「エモい」気分に浸りたい!
そんなときにおすすめなのが、読書です。
エモい言葉が詰まった小説は、読んでいる最中から読後感まで、エモい気分でいっぱいにしてくれます。
今回は、エモさ満載の小説が読みたいという方におすすめの小説をランキング形式でご紹介します!
気になる本があったら、是非手に取ってみてくださいね♪
目次[ 表示 ]
- 【恋愛小説】エモい小説TOP4!
- 1.『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
- 2.『ボクたちはみんな大人になれなかった』
- 3.『すべての恋が終わるとしても』
- 4.『交換ウソ日記』
- 【文豪】エモい小説TOP2!
- 1.「よだかの星」
- 2.『こころ』
- 【青春】エモい小説TOP2!
- 1.『夜のピクニック』
- 2.「君の無様はとるにたらない」
- 【エッセイ小説】エモい小説TOP3!
- 1.『解散ノート』
- 2.『たった一人の存在として 宝物みたいに扱って』
- 3.『好きになってしまいました。』
- 【SF・ミステリーなど】エモい小説TOP3!
- 1.『世界でいちばん透きとおった物語』
- 2.『限りなく透明に近いブルー』
- 3.『バナナ剥きには最適な日々』
- 小説を読んでエモい気分に浸ろう!
【恋愛小説】エモい小説TOP4!
「エモい小説」といったら、やはり恋愛小説!
ということで、まずはエモい恋愛小説をご紹介します。
映画化された作品や、TikTokでバズった作品もあるので、タイトルを聞いたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
気になっていた作品も、この機会に是非!
1.『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
- 作者
- 汐見夏衛
- レーベル
- スターツ出版文庫
- ページ数
- 275ページ
あらすじ
親や学校、全てにイライラしながら毎日を送る中学生2年生・百合。
母親と喧嘩をして家を飛び出し、防空壕跡で眠りにつくと、なんと70年前の戦時中にタイムスリップしていた!
猛暑の中、熱中症になりたおれかけていた百合は特攻隊員である彰に助けられ、ある食堂に身を寄せる。
その食堂は兵隊さんたちが集う憩いの場で…。
百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていくが、程なく彼は命をかけて戦地に飛び立つ運命だった――。
2016年に初版が発行された本作は、コロナ禍にTikTokを中心に話題となり、2023年末には福原遥さんと水上恒司さんW主演で映画化されました。
第二次世界大戦末期の日本にタイムスリップしてしまった現代の女子中学生・百合と、特攻隊員であり、国のために命をかける優しい青年・彰の切ない恋愛が描かれます。
彰の優しさに惹かれる百合と、百合に元気づけられる彰という関係性にキュンキュンしながらも、決して価値観をすり合わせられない彼らの切なさは、号泣必至。
本作単体でもエモさMAXで楽しめますが、ふたりの結末があまりにも切ないと感じられた方は是非続編である『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。 』も併せてお楽しみください。
2.『ボクたちはみんな大人になれなかった』
- 作者
- 燃え殻
- レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 192ページ
あらすじ
それは人生でたった一人、ボクが自分より好きになったひとの名前だ。
Facebookの画面。気が付けばボクの親指は友達リクエストを送信していた。
90年代の渋谷でふたりぼっち、世界の終わりへのカウントダウンを聴いた日々が甦る。
「エモい恋愛小説」といえばこの小説、というほど「エモさ」に定評のある本作『ボクたちはみんな大人になれなかった』。
元カノの名前をFacebookで見つけ、友達リクエストを送ったことをきっかけに過去を思い返す物語です。
ストーリー自体は短く、特別な展開もありませんが、「エモさとは」ということが身に染みる小説になっていて、90年代の東京や、SNSがまだ登場したばかりの時代の空気感が非常にエモいです。
平成レトロな雰囲気がお好きな方や、あいみょんさんがお好きな方は是非手に取ってみてください。
3.『すべての恋が終わるとしても』
- 作者
- 冬野夜空
- レーベル
- スターツ出版
- ページ数
- 242ページ
あらすじ
140字で綴られる、恋の始まりと終わり――。
X(旧Twitter)で話題となった、「140字小説」です。
ショート・ショートすらも超える究極のタイパ小説は、エモい言葉でバッとエモい気分に浸りたい方におすすめ。
140字のエモい恋愛小説が何作も収録されているため、寝る前などに少しずつ読み進めるのにもぴったりです!
