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アンニュイとは
アンニュイな気分という言葉をよく聞くけれど、実際にどのような意味を持つのかまでは知らずに使っている人も多いでしょう。
辞書でアンニュイを調べると「物憂げな」「倦怠感」という意味があります。もう一つはカタカナ語で調べた時のアンニュイの意味です。「神秘的」「ミステリアス」という意味になります。
一つの言葉だけでポジティブにとらえられる場合とネガティブにとらえられる場合があります。
アンニュイの語源はフランス語
カタカナ語の言葉が出てくると、元々は英語なのではないのかと考える人もいるでしょう。
アンニュイは英語ではなく、フランス語になります。フランス語の「Ennui」は「けだるい」という意味になり、面倒くさい様子や退屈な様子を表しています。
日本語で使われる意味には「神秘的」や「ミステリアス」などの意味がありましたが、フランス語で「Ennui」を使うとかなりマイナスな表現になります。
アンニュイが使われるシーン6つとその意味
具体的にアンニュイはどのような場面で使われるのか、その意味とともに見てみましょう。それぞれ6つのパターンのアンニュイについて触れています。
アンニュイは前向きになれず、気分が下がっている時に使われる言葉ですが、それだけではありません。
どのような言葉がマイナスでどのような言葉が前向きな言葉なのか、1つずつ紹介していきます。
アンニュイな景色
「この場所から見える景色はとてもアンニュイで気に入っている」といった時に使います。
ここでのアンニュイはだるい、面倒くさいなどの意味ではありません。マイナスのイメージが強いアンニュイですが、景色については違う意味があります。
きれい、美しいといった意味の神秘的という意味が一番マッチしています。
アンニュイなメイク
アンニュイはマイナスな表現を用いる時に使いますが、メイクはカタカナ語のアンニュイの意味である神秘的・魅力的といった時に使います。
「最近、彼女はアンニュイなメイクにこだわっている」といった使い方をします。メイクの時に使うアンニュイは人をけなすのではなく、褒める時に使う言葉になります。
アンニュイなコーデ
派手な格好やスパンコールがたくさんついたようなコーディネートではなく、カジュアルに近い落ち着いた色合いのことをアンニュイなコーディネートと表現します。
色は淡い色、言い方によっては地味な色や落ち着きのある色と表現されるようなコーディネートです。
彼女は最近派手な色合いのコーデを控えて、アンニュイなコーデを楽しむようになったというような使い方をします。
アンニュイな髪形
メイクと同じで、髪形もアンニュイと使う場合はマイナスな表現として使うものではありません。
誉め言葉としてアンニュイな髪形と使いましょう。
「アンニュイな髪形がお気に入りの彼女は、どことなくミステリアスで魅力的だ」といったように見ていてどことなく飽きないような髪形をしている時に使います。
スモーキーなカラーをしている時などにアンニュイな髪形という表現を使います。
アンニュイな気分
アンニュイの表情や気分は、アンニュイの元々の意味である憂鬱やだるさを表すマイナスな表現とカタカナ語の意味である神秘的なという2つの意味を表します。
その時々の状態によって使い分ける必要があるため、いい意味と悪い意味の使い分けに注意が必要です。
気分を表す時は、「今日はアンニュイな気分だ」と表現し、これは憂鬱やだるさなど精神的な意味合いを持ちます。
一方、ある女性に見惚れてしまうような感情を表す時は、「あの女性はなんだかアンニュイだな」といった使い方をします。
こちらは目で物を見て、感情を表しているので憂鬱やだるさといった言葉は使いません。カタカナ語の意味である「神秘的」が適切でしょう。
時と場合によって使い方が異なることがあるので、むやみにアンニュイと使わない、またその使い方に注意が必要です。
アンニュイな雰囲気の人
アンニュイな雰囲気はよく使われる言葉です。あの人、アンニュイな雰囲気の人だなという言葉を使った人もいるのではないでしょうか。
アンニュイには、用途によって使い方が異なります。その時々によって使い分けなければいけないため、意味をしっかりと理解しておく必要があります。
アンニュイな雰囲気の人はどことなくミステリアスな人、魅力あふれる人という意味合いで用いられます。
また、自分を飾らず、自然体な様子の時もアンニュイな雰囲気の人だと表現します。
アンニュイを使った例文4つ
アンニュイとはマイナスの表現に用いられる用語です。また、様々な面で使われることがあるアンニュイですが、実際どのような場面で使用するのでしょうか。
