「読書感想文がうまく書けない…。」それは選ぶ本が読書感想文に向いていないのかもしれません。
読書感想文の出来は、読む本によって左右されると言っても過言ではないでしょう。
高校生の読書感想文におすすめする本を、ジャンルごとにご紹介します!
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高校生の読書感想文に向いている本

世の中に本は多くありますが、そのすべてが読書感想文に向いているわけではありません。
読書感想文におすすめなのは、以下のような本です。
自分と共通点のある本
その本の登場人物やストーリー設定などが自分に共通しているものは、読書感想文が書きやすいです。
例えばみなさんと同じように高校生が主人公だったり、高校が舞台であれば、その本に親しみが出て書きやすくなるでしょう。
一度読んだことがある本
初めて読む本より、以前読んだことがある本を読書感想文に使ったほうが、ストーリーがある程度脳に定着しているので書きやすいです。
お気に入りの本を読書感想文に使えればなお良いですね。
書きやすいテーマの本
読書感想文には書きやすいテーマがあります。
以下のものは比較的書きやすいでしょう。
・青春物語
・愛情物語
・社会問題
・ノンフィクション
・概念系
高校生であれば友達との青春や家族との愛情が描かれた身近に感じるテーマの本や、社会問題、ノンフィクションなど、自分で考えて意見を述べることができる本が読書感想文に向いています。
高校生の読書感想文に向いていない本

では反対に、高校生の読書感想文に向かない本は、一体どのようなものでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
娯楽性が高すぎる本
面白い本はやはり読みやすいですが、だからといって娯楽性が高すぎる本はNGです。
例えば以下のようなテーマがあげられます。
・異世界転生
・ホラー
・ミステリー
読書感想文で好まれるのは、その本を読んで得た気づきや成長を盛り込んだものです。
しかし上記のテーマの本では娯楽性が高すぎて、それが書きづらくなってしまいます。
分量が多すぎる本
きっちりと読書感想文を書きたい方はともかく、そうでない方はあまりにも分量が多い本はおすすめしません。
400ページを超えてしまうと、分量が多いといえるでしょう。
しかしそれでも読みやすい内容の本もあるので、分量が多いものが一概に読書感想文に向かないとは言えません。
高校生の読書感想文におすすめの本18選

