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承知しましたという表現の意味
「承知しました」の意味は、「理解しました」「依頼された内容を承りました」です。「分かる」の謙譲語に当たります。
謙譲語は、自分をへりくだった言い方にすることで、相手を立て、敬う気持ちを表現する言葉です。
ビジネスシーンで使われることの多い「承知しました」の表現ですが、社会人になって間もないときは言い慣れないものです。使い方が分からないと苦手に感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば怖くないでしょう。
使い方のポイントをみていきましょう。
承知しましたという表現における使い方のポイント
「承知しました」を使うときのポイントは、取引先や上司など目上の人に使える点です。
似たような言葉である「了解しました」は同僚などに、「かしこまりました」は一番丁寧な言い方になります。
ビジネスシーンでは、「目上の人、取引先には承知しましたを使う」と覚えておくと良いでしょう。そして、より丁寧に言いたい場面では「かしこまりました」を使い分けられると良いでしょう。
主にメールや文書に使用される
「承知しました」は、上司や取引先との文書やメールでも使用できます。ビジネスシーンにおいて、必要不可欠な文書やメールでのやり取りですが、社会人経験が浅いと「丁寧に書かなくては」と思う反面、適切な言い回しが分からず、ぎこちない文面になってしまいます。
メールなど顔の見えないコミュニケーションでは、表情が見えない分、不愛想にならず丁寧な印象を与える「承知しました」を使いましょう。
「承知いたしました」と「承知しました」は使い分ける
承知「いたしました」は、承知「しました」をさらに丁寧にした表現で、目上の人や取引先の社外の人に向けて、またはお客様に向けて、より丁寧に言いたい場合に使います。
「しました」の謙譲語が「いたしました」に当たるため、より相手を敬ったニュアンスにできます。
就職活動中の会社に電話やメールで問い合わせをする際や、面接官への返事の際も「承知いたしました」を使いましょう。
承知しましたを使った3つの例文
「承知しました」は、「相手の発言内容を理解しました」の意味と「相手が依頼してきた内容を引き受けました」の意味があります。
適切な場面で使用しないと、ビジネスシーンでは誤解を生む原因にもつながります。多用される便利な表現だからこそ、仕事中の誤解が生じないように使い方はしっかりおさえたいものです。
シーン別の使い方を知って、より適切に使いこなせるようにしましょう。
1:社外の方に対して使う場合
【例文】
・現場での打ち合わせ日時は8月13日に決まりましたので、よろしくお願いいたします。
→承知いたしました。出席可能です。
・当初の図面作成に加えて、写真データーの添付もお願いできるでしょうか?
→ご依頼の件、承知いたしました。追加作業については確認でき次第、ご連絡を差し上げます。
社外の方に使うシーンでは、相談や要望があります。「文の概要をおおまかに理解した」という意味なのか「依頼内容の一部だけ引き受けられる」という意味なのかが相手に伝わるように、追加の文を入れるなどして認識のズレを予防しましょう。
2:目上の人に対して使う場合
目上の人に対しては「承知いたしました」「承知しました」どちらも使えます。相手の立場や状況をみて、より丁寧に表現したい場合は「承知いたしました」を使いましょう。
【例文】
・(上司)会議資料を15時までに準備してください。
→承知しました。
・(常務)事業計画書を月末までに提出してください。
→承知いたしました。
3:メールで使用する場合
使い方は基本的には口頭と同じですが、メールでは顔が見えない分、丁寧な印象を与えられる文面作成を心がけましょう。
【例文】
・(お客様)予約人数を5人に増やしたいのですが、可能ですか?
→承知いたしました。5名様に変更いたします。
・(上司)現場状況について報告書を提出してください。
→承知いたしました。本日中に提出いたします。
承知しましたの類語として使われる3つの言葉
承知しましたの類語には「了承しました」「了解しました」「かしこまりました」「御意」があります。
これらの表現はすべて「分かりました」を意味しますが、それぞれ適した使い方があります。使う相手を間違えてしまうと上から目線の敬語になってしまい、かえって失礼になるので注意しましょう。
それぞれの意味と、例文を紹介していきます。
1:了承しました
「了承しました」は、「承知しました」に比べると若干くだけた表現になります。「分かりました」の意を伝えるときに使う表現です。
「承知しました」が自分がへりくだり、相手をたてる表現であるのに比べて、「了承しました」は、「許可します」という上から言う印象のある言葉です。
後輩や同僚に対して使えますが、取引先などの社外の人や、目上の人に使うのはやめて「承知しました」を使いましょう。
了承しましたを使った例文
「了承しました」は「分かりました」の丁寧語です。目上の人や取引先、接客でのお客様対応を除いた部下や目下の人に使える使い勝手の良い表現です。
部下や後輩への返答で「うん」「分かった」ではカジュアルすぎる面もありますが、職場では適度な距離間のあるニュアンスになるためおすすめです。
【例文】
・会議で使用する資料の作成が完了しまたので、ご確認をお願いします。
→了承しました。ありがとうございます。
2:了解しました
「了解しました」は「分かりました」を意味する言葉で、同僚や目下の人に使う表現です。目上の人や取引先など、敬う表現が必要な場合は不適切になるため使えません。
「いたしました」が謙譲語になるため、自分が相手よりへりくだる表現がふさわしいシーンでは「了解いたしました」が適切です。
ただし、「了解」自体にくだけたニュアンスを感じる人もいます。年配の人や、かしこまった言い方が良いシーンでは「承知しました」が良いでしょう。
了解しましたを使った例文
同僚や目下の人であれば、口頭でもメールでも使えます。
【例文】
・先輩、今日の打ち合わせ時間が16時に変更になりました。
→16時ですね。了解しました。
・課長、在庫が不足していたので50個追加発注してよろしいでしょうか?