風景・ファッション・人物・気持ちの4つのカテゴリに分けてみていきます。
風景・ファッション・人物についてはマイナスの意味合いを持ちません。ミステリアスや神秘的といった表現をします。
一方、気持ちについてだけマイナスの意味合いを持つだるい・倦怠感などを使います。気分がすぐれなかったり、気持ちが重かったりする日などに使用します。
上記の中で、風景・ファッション・人物はミステリアスや神秘的の意味、そして気持ちを表す時だけマイナスの意味を持ちます。それぞれ具体的にどういった時に使用するのが適切なのか、順番に見ていきましょう。
風景を表現したい時
風景は色々な場面がありますが、アンニュイな風景と表現するなら人が絵にかいたような風景が当てはまります。
意味は「神秘的」と表すのが一番いいでしょう。そのほかにアンニュイとは少し離れてしまいますが、「美しい」という表現もぴったりでしょう。
この景色はとてもアンニュイな景色だな、などというように使います。夕暮れ時の景色なども神秘的ですので、アンニュイという言葉が当てはまります。
人物を表現したい時
アンニュイ女子という言葉があるほど、アンニュイは人物に使われることがあります。忙しそうで心に余裕のない人物はアンニュイ女子には含まれません。
心に余裕はあるけれど、どこか影があってミステリアスな女性のことをアンニュイ女子といいます。
その女性が魅力的で見ていて飽きない様子のことです。
アンニュイは女性だけに使われる言葉ではありません。男性でもアンニュイな人と表すことができます。
どこかけだるそうな雰囲気のある男性はアンニュイな男性と言えるでしょう。そのような男性は女性から見たらセクシーに見えたりします。
ファッションを表現したい時
ファッションでもアンニュイという表現を使います。アンニュイなファッションは落ち着きのある感じのものを言います。
スパンコールがキラキラついている華やかさが漂う洋服やフリルが多い洋服はアンニュイとは言いません。
アンニュイな服とは、カジュアルで大人の要素が漂う洋服をアンニュイなファッションだと表現します。
男性でも女性でも着こなせるアンニュイな洋服もありますし、アンニュイなファッションブランドも存在します。
気持ちを表現したい時
アンニュイは元々、憂鬱や倦怠などマイナスな要素が詰まっている言葉です。よって気分や気持ちを表すアンニュイもマイナスイメージの強いものばかりです。
ブルーになっている、気持ちが沈んだ状態、憂鬱な気分など、とにかく気持ちが滅入っている状態を表す時に表現します。
気持ちが前向きにいかない日があればアンニュイな気分と使います。何を考えていても前向きな気持ちにならないままの状態です。
アンニュイの類義語
そもそもアンニュイの意味は「物憂げな」や「倦怠感」といった意味になります。この意味に近い類義語は4つあります。
・退屈
・倦怠
・無為無聊
・憂鬱
上記4つがアンニュイの類義語になります。4つともマイナスのイメージを放っている言葉です。
どの言葉もマイナスにとらえられる言葉ばかりで、気分が下がってしまうようなものです。日常生活で使用頻度が高い言葉もあれば、あまり聞きなれない言葉もアンニュイの類義語に含まれる言葉になっています。
アンニュイの対義語
類義語でも述べたように、アンニュイの言葉の意味は「物憂げな」や「倦怠」といったマイナス思考を表す言葉でした。
類義語はそれにちなんだ憂鬱や退屈といった言葉で、面倒くさい・やる気が出ないなどの意味を持ちます。
面倒くさいややる気が出ないといった言葉の反対の意味になりますので、アンニュイの対義語は「活気がある」「集中する」という意味を持つ「熱中」「没頭」などが当てはまります。
アンニュイの類義語とは違い、やる気がある・物事に集中するなどプラス思考の言葉になります。
アンニュイの正しい意味を知ろう
アンニュイという言葉の意味を知らずに使っている人もいるのではないでしょうか。知らずに使う言葉と、意味を知っていて使う言葉とでは違いがあります。
アンニュイの正しい言葉の意味は、「けだるい」「退屈」です。元気がない、面倒くさい、疲れたなどマイナス思考の感情の時に使います。
これは肉体的にダメージを受けているのではなく、精神的にダメージを受けている意味なため、「今日はずっと雨が降っていて憂鬱だな」という時にアンニュイという表現を使います。
アンニュイとは何もしていないのに気分が下がるという精神的にダメージを負っている様子の時に使う言葉なのです。
アンニュイにはたくさんの表現があります。アンニュイの意味を理解して適切に使いましょう。