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そもそもお布施とは
葬儀、法要などで渡す機会のある「お布施」について、基本的なことをぜひ、知っておきましょう。
お布施を渡す意味合いとは
お布施とは、僧侶に読経をしていただいたり、戒名を授与して頂いたりした際に、謝礼として遺族側が金銭を渡すことです。ただ、お布施という言葉自体は、金銭のことだけをさす言葉ではありません。このお布施がご本尊をお守りする寺院の維持や活動費となります。
渡すタイミングはいつ?
お布施を渡すのは、どのタイミングなのか、迷う方も多いのではないでしょうか?
場面ごとに、渡すべきタイミングを紹介します。
葬儀でお布施を渡すタイミング
明確な決まりはありませんが、葬儀が始まる前に渡すのが一般的です。また、葬儀当日に僧侶に挨拶をする際にお布施を渡すのもスムーズです。
ただ、僧侶にお布施を手渡しするのは、マナー違反とされています。なので、直接僧侶に渡す場合は袱紗(ふくさ)の上に重ねたり、「切手盆」という小さなお盆の上に乗せたりして渡しましょう。袱紗というのは、お金が入った金封を包む布のことで、弔事の際には暗い色のものを選びましょう。
葬儀前に時間が取れなかった場合には、葬儀後に渡しても問題ありません。その場合は、後日お寺に訪問して渡しましょう。
法事・法要でお布施を渡すタイミング
法事・法要でも、明確な決まりはありませんが、法事が始まる前に僧侶へ挨拶をするときに渡すのが一般的です。終わった後に、渡す場合もあります。
お布施袋の書き方
引用元:ssブログ
表には漢字で上部に「御布施」と書きます。もしくは、市販の「御布施」と印刷されたお布施袋を使用します。お布施以外に、交通費であるお車代、宴席代えあるお膳料を渡す際には、それぞれ「御車料」「御膳料」と書いてください。
裏は、お布施袋に中袋がついている場合、ついていない場合で書き方が多少異なります。
中袋がついていない、シンプルな封筒タイプの場合、裏面には、住所、氏名、電話番号、金額、を書いておくとより丁寧です。また、本来は金額を書く必要はないとされていますが、寺院の記録や経理・税務上、「書いてあった方が都合がよい」という場合がありあます。そのため、書いておいたほうがより親切です。
中袋がついている場合、外側の包みではなく、中袋に書きます。中袋の一般的な書き方は、表面に金額、裏面に住所・氏名・電話番号などを書きます。また、中袋を上包みに包んで入れる向きは、中袋・上包みそれぞれの表面・裏面が同じ向きになるように揃えて包みます。
お布施の相場はいくら?
お布施の相場を知っておくことで、もしもの時に困らないようにしておきましょう。
場面ごとの相場
葬儀、法要、納骨式、お盆・お彼岸の4つの場面ごとの相場を、紹介していきます。
葬儀
葬儀のお布施の相場は20~50万円とされています。
地域によって、変わることもあります。規模の大きな葬儀では複数の僧侶にお願いすることもあり、その際にはお布施を多く包みます。
法要
初七日~四十九日法要のお布施の相場は3~5万円とされています。
百箇日法要を行う場合もお布施は同程度の金額が渡されています。
納骨式
納骨式のお布施の相場は、1~5万円とされています。
お骨をお墓に納める納骨式はいつ行うという決まりはありませんが、すでにお墓がある場合は四十九日法要が終わったあとに行うことが一般的です。
お盆・お彼岸
初盆(新盆)の法要は3~5万円、2年目以降のお盆の法要は5,000円~1万円、彼岸の法要は個別法要の場合3~5万円、合同法要の場合3,000~1万円とされています。
四十九日法要を過ぎてから初めて迎えるお盆を初盆または新盆と呼びます。初盆の法要は親族を招いて大きな式にすることが多いため、お布施も多めになります。
お布施でダメな金額とは?
お布施でタブーとされている金額を、基本的なマナーとして知っておきましょう。
お布施でダメな金額は?
