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サスティナブルな社会を目指すための9つの気配り|環境に配慮したブランド

サスティナブル社会SDGs意味

2021/12/29

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「サスティナブル」の意味と由来

「サスティナブル」とはどういった意味を持つ言葉でしょうか。最近、様々な場面で「サスティナブル」といった言葉を見聞きしますが、その正確な意味を理解している人は多くないでしょう。

「サスティナブル」とは「sustain(持続する)」「able(〜できる)」からなる言葉であり、直訳すると「持続できる」となります。その意味は「持続可能な世界」、すなわち、次世代の人々が安心して平和に暮らしていける社会を引き継ぐことです。

この記事では、サスティナブルな社会を目指すための9つの気配りや環境に配慮したサスティナブルなブランドを紹介します。

サスティナブルな社会を目指すための「SDGs」

サスティナブルな社会を実現するために忘れてはならないのが「SDGs」です。最近では企業の経営理念などに盛り込まれることも多い「SDGs」ですが、その理念や内容についてはあまり知られていません。

今後、次世代に向けてサスティナブルな社会を目指すには「SDGs」を正しく理解することが大切です。ここではサスティナブルな社会を目指すために掲げられた「SDGs」の内容について解説します。

  • 2015年に国連が採択
  • 持続可能な社会を目指す17の目標

2015年に国連が採択

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った言葉であり、「持続可能な開発目標」を意味します。2015年に国連において採択されました。

SDGsの背景には「地球資源の枯渇」「環境問題への危機意識」があります。国連ではこれまでにもMDGs(ミレニアム開発目標)などを掲げ、一定の成果を生み出してきました。

SDGsはこうした背景の下、先進国を含む全ての国が「人権」「気候変動」「経済成長」といった幅広い課題を解決するために掲げられた目標だといえるでしょう。

持続可能な社会を目指す17の目標

SDGsで掲げられた持続可能な社会を目指す17の目標は次のとおりです。これらの目標は2030年までの達成を目指しています。

国際社会における国家間の問題という範囲にとどまらず、私たちが暮らす地方自治体や働く企業、さらにはそれぞれの個人レベルまで広げ、活用が期待されている理念だといえるでしょう。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

サスティナブルな社会を目指すために私たちができる9つのこと

サスティナブルな社会を実現するためには、私たち一人ひとりが日々の生活を見直し、工夫することが不可欠です。

身近にある「すぐに始められること」を愚直に実践することが大切です。ここでは、サスティナブルな社会を目指すために私たちができることを考えてみましょう。

  • 1つのものを大切に長く使う
  • 電気やガスといったエネルギーを節約する
  • フードロスをなくす
  • ゴミが出ない商品を買う
  • 移動手段を車から自転車や公共交通機関に切り替える
  • リユースショップを活用する
  • マイカップやタンブラーを持ち歩くようにする
  • エコバッグを活用する
  • 生分解性の商品を使用する

1:1つのものを大切に長く使う

1つのものを大切に長く使うことは、サスティナブルな暮らしを実践するにあたって重要です。短期間に次々と買い替えを行うと、その分、ゴミ・不用品が多く発生します。

家具や家電品など私たちの身の回りにあるものを大切にすることが、サスティナブルな暮らしの第一歩です。

2:電気やガスといったエネルギーを節約する

限りある資源を大切に使うことも、私たちが取り組めることの1つです。例えば、使わない部屋の電気を消したり、エアコンの温度調整を行ったりすることで、エネルギーの節約ができます。

まずは自らの生活の中で電気やガス・水などの資源を無駄遣いしていないか見直してみましょう。家族で節電・節水などに取り組むと習慣化することができるでしょう。

3:フードロスをなくす

フードロスをなくすことは、サスティナブルな社会作りに欠かすことはできません。消費しきれない食品を抱え込み、廃棄する行為を続ければ、生産・運搬・調理・廃棄の各工程で余剰なエネルギーを使用することとなります。

