『SPI×FAMILY』『怪獣8号』『推しの子』『チェンソーマン 第二部』など、ジャンプ+にはたくさんの面白い作品が無料で掲載されています。
その中でも「読み切り作品」は、ジャンプの型から外れたような作品も多く、いろんな意味で”ヤバい”名作が盛りだくさん!
今回は、ジャンプ+ファンの私が個人の主観で厳選した「読み切り作品」20選をご紹介します!
読み終えたら絶対に人におすすめしたくなる作品ばかりなので、まずは一度試し読みしてみてくださいね♪
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感動もの11選
言葉の深海
愛犬を亡くしてしまった少年が、どの様にして前を向いて行くのか、という過程が描かれたこの作品。
自分の気持ちが、ただ言葉にしていないだけでなかったことにされてしまう、というのは言葉を持つ人間ゆえの難しさかもしれません。
途中、姉の言葉への言葉もうまく出せず、感情が行動に出てしまったシーンはこちらもひやひやしてしまいました。
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自分の思いを言葉にできない、という感覚を「深海」と捉え、それでも懸命に前を向こうとする主人公を応援したくなる作品です。
- 作者
- むぎすけ
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
ルックバック
映画も上映中の『ルックバック』。
『チェンソーマン』『ファイアパンチ』などの藤本タツキ先生の作品の中でも、一番印象に残っている、という人が後を絶たない理由が読めばわかります。
現在は映画化・コミックス化もされているため、ジャンプ+内では途中までしか読めないのですが、この作品を紹介しなければジャンプ+の読み切りを語れないのでご紹介させていただきました。
才能と努力、藤野と京本の友情と、漫画・絵に対する「好き」という渇望の気持ち。
『ルックバック』という作品タイトルが名は体を表す、という言葉通りにこの作品の根幹にあります。
ぜひコミックスまで読んでほしい作品です。
- 作者
- 藤本タツキ
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
キスしたい男
さすが『タコピーの原罪』の作者…という重さの読み切り作品。
タイザン5先生の描く、顔の左右どちらかを隠すと全く違う印象を受ける表情ファンの筆者はこの作品の扉絵が本当に好きです。
初めはコミカルに始まるこの作品も、要所に不穏な言葉や表現が残されていて、だんだん全容がわかっていく感じが、サスペンスを読んでいるようで癖になります。
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現実逃避を続けてきたレオにかけるにこちゃんのセリフがもう…!
ふたりで現実と向き合っていこうとする最後のシーンは、本当に感動ものです。
- 作者
- タイザン5
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
ヒーローコンプレックス
”ヒーローのような兄を持つ弟”だったはずの弟が成長し、自分はどんどん落ちこぼれて”才能ある弟の兄”と呼ばれるようになってしまった主人公。
漫画家となった弟は、兄である自分をヒーローと見立てた作品を描き、大ヒット。それがなんだか才能のなかった自分への当てつけに見えてしまう主人公は、弟を突き放そうとしますが、弟の本当の気持ちを知り、自己嫌悪に陥ります。
物語中盤、目のハイライトの消えた主人公が、弟の言葉で光を取り戻すシーンは、人間の善性が感じられて大好きなシーン。
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どうしようもない現実と折り合いをつけるため、足掻く。嘆いて終わるのでなく、ちゃんと答えを出すところがこの作品の推しポイントです。
- 作者
- タイザン5
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
はなれたふたり
こちらもタイザン5先生の作品です。
読み切りという短い表現の中で、ここまでの個性とまとまりを作り出せるのは、文章構成力の高さゆえなのでしょうか。
ずっと隣同士二人で戦っていきたいと思っていたのは、孝太郎だけではなかった、というのが終盤にわかるのがまた伏線回収過ぎる…。
『ヒーローコンプレックス』や『キスしたい男』のような、違う場所に立っていても認め合う話が、本当に良い。
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人間の本質は認め合うことである、ということを思い出させてくれる作品です。
- 作者
- タイザン5
- ジャンル
- スポーツ
にくをはぐ
肉を捌く・動物を狩るという行為と、トランスジェンダーの主人公という一見すると結びつかない強い個性が、うまく調和して成り立っているこの作品。
一つ一つのセリフや登場人物の行動、視線の一つに至るまでが丁寧に描かれており、画力の高さを感じさせます。
過去をなかったことにできるわけではないが、決して未来を変えられないわけではない、と背中を押してくれるような主人公たちの生き方が印象的でした。
- 作者
- 遠田おと
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
ねぇねぇ、ねねさん
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作中に登場する料理の数々が美味しそう、という理由でタップしたこの作品に、まさかそんな結末が待っていたとは…。
一緒にものを食べ、会話するというコミュニケーションの重要さに気づかされます。
グルメラブコメかと思いきや、最後に待つどんでん返しに、あなたも涙すること間違いなし。
中盤の怒涛の伏線を回収するために、初見だけでなく、二度三度繰り返し読みたくなる作品でした。
- 作者
- 天色ちゆ
- ジャンル
- ラブストーリー
16歳の身体地図
キリカがみとの「バレー向き」な身体が羨ましいように、みともキリカの「女性らしい」身体が羨ましいということに対して、「私は好き」とそれぞれ愛してあげるところがとても素敵でした。
「自分の体(精神含む)のままならなさ」はほとんどすべての人が対峙する普遍的な感情で、その上で生理という題材を丁寧な見せ方で描かれています。
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最終ページでのまとめ方がきれいで、特に煽り文がこの作品を象徴するような言葉でまとめられており、とても格好良かったので是非読んでみてください!