ここからは高校生の読書感想文におすすめの本を紹介していきます!
自分に合った本を見つけてみてくださいね!
その本の読みやすさも評価しているので、ぜひ本選びの参考に!
読みやすさの評価基準
内容面
読書メーターに寄せられたレビューをもとに◎、〇、△の3段階で評価。
◎:ほぼすべてのレビューが「読みやすかった」「面白かった」など高評価であるもの。
○:4分の3程度のレビューが高評価であるもの。
△:上記より高評価が少ないもの。
時間面
◎:ページ数が少なく(249ページ以内)、読むのに時間がかからないもの。
○:ページ数が平均程度(250~350ページ)で、読むのにそこまで時間がかからないもの。
△:ページ数が多く(351ページ以上)、読むのに時間がかかるもの。
以上の内容面・時間面をかけあわせて評価する。
現代文学
まずは高校生の皆さんに馴染みがある現代文学から、読書感想文におすすめの本をご紹介します!
①夜のピクニック
- 作者
- 恩田陸
- 文庫レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 346ページ
- テーマ
- 青春
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ○
- こんな人におすすめ
- 高校生が主人公の小説を読みたい人
あらすじ
全校生徒が夜通し80キロ歩く高校生活最後のイベント「歩行祭」に、甲田貴子は三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するため、密かな賭けに臨んだ。
果たしてその賭けの結果は…?
高校生の読書感想文の本といったらまずコレと言っていいほど、有名な青春小説です。
主人公が高校生なので、高校生の皆さんはきっと書きやすいはず!
②チア男子!
- 作者
- 浅井リョウ
- 文庫レーベル
- 集英社文庫
- ページ数
- 496ページ
- テーマ
- 青春
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- チームワークを大切にする人
なにかに熱中したことがある人
あらすじ
舞台は大学。
柔道一家に生まれたが怪我で挫折した晴希に、同じく柔道部をやめた一馬が持ちかけたのは男子チアへの挑戦だった。
個性的な仲間を集め、ときに衝突しながらも一致団結し、チアリーディング全国選手権を目指す。
ページ数はかなり多いですが、サクサク進んでいくのでそれほど苦にならない本です。
舞台が大学なので、大学に憧れのある高校生にもおすすめ!
③何者
- 作者
- 浅井リョウ
- 文庫レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 286ページ
- テーマ
- 青春
- 読みやすさ(内容面)
- ○
- 読みやすさ(時間面)
- ○
- こんな人におすすめ
- 自分の人生における気づきを得たい人
あらすじ
拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良たち就活生は「何者かになりたい」と思う気持ちと、そうはいかない現実で揺れ動き迷いながらも進んでいく。
残酷な事実を突きつけられながら得た結果とは…?
理想と現実のギャップに悩む就活生の心情が、リアルに描かれています。
就活の話とはいえ、進路を考えるという意味では高校生のみなさんにも重なる部分があるでしょう。
④図書館戦争
- 作者
- 有川浩
- 文庫レーベル
- 角川文庫
- ページ数
- 404ページ
- テーマ
- SF
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- 本が好きな人
恋愛系やアクション系が好きな人
あらすじ
公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる『メディア良化法』の成立から30年たった日本では、メディア良化委員会と図書隊が争っていた。
そんな中で笠原郁は親に黙って図書隊に入隊する。
彼女は図書館の自由を守ることができるのだろうか?
一見シリアスそうな内容ですが、主人公と彼女を鍛える鬼教官とのラブコメ要素や、個性あふれるキャラクターの存在もあり、意外と読みやすい本です。
とくに本好きな高校生におすすめします!
⑤レインツリーの国
- 作者
- 有川浩
- 文庫レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 206ページ
- テーマ
- 恋愛
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 恋愛系が好きな人
あらすじ
とある本がきっかけとなり、伸行とひとみのメールでのやりとりが始める。
共通の趣味を持つ2人の距離は徐々に縮まり、伸行はひとみに会いたいと思うようになるが、彼女はそれを頑なに拒む。
それにはある理由があった。
『図書館戦争』と同じ有川浩さんの本ですが、毛色は異なります。
ドラマのようなキラキラした恋愛物語というよりは、少し面倒な一面がある2人が繰り広げる現実感のあるお話です。
⑥バッテリー
- 作者
- あさのあつこ
- 文庫レーベル
- 角川文庫
- ページ数
- 206ページ
- テーマ
- 青春
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 大人に一歩近づきたい人
あらすじ
ピッチャーとして絶対的な自信を持ち、人の意見を気にせずストイックにトレーニングし、我が道を進む巧。
明るくまっすぐな豪はその才能に戸惑いながらも魅かれていき、バッテリーを組むことを熱望するが…。
児童文学として書かれたものではありますが、大人も胸打たれる名作なので高校生の読書感想文にもおすすめ。
野球をまったく知らなくても、彼らが少しずつ成長していく様子に引き込まれます。
⑦西の魔女が死んだ
- 作者
- 梨木香歩
- 文庫レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 216ページ
- テーマ
- ファンタジー
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- ハートフルな話が読みたい人
あらすじ
中学校に入って学校に足が向かなくなったまいは、彼女のおばあちゃん、西の魔女のもとで1ヵ月過ごす。
優しい魔女のもとで行われる修行で大切なことは、「なんでも自分で決める」ということだった。
「自分のことは自分で決める」とはよく言いますが、本当にできますか?
このように随所で自分の足りないところを指摘してくれるこの本は、きっと重要なことを教えてくれます。
⑧永遠のゼロ
- 作者
- 百田尚樹
- 文庫レーベル
- 講談社文庫
- ページ数
- 608ページ
- テーマ
- 架空戦機
- 読みやすさ(内容面)
- ○
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- がっつり読んで号泣したい人
あらすじ
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために。」
そう言ったはずなのに、なぜ祖父は自ら零戦に乗り命を落としたのか。
健太郎はそんな祖父の生涯を調べていくが、そのうちにひとつの謎が浮かんだ。
読書感想文を書くにはページ数があまりにも多いので、時間に余裕がある高校生におすすめする本です。
戦争の残酷さ、悲惨さを通して、生きることについて学べます。
⑨うさぎパン
- 作者
- 瀧羽麻子
- 文庫レーベル
- 幻冬舎文庫
- ページ数
- 219ページ
- テーマ
- 恋愛
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 同年代の甘酸っぱい恋愛を楽しみたい人
あらすじ
仲の良い継母のミドリさんと暮らす高校生の優子は、同級生の富田くんと大好きなパン屋巡りをする。
富田くんに淡い感情を持ち始めた優子が、家庭教師の美和ちゃんに富田くんのことを話すと…?
題名の通り、ほんわかした優しい本です。
もちろんパンも出てくるので、きっと読み終わった後は読書感想文を書く前に、パンを食べたくなるでしょう。

