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【トレインスポッティング】劇中曲や90年代ファッションもご紹介

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2022/06/22

出典:「Trainspotting 公式Facebook
みなさん、当時の若者から大きな人気を集めたイギリス映画、「Trainspotting(トレインスポッティング)」はご覧になったでしょうか?
「アーヴィン・ウェルシュ」の同名小説が基となり、映画化されました。90年代のスコットランドを舞台に、若者たちの葛藤をありのままに描いた作品です。俳優「ユアン・マクレガー」の出世作でもあります。

今回はそんな映画「トレインスポッティング」から学ぶ、劇中曲やカルチャー、ファッションなどその魅力あふれる内容に迫っていきたいと思います。
本記事は映画の考察記事です。そのためネタバレ要素がありますので、まだ鑑賞済みでない方は、ご注意ください!

目次[ 表示 ]

トレインスポッティングについて

出典:「Trainspotting 公式Facebook

タイトルの意味

出典:「Trainspotting 公式Facebook

この「Trainspotting(トレインスポッティング)」という単語についてですが、一般的には「鉄道オタク」のことを指すそうです。しかしこの映画の舞台であるスコットランドでは、薬物に手を染めた人々が使われなくなった鉄道操車場を溜まり場にしていたことから、“薬物中毒”を指す隠語として使われていました。

映画のストーリー的にも、薬物に溺れ葛藤する若者の姿が描かれているため、納得の単語の意味ですね。
このようにイギリスの闇の文化を描く映画のため、ブラックな内容が多いですが、その分当時の現状をありのままに表現していることがわかります。

あらすじ

出典:「Trainspotting 公式Facebook

内容を少し忘れてしまった方のために簡単におさらいしておきましょう!

この物語は仲間とともに薬物にまみれ堕落した生活を送っていた少年レントンが、薬物にまみれた生活を抜けだすため、地元のスコットランドを離れロンドンへ移り、不動産会社で働くことになります。しかしその生活も悪友のせいで台無しにされてしまいます。

再び絶望的な日々に落ちた彼は、また新たな人生を変えるための計画をたてるが、新たな絶望や葛藤を経験することとなります。

最後まで観て結末を知っている方は、ご存じかと思いますが、かなりブラックでショッキングな内容になっています。仲間の死や犯罪、薬物による精神的な葛藤から、いわば社会に上手く順応できなかった若者たちが、いかに普通の生活に戻るのが難しいことなのかを、ストレートに描いています。

私個人もそうですが、皆さんがもっともショッキングに感じたシーンはやはりアリソンの幼い子供が亡くなってしまったシーンでしょう。いかに薬物の乱用が、人間を堕落させ周りの人の命さえも奪ってしまうのか…
改めてこの映画は多くのことを教えてくれます。しかしブラックな内容でも劇中には多くの魅力的な要素があります!
その魅力を解説していきたいと思います!

映画の魅力

出典:「Trainspotting 公式Facebook

イギリスの負のカルチャーを知れる

まず1つに当時のイギリスの負のカルチャーや時代背景を知ることができます。
90年代当時もイギリスは不況に陥っていたこともあり、失業率の増加や製造業への冷遇が起こる現象がありました。その不況の影響から現実逃避を求め薬物に手を出してしまう若者が増えてしまいます。劇中に登場する若い彼らも、そんな時代の波に飲まれた被害者と言えるでしょう。

また1度でも薬物に手を出してしまうと、その後普通の生活に戻ることがいかに難しいかを私たちに伝えてくれています。実際、海外だけでなく日本でも薬物関係の犯罪が大きな問題になっています。そんな現在だからこそ薬物の危険性について再確認することができます。

このように当時実際に起こっていた、社会情勢から起因する負の連鎖を映画を通して学ぶことができます。

当時のイギリスの正のカルチャーを楽しめる

そしてこの映画の大きな魅力として、当時のイギリスの正のカルチャーを楽しめるという点があります。

映画を観ていても、登場人物が着てる服のファッションや、劇中で使われている音楽も聴くことで当時のイギリスの音楽シーンなどを学ぶことができます。このようなイギリス特有で最高にかっこいいカルチャーを、映画を通して学ぶことができるのは、この映画の大きな魅力であると言えます。

出典:「Amazon prime video

この映画が公開された1996年は、世界中で「トレインスポッティング」が人気を集めました。公開当時の日本では、蛍光オレンジ色のポスターが人気となり、部屋にポスターを貼るために多くの若者がそのポスターを求めていたそうです。

たしかに日本には馴染みのない90年代のイギリス独特のカルチャーは、その確立されたスタイルから今も多くの若者から人気を集めています
一見するとダサく見えてしまうようなスタイルですが、不思議と当時の人たちはかっこよく着こなしてしまうんですよね!そんな90年代を生きた人々のライフスタイルは今になっても憧れの的となっています。

イギリスではパンクやストリート、ロック、オールドスクールなど様々な要素が混ざり合い、当時の90年代のイギリスのカルチャーが形成されていました。そんな多くの人々にとって最高の時代である90年代のカルチャーを間接的に体験できる映画「Trainspotting(トレインスポッティング)」は多くの人々に今も変わらず愛されています。