- 作者
- モリエサトシ
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
ふたりは殯の庭で
自由や名前の意味と価値を磨き込んでいく構成や、10日目で終わってしまうはずだったのに、10日を過ぎても続くミッションから、愛情と未練が感じられて非常に美しい作品でした。
ミニシネマのような場所で、ひっそりと上映されているショートフィルムを見終えたかのような、余韻の残る読後感が感じられます。
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ふたりの間にある感情を、恋愛ではなく、家族愛という無償の愛と表現したのが印象的でした。
- 作者
- 逸茂エルク
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
ジェーン・ドゥに祝福を
いかにも不穏そうな幕開けなのに、あたたかくて優しくて、気の利いた素敵な作品でした。
日本で「名無しの権兵衛」という身元不明者を呼ぶ名前があり、それを、海外では「ジョン・ドゥ(ジェーン・ドゥ)」といいます。
そんなリヒトの姿で現れたジェーン・ドゥと過ごす、20年間の蘇生実験の経過記録をぜひ、読んでみてください!
- 作者
- 三堂マツリ
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
勇者ご一行の帰り道
超絶画力で描かれる王道の「剣と魔法」の世界…と見せかけて、徐々に不穏な様子が現れ最後に大きなどんでん返しのあるストーリー。
非の打ち所がない漫画とはこういう作品のことを言うのではないでしょうか。
読み終わった後、改めてもう一度最初から読み返したくなる作品です。
- 作者
- 平野稜二
- ジャンル
- ファンタジー
恋愛もの5選
続いて、ジャンプ+読み切り作品の中でも恋愛ものの作品5選をご紹介します。
うつろうカノジョたち
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まず大前提として、絵がとてもかわいい!!
登場する羽汐、霧子、モモ、愛凛の四人のヒロインはもちろんのこと、主人公時政にもイケメンかつかわいさがあります。
またヒロインたちの恒常的なセリフや、ちょっとしたキャラの発言の語感が良く、小気味よく会話が進んでいくのも面白いです。
ラブコメにありがちな「男子が複数の女子から一人を選ぶ」という構造ではあるのですが、作中の「自分で自分を愛してあげようよ!」というセリフなどから、誰かに愛されるには、まずは自分自身を愛してあげること、という少し違った視点もあり、独自性も感じられました。
79pと少々ボリュームもありますが、テンポよく読めるため、ぜひ一度挑戦してみてください!
- 作者
- 大豆田
- ジャンル
- ラブコメディ
マッチングアプリで知り合った人と今日死ぬんだ
掲載開始から「サムネ詐欺」「タイトル詐欺」とSNSで話題になっており、その反響が呼び水となってまた読者が増えているこの作品。
マッチングアプリ?デスゲーム?と頭の中が?で一杯になっているうちに、どんどん話の展開の面白さにひきつけられ、最後まで勢いで読めてしまいます。
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主催者がぶっ飛んでるタイプのデスゲーム漫画が結局一番面白いですね(それはそう)。
- 作者
- 山下もみよ
- ジャンル
- コメディ
心中
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「心中」という言葉にはいい意味と悪い意味の両面を持つことを知らなかったため、タイトルからは予想できないストーリー展開でした。
起承転結がとてもきれいで、かつ2人が一緒に時間を過ごすうちに、自然と口角が上がったり、頬が緩んでいるような描写が増えてきているのが、お互いと共にする時間を心地よく思っていることが伝わってきます。
周りからどういわれようと、抑圧されようとも、今まで奪われ続けてきた自由を取り返す”戦友”として、そして一緒の時間を過ごしていく”パートナー”としての二人の行く末が気になりますね。
- 作者
- 矢薙/増渕ウナム
- ジャンル
- サスペンス
送り雨
ほぼ主人公の回想で進むのに細やかな情景が想像できるという、表現力に驚いたこの作品。
個人的には「みのるがとき羽を思うとき、いつもコマの外に花が咲いているため、みのるにとって本当に美しくて楽しい時間だったのでは」というコメントを読んで、表現力の強さを改めて感じました。
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感動もので紹介した『言葉の深海』の作者でもあるため、そちらと合わせて読んでみるのもおすすめです。
- 作者
- むぎすけ
- ジャンル
- ラブストーリー
100万回死んだルナ
「100万回死んだ」はただ一人からの愛を求めるルナの気持ちだと思っていたのですが、まさか比喩表現でもないとは…。
「ふたりの気持ちが同じであることが愛であり、あなたの気持ちは愛だった」と語るルナの表情が晴れやかで、言外に「私もあなたを愛している」と告げるセリフ回しに感動しました!