読書感想文で書きやすい現代文学の本5選!
純文学
続いては高校生の読書感想文におすすめな純文学を紹介します。
純文学というと小難しそうで避けがちですが、ものによっては高校生でもかなり読みやすいです。
⑩火花
- 作者
- 又吉直樹
- 文庫レーベル
- 文春文庫
- ページ数
- 180ページ
- テーマ
- 概念
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 芸人が好きな人
あらすじ
売れない芸人の徳永が先輩芸人神谷に弟子入りしたいと頼むと、神谷は自分の伝記を書いてもらうことを条件に出した。
2人は頻繁に会い笑いの哲学について話すが、やがて2人の進む道が異なっていき、徳永は少しずつ売れ、神谷は少しずつ落ちていった。
一体「笑い」とはなんだろうか。
お笑いコンビピースの又吉直樹さんが書いた小説です。
彼が書くからこそ伝わるお笑いの世界がわかります。
この本を読めば芸人へのイメージが変わることでしょう。
⑪こころ
- 作者
- 夏目漱石
- 文庫レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 378ページ
- テーマ
- 概念
- 読みやすさ(内容面)
- ○
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- 有名純文学に触れてみたい人
あらすじ
ある日「私」は海で先生と出会い、彼やその奥さんと交流を深めていく。
しかしそのうちに、奥さんと仲がよさそうに見える先生が奥さんへわだかまりを抱いているように感じ、先生を問い詰めるもののはぐらかされてしまう。
一体先生の過去に、なにがあったのだろうか。
高校の教科書に載っているということもあり、高校生には馴染みがあるかもしれませんね。
読書感想文にぴったりな純文学です。
⑫羅生門・鼻
- 作者
- 芥川龍之介
- 文庫レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 301ページ
- テーマ
- 王朝
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ○
- こんな人におすすめ
- 短編集で純文学に挑戦したい人
あらすじ
禅智内供(ぜんちないぐ)という僧は顎の下までぶら下がった腸詰のような巨大な鼻を持つことで有名で、彼はそれをコンプレックスに感じ苦しんでいた。
ある日弟子が、医者から鼻を短くする方法を教わったというので試してみると、鼻が常人のサイズになった。
しかし彼を見た人々は、なぜか前にも増して彼を見てあざ笑うのだった。
この本の題材は、高校生に馴染みのある「今昔物語」や「宇治拾遺物語」です。
内供の心情がわかりやすいので、読書感想文が書きやすい本ですよ。
⑬船を編む
- 作者
- 三浦しをん
- 文庫レーベル
- 光文社文庫
- ページ数
- 347ページ
- テーマ
- 仕事
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ○
- こんな人におすすめ
- 言葉・編集に興味がある人
あらすじ
出版社の営業部員・馬締光也は、トンチンカンなところがあるが、その言葉へのセンスを買われて辞書編集部に引き抜かれる。
新しい辞書『大渡海』の完成に向けて、彼と編集部が言葉の海を渡って奮闘する物語。
紙の辞書をあまり使わなくなった今こそ読んでほしい本です。
読めば普段電子辞書に頼っている高校生も、辞書編纂作業に思いをはせ紙の辞書を使いたくなることでしょう。