お布施に関しては偶数や奇数など数字を気にする必要はないです。基本的に慶弔では「4」や「9」を含む数字は避けるべきだといわれています。これらの数字は「死」や「苦」を連想させ、縁起が悪いとされているためです。お布施に関しての厳密なルールはありませんが、お布施でも「4」や「9」を含む金額は避ける方が無難でしょう。
ただ、「4」や「9」を含む金額であってもマナー違反ということでは無いのであまり気にしなくてもよいでしょう。
法事・葬儀のマナーで知っておきたいこと
葬儀のマナー
突然あるかもしれない、葬儀について、基本的なマナー、服装、持ち物等について理解しておきましょう。
服装・身だしなみ
男性は、ブラックスーツやダークスーツ、勤務先から駆け付ける場合は、ネクタイと靴下を黒に替えれば良いでしょう。女性は、洋装なら黒や地味な色のアンサンブル、スーツやワンピースなど、和装は地味な色無地に黒帯となります。子どもは、制服がある場合は制服が正装です。靴はローファー、なければスニーカーでもかまいません。靴下の丈は、ふくらはぎからひざ丈のものを選びましょう。
一般の参列者として弔問する時、急な訃報の時は、カジュアル過ぎない洋服でも大丈夫です。
持ち物は、香典、袱紗(ふくさ)、数珠、ハンカチ、財布です。
持ち物だけではなく、「香り」にも気を付けましょう。香水は、お香が焚かれる通夜や葬儀の場では相応しくありません。また、「音」にも注意を気を付けましょう。時計や携帯電話のアラーム音や着信音は、式場に着く前に鳴らないように設定しておきましょう。読教中に着信音が鳴ると、葬儀の雰囲気を台無するため、重大なマナー違反です。
お焼香について
引用元:昭和セレモニー
お焼香のやり方は、宗教、宗派によって異なるので、事前に調べておくとよいでしょう。
ここでは、お焼香の基本的なやり方を紹介します。
1 焼香台の少し手前で遺族と僧侶に一礼。焼香台の前に進み、一礼。
2 数珠を左手にかける。右手で抹香(粉状のお香)をつまみ、額におしいただく。
3 抹香を静かに香炉の炭の上にくべる。
4 合掌後、少し下がり遺族に一礼して席に戻る。
例えば、浄土真宗では右手でつまんだお香を額におしいただくことはしません。また、回数に関しては、真言宗、日蓮宗は通常3回ですが、天台宗、臨済宗、曹洞宗は、回数をとくに定めていないため、周りの様子を見ながら行うといいでしょう。
香典のマナー
葬儀における、香典はお香をお供えする代わりに包むお金、お互いに助け合う行為、という意味合いがあります。
香典の金額は、一定ではなく、故人との関係性、自分の年齢・社会的立場によって変化します。
- 自分の親
- 5~10万円
- 自分の祖父母
- 1~3万円
- 自分の兄弟姉妹
- 3~5万円
- 配偶者の親
- 5~10万円
- 配偶者の祖父母
- 1~3万円
- 配偶者の兄弟姉妹
- 3~5万円
- 親戚のおじ・おば
- 1~2万円
- 友人・知人
- 3,000~1万円
- 会社の上司
- 5,000~1万円
香典袋には、基本的に外袋・中袋があります。中袋にはお金を入れ、外袋で包みます。
引用元:小さなお葬式
外袋には、表面に神式(神道)の場合、御神前(ごしんぜん)、御玉串料(おたまぐしりょう)、御榊料(おさかきりょう)と書きます。キリスト教(カトリック)の場合には、御花料(おはなりょう)、御ミサ料(おみさりょう)と書きます。キリスト教(プロテスタント)の場合は、御花料(おはなりょう)、献花料(けんかりょう)、弔慰料(ちょういりょう)と書きます。無宗教または故人の宗派が不明の場合には、御霊前、御香典など汎用性の高い名目を記載します。
表面の下段には、名前を書きます。
中袋はお金を入れる封筒のことで、表面に金額を書き、裏面には住所、氏名を書きます。
表面の金額の数字は、例えば10,000円なら「金壱万圓」、30,000円なら「金参万圓」のように「旧漢数字」を使って「縦書き」で書きます。
法事のマナー
知っておきたい、法事のマナーについて紹介します。
服装・身だしなみ
持ち物は、数珠と供物料または供物(供花)を必ず持っていくようにしましょう。
黒い服を着ることは、死の悲しみに寄り添って身を慎むという意味があります。参列者の場合、三回忌までは喪服を着るのがマナーとされています。基本的には、葬儀の際と同じような服装で大丈夫です。
男性は、白無地のシャツに、黒のネクタイ、靴、靴下、ベルトを着用します。また、髪の毛も清潔感のあるようにしておきましょう。
女性はブラックフォーマルを着用します。靴は、黒でシンプルなものを着用しましょう。
赤ちゃんや幼児であれば、黒や白の華美ではない服を選択します。ダークカラーやベージュなどの控えめな色であれば失礼にはなりません。制服があれば、そちらを着ていきましょう。
法事の際には、「平服でお越しください」と言われる場合があります。
男性の平服は、黒や紺、グレーなどのダークカラーのスーツのことを指します。基本的には無地が良いですが、うすい模様であればかまいません。
女性の平服は、黒や紺、グレーなどのダークカラーのスーツ、アンサンブルやワンピースのことを指します。
子どもの平服は、黒や紺、グレーなどのダークカラーのパンツやスカートに白いシャツを合わせます。
基本的なマナー
法事の案内状を受け取ったら、すみやかに返事を出しましょう。また、法事の場では、「お招きいただき恐縮です。ご遺族とともに〇〇様を偲ばせていただきたいと思います」のように挨拶をします。その後、「どうぞ(御仏前に)お供えください」と、供物料を渡します。