私たちの身近にありながらしっかり観察したことがない雲。
雲は何種類あって、どのような特徴があるのか言える人は少ないのではないでしょうか?
今回はそんな雲の種類を珍しいものから特徴まで紹介します。
一緒に覚えてみましょう!
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雲はどうやって種類分けするの?
雲の種類は実は10種類しかありません。
すべての雲はこの10種類の中のどれかに分類することができ、この10種類の雲の形のことを「十種雲形」と呼んでいます。
また、その中でも高さは3種類に分類することができます。
次から、それぞれの雲の種類を高さ別に分けて紹介するので、雲の知識を身につけましょう!
下の表は視覚的に雲の種類を理解できる図です。
参考にしてみてください!
上層にある雲3選!
最初に上層(5,000〜13,000m)にある雲を3選紹介します。
みなさんも見たことがある雲があるかもしれません。
ぜひご覧ください!
巻雲(けんうん)
出典:Wikipedia
こちらは巻雲(けんうん)です。
上層にできる雲でさっと一筆で描いたような形をしています。
このことからすじ雲と呼ばれ、季節関係なく空気が澄んでいて晴れた日に見られることが多いです。
一般的に温暖前線の直前に出現するので、巻雲が見られると天気が悪くなる前兆とも言われています。
時期によって形状が少しづつ変化することから季節の変化を雲から確認することができます。
- 名称
- すじ雲
- 高度
- 5,000~13,000m
- 降水の有無
- 無し
巻積雲(けんせきうん)
出典:Wikipedia
こちらは巻積雲(けんせきうん)です。
小さな粒上の雲がたくさん並んでできる雲になります。
初夏から秋にかけて見られる美しい雲です。
見た目からうろこ雲や、いわし雲などと呼ばれることが多いです。
また、巻積雲は雲の下の気温が高く、雲の上の気温が低い「対流」によって発生します。
- 名称
- うろこ雲、いわし雲
- 高度
- 5,000~13,000m
- 降水の有無
- 無し
巻層雲(けんそううん)
出典:Wikipedia
こちらは巻層雲(けんそううん)です。
うす雲という名前があるように空に薄く引き伸ばされた雲になります。
全体がぼんやりと白くなったように見え、雲ではありますが太陽の光を遮らないので意識しないと気づかないこともあるでしょう。
日本は夏を除き、偏西風という風が吹いているので西の空から巻層雲が広がっていくときは天気が下り坂になることが多いです。
- 名称
- うす雲
- 高度
- 5,000~13,000m
- 降水の有無
- 無し
中層にある雲3選!
次に中層(2,000〜7,000m)にある雲3選を紹介します。
知っているものから知らないものまでここで紹介するのでぜひ覚えてみてください!
高積雲(こうせきうん)
出典:Wikipedia
こちらは高積雲(こうせきうん)です。
巻積雲と似ていますが、こちらの方が少し大きめです。
羊の群れのように見えることから「ひつじ雲」と呼ばれます。
季節に関係なく発生しますが、主に春から秋にかけてよく見ることができます。
- 名称
- ひつじ雲
- 高度
- 2,000~7,000m
- 降水の有無
- 無し
高層雲(こうそううん)
出典:Wikipedia
こちらは高層雲(こうそううん)です。
高層雲は巻層雲と似ており、非常に雲がもやっとした形状で、こちらは太陽の光をあまり通しません。
曇り空の原因となる雲で雨や雪を降らせることが多いです。
また、雨が止み次第に天気が回復するときにも前兆として現れることもあります。
- 名称
- おぼろ雲
- 高度
- 2,000~7,000m
- 降水の有無
- 有り(時々)
乱層雲(らんそううん)
出典:Wikipedia
こちらは乱層雲(らんそううん)です。
高確率で雨を降らせ、太陽の光を遮るほどの暗く重い雲が出るのが特徴です。
雷やひょうが降ることはありませんが、長い時間雨が降るのでお出かけする際には注意が必要です!
- 名称
- あま雲
- 高度
- 2,000~7,000m
- 降水の有無
- 有り(高確率)
下層にある雲4選!
つぎは下層(地上〜2,000m)にある雲4選を紹介します。
私たちの一番近くにある、馴染みがある雲ですね。
ぜひご覧ください!
層積雲(そうせきうん)
出典:Wikipedia
こちらは層積雲(そうせきうん)です。
くもり雲の愛称で知られ、特徴のない雲になります。
時間によってどんどん形が変化していくことから、雲の隙間から太陽の光が漏れて見える「天使の梯子」を見ることができ、朝や夕方に出現することが多いようです。
- 名称
- うね雲、くもり雲
- 高度
- 地上~2,000m
- 降水の有無
- 有り(時々)
層雲(そううん)
出典:Wikipedia
こちらは層雲(そううん)です。
別名「霧雲」と呼ばれ層状あるいは霧状の雲です。
発生の仕方は霧ができる仕組みと同じで、地表で急激に冷やされると「雲海」と呼ばれる現象を観察することができます。
また、層雲は雨を降らせますが、雲の色が明るい灰色の時は天気が安定していると言われています。
- 名称
- 霧雲
- 高度
- 地上~1,000m
- 降水の有無
- 有り(時々)
積雲(せきうん)
出典:Wikipedia
こちらは積雲(せきうん)です。
代表的な雲として挙げられる積雲は別名「わた雲」と呼ばれており、見た目もモコモコしています。
上に向かっては成長しますが、下や横には成長しないのが特徴です。
また、太陽の光を通しにくく、全体的に周囲が暗くなります。
- 名称
- わた雲
- 高度
- 500~2,000m
- 降水の有無
- 有り(時々)
積乱雲(せきらんうん)
出典:Wikipedia
こちらは積乱雲(せきらんうん)です。
みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
白くモクモクした見た目で主に夏に発生します。
地表から12,000mに出現し、個体によって発生する雲の高さが違います。
雨を降らせ、時にはひょうやあられも降ることがあります。
夏の風物詩としても代表的な雲ですね!