読書感想文で書きやすい純文学の本5選!
ノンフィクション
高校生の読書感想文におすすめのノンフィクションのご紹介です!
現実の話だからこそ、フィクションにはない共感の仕方があります。
⑭アンネの日記
- 作者
- アンネ・フランク
- 文庫レーベル
- 文集文庫
- ページ数
- 597ページ
- テーマ
- 戦争
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- 戦争の悲惨さを学びたい人
あらすじ
ユダヤ人の少女アンネ・フランクがナチスの迫害を逃れ、隠れ家で書き綴った日記。
戦争の悲惨さや愚かさと、実際にあった悲劇が書き記されている。
アンネの家族でたった1人生き残った彼女の父親、オットーによって出版された日記です。
ページ数がかなり多いですが、高校生のみなさんと同じ10代とは思えないアンネの文才にも注目ですよ。
⑮君たちはどう生きるか
- 作者
- 吉野源三郎
- 文庫レーベル
- 岩波文庫
- ページ数
- 340ページ
- テーマ
- 概念
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ○
- こんな人におすすめ
- 生き方のヒントを得たい人
あらすじ
「コペル君」と呼ばれる15歳の少年本田純一が、学校生活で経験したことや、叔父のノートを通してものの見方や人間関係、社会の構造などについて観察する。
そこで彼は世の中の仕組みやいじめ、貧困などを学び体験しながら成長していく。
「君たちはどう生きるか」と聞かれて、答えられますか?
コペル君と一緒にこの本で答えを探し、自分なりの正解を読書感想文に書けるといいですね!
⑯わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女
- 作者
- マララ・ユスフザイ
- 文庫レーベル
- 学研プラス
- ページ数
- 448ページ
- テーマ
- 国際情勢
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- リアルな海外情勢を知りたい人
あらすじ
イスラム武装勢力に銃撃された16歳の少女マララの手記。
「すべての子どもに教育を」と訴えた彼女が、女子の教育のために言葉と勇気を武器に戦う実話である。
当たり前のように教育が受けられる日本とは状況が異なるので、世界情勢を学ぶこともできます。
高校生と同じ歳で、教育のために戦った勇敢な少女のお話です。

読書感想文で書きやすいノンフィクション本5選
海外文学
最後に高校生の読書感想文におすすめする海外文学を紹介します。
海外の独特な表現や言い回しは素敵ですよね。
星の王子様
- 作者
- サン・テグジュペリ
- 文庫レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 158ページ
- テーマ
- 寓話
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- じっくりと読んで自分について考えたい人
あらすじ
子どもの心を持ったまま周りの大人に合わせて生きてきた「ぼく」は、彼らに言われ6歳にして画家の夢をあきらめて勉強し、パイロットになる。
ある日飛行機でサハラ砂漠を飛んでいると飛行機が故障し、「ぼく」は砂漠に不時着した。
そこで会ったのは、1人の王子様だった。
「本当に大切なことは目に見えない」ということを、優しい言葉で教えてくれる本です。
児童向けの本だと思われがちですが、高校生どころか大人までも考えさせられる本ですよ。
⑱アルジャーノンに花束を
- 作者
- ダニエル・キイス
- 文庫レーベル
- ハヤカワ文庫
- ページ数
- 464ページ
- テーマ
- SF
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- 自分にとって大切なものを見つけたい人
あらすじ
32歳のチャーリー・ゴードンは、知的障害のため6歳ほどの思考力しかない。
そんな彼は知能発達の研究の臨床試験被験者に選ばれる。
動物実験によって賢くなった「アルジャーノン」というハツカネズミに感動し、チャーリーは脳手術を受けて天才的な頭脳を持つが…?
チャーリーの日記調で書かれており、設定上平仮名や誤字が多いのもこの本の面白いところです。
本当の幸せとはなにか見つけられる本ですよ。

読書感想文で書きやすい海外文学の本5選!
読書感想文は本選びが一番大事
読書感想文は「どのように書くか」も大事ですが、それ以前に重要なのが「どの本で書くか」ということです。
ぜひ自分に合った本を見つけて、思ったことや感じたことを読書感想文に書いてみてください!