「食品添加物は危険」こういった認識をしている方は多いのではないでしょうか?
実際に食品に対してどのような役割をしているのか、どのような危険性があるのかを改めて学ぶ必要があります。
この記事では、そもそも食品添加物とは?ということから、食品添加物の役割・危険性、そして、危険な食品添加物5選を紹介していきます。
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食品添加物・無添加とは何?

そもそも食品添加物とは
そもそも食品添加物とは、食品衛生法で次のように定められています。
これまでの法律では合成添加物のみが食品添加物に指定されていたのですが、法の改正により、天然・合成関係なく食品添加物として認められています。
日本では、食品を加工・保存・着色する時に使用する、調味料・保存料・着色料など全て食品添加物と呼ばれています。
その安全性と有効性を科学的に評価され、厚生労働大臣が認めたものを食品添加物として使用することができます。
主な食品添加物一覧
- 食品添加物の種類
- 効果
- 甘味料
- 食品に甘味を与える
- 保存料
- 食品の保存性を高め、食中毒を予防する
- 着色料
- 食品に着色し、色味を良くする
- 増粘剤・安定剤・ゲル化剤
- 食品に粘り気を与え、分離の防止と安定性を向上させる
- 発色剤
- 色調や風味を良くする
- 酸化防止剤
- 油脂などの酸化を防ぐ
- 香料
- 食品に香りを与え、おいしさを足す
- 防かび剤(防ばい剤)・乳化剤
- 柑橘類などのかびの発生を防ぐ
- 調味料
- 食品にうま味などを与え、味を整える
- 膨張剤
- ケーキなどに使用され、ふっくらさせる
- 酸味料
- 食品に酸味を与える
- 光沢剤
- 食品の表面に光沢を与える
- ガムベース
- チューインガムの基材に用いる
- 栄養強化剤
- 食品の栄養素を強化する
- 漂白剤
- 食品を漂白し、きれいにする
食品添加物を怖がる理由は?
食品添加物は前述した通り、安全とその有効性が認められたもので法律でも使用が許可されています。しかし、食品添加物を気にしながら食事をする人が多くいます。その理由として、高度経済成長期の中で起こった水俣病や四日市ぜんそくなどの健康被害が世の中の科学物質に対するイメージの変化や、過剰摂取すると健康を害する可能性があるということを大きく受けとめるため、食品添加物を怖がるのではないかと考えられます。
無添加は安全?
無添加という表示を見ますが、本当に安全なのでしょうか?
無添加表示にはしっかりと定められたルールがあります。「保存料不使用」と表示していながら、別の食品添加物で補っているとい場合があるということをご存知でしょうか。「無添加」と表示している=健康食品というわけではないのです。
もちろん、全てが危険というわけでもありませんし、全てが安全というわけでもありません。「食品添加物=危険」と決めつけるのではなく、本当に危険なのか科学に基づいた判断をする必要が私たち消費者にはあります。
食品添加物の役割と危険性

次に紹介するのは食品添加物の役割と危険性です。
なぜ食品添加物を使用するのか学び、理解しましょう。
食品添加物の主な役割
まずは食品添加物の主な役割を紹介していきます。
食品の安全性を保つ
保存料や酸化防止剤などは「食中毒の危険性を減らす」「酸化を防ぐ」といったように食品の安全性を保つ役割を担っています。
味や香りを高める
調味料や香料は食品の味や香りを高める役割のある食品添加物は食品の嗜好性を向上させます。そのため、食品を「おいしく」するために様々な食品に利用されます。
栄養を高める
栄養強化剤によって、ビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養価を高めるはたらきがあります。
食感や風味を付け足す
主に、「パン」や「麺類」、「豆腐」などに使用され、食感や風味を生み出す、増すはたらきがあります。
食品添加物の危険性
食品添加物の役割を理解したところで、次に危険性について紹介していきます。
栄養を過剰に摂取してしまう可能性がある
食品添加物を使用した食品を大量に口にしてしまうと、糖分・塩分・油分などを過剰に摂取してしまう可能性があり、病気にかかってしまう恐れにつながることはもちろん、味覚障害になる危険性もあります。
健康を害する可能性がある
食品添加物は基本的には安全性・有効性が認められていますが、発がん性のあるものや脳腫瘍、白血病などの原因や健康を害する原因になりうることもあると言われています。
危険な食品添加物5選

食品添加物の過剰摂取は病気に繋がります。そのため、できるだけ口にしない方がいい食品添加物も存在します。
ここからはできれば避けたい危険な食品添加物を5つ紹介していきます。
1.亜硝酸ナトリウム
亜酸化ナトリウムは発色剤としてハムやソーセージ、いくらなどの使用されており、お肉の色を鮮やかに明るい色にするはたらきがあり、見た目を良くします。
この物質自体も毒性があることが報告されていますが、2級アミンと反応すると非常に強い発がん性物質が発生しまうということです。
2級アミノ酸は肉や魚に元々含まれている成分なの、ハムなどの食品に使用すると発がん性物質は簡単に発生してしまうと考えられます。
- 用途
- 食肉・水産食品の赤い肉食を保つために使用されており、食中毒を防ぐ保存料も兼ね備えているとされているが、疑問視する声もあります。
- リスク
- アレルギー性・発がん性・うつ症状・頭痛・記憶障害
- 使用されている主な食品
- ・ハムやウインナーなどの食肉加工品
・魚肉ソーセージやイクラなど
2.合成着色料(タール系色素)
その名の通り、合成着色料は食品に着色するために使用されます。
以前はコールタールを原料としていたため「タール系色素」とも呼ばれています。
コールタールには強い発がん性があることが科学的に証明されてからは、石油で作られるものが主流になっています。
日本でよく食べられるたくあんに使用されることの多い「黄色4号」などはアレルギーや精神不安定などの健康被害の原因になるとして欧米での使用が禁止されています。
- 用途
- 食品を着色するために使用される
- リスク
- 不妊症・遺伝子損傷性・発がん性
- 使用されている主な食品
- お菓子・ジュース。縛り製品など
3.アスパルテーム
アスパルテームは世界で最も使用されている人口甘味料で、砂糖の200倍の甘さがあり、「ノンカロリー」「ノンシュガー」などで販売されているものによく使用されています。
日本の厚生労働省が1日の許容摂取量を定めており、約2gとされています。それ以上摂取しなければ、健康への被害はないとされていますが、これまでの研究で様々な悪影響が及ぼす危険性があると指摘されています。
- 用途
- 砂糖の代替として使用される合成甘味料
- リスク
- 発がん性・認知症・不眠症・うつなど
- 使用されている主な食品
- 清涼飲料・ガム・乳酸飲料・缶詰など
4.安息香酸ナトリウム
安息香酸ナトリウムは栄養ドリンクをはじめ、食品にも多く使用されており、そのもの自体にも危険性が高いことが分かっています。
さらに、ビタミンCと一緒に摂取することにより、発がん性のあるベンゼンが生み出されると言われています。
- 用途
- 食品の腐敗防止のために使用される保存料
- リスク
- 染色体異常・変異原性・じんましんなど
- 使用されている主な食品
- マーガリン・栄養ドリンクなど
5.ソルビン酸、ソルビン酸K
ソルビン酸、ソルビン酸カリウムは食品のかび発生などを抑制するために使用される保存料です。かまぼこやちくわなどに使用され、食品だけでなく歯磨き粉やシャンプーなどにも使用されています。
ソルビン酸カリウム自体にも危険性がありますが、ハムやソーセージなどに含まれる亜硝酸と反応することで強い発がん性をもたらす危険性があります。
- 用途
- 食品の細菌増殖を抑制し、保存性を高める
- リスク
- 肝臓肥大・成長抑制・発がん性(亜硝酸と結合すると変化する)
- 使用されている主な食品
- 魚肉製品・食肉製品・乳酸飲料・漬物・味噌・ケチャップなど
食品添加物の近年の傾向

食品添加物=危険というイメージを消費者から無くすため、近年、様々な働きが行わています。食品添加物に関する近年の傾向を解説してきます。
食品メーカーによる情報開示
近年、食品メーカーが食品添加物に関して情報を開示していることが多くなりました。
1つ例を挙げると、日本ハムはインターネットに食品添加物専用ページが掲載されており、「どのような役割なのか」や「安全性」について一覧が公開されています。
天然由来の添加物の増加
以前までの食品添加物ではなく、天然由来の添加物を使用するメーカーが増えています。
例えば、タコさんウインナーの明るい赤色を出すために、以前は「赤色〇号」といった化学色素で着色していましたが、現在では化学色素が減り、パプリカ・ベニバナなどの「普段口にしている物」の赤色の色素を使用している食品が増えています。
保存料とついても「ビタミンC」といった馴染みのある保存料を使用することも増えているので、食品業界全体で「食の安全」への取り組みが進んでいます。
食品添加物を正しく学び、理解を深めよう

食品添加物の正しい知識や危険性について紹介していきました。
危険性を解説しましたが、どれも過剰に摂取しなければ健康に大きな影響はないでしょう。
ただ、食品添加物の知識がなく過剰に摂取していると体に悪影響を及ぼし、病気のリスクが高まってしまうので、注意が必要です。
食品添加物について正しく学び、理解を深め、食事を楽しみましょう。