小学生の宿題と言えば、読書感想文。
「算数や国語の宿題はなんとかなるものの、そもそも読書感想文ってなんの本でどんな風に書けばいいの?」と悩まれている方は多いのではないでしょうか。
今回は、小学校高学年(5〜6年生)の読書感想文におすすめの本をご紹介します。
本が苦手な子でも、作文が苦手な子でも大丈夫!
面白い本を読んで、褒められる読書感想文を書きましょう。
目次[ 表示 ]
- 読書感想文を書きやすい本とは?書き方も解説
- ①自分と共通点がある本
- ②自分の考えを書きやすいテーマ
- ③短く、読みやすい
- 【課題図書】高学年の読書感想文におすすめの本
- 『ぼくはうそをついた』
- 『ドアのむこうの国へのパスポート』
- 『図書館がくれた宝物』
- 『海よ光れ!3.11被災者を励ました学校新聞』
- 【小5】小学5年生の読書感想文におすすめの本
- 『マチルダは小さな大天才』
- 『怪盗クイーンはサーカスがお好き』
- 『そして5人がいなくなる』
- 『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
- 『クジラのおなかからプラスチック』
- 『はてしない物語』
- 【小6】小学6年生の読書感想文におすすめの本
- 『夏に、ネコをさがして』
- 『ぼくは満員電車で原爆を浴びた』
- 『願いがかなうふしぎな日記』
- 『保健室経由、かねやま本館。』
- 『ブランコの向こうで』
- 『霧のむこうのふしぎな町』
- 読書感想文は選ぶ本で差をつけよう!
読書感想文を書きやすい本とは?書き方も解説
①自分と共通点がある本
自分と共通点の多い登場人物・テーマの物語であれば、入り込みやすく、楽しく読みやすいです。
例えば、主人公が小学生の物語だったり、舞台が小学校だったり。
また、サッカーが好きな子であればサッカーに関する本を、音楽が好きな子であれば音楽に関する本を選べば、グッと興味を引き出しやすくなるはず。
物語を自分事として考えることができれば、読書感想文に「本を読んで感じたこと」が書きやすくなります。
②自分の考えを書きやすいテーマ
良い読書感想文を書くためには、ただ本のあらすじをなぞるだけでなく、その本を読んで感じたこと・考えたことを書く必要があります。
しかし、これは実はかなり難しい点で、読む本のテーマに非常に左右されます。
小学生の読書感想文の場合、おすすめは以下のテーマ。
✓ノンフィクション(戦争体験、伝記など)
✓青春(成長、友情など)
✓愛情(家族、動物など)
これらのテーマの本であれば、比較的「自分の考え」を述べやすいと言えます。
一方、ミステリー小説やユーモア小説などのエンタメ性が高すぎるものや、哲学系など抽象的で難易度が高い本は自分の考えが持ちにくく、読書感想文には不向きです。
③短く、読みやすい
本嫌いの子どもにとって、長い本を読むのはそれだけで多大な時間がかかってしまうものです。
普段本を読まないという子ほど、「短い」「読みやすい」「面白い」という本がおすすめ。
あまり分厚い本は選ばないようにしましょう。
また、漢字が多すぎないもの、ルビがしっかり振ってあるものは読みやすい傾向にあります。
字がぎっしり詰まっていると本を読む気をなくしてしまうという場合は、字が大きく、挿絵が多い本がおすすめです。
「面白い」というのも非常に重要な点で、ノンフィクションや社会問題など課題図書になるような本に苦手意識がある子でも、物語の起承転結がしっかりしているエンタメ小説は面白く読める傾向があります。
エンタメ小説の中にも、SFや青春小説など「考えるきっかけ」となる本はたくさんありますし、その本の物語を好きになれば、「なぜその物語が好きなのか」という立派な感想文を書くことができます。
子どもの個性に合わせて本を選びましょう。
本記事内での「読みやすさ」の評価基準
内容面
読書メーターに寄せられたレビューをもとに◎、〇、△の3段階で評価。
◎:ほぼすべてのレビューが「読みやすかった」「面白かった」など高評価であるもの。
〇:4分の3程度のレビューが高評価であるもの。
△:上記より高評価が少ないもの。
時間面
◎:ページ数が少なく(249ページ以内)、読むのに時間がかからないもの。
