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風刺画『中国分割』を基に歴史を徹底解説

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2021/12/24

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風刺画「中国分割」が表す意味とは?

絵の解説

作者:アンリ・マイヤー

この絵はタイトルの通り、中国をケーキに例え、それを列強が分割する様子を風刺しています。左からイギリス、ドイツ、ロシア、フランス、日本です。その後ろで焦っている中国。当時の列強の動きは、次の通りです。

■イギリス
スエズ運河株買収
ヴィクトリア女王のインド皇帝就任
ロシアと対立の東への移動
フランスと対立のアフリカ分割

■フランス
清仏戦争で仏領インドシナ連邦を形成

■ドイツ
ヴィルヘルム2世による世界政策

このように列強各国は世界侵略へと視野を広げていました。そこで日清戦争で日本に負けた中国はこの各列強に分割され、租借、占領、割譲が開始されるのでした。各国の特徴を非常に上手くとらえた風刺画で、とても印象的な風刺画です。

スエズ運河ってどこ?

スエズ運河がある場所

スエズ運河はエジプトにあり、「地中海」のポートサイドからエジプト「紅海」に接続する人工的に作られた運河です。

スエズ運河がキーになった歴史

スエズ運河は1859年フランス人レセップスによって建設が開始され、10年かけて開通されました。レセップスの計画はナポレオンの構想に刺激を受けたものでした。このスエズ運河はアジアへの最短距離を可能としました。
1858年スエズ運河会社設立、フランスとエジプトが株を引き受けました。しかし経営困難に陥り、エジプトが株をイギリスへ売却。その後、1956年にエジプトが運河の国有化宣言をしたことで気に入らなかったイギリスとフランスが反発し、スエズ戦争が勃発しました。

ヴィクトリア女王って誰?どんなことをしたの?

ヴィクトリア女王は19世紀のイギリスが最も繁栄していた頃に、王位についていた女王です。最盛期の女王だったため、当時は「ヴィクトリア期」と彼女の名前が使われています。
イギリスは世界の覇者で、彼女は「日の沈まない国」の女王と呼ばれていました。日に沈まない国なんてありませんよね。これの意味は地球の裏側にまで植民地を多く持っているため、こちらの国では日が沈んでも向こう側では朝日が登っているんですよ~という意味なのです!そんな彼女の治世は以下の通りです。

・ジョージ3世の孫、エドワード7世の娘
・アイルランド問題によるジャガイモ飢饉に悩まされる
・スエズ運河買収によりエジプト支配
・インド大反乱に勝利によりインド女王へ

清仏戦争って何が起きたの?

清仏戦争の発端

清仏戦争はベトナムの宗主権争いで中国ーフランス間で1884年に起きた戦争です。
フランスは南部ベトナムを植民地化していましたが、北部利権の確保のためハノイを占領しました。しかし劉永福に率いられた黒旗軍がこれを駆逐しました。中国は劉永福をベトナム北部の経略大臣にしましたが、今度はフランス側がこれを駆逐しました。そのあとも両国のにらみ合いは続き、清仏戦争へと入りました。1番の決定打は中国とベトナム国境付近での両軍の衝突でした。これを口実にフランスは武力を行使し、台湾や福州を攻撃しました。

清仏戦争の賠償

清仏戦争の条約は天津条約です。
これにより、中国はベトナムに対する宗主権を放棄、フランスの保護権を認めました。それによってできたのがフランス領インドシナ連邦です。
それから雲南の開放も認めました。

清仏戦争によって形成された「仏領インドシナ連邦」って?

仏領インドシナ連邦に含まれたのは現在のベトナム、カンボジア、ラオスの地域および広州湾租借地でした。
これら諸国は第2次大戦後、独立戦争によって植民地体制は崩壊し、ベトナム民主共和国、ベトナム共和国、ラオス王国、カンボジアが成立しました。

ヴィルヘルム2世って誰?どんなことをしたの?

ヴィルヘルム2世は、ヴィルヘルム1世の孫でドイツ帝国のホーエンツォレルン家の第3代皇帝です。かれは幼少期に非常に厳しく育てられ、それが彼の政治のやり方にも影響していたとよく言われます。もともとそりの合わなかったビスマルクを辞任させ、ビスマルクが制定した社会主義者鎮圧法を廃止させました。
積極的な世界政策を行い、日本への三国干渉や、中国分割、3B政策なども行ったのはヴィルヘルム2世です。風刺画に描かれているドイツの人物はヴィルヘルム2世なんですよ!

風刺画から歴史を知ろう!

風刺画から掘っていくと色んな歴史が見ていくことができます。
教科書だけではないおもしろい歴史もたくさんあるので是非掘っていってくださいね!

この記事を書いた人

なる

群馬県出身の「なる」です。 主に、エンタメ・ビューティ・スポーツの記事を書いています。 洋画とバスケが大好きです。 日常に役立つ記事をお届けします!

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