→了解しました。50個追加発注しておいてください。
3:かしこまりました
「かしこまりました」は、「話を理解しました」や「依頼された内容を引き受けます」という意味があり、目上の人や取引先の人に対して使います。
「承知しました」も「かしこまりました」も同じニュアンスで使える表現です。どちらかというと、「かしこまりました」という表現の方が柔和な響きがあります。そのため、ビジネスシーンでの会話やメールだけではなく、接客の際にお客様へ使う表現として向いています。
かしこまりましたを使った例文
「かしこまりました」は、「承知しました」よりも柔らかいニュアンスがあり、一言添えることで丁寧な表現になる表現です。メールでの文章にも使えますが、口頭で「かしこまりました」を使うことが多い表現でもあります。
【例文】
・(お客様)水のおかわりをお願いします。
→かしこまりました。今、お持ちします。
・(取引先)会食の日程ですが、3月2日に決定しました。
→かしこまりました。当日は宜しくお願いいたします。
4:御意
「分かりました。同意します」の表現のひとつに、「御意(ぎょい)」があります。映画や小説の中で、武士が「御意」と言うシーンは馴染み深いですが、日常的に使う表現ではありません。そのため聞きなれない人もいるのではないでしょうか。
「御意」は、詳しい意味として2つあります。ひとつは「身分の高い人の意見」と、もうひとつは「目上の人が言った言葉に対する返事」です。
御意を使った例文
現代のビジネスシーンでは「御意」を使って「分かりました」と日常的に表現するのは避けた方が無難です。
フランクに話せる間柄で、冗談で「御意」と使うことはあります。しかし、目上の人に「御意」と言うと失礼に当たりますので口頭での使用は控えましょう。「身分の高い人の発言」という意味で、文面で使用するのをおすすめします。
【例文】
会長の御意にかなうように進めて参ります。
→「会長のご意向のとおりに進めていきます」という意味。
承知しましたを英語で表現する方法
「分かりました」の丁寧な表現はいくつもありますが、英語での表現もあります。ビジネスシーンでは外国の方とコミュニケーションをとる機会もあるでしょう。目上の方と接する機会のある人は、覚えておいて損はありません。
「承知しました」の英語表現にはバリエーションがあります。相手と自分の立場や、関係の距離感、どのようなシーンで使うかを考慮して使い分けられると良いでしょう。
カジュアルな言い方と、フォーマルな言い方を紹介します。
カジュアルシーンで使う場合
同僚や友人などカジュアルシーンで「うん!いいね、分かった!」と言う場合は、「Sounds good 」が一般的に使われています。「All right」に比べて、「Sounds good 」の方が相手に強く「うん!自分も同じ考えだ!」というニュアンスが含まれます。
「All right」は、「自分は納得しきれていないけれど、今はとりあえず同意しておくよ」というニュアンスも含まれるため、使う場合は状況や相手との立場を考慮しながら使えると良いでしょう。
・「了解しました」All right
・「いいね、了解」Sounds good
・「かしこまりました」I got it
フォーマルなビジネスシーンで使う場合
ビジネスシーンでは、礼儀や礼節に配慮した上で言葉を選びますが、英語でも同様にフォーマルなビジネスシーンで使う表現があります。「承知しました」をはじめとした「理解しました」「引き受けます」の英語表現を見ていきましょう。
「I understand」は、「了解しました」の丁寧な言い方であり、同僚だけではなく目上の人やお客様にも使用できます。
・「かしこまりました」Certainly
・「理解しました」「承知いたしました」I understand
・「あなたに賛成です」I agree with you
承知しましたの敬語の意味や使い方を理解しよう
ビジネスシーンでは、上司や同僚をはじめ、取引先やお客様など様々な立場の人とコミュニケーションを図ります。会話だけではなく、メールは文書などによってもその都度ふさわしい表現を選べる言葉の引き出しが必要です。
「承知しました」の使い方を知って、柔軟に使いこなせるようなれば、礼儀や礼節を守りながら相手の立場に合ったコミュニケーションがとれるようになるでしょう。