〇:ページ数が平均程度(250~350ページ)で、読むのにそこまで時間がかからないもの。
△:ページ数が多く(351ページ以上)で、読むのに時間がかかるもの。
以上の内容面・時間面をかけあわせて評価する。
【課題図書】高学年の読書感想文におすすめの本
『ぼくはうそをついた』
- 作者
- 西村 すぐり (著), 中島 花野 (イラスト)
- レーベル
- ポプラ社
- ページ数
- 174ページ
- テーマ
- 戦争
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 優しい物語が読みたい人
あらすじ
広島に住む小学校5年生のリョウタは、同居する祖父から原爆で亡くなった祖父の兄ミノルの話を聞いて興味を持ち、亡き大おじ・ミノルの足跡を辿ろうとする。
一方、小学校6年生のレイは、共働きの両親の代わりに育ててくれた曾祖母の記憶が夏が近づくにつれてまだらになり、原爆で亡くした子どもを探そうとするのに心を痛め、なんとか救おうとするが…。
広島に住む子どもたちが、曾祖父世代の持つ戦争体験を受け継ぐ物語です。
2024年の小学5・6年生課題図書に選出されました。
失ってはいけない戦争体験を子どもたちに伝えるために編まれた作品ですが、優しい語り口のためそこまで暗くなりすぎず、ストーリーとしての面白さもしっかりとあります。
また、本作は戦争体験だけでなく、「嘘」についても深く考えさせてくれます。
学校では「嘘をついてはいけない」と教わるけれど、では本作の「嘘」は本当についてはいけないものだったのか?
是非お子さんと一緒に考えてみてください。
『ドアのむこうの国へのパスポート』
- 作者
- トンケ・ドラフト (著), リンデルト・クロムハウト (著), リンデ・ファース (イラスト), 西村 由美 (翻訳)
- レーベル
- 岩波書店
- ページ数
- 206ページ
- テーマ
- 人間関係
- 読みやすさ(内容面)
- △
- 読みやすさ(時間面)
- 〇
- こんな人におすすめ
- 他人とうまく合わせられない人
あらすじ
作家の家には、謎めいたドアがある。
ドアの向こうには、特別なパスポートを持った人しか入れない。
特別支援学級に所属する子どもたちは、作家と手紙を交わしながらパスポートやビザの申請に取り組む。
特別な支援が必要な子どもたちが集められたクラスで、子どもたちが自分や他人と向き合っていくお話です。
表紙の雰囲気に加え、作者が著名なファンタジー作家であることから、本作もファンタジー作品と思われがちですが、実は非常に現実的なお話。
そのため、「ファンタジー作品を期待して読んだのにガッカリ」という声も多いようですが、作者の実体験を踏まえた本作は「人間関係」について非常に深く考えさせられます。
人と関わるのが苦手な子、集団生活に馴染めない子に読んでほしい2024年度課題図書です。
『図書館がくれた宝物』
- 作者
- ケイト・アルバス (著), 櫛田理絵 (翻訳)
- レーベル
- 徳間書店
- ページ数
- 384ページ
- テーマ
- 戦争、家族
- 読みやすさ(内容面)
- 〇
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- 希望のある物語を読みたい人
あらすじ
ドイツとの戦争が始まったばかりの英国、ロンドン。
親代わりの祖母を亡くした3人のきょうだいは、弁護士のすすめにより、後見人を求めて疎開するが…。
戦争により孤児となった3人のきょうだいが、温かい家族を求めて疎開先を転々とする物語です。
戦争をテーマとしていますが、本作はそれだけではなく、戦争という非常時が人々の心に与える影響や貧困、家族愛などにも主軸を置いているため、戦争の悲惨さを真正面から書き綴った作品が苦手な方にもおすすめ。
更に、作中では、本好きのきょうだいの救いとなる本が多数登場します。
巻末に登場した作品の一覧も付属しているため、この本をきっかけに、是非たくさんの物語に手を伸ばしてみてください。
『海よ光れ!3.11被災者を励ました学校新聞』
- 作者
- 田沢五月
- レーベル
- 国土社
- ページ数
- 160ページ
- テーマ
- 被災
