ることもなく、
中央サーバーで管理されることもありません。
あくまでも本アプリは個人の同意を前提に、本人が本人の接触状況を把握するためのアプリだということが分かります。
そのため、厚生労働省が利用者のデータを収集して利用することもありません。
陽性者との接触可能性を管理
陽性者と接触の可能性があった場合には、本人が確認すると通知を見ることができます。
陽性者との接触の可能性をメイン画面に登録するのではなく、
本人が「確認」を選択することで確認できるようになっています。
つまり、接触しているか確認する場合も完全に本人の任意になっているということです。
次に、通知が来た人のみ症状や身近な人の状況を選択すると検査の受信などを案内してくれる仕組みになっています。
本人が新型コロナウイルス感染症の陽性を登録する
・PCR検査の際、保健所等で登録
新型コロナウイルスの陽性反応が判明した際に、本人が同意して、本人にアプリの登録をしてもらいます。
本人がPCR検査の際に新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム
「HER-SYS(ハーシス)」に登録した電話番号のSMSまたはメールアドレスあてに「処理番号」を通知します。
その処理番号をアプリ内で登録してもらえれば陽性者の登録をすることができます。
※管理支援システム[HER-SYS(ハーシス)]…
新型コロナウイルス感染者等の情報を電子的に入力して、関係者間で管理するシステム。
COCOA(ココア)の使い方
接触の記録方法
・端末の識別
アプリを実行した際に、各スマートフォンで「接触符号」が生成されます。
指名・電話番号などの個人情報やGPSなどスマートフォンの位置情報を使うことはなく、
記録されることもないので安心です。
・記録される条件
1メートル以内、15分以上の他のアプリユーザーとの接触は」「接触」として記録されます。
・接触情報の記録
接触した相手の接触符号の記録をアプリに行います。
どちらかの利用者が陽性の登録を行うまでは接触の情報は利用できません。
接触の履歴は14日後に消去され、接触符号は定期的に変わります。
接触の確認・通知
接触した人の中に新型コロナウイルスの陽性登録された人がいた場合、
スマートフォンにプッシュ通知が届きます。
最近の通知件数確認へはホーム画面からも移動する事が出来ます。
陽性者との接触があった場合
接触があった日付に一覧が確認できます。また適切な連絡先をお知らせしてくれます。
感染していると判断されたら
検査によって新型コロナウイルス感染が確認された場合。
保健所等公的機関から登録用の「処理番号」が発行されます。
その処理番号を用いて本アプリで登録作業を行います。
この登録が完了したら感染者と14日以内に接触した人のスマホアプリに通知が届きます。
通知される情報は端末の接触符号のみで、
それ以外の、氏名など個人情報や位置情報が送られることはありません。
陽性者との接触を確認する
陽性者との接触を確認する方法としては、ホーム画面の
「陽性者との接触を確認する」ボタンを押すと過去14日間に接触した件数を見ることができます。
また、過去14日間に接触した日時も閲覧する事が出来ます。
陽性情報の登録
陽性情報を確認した際に接触が確認された場合、
「症状を入力して相談」と「電話で症状を伝えて相談」といった画面が表示されます。
そこで選択した自分の症状等に応じて、帰国者・接触者外来等への受診を案内してくれます。
アプリを周りの人に知らせる
ホーム画面を開いて「アプリを周りの人に知らせる」を選択
するとLINEやTwitterなどで共有をすることもできます。
COCOA(ココア)不具合も?
使用日数の不具合
一番多かった不具合はアプリを利用して数カ月経っているのに初期化されて使用日数が0になっているといったことです。
体調の悪化を感じ、接触者がいた場合には対策を考えられるのに初期化をされているから
新型コロナウイルスに感染しているかどうか判断しにくいといったことがあります。
表示の不具合
以前までは「陽性者との接触を確認した」という報告がプッシュ通知に表示されているにも関わらず、
アプリで確認すると「陽性者との接触は確認できませんでした」と表示される不具合がありました。
しかしこの問題は最新版のios(ver.1.1.4)で改善されたようです。
各国のコロナ対策アプリ
国によって新型コロナウイルス接触確認アプリは特徴が様々です。
以下に主な特徴をまとめてみました。
ドイツ
ドイツの新型コロナウイルス接触確認アプリ(Corona-Warn-App)は
日本と同じようにプライバシーに最大限配慮した仕組みになっています。
ドイツのコロナ警告アプリは、国営通信キャリアDeutsche Telekomと
ソフトウェア企業であるSAPの開発者とエンジニアのチームが開発を行いました。
同国ではアプリの公開後わずか1日で人口の約7.8%にあたる650万件のダウンロードを記録しています。
フランス
フランスの新型コロナウイルス接触確認アプリ(StopCovid France)
は他国に比べて普及が進んでいないといった問題があり、
リブランディングを行い(Tous Anti Covid)と名前を変更しました。
元々プライバシーに関して警戒心の強い欧州の中でもフランスは特に強いようです。
そういうこともあってプライバシーに配慮した仕組みになっています。
参照:パリ・エ・トワ
中国
中国の新型コロナウイルス接触確認アプリ(Close Contact Detector)は日本や欧州とは異なり、
プライバシーの面では配慮がされていない仕組みになっています。
濃厚接触検出器アプリを利用するためにはウィチャット(WeChat)、アリペイ(ALipay)、
などの人気アプリを通じてスマートフォンでQRコードをスキャンし、利用登録をする必要があります。
登録には電話番号、名前、国民IDの入力が必要です。
プライバシーや自由に関する認識が少し異なっている中国は少し特殊かもせれません。
韓国
韓国ではエンジニアがいくつもの新型コロナウイルス接触確認アプリを提供しています。
韓国のアプリの特徴としては位置情報やクレジットカードの情報が紐づけられているということです。
そのことによってその人の購買情報や食事場所を特定する事が出来ます。
これによって感染後の行動のみならず感染前の行動も把握する事が出来ます。
韓国に入国する際は政府系の追跡アプリをダウンロードすることが義務付けられています。
シンガポール
シンガポールの新型コロナウイルス接触確認アプリ(Trace Together)
はプラバシーに配慮しつつも、位置情報や電話番号などの個人情報を取得する仕組みになっています。
Bluetoothを利用する場合、アプリを起動し続ける必要があり、消費電力がかかるといった特徴があります。
参照:日経XTech
アメリカ
アメリカのグアムでは「Guam Covid Alert」、バージニア州では
「COVIDWISE」のように各州によって新型コロナウイルス接触確認アプリを提供しています。
共通して言えることは日本や欧州諸国と同様にプライバシーを最大限重視しているということです。
参照:日本橋夢屋
まとめ
新型コロナウイルスに関する意識調査を行った結果、
80%以上の人が自分が感染することに不安を抱いていると言うことが分かりました。
その予防策として厚生労働省は新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)をリリースしました。
しかしプライバシーの問題や不具合などの影響もあってダウンロード数は増えていません。
専門家は人口の2割以上でも感染拡大予防に効果があると述べていますが、6割以上で高い効果が見込まれると述べています。
外国のアプリと比べても、日本の新型コロナウイルス接触確認アプリは
プライバシーに最大限考慮されて作られているため心配はありません。
使い方も容易ですし普及することによって
早くこのパンデミックが落ち着く可能性があるのでインストールをしてみてはいかがでしょうか?
厚生労働省 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)