後半には中編恋愛小説も収録されており、前半とはまた違ったエモさを楽しめます。
装丁から既にエモさ満天の本作は現在シリーズ3作を刊行中。
是非気になった巻からお楽しみください。
4.『交換ウソ日記』
- 作者
- 櫻いいよ
- レーベル
- スターツ出版文庫
- ページ数
- 368ページ
あらすじ
冴えない女子高生・希美は移動教室の際、自分宛てのラブレターを発見する。
差出人はまさかの学校イチのモテ男子・瀬戸山くん!
戸惑いつつも、お断りの返事を下駄箱に入れる希美であったが、瀬戸山のペースに飲み込まれ、文章でやり取りをするように。
自信満々で強引な瀬戸山のことをどんどん気になっていく希美はしかし、ラブレターのあて先が実は自分ではないことに気が付き…。
現在までに4作が刊行され、2023年末には豪華キャストで映画化もされた人気恋愛小説シリーズ『交換ウソ日記』。
1作目である本作では、ラブレターのあて先が自分ではないことに気が付きながらも、差出人の誤解を解けず、本来の宛先である友人のフリをして交換日記を続ける主人公・希美と、学校の人気者・瀬戸山の恋愛が描かれます。
スマホが普及した現代社会で、わざわざ紙を指定の場所に置くことで進展していく恋愛ストーリーはエモさ満天。
4作目のアンソロジー以外は基本的に1作完結で、ところどころに前作までのキャラクターが出てくることもありますが、基本的にどこから読んでも問題なく楽しめます。
巻ごとに「ウソ」の要素が異なっているので、是非お好みの巻からお楽しみくださいね♪
【文豪】エモい小説TOP2!
ここからは、文豪の「エモい小説」を2作品ご紹介します!
日本近代文学の巨匠たちによる、心に残る名作を是非お楽しみください!
1.「よだかの星」
- 作者
- 宮沢賢治
- レーベル
- 角川文庫
- ページ数
- 264ページ(文庫全体)
あらすじ
よだかは、実にみにくい鳥です。
「鷹」という名前がついていながら、するどい爪もするどい嘴もありません。
とうとう本物の鷹から、「改名しなければ、つかみ殺す」と言われ、どうしようもなくなったよだかは、お日さまに「あなたのところへ連れてって下さい」と頼みに行きました…。
エモい文豪と言えば宮沢賢治ですが、特におすすめなのが、「よだかの星」。
KADOKAWAの『銀河鉄道の夜』など、宮沢賢治の代表作を収録した作品集に収録されています。
醜く、ほかの鳥から嗤われている「よだか」が、自分の命と引き換えに美しい星になるという物語で、解釈は様々ですが、宮沢賢治のお話の中でも特に悲しい読後感です。
「よだかの星」は既に青空文庫に追加されているため、本作を読むだけであればネット上から無料で楽しめますが、宮沢賢治のエモい世界観に浸りたいという方は、是非作品集などで様々な作品をお楽しみください。
「銀河鉄道の夜」など、宮沢賢治の作品にはエモい物語が満載です!
2.『こころ』
- 作者
- 夏目漱石
- レーベル
- 角川文庫
- ページ数
- 336ページ
あらすじ
ある日、「私」は海で先生と出会い、彼やその奥さんと交流を深めていく。
しかしそのうちに、一見仲がよさそうに見える先生と奥さんがわだかまりを抱いているように感じ、先生を問い詰めるもののはぐらかされてしまう。
一体先生の過去に、なにがあったのだろうか…。
教科書等でもお馴染み、夏目漱石先生。
日本の近代文学を代表する彼の作品ですが、意外と勉強や授業以外で読む機会は多くはないですよね。
教材としてよく用いられる『こころ』も、現代文を離れて恋愛小説として読むと、意外とエモいことに気が付くのではないでしょうか。
先生の死によって明かされる、先生の忘れられない恋の物語と、「私」の恋未満の淡い感情。
当時のレトロな時代感も合わさって、最高にエモい小説です!
【青春】エモい小説TOP2!
続いては、エモい青春小説です。
「青春=エモい」というイメージが既にありますが、元々エモい青春を描いたエモい小説は、最高にエモいこと間違いなし!
是非お気に入りの1作を見つけてください♪
1.『夜のピクニック』
- 作者
- 恩田陸
- レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 455ページ
あらすじ
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
全校生徒が夜を通して80キロを歩き通すという、北高の伝統行事だ。
3年間誰にも言えなかった秘密を清算するため、貴子は小さな賭けを胸に秘め、歩行祭へと挑む。
2005年に本屋大賞を受賞した本作は、エモい青春を味わいたい方にはピッタリ!