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- ものづくりが好きな人
あらすじ
3.11で壊滅的な被害を受けた仙台市。
そんななかでも、人々を元気づけるために、大沢小学校の子供たちは、学校新聞「海よ光れ」を作り続ける。
2024年の高学年向け課題図書に選出された、ノンフィクション作品です。
震災以前も賞の常連だった大沢小学校の学校新聞がその技術を活かし、3.11後の被災地の人々を元気づけたという実話を、子どもたちの努力に注目して綴っています。
教科書的なデザインは本が苦手な子にとっては若干手に取りにくいですが、中身は非常に読みやすく、実際の学校新聞も掲載されているため、文字の羅列が苦手な子にもおすすめ。
課題図書の中では特に読書感想文を書きやすいのではないでしょうか。
【小5】小学5年生の読書感想文におすすめの本
『マチルダは小さな大天才』
- 作者
- ロアルド ダール (著), クェンティン ブレイク (イラスト)
- レーベル
- 評論社 ロアルド・ダールコレクション
- ページ数
- 353ページ
- テーマ
- 家庭、学校
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- 学校や大人が嫌いな人
あらすじ
マチルダは小さな大天才。
でも、両親は学なんて必要ないと、マチルダのことを「かさぶた」扱い。
学校は、子どもたちを憎む暴力校長に支配されている。
そんな中、マチルダの才能を優しく認めてくれるミス・ハニーと出会い、マチルダは大人たちにささやかな反抗を企てる…。
『チャーリーとチョコレート工場』でお馴染みの巨匠ロアルド・ダールの小説『マチルダは小さな大天才』。
頭の切れる女の子マチルダが、知恵を働かせておバカな大人たちに一矢報い、自分の幸せな環境をつかみ取ります。
ロアルド・ダールの作品らしく、半分おとぎ話で出来ている本作には、校長が砲丸投げの要領で子どもたちを放り投げるシーンなど、コメディのような場面も満載。
しかし、ただ面白いだけでなく、ユーモアたっぷりの文章の中にネグレクトや教育現場の負の場面などに対する深い洞察が見えるため、読書感想文のネタにも事欠きません。
本や勉強、学校が嫌いな子どもにこそ読んでほしい名作です。
『怪盗クイーンはサーカスがお好き』
- 作者
- はやみねかおる
- レーベル
- 講談社青い鳥文庫
- ページ数
- 312ページ
- テーマ
- 戦争、夢
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- 〇
- こんな人におすすめ
- ワクワクするような物語が読みたい人、アニメが好きな人
あらすじ
飛行船で世界中を飛び回り、狙った獲物は必ず盗む怪盗クイーンに、不可能はない!
…はずであったが、魔術師や催眠術師など、特殊能力を持つ団員たちが集まる謎のサーカス団に獲物であった宝石を横取りされる。
宝石を取り返すため、怪盗クイーンは謎のサーカス団に挑む。
元小学校教員の作者による大人気シリーズ「怪盗クイーン」シリーズの第1作目です。
「子供たちが本を好きになるように」という願いを込めて書かれているはやみねかおるの作品には、かっこいいキャラクター、ワクワクする物語、クスッと笑えるようなギャグなど、子どもたちが好きな要素が満載!
本嫌いの子どもにこそ触れてほしい物語です。
また、ただ面白いだけでなく、戦争や貧困、児童虐待など、「怪盗クイーン」シリーズには深いテーマが登場します。
特に本作ではキャラクターたちの人生や台詞に深いメッセージが隠されているため、読書感想文に非常におすすめです。
アニメ映画化もされているため、アニメ好きの方はそちらも併せてお楽しみください!
『そして5人がいなくなる』
- 作者
- はやみねかおる
- レーベル
- 講談社青い鳥文庫
- ページ数
- 276ページ
- テーマ
- 成長、親子関係
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- 〇
- こんな人におすすめ
- やりたいことと、やらなければならないことの間で悩んでいる人
あらすじ
親でも見分けがつかない私たちの三つ子の隣に、「名探偵」を名乗る奇妙な人物が引っ越してきた!
