『ノルウェイの森』は世界的な村上春樹ブームに火をつけた作品であり、一時期は日本における小説単行本の発行部数歴代1位を誇っていました。
そんな『ノルウェイの森』が好きな人ならハマるであろうおすすめの小説をご紹介します!
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『ノルウェイの森』とは
まずは『ノルウェイの森』を復習しましょう!
主人公「わたなべ」が、自殺した友人「キヅキ」の恋人だった「直子」と、大学で仲良くなった「みどり」の2人の女性とのかかわりの中で「生と死」について考え成長していくストーリーを描いた作品。
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。
僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。
限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。
村上春樹の独特な世界観が前面に出ている作品です。
「死」が物語の大きな役目を果たしていて、全体的に救いようのない暗い雰囲気が漂っています。
村上春樹自身が「100パーセントの恋愛小説」というキャッチコピーをつけましたが、本当は「100パーセントのリアリズム小説」と書きたかったと語っているほど、リアリズムに沿った作品でもあります。
『ノルウェイの森』が好きな人におすすめな本5選
続いて『ノルウェイの森』が好きな人におすすめな小説を5作品ご紹介します!
ナラタージュ(島本理生)
大学2年生の主人公工藤泉に、高校時代の恩師であり、かつて思いを寄せていた葉山貴司から人手不足の演劇部を手伝って欲しいと電話がかかってきた。
しかし葉山に会い稽古を重ねていくうちに、葉山への気持ちが強くなっていった。
島本理生の代表作で、回想形式の小説です。
「この恋愛小説がすごい!2006年版」や「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」で1位を獲得し、山本周五郎賞も受賞しています。
松本潤さんと有村架純さんが主演で映画化もしていることで有名ですね!
パイロットフィッシュ(大崎善生)
編集者の山崎隆二に、19年前に別れた川上由希子から電話がかかってきた。
山崎が由希子の親友である伊都子と関係を持ち始めてしまったことが理由で別れた彼女だった。
山崎には19歳年下の彼女七海がいたが、山崎と由紀子は会う約束をする。
しかし由希子は旦那と伊都子との関係に苦しんでいた。
『人は、一度巡り合った人と二度と別れることはできない』という冒頭文が印象的な小説です。
タイトルとなっているパイロットフィッシュとは、魚を飼う水槽の環境を整えるために最初に飼う魚のことであり、作者の大崎善生はこの働きが人生にも通ずるものがあると考えていたそうです。
サヨナライツカ(辻仁成)
エリート社員である東垣内豊は才色兼備な女性、尋末光子と婚約をした。
彼女を置いてバンコクで働く東垣内は、その報告をするための友人との集まりで謎の美女真中沓子と出会い、後ろめたさを感じながらも沓子に惹かれていった。
2つの選択肢が目の前にあり、そしてそれが人生において重要な選択肢でどちらを選ぶか迷ってしまうことは、誰もが経験することでしょう。
そんなリアルさを味わえる小説です。
秒速5センチメートル(新海誠)
当時小学生の遠野貴樹の初恋の相手は篠原明里だった。
しかし二人は中学生の頃離れ離れになってしまう。
その後奇跡的に再会するが別れ、貴樹は様々な経験を重ねていくうちに、あることに気づく。
映画「秒速5センチメートル」をノベライズしたものです。
映画とは異なり、貴樹と明里のそれぞれの視点で描かれます。
『ノルウェイの森』と同様に感傷的な恋愛を表現しているのでおすすめです。
マチネの終わりに(平野啓一郎)
クラシック・ギタリストの蒔野聡史は、婚約者がいるジャーナリスト小峰洋子と出会い、2人の関係は恋愛に発展する。
しかし蒔野のマネージャーであり、蒔野を密かに想っている三谷早苗は2人の関係をよく思わず、蒔野の携帯から蒔野になりすまし「会えなくなった」というメールを洋子に送った。
自分の気持ちを偽りながら恋愛をする大人たちを描いた、切ない恋愛小説です。
恋愛だけでなく、人生そのものについて考えさせられるほどに読み応えがあります。
タイトルにもある「マチネ」はフランス語で「午前中」、そして演劇の世界では「昼の公演」という意味であり、昼公演が終わる午後3時から午後4時頃と、人生の後半が始まる40歳頃を重ねたそうです。
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