高校生が夜に道を歩くだけ、というあらすじだけ聞くとなんでもないように感じますが、それだけでも最高にエモくしてくれるのが恩田陸です。
高校最後の伝統行事、真夜中の道を親友たちと思い出や将来について語りながら歩いていく…。
今現在青春真っただ中である学生さんも、青春の思い出を胸に秘めている社会人の方も、是非本作を読んで「エモい青春」を体感して下さい。
2.「君の無様はとるにたらない」
- 作者
- 神敦子
- レーベル
- 小説新潮
- ページ数
- 502ページ(雑誌全体)
あらすじ
お母さんと離婚したお父さんは、私に会うたびに5万円を渡してくれる。
お母さんとまだ結婚してたとき、今の奥さんである不倫相手に渡していたのと同じ金額だ。
1月に1回、お互い話すこともないのに「父親だから」と私に会い、愛人に渡すようにお金を渡す父。
私はまだ、そのお金に手をつけられないままでいる。
2024年の「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品です。
新潮社主催のこの賞は、過去には2024年の本屋大賞を受賞した『成瀬は成瀬は天下を取りに行く』の1作目も受賞しており、本屋大賞系の本が好きな方は注目必須。
母と離婚した父が渡してくるお金の使い道を決めあぐねている主人公が、同じく複雑な家庭環境で悩んでいる同級生に相談し、ふたりで納得のいく使い道を決めて実行します。
ありがちな青春物語と言えるかもしれませんが、主人公と友人の友情や、ラストの主人公の決断は、非常に胸アツで、エモい気分を味わわせてくれます。
単行本化・文庫化が待ち遠しい一作です!
【エッセイ小説】エモい小説TOP3!
続いては、エモいエッセイをご紹介します。
エッセイに馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、実はエッセイにも小説のように楽しめる作品がいっぱい。
今回は、エモいエッセイの中でも、特に小説のように楽しめる作品をご紹介します!
1.『解散ノート』
- 作者
- モモコグミカンパニー
- レーベル
- 文藝春秋
- ページ数
- 240ページ
あらすじ
多くのファンから絶大な人気を集めながら、2023年6月29日をもって解散したガールズグループBiSH。
彼女たちが密かに「解散宣告」を受けた2019年11月22日から、東京ドームを超満員にしたラストライブまでの日々を、メンバーのひとり、モモコグミカンパニーがリアルタイムに書き留めていた。
「楽器を持たないパンクバンド」として一世を風靡したガールズグループ「BiSH」。
本作は、人気絶頂の中解散したBiSHの姿をメンバーのひとりであるモモコグミカンパニーが解散までの道のりを書き綴ったエッセイです。
公表を予定していなかったため、ライブ後の興奮がそのまま書き留められているなど、そのときそのときの気持ちがそのまま言葉にされていて、非常にエモい気分を味わえます。
BISHがお好きな方や、ライブ後のエモさがお好きな方は、是非手に取ってみてください。
2.『たった一人の存在として 宝物みたいに扱って』
- 作者
- chun
- レーベル
- KADOKAWA
- ページ数
- 200ページ
あらすじ
私が「まともに生きていけないや」と気付いたのは、大学3年生の、就職活動を始めた頃だった。
でも、周りの生きづらさを抱えている子たちは、まだ10代で、将来の不安と闘っている。
そんな彼らが、どうか自分だけの生き方を見つけられますように。
アイドルグループ「じゅじゅ」に所属し、グループ解散後もSNSなどで活動しているchunさん。
38万人のフォロワーを抱える彼女のSNSには、多くのひとたちが共感を寄せる「言葉」で溢れています。
本作は「生きづらさ」を抱えながらアイドルとして活動し、自分だけの生き方や幸せを見つけたchunさんが、同じく「生きづらさ」を抱える人たちへ向けてメッセージを綴ったエッセイ本であり、世界観からひとつひとつの言葉まで、エモさ満天。
エモい言葉で溢れているため、chunさんをご存じの方にも、ご存じでない方にも、是非手に取って欲しい1冊です。
3.『好きになってしまいました。』
- 作者
- 三浦しをん
- レーベル
- 大和書房
- ページ数
- 304ページ
あらすじ
「日常のなかの美」「旅」「本の紹介や読書について」。
それぞれのテーマに即した(?)、「はっちゃけのごった煮(ごくたまに真面目もあるよ)」という、エッセイ集。
大人気作家・三浦しをん。
『舟を編む』などの小説作品が人気ですが、実は彼女はエッセイストとしても超一流!