表札にも名刺にもしっかりと「名探偵」を記載するその人物は、ものわすれの達人で、自分のことも、ご飯を食べたかも忘れてしまう。
しかしその実力は本物で、初めて一目で私たちを見分けてしまった。
そんな名探偵のもとに、子どもがテーマパークで次々と姿を消してしまうという事件を解決してほしいという依頼が舞い込んできた。
果たして、名(迷)探偵は華麗にこの事件を解決して見せるのだろうか…。
上記の「怪盗クイーン」シリーズと同様、はやみねかおるによる児童小説です。
今回はミステリー!
とにかく楽しく読めて、楽しく読書感想文に取り掛かれます。
「ミステリーで読書感想文?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本作は読書感想文にもピッタリ!
詳しくはネタバレとなってしまうためここでは語れませんが、子どもたちの成長や、親子関係など、深いテーマが潜んでいます。
読書感想文のために難しい本を読みたくないという方は、是非本作をお読みください。
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
- 作者
- くさば よしみ (編集), 中川 学 (イラスト)
- レーベル
- 汐文社
- ページ数
- 32ページ
- テーマ
- 貧困、環境問題など
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 親子で一緒に楽しみたい人
あらすじ
「世界で一番貧しい大統領」と言われている、ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカ氏。
彼が2012年、リオデジャネイロで開催された国際会議にて語った言葉とは。
「世界で一番貧しい大統領」のスピーチを、子ども向けに編集した絵本です。
黙読で約10分、音読で約15分前後と非常に短い作品ですが、言葉のひとつひとつが深い意味を持って心に染み渡ります。
「大人にこそ読んでほしい絵本」とも言われている本作は、親子で一緒に読むのにぴったり。
「貧しさ」とは何か?「幸せ」とは何か?
一緒に話し合って、それを読書感想文にまとめられたら素敵ですね!
『クジラのおなかからプラスチック』
- 作者
- 保坂 直紀
- レーベル
- 旬報社
- ページ数
- 162ページ
- テーマ
- 環境問題
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 海の生物が好きな人
あらすじ
増え続けるプラスチックごみ。
2050年には、海の魚の総量を超えると言われています。
特にプラスチックごみが集まりやすいのが、日本の海。
では、そもそもプラスチックとはなんでしょうか?
小学校高学年に向けて書かれた、環境問題について知る本です。
写真やイラストが多く、プラスチックごみに関する問題について、非常にわかりやすく解説してくれます。
魅力的な海の世界。しかし、その世界は人間の生み出すごみによって、どんどん破壊が進んでいます。
ひとりひとりの行動によって世界は変えられると伝えてくれるため、読書感想文でも本を読んで感じたことや、自分の考えを書きやすいのではないでしょうか。
『はてしない物語』
- 作者
- ミヒャエル・エンデ (著), 上田 真而子 (翻訳), 佐藤 真理子 (翻訳)
- レーベル
- 岩波書店
- ページ数
- 589ページ
- テーマ
- 成長
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- △
- こんな人におすすめ
- 冒険譚が好きな人
あらすじ
読書と空想が好きな肥満体系の少年バスチアンはいじめっ子に追いまわされ逃げ込んだ先の古本屋で、店主の目を盗んで『はてしない物語』という風変わりな本を持ち帰ってしまう。
忍び込んだ学校の物置の中で本を読み進めていくうちに、物語の中で語られる、滅亡寸前のファンタージエン国を救うことができる「あかがね色の本を読んでいる10歳の少年」という人物が自分のことであると気付いたバスチアンが叫んだ瞬間、身体が本の中へと吸い込まれる…。
少し長めですが、読書感想文という機会に是非読んでほしいのが、ミヒャエル・エンデの不朽の名作『はてしない物語』。
学校に馴染めない少年バスチアンが、1冊の本との出会いをきっかけとして果てしない冒険を経験します。