- 名称
- 入道雲
- 高度
- 地表~12,000m
- 降水の有無
- 有り(ひょうやあられも)
珍しい雲の種類10選!
次に珍しい雲の種類を10選紹介します。
危険なものから見れたら幸運なものまで幅広く紹介するのでぜひご覧ください!
スーパーセル
出典:Wikipedia
こちらはスーパーセルです。
ゲリラ豪雨の要因の一つとされ、激しい異常気象を引き起こします。
スーパーセルの特徴として、内部の積乱雲自体が回転することによって竜巻を引き起こすこともあります。
また、普通の竜巻と違い、長い時間発生するのでとても危険な雲だということが分かります。
出かける際には天気予報をチェックして、豪雨対策用の傘やレインコートなどを事前に用意しましょう。
- 高度
- 地上~15,000m
- 降水の有無
- 有り(激しい降水)
ベール雲
出典:Wikipedia
こちらはベール雲です。
見た目が白い大きな布を覆いかぶさっているように見えることからベール雲と呼ばれるようになりました。
様々な雲がつながって出来ることが多いです。
なかなか見ることが出来ないので見れた人はラッキーです!
- 高度
- 地上~16,000m
- 降水の有無
- あり
かなとこ雲
出典:Wikipedia
こちらはかなとこ雲です。
新海誠監督の作品である「天気の子」では、かなとこ雲が宣伝告知ポスターにも使用されるなど幻想的な雲の一つです。
かなとこ雲は夏の積乱雲が発達したものであり、金属をのせてハンマーで叩く作業台に似ていることから名付けられました。
一番平たい雲の上には何があるのか…想像力が掻き立てられますね!
- 高度
- 地上~20,000m
- 降水の有無
- 有り(激しい雨)
吊るし雲
こちらは吊るし雲です。
吊るし雲は山の山頂を通り過ぎた上昇気流がロール状になり発生する雲です。
富士山の山頂付近にできる吊るし雲は幻想的な景色を演出します。
しかし、数秒から数十秒程度の時間で月1回しか発生しないのでなかなか見ることは出来ないでしょう。
見れたらラッキーです!
- 高度
- 1,000m
- 降水の有無
- 無し
穴あき雲
出典:Wikipedia
こちらは穴あき雲です。
雲の中のある一点が冷却されることによって、周りの水蒸気が吸い寄せられ凍るため一か所だけ穴が空いたような雲になります。
季節の移り変わりに発生する穴あき雲ですが、その中でも秋から冬にかけてわずかな期間だけしかみることが出来ないので見れたらラッキーです!
- 高度
- 5,000~13,000m
- 降水の有無
- 無し
夜行雲(やこううん)
出典:Wikipedia
こちらは夜行雲(やこううん)です。
主にフランスやアメリカの中緯度地域で見られる雲であり、地球上で最も高い位置に発生する雲です。
オゾン層よりも高い位置に発生すると言えばイメージがしやすいですね。
他の雲と比べて見る機会がほとんどないですが、神秘的な風景を楽しめるので、一生に一度は見てみたいですね!
- 高度
- およそ80,000m
- 降水の有無
- 無し
波状雲(はじょううん)
出典: Wikipedia
こちらは波状雲(はじょううん)です。
多くの雲のかけらが集まって、波のような形や横断歩道のような形を形成しています。
雲が出ている日は発生することが多いので他の雲と比べ、比較的日常で見やすい雲と言えるでしょう。
見る時間や日によって形のバリエーションがあるのもおもしろいです!
- 高度
- 地上~15,000m
- 降水の有無
- 有り
彩雲(さいうん)
出典:Wikipedia
こちらは彩雲(さいうん)です。
彩雲とは太陽の近くを通った雲が赤や緑、黄色など様々に彩られ虹色になったもので、神秘的な雰囲気を醸し出します。
虹とは違い、色が不規則なのが特徴として挙げられます。
仏教では特別な日に見られる雲とされ、宗教的にもありがたい現象とされています。
- 高度
- 5,000~13,000m
- 降水の有無
- 無し
滝雲(たきうん)
出典:近畿日本ツーリスト
こちらは滝雲(たきうん)です。
雲が山を超え、まるで滝のように見える雲のことをいいます。
こちらの写真は新潟県魚沼市にある枝折峠の滝雲で、6月から11月にかけて見ることができ、自然が生み出す神秘的な風景に心打たれること間違いなし!
- 高度
- 1,000m
- 降水の有無
- 無し
乳房雲(にゅうぼううん)
出典:Wikipedia
こちらは乳房雲(にゅうぼううん)です。
曇り空の時に上空がぼこぼこして見える雲のことを指します。
アメリカでは乳房雲は嵐の前兆として恐れられています。
まるで世界が終わるかのような雲ですよね。
乳房雲を見た際には傘を持って出かけるようにしましょう!
- 高度
- 地上~15,000m
- 降水の有無
- 有り(雷雨)
雲の種類を覚えてみよう!
今回は珍しい雲とその形や特徴も合わせて雲の種類を10選紹介しました。
ぜひ時間があるときには空を見上げてみてください。
あまり知られていない雲の魅力に気づいてくれたら嬉しいです!