また、発展途上国の生産者に対する労働詐取・児童労働の問題も発生することが予想されます。さらには、資源の無駄遣いによる環境破壊の懸念も広がるでしょう。

したがって、住んでいる地域で生産されている食材を無駄なく購入し、食べ切ることがサスティナブルな生活には大切だといえます。

4:ゴミが出ない商品を買う

ゴミが出ない商品を購入することもサスティナブルな社会に向け、私たちができることの1つです。ゴミの削減や分別は小さな子供たちでも取り組みやすい活動だといえます。

割りばしや紙コップの使用をやめて、水筒やマイ箸を持ち歩くだけでもゴミの削減には大きな効果が期待できるでしょう。買った物は使い切る、詰め替え商品を選ぶといった生活習慣は誰でも取り組むことができます。まずは身近なことから始めると良いでしょう。

5:移動手段を車から自転車や公共交通機関に切り替える

移動手段を車から自転車や公共機関に切り替えることも、サスティナブルな社会づくりに不可欠です。近年、エコカーの進化は素晴らしく、低燃料で走る自家用車も増えています。

しかし、広く普及するまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。近距離であれば移動手段を車から自転車や公共機関に切り替えることは難しいことではありません。

小さな積み重ねが大切であり、移動手段を工夫するだけでも資源を守ることは可能です。まずは、簡単にできることから始めてみましょう。

6:リユースショップを活用する

使用しなくなった衣料やおもちゃ・家電などを売却したり寄付したりすることを「リユース」と呼びます。最近ではリユースショップも増えており、気軽に売買することが可能です。

使えるものを簡単に廃棄しないで、使い切ることはゴミを削減し資源を守ります。サスティナブルな生活を実践するなら、リユースを意識した取り組みを行いましょう。

7:マイカップやタンブラーを持ち歩くようにする

最近ではマイカップやタンブラーを持ち歩く人が増えていますが、これもサスティナブルな暮らしにつながります。使い捨てのカップやタンブラーの多くはプラスティックが原料です。

プラスティックは使い勝手が良い反面、廃棄・分解が非常に難しい素材です。マイカップやタンブラーであれば、プラスティックのゴミを抑えることができるだけでなく、経済的にもメリットがあるといえるでしょう。

8:エコバッグを活用する

レジ袋有料化は私たちに「プラスティックごみの弊害」「脱プラスティックの大切さ」を改めて教えてくれたといえるでしょう。今では多くの人々がエコバックを活用しています。

前項で紹介したとおり、レジ袋の原材料に使われているプラスティックごみは分解しにくく、地球環境に悪影響を与えかねません。毎日使用するレジ袋をエコバックに切り替えるだけでも、サスティナブルな社会づくりに大きな効果が期待できます。

9:生分解性の商品を使用する

最近開発が進んでいる「生分解性」の素材を使用した商品に切り替えることも、サスティナブルな暮らしにつながります。

プラスティックに変わる素材として注目されている生分解性素材の特徴は、その名のとおり分解しやすい点です。耐久性等に問題はあるものの、様々な分野で活用されています。

ただし、「生分解性の商品を使用すれば良い」ではありません。不要なものは購入せず1つのものを長く使い続けることが基本であることを忘れてはなりません。

サスティナブルな生活を目指すブランド8選

サスティナブルな考え方・概念は多くの企業に広がっています。最近ではファッション・雑貨などあらゆるブランドがサスティナブルを実践しており、世界中の人々に注目されているのが実情です。ここでは、サスティナブルな生活を目指すブランドを紹介します。

1:ecoffeecup(エコーヒーカップ)

ecoffeecup(エコーヒーカップ)はおしゃれなコーヒーカップ・タンブラーを販売している企業ですが、サスティナブルに対しても深い理解を示しています。

そもそもecoffeecup(エコーヒーカップ)が生まれたのは、使い捨てコップをなくしたいとの想いからです。したがって、ecoffeecup(エコーヒーカップ)は設立当初から「使い捨てをやめてリユースを選択しよう」と呼びかけています。