広大な物語世界に迷い込んでしまったバスチアン。なんでも願ったことが叶う代わりに、どんどん自分であったときの記憶が薄れていく…。
ファンタジー作品のため見せ場が随所にあり、見かけの長さよりは読みやすい作品です。
読む人や読むタイミングによってバスチアンの物語から読み取れるものは変わってくるので、「自分が感じたこと」を書きやすく、読書感想文におすすめです。
【小6】小学6年生の読書感想文におすすめの本
『夏に、ネコをさがして』
- 作者
- 西田 俊也
- レーベル
- 徳間書店
- ページ数
- 272ページ
- テーマ
- 家族、命、戦争
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- 〇
- こんな人におすすめ
- 動物が好きな人
あらすじ
小学6年生の夏の初め、佳斗は冬に亡くなったばかりのおばあちゃんの家に引っ越してきた。
おばあちゃんはもういないが、おばあちゃんの猫テンちゃんが佳斗と一緒にいてくれた。
しかし、ある日テンちゃんも姿を消してしまい、佳斗は貼り紙やチラシを使って必死に「ネコさがし」を始める。
そして、町にいるネコに詳しいという少年・蘭と出会い…。
小学校6年生の少年の夏休みを綴った物語です。
主人公が同い年のため、小学6年生の読書感想文におすすめ。
作者の西田さんは『ハルと歩いた』で注目を集めた大人気児童作家ですが、彼の作品の魅力は、「特別な何かが起こるわけでもない日々の中にある、心に刻まれるもの」です。
本作でも主人公の身に小説的な何かが起こるわけではありませんが、少年にとって心に刻まれる夏休みが描かれており、命や人生について深く考えさせられます。
戦争、保護猫、認知症、外国人差別など様々テーマについて触れられているので、読書感想文のネタにも困りません。
『ぼくは満員電車で原爆を浴びた』
- 作者
- 米澤 鐡志 (著), 由井 りょう子 (著)
- レーベル
- 小学館
- ページ数
- 125ページ
- テーマ
- 戦争
- 読みやすさ(内容面)
- 〇
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- リアルな戦争体験を知りたい人
あらすじ
1945年8月6日。
当時11歳だった米澤鐡志さんは、爆心地から750メートルの満員電車の中で、母親と一緒に被爆する。
様々な要因が重なり奇跡的に生き残った米澤さんだったが、その後、疎開先にたどり着くまでの間に、戦争の悲惨さを目の当たりにする…。
広島に原爆が投下された際、爆心地の近くにいたにも関わらず、奇跡的に生き残った米澤さんが実際に体験した日々を綴った作品です。
残酷な描写が多く、原爆資料館や『はだしのゲン』などが恐ろしいと感じた人にはすこし辛い読書体験になるかもしれません。
しかし、原爆の被害について実体験を語れる方がどんどん少なくなってしまっている現在、非常に価値のある作品のため、是非親子で一緒に本を開いてみてください。
文章自体は読みやすく、テーマ性も抜群のため、読書感想文にはぴったりです。
『願いがかなうふしぎな日記』
- 作者
- 本田 有明
- レーベル
- PHP研究所
- ページ数
- 151ページ
- テーマ
- 成長、努力
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 叶えたい目標がある人
あらすじ
「望みはこれに書いておくといいよ。きっとかなうから」
亡くなったおばあちゃんに貰った日記に願い事を書くと、不思議なことにその願い事がかなっていく。
小学5年生の光平は、3年生のときに水泳教室でおぼれてから、ずっと泳げるようになりたいと願っていた。
そこで、おばあちゃんから貰った日記に「泳げるようになりたい」と書くも、練習の成果むなしく全く泳げるようにはならない。
そんなある日、公民館で「ふるさとに帰る」という願いを持つおじさんと出会い…。
小学校5年生の少年が夏休みに成長していく物語です。
「願いが叶う」というノートに描きこんだ願いが叶わず、悔しい思いをする光平。
彼は、叶えたい願いを前にどのような行動に出るのか…。
読書感想文の題材として非常に人気で、大人からの評価だけでなく、子どもからの人気も集めています。
苦手なことが多い光平が願いを叶えるため夢中になって行動をおこす姿は、きっと多くの読者に勇気を与えてくれるでしょう。