絵もとても丁寧で見やすく、ストーリーもまとまっているため、全90pではあるものの、あっという間に読めてしまう良作です。
- 作者
- 猗笠怜司
- ジャンル
- ラブストーリー
ホラーもの4選
最後に、ジャンプ+読み切り作品の中でもホラーものの作品5選をご紹介します。
ノサバリバッコ
令和版『地獄先生ぬ~べ~』とも言えてしまうようなこの作品。
「後ろに、あそこに何かいる?」という少しの違和感と後味の悪さがまさにジャパニーズホラーですし、なにより先生の根性がすごい!
じわじわと怖い雰囲気を出しつつ、ここぞという場面で圧倒的な画力によって描かれる見せ場のシーン、たまりません。
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よくある怪談を、別角度の解釈で深堀したこの作品、特に”怪異”系ホラーがお好きな方におすすめです。
- 作者
- ミヨカワ将
- ジャンル
- オカルトホラー
逢魔が時の子どもたち
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怖い!シンプルにしっかり怖いです。
かわいらしい作画とホラーシーンというメリハリや、オカルト感満載のストーリーがとても癖になります。
子どもが何をやらかすのかわからない「恐怖」が、底知れないオカルトの「恐怖」にかかっているのがうまいな、と感じましたね。
また、作画と雰囲気がマッチすることで異質な空気感が演出されていて、特に後半に進むにつれて不安や焦燥感を駆り立てていて面白かったです!
- 作者
- カワサキ
- ジャンル
- オカルトホラー
ロッカールーム
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テレビ 『世にも奇妙な物語』にて実写版『コインランドリー』が放送されたことでも話題となった今作。
こちらは現在週刊少年ジャンプにて連載中の『SAKAMOTO DAYS』の鈴木裕斗先生の作品です。
鈴木先生の独特のタッチの絵柄と、練りこまれた脚本という特徴が色濃く出ており、発想力の高いこのストーリーをここまで漫画に落とし込んでしまう才能に脱帽してしまうほど。
”日雇い”の概念や意味づけが「ロッカールーム」を通じて変化してしまうというタイトルとの関連性にも驚かされました。
鈴木先生の読み切りはほかにも『骸区』という作品がジャンプ+内で読むことができますので、そちらとあわせて読んでみてくださいね!
- 作者
- 鈴木裕斗
- ジャンル
- モダンホラー
一方通行の家
「一方通行でしか移動してはいけない家」という奇妙な家へ招待された玉守ちゃんの一挙一動にひやひや、ドキドキしてしまいます。
リアルでいかにもホラー寄りの絵柄ではなく、ほわっとしたかわいい絵だからこそ、逆に薄気味悪さや底知れない恐怖が感じられて、面白かったです。
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個人的には「なぜ一方方向でしか通行することができないのか」という謎がわからないことが、ホラー感をより強くしていて、サイコ的な怖さを感じますね
- 作者
- 屋嘉壱
- ジャンル
- モダンホラー
ジャンプ+の読み切り作品を楽しもう!
いかがでしたでしょうか?
今回はジャンプ+にて無料公開されている読み切り作品の中から、ジャンプ+ファンの筆者が厳選した作品をご紹介させていただきました。
ジャンプ+にはこのような読み切り以外にも、無料連載中の作品や、週刊少年ジャンプの本誌が購入できたりと、マンガ好きには欠かせない必須アプリ。
ぜひこの記事を参考にして、3連休などの暇な時間に様々な作品に挑戦してみてくださいね♪