抱腹絶倒な毎日を面白おかしく届けてくれるため、笑いながら読むことができるエッセイです。
そんな彼女のエッセイ作品の中でも特に本書は「エモさ」のポイントが高く、著者の「好きなもの」について綴られています。
「好きなもの」をひたすら愛し、ひたすらそれに熱中する…。
想像するだけで、非常に「エモい」気持ちになりますよね。
日本の国民的作家が普段どんな日々を送っているのか、覗いてみませんか?
【SF・ミステリーなど】エモい小説TOP3!
最後に、SF小説やミステリー小説など、雑多なジャンルの「エモい」小説をご紹介します!
「エモさ」のジャンルも様々なので、泣ける作品から「なんとなくエモい」作品まで、幅広くお楽しみ下さい♪
1.『世界でいちばん透きとおった物語』
- 作者
- 杉井光
- レーベル
- 新潮文庫
- ページ数
- 240ページ
あらすじ
大御所ミステリー作家の父が死去した後、婚外子である「僕」のもとに彼の長男から電話が入り、奇妙な成り行きから一度も会ったことのない父の遺稿『世界で一番透きとおった物語』を探し始める。
はじめはお金欲しさに始めた仕事であったが、父と生前関わったひとたちに接触していくうちに、「僕」の中には父に対する奇妙な感情が芽生え始めていた。
しかし、「僕」の原稿探しを妨害しようとする何者かの手が迫り…。
『世界でいちばん透きとおった物語』。このタイトルの本当の意味が、衝撃のラストで明かされます。
「電子書籍化不可能」と呼ばれた2023年の話題作である本作は、ミステリー小説のようなストーリーでありながら、これまでの「小説」という概念をひっくり返しました。
読書家でもまったく読んだことがない!と本作が言われる原因となっている仕掛け(ネタバレ厳禁)は、それ自体が非常にエモく、小説の内容と連携しています。
なぜ、この本はこの本でなければならなかったのか。
是非ご自身で物語の真実を解き明かしてみてください。
2.『限りなく透明に近いブルー』
- 作者
- 村上龍
- レーベル
- 講談社文庫
- ページ数
- 176ページ
あらすじ
リュウの住む米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られたドラッグと嬌声が満ちている。
そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく――。
1976年に芥川賞を受賞した、村上龍のデビュー作です。
ドラッグ、暴力、乱交、なんでもありの混沌とした空間を描写するのは、あくまで空っぽのリュウの視点。
本作は主人公であるはずのリュウの心情描写が殆どなく、かつリュウ自身物事に積極的に関わろうとしないため、前半はひたすら希望のない退廃が描かれます。
その退廃を我慢して我慢して、ようやく読者がたどり着く希望「限りなく透明に近いブルー」。
その正体は、是非結末までよんで確認してください。
世界観も結末も、とにかくエモい1冊です!
3.『バナナ剥きには最適な日々』
- 作者
- 円城塔
- レーベル
- ハヤカワ文庫
- ページ数
- 242ページ
あらすじ
どこまで行っても、宇宙には何もなかった――。
宇宙に存在するかもしれない知的生命体を判別するため無人探査機に搭載された「人間の思考」は、長い年月の中、失ったものの記録を思い返しながら、「バナナ型宇宙人」の社会を夢想し続ける…。
「わからないけど面白い」に定評があるSF作家・円城塔。
彼の作品の中でも、本作は「比較的わかりやすい」とされる10篇を収録しており、円城塔作品やSF小説への入門にもおすすめです。
ただし、わからないものはやっぱりわからない。
収録されている作品の中にも、なにが言いたいのかわからない、そもそも描かれている風景すら浮かんでこない作品もあります。
しかし、それでもなぜか面白く、なぜかエモいのが円城塔なのです。
特に音楽家「agraph」さんの約2年ぶりのアルバムに合わせて書き下ろされた短編『equal』は、エモい言葉に溢れています。
表題作の「バナナ剥きには最適な日々」も、タイトルはシュールですが、広大な宇宙に終わりもなく漂う無人探査機を描いているため、世界観や読後感は非常にエモい作品です。
是非独特すぎる「わからないけど面白い」円城塔ワールドへお越しください。
小説を読んでエモい気分に浸ろう!
どこか切なく、どこか美しい物語…。
小説は、読者をエモい気分へ誘ってくれます。
映画や漫画と異なる、文字だけで綴られるエモーショナルな世界。
是非お気に入りの1冊と、エモい気分に浸ってみてくださいね!