シリーズ化され、2巻も刊行されているため、是非併せてお楽しみください。
『保健室経由、かねやま本館。』
- 作者
- 松素めぐり (著), おとないちあき (イラスト)
- レーベル
- 講談社
- ページ数
- 226ページ
- テーマ
- いじめ、成長
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 友達関係に悩んでいる人
あらすじ
ずっとクラスの人気者として生きてきた中学生の佐藤まえみの人生は、父の転勤で東京に引っ越したことにより、崩れてしまう。
東京生活になじめなかった次兄は不登校となり、まえみ自身も仲良しグループに「ちょっとしんどい」とはじかれ、学校に行く自信を失くす。
両親に心配をかけたくないと葛藤したまえみが保健室の扉へ手をかけようとした瞬間、手招きしてきたのは不気味な白衣のオバさん。
訝しみながら保健室の隣の【第2保健室】へ入ったまえみが目にしたのは、中学生専門の湯治屋「かねやま本館」だった…。
学校に行きたくないとき、友達と会うのがちょっとしんどいとき。
そんなときに心にそっと寄り添ってくれるのが、本作『保健室経由、かねやま本館。』です。
発売されるや否や瞬く間に全国の小学生・中学生から人気を集め、現在では7巻を刊行する大人気シリーズとなりました。
多感で上手な人付き合いが出来ない小学校高学年から中学校。
複雑な悩みに直面したときは、是非本作を手に取ってみてください。
来年から中学校へ進学する小学6年生の読書感想文に、おすすめです。
『ブランコの向こうで』
- 作者
- 星新一
- レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 224ページ
- テーマ
- 友情、成長
- 読みやすさ(内容面)
- ◎
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 冒険譚が好きな人
あらすじ
ある日ぼくが学校から帰っていると、突然「もうひとりのぼく」に出会った。
ぼくは見えない糸に引っ張られるように男の子の後を追いかける。
長いこと歩き、ぼくとそっくりな男の子は知らない家に入った。
ぼくも後に続き、その家に入った瞬間…。
小学生の男の子が学校からの帰り道にドッペルゲンガーと出会い、夢の世界を渡り歩くファンタジー作品です。
星新一といえば、ショート・ショート。
小学校の教科書にも掲載されているので馴染みのある方も多いかもしれませんが、意外と長編は読んだことがないのではないでしょうか。
子どもにも読みやすい文章が人気の星新一の描く長編ファンタジーは、ショート・ショートに負けず劣らず読みやすく、想像力を刺激してくれます。
教科書に載っている作家のため、読書感想文にもぴったり。
是非、星新一の筆と一緒に夢の世界を冒険してみましょう!
『霧のむこうのふしぎな町』
- 作者
- 柏葉 幸子 (著), 杉田 比呂美 (イラスト)
- レーベル
- 講談社青い鳥文庫
- ページ数
- 216ページ
- テーマ
- 成長
- 読みやすさ(内容面)
- 〇
- 読みやすさ(時間面)
- ◎
- こんな人におすすめ
- 『千と千尋の神隠し』が好きな人
あらすじ
心躍る夏休み。
小学校6年生のリナは、父親の勧めでひとり旅に出た。
霧の谷の森を抜け、霧が晴れると、そこには赤やクリーム色の洋館が立ち並ぶ、不思議な町だった…。
めちゃくちゃな通りと、へんてこな人々。
彼らとの交流を楽しみながら、リナはひと夏の経験を積む。
大人気ジブリ作品『千と千尋の神隠し』に影響を与えた不朽のファンタジー作品『霧のむこうのふしぎな町』。
主人公が小学6年生の女の子のため非常に読みやすく、名作として名高い本作は読書感想文にもぴったりです。
Amazonランキングでも、「ギフトとしてよく贈られている商品」部門で堂々のNo.1。
大人が子どもの頃に読み、是非大切な子どもにも読んでほしいと思われている作品なのです。
不思議な町、個性豊かな登場人物、目にしたことのないような風景、そして別れ…。
ファンタジーの全てがここに詰まった、まさに「王道」の作品です。
読書感想文は選ぶ本で差をつけよう!
読書感想文は、本を選ぶ段階で既に出来不出来が決まっていると言っても過言ではありません。
「読書感想文が苦手」「そもそも本を読みたくない」という子ほど、本を選ぶ段階に時間をかけましょう。
是非好きな本で素敵な感想文を書いてくださいね!