2:ethique(エティーク)

ethique(エティーク)はスキンケア・ボディ&バス商品を販売している企業であり、サスティナブルに強い関心を持った企業です。

特にプラスティックごみの削減に積極的でありシャンプー、コンディショナー、モイスチュアライザーなどを固形化しています。固形化することでペットボトルなど、プラスティック製品の削減に成果を上げています。

3:MaisonCléo(メゾン・クレオ)

フランスのファッションブランド「MaisonCléo(メゾン・クレオ)」の特徴は、天然素材を使った洋服を完全オーダーメイドで作っている点です。

オーダーが入ったものしか制作しないため、余剰在庫は一切抱えません。また、スケジュールも特に決まっておらず、天然素材の生地が見つかったときに、制作者が作りたいものだけを作る点も大きな特徴です。

ある意味、昔ながらの手法ですが、必要なものを必要な分しか作らないといった信念は、サスティナブルな暮らしに直結するものだといえるでしょう。

4:Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)

ビートルズのポールマッカートニーの次女ステラマッカートニーは、自身のブランドでサスティナビリティーを追求することを明らかにしています。

具体的には「Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)」では、レザーやファーは使われません。ポリエステルやポリウレタンを原料とした合成素材が主役です。その他の素材も可能な限り再利用できるものを選び、サスティナビリティーを実践しています。

5:mi luna (ミ・ルーナ)

アクセサリーショップの「mi luna (ミ・ルーナ)」ではコメ兵で買い取った宝石を再利用しています。リサイクルといえども、しっかりと鑑定してあり、見事に新品同様の輝きを取り戻しています。

リサイクルの枠を完全に超えた商品として再生させる「mi luna (ミ・ルーナ)」の取組みは、サスティナブルの新しい可能性を示しているといえるでしょう。

6:KAMPERETT (カンペレット)

カリフォルニアのファッションブランド「KAMPERETT (カンペレット)」は、デザイナーの地元で上質な洋服の少量生産を続けています。少量生産を行うことで、細部の工程まで目が行き届き、余剰在庫を抱えることもありません。

また、「KAMPERETT (カンペレット)」ではサスティナブルであることをマーケティング戦略に利用されることを嫌い、自然体でサスティナブルを実践している点も大きな特徴です。

7:GUCCI(グッチ)

世界的なファッションブランド「GUCCI(グッチ)」では、2015年に約10年間に及ぶサステナビリティ戦略「Culture of Purpose」を発表しました。

環境負荷の削減目標を定めているほか、具体的に輸送・流通・業務での飛行機利用の制限などを数値目標で示しています。

さらに「Gucci Off The Grid」といった、再生素材、オーガニック素材、バイオベースの持続可能な原料による素材を使用したコレクションを立ち上げ、サスティナビリティーに取り組んでいるのが現状です。

8:Kowtow(コウトウ)

ニュージーランドで設立された「Kowtow(コウトウ)」は、サスティナブルを実践し確固たる地位を築いているファッションブランドです。

発展途上国における労働力の不当搾取を防ぐため、フェアトレードとオーガニックで「種から洋服を製品にする」までのプロセスを良識的に継続可能な形で進めています。

また、認証オーガニックコットンをはじめ上質な材料を使用することで、それに携わる人々に正当な価値が与えられる上、非常に着心地の良い製品が提供されていることは言うまでもありません。

サスティナブルと関係のある7つの言葉

サスティナブルには「サスティナビリティー」「エシカル」など関連する言葉が多数あります。サスティナブルを正しく理解するには、関連のある言葉も正しく理解しておくことが必須です。ここでは、サスティナブルと関係のある言葉の意味や背景について解説します。

  • サスティナビリティー
  • エシカル
  • サスティナブル経営
  • サスティナブルフード
  • サスティナブルデザイン
  • サスティナブルシティ
  • フェアトレード

1:サスティナビリティー

サスティナビリティーとは「持続可能性」を意味する言葉であり、「環境・資源」「人間社会」「経済」の観点から考えられるのが一般的です。

2015年の国連サミットでSDGsが採択されたことにより、企業活動や私たちの日常生活においてもサスティナビリティーが重要視されています。

2:エシカル

エシカルとは「道徳的な」「理論的な」を意味する言葉であり、その考え方は環境問題や人権問題の解決に繋がると考えられています。

エシカルな考え方を持つことで、「環境」「社会」「地域」に配慮した消費を行うことにつながり、人や環境に配慮していない製品は淘汰されていくでしょう。

その結果、発展途上国で起きている労働搾取や児童労働などの社会問題、地球環境を破壊しかねない生産活動はなくなると考えられています。

3:サスティナブル経営

サスティナブル経営とは、「企業が消費者の信頼を得ることで存続し続けること」を意味する言葉です。

SDGsの理念が浸透してきたことで、企業の信頼はサスティナブルな考え方を踏まえた企業経営によって得られるようになってきました。具体的にはリサイクルやエコなどを意識した企業経営が求められています。

そのため、「サスティナブル」の概念を取り入れた企業経営のことを「サスティナブル経営」と呼ぶことが増えています。

4:サスティナブルフード

サスティナブルフードとは「地球環境に配意した食料」を意味する言葉です。サスティナブルを理解するには、食に関する問題を理解しなければなりません。

例えば、フードロスが起きると、食料の生産・運搬・調理・運搬・廃棄などに余剰なエネルギーがかかっていることになります。本当に必要な食料だけを生産していれば、余剰なエネルギー消費は生まれません。

フードロス以外にもまた過剰な化学肥料は土壌を汚染させる危険性もあります。つまり、私たち一人ひとりがサスティナブルフードを意識することが、地球環境の改善・維持に大切だといえるでしょう。

5:サスティナブルデザイン

サスティナブルデザインとは「未来の世代のために地球環境を保ち、向上させるデザイン」を意味する言葉であり、主に建築物に用いられています。

古民家などを取り壊さず再利用するリノベーションはサスティナブルデザインの一例だといえるでしょう。また、古材を廃棄せず再利用することもサスティナブルデザインの一環です。

6:サスティナブルシティ

サスティナブルシティとは「エコシティ」とも呼ばれ、「環境負荷を配意して設計された都市」のことを表す言葉です。

スウェーデンの首都ストックホルムにあるハンマビー・ショースタッド地域では、ゴミを肥料として再利用する仕組みなどが導入されています。

今後、多くの地域で水質汚染や大気汚染の改善・CO2の削減などを目指した都市づくりが展開されていくでしょう。

7:フェアトレード

フェアトレードとは「発展途上国の生産者による製品が適正価格で取引されること」を意味する言葉です。発展途上国では多くの人々の貧困が解消されず、児童労働などが日常的に行われています。

児童労働がなくなり当たり前に教育を受けられる、誰もが医療制度を利用できるなど地域の発展を支援するのがフェアトレードの目的です。

つまり、フェアトレードには発展途上国における労働搾取・児童労働などの社会的問題を解決したいとの思いが込められているといえるでしょう。

小さな心がけでサスティナブルな社会を目指そう

「サスティナブル」は、発展途上国の貧困や温暖化・天災による災害など、世界中の人々が直面する環境問題を解決するために生まれた考え方です。

国連は2015年にSDGsを採択し、持続可能な社会を目指す17の目標を掲げることで、サスティナブルな社会を目指すことを呼びかけています。

サスティナブルな社会を目指すには、難しいことを始める必要はありません。ゴミを少なくするなど私たちにできることをすぐに始めることが大切だといえるでしょう。

この記事を書いた人

Bee

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