主要な俳優陣

ユアン・マクレガー(マーク・レントン役)

出典:「Trainspotting 公式Facebook

主人公のレントンを演じた俳優「ユアン・マクレガー」です。この俳優さんは皆さんご存じ、「スターウォーズ」のエピソード1〜3でオビ・ワン・ケノービ役を演じていました。
トレインスポッティングが公開された当時、彼は無名の俳優でしたが、この映画が彼の出世作となり、活躍の幅を広げていきました。

役作りへの情熱が強く、薬物に手を染めてしまった人を演じるために、実際に厚生施設に足を運んで、再現度を上げていたそうです。

ロバート・カーライル(ベグビー役)

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アルコール中毒で非常に暴力的なベグビーを演じたのはスコットランド出身の俳優「ロバートカーライル」。イギリスのテレビショーの「マクベス巡査」でイギリスのスター俳優となり、007シリーズへの出演を果たすなど、様々な舞台で活躍をしております。

ジョニー・リー・ミラー(シックボーイ役)

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1983年からテレビに出演しはじめ、1995年公開の「サイバーネット」で映画デビュー。そして本作のトレインスポッティングで注目を集めます。「サイバーネット」で共演を果たした大女優「アンジェリーナ・ジョリー」の元夫としても知られています。

ユエン・ブレムナー(スパッド役)

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イギリス・スコットランド出身の俳優です。イギリス国内の映画やドラマなどの多くの作品で活躍しています。個性的なキャラの演技に、定評がある俳優さんです。

トレインスポッティングの劇中曲

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次にトレインスポッティングの劇中曲について紹介していきます!
劇中で使われている楽曲を聴けば、まさに当時のイギリスの音楽シーンの雰囲気を理解することができます!

Underworld / Born slippy(Nuxx)

トレインスポッティングを代表するビッグチューンです。おそらくトレインスポッティングを観る前からご存じだった方もいらっしゃるかと思います

当時のイギリスではクラブミュージックが盛んで、その中でもテクノという音楽ジャンルは大衆に親しまれました。その当時のテクノミュージックシーンを代表するユニット「Underworld(アンダーワールド)」は大きな人気を獲得していました。

イントロのシンセサイザーのサウンドから、四つ打ちのビートに変化するところは、思わず体を動かしてしまいます。
ベグビーがレントンの顔にタバコの煙を吹きかけるシーンから始まるエンディングで流れますが、タイミングも最高です。

Underworld / Dark And Long (Dark Train Mix)

同じくUnderworldによる楽曲です。レントンが禁断症状に苦しんでいるシーンで流れてくる一曲です。Underworldを代表する曲の1つであり、テクノの音楽にもっとのめりこみたい方は是非聴いてみるべきです!

Iggy Pop / Lust For Life

Iggy pop はアメリカ合衆国出身のロックミュージシャンです。記憶に残る伝説のロックアイコンとしてロックミュージックのシーンを駆け抜けてきました。劇中でも登場人物のトミーがIggy pop好きを公言しています。劇中で使用された「Lust For Life」はIggyとも進行が深かったあの「デビッド・ボウイ」も制作に関わりました。

映画では冒頭で使用され、主人公ユアン・マクレガーが5分以上この音楽をバックに走り続けています。この映画がきっかけとなりIggy Popの再燃が始まりました!

出典:「Trainspotting 公式Facebook

Blur / Sing

次に紹介するのは90年代から00年代初期を代表するロックバンド「Blur(ブラー)」です!当時はOasis(オアシス)とアルバムのセールスを争っていたほど、当時のロックシーンは過熱していました。

劇中では死亡しているドーンの前でシック・ボーイが涙を流すシーンという悲しいシーンで使用されています。静かな場所で落ち着きたいときに聴きたい音楽です。

Primal Scream / Trainspotting

Primal Scream(プライマルスクリーム)はスコットランド・グラスゴー出身のロックバンドです。当時流行ったパンクやレイヴのカルチャーを土台として、その後も様々な音楽ジャンルを吸収し長きにわたってロックシーンで存在感を誇っています。

劇中では、レントンとシック・ボーイが公園を見渡しながら会話するシーンで使用されています。

Brian Eno / Deep Blue Day

Brian Eno (ブライアン・イーノ)はイギリス出身の音楽家です。環境音楽という音楽ジャンルを開拓した第一人者と言われています。

劇中ではレントンが水中を泳いで座薬を拾うシーンで使用されています。環境音楽ということもあり、まさに水中の中にいるような雰囲気を楽曲から感じることができます。

おまけ Lick-G / Trainspotting

最後に紹介する楽曲は実際に映画の中で使用されているわけではありませんが、日本出身のラッパーを紹介したいと思います。

日本とイギリスをルーツに持つラッパーの「Lick-G」です。日本のラップ好きで知らない人はいないほど人気で、それと同時に異質なラッパーとして注目されています。
そんな彼は幼いころからトレインスポッティングに影響を受け、ほぼすべての楽曲にその要素を入れ込んでいます。

このように世界中でこの映画に影響を受けて創作活動を始めたアーティストもたくさんいます。そんな彼らの楽曲を楽しむことで、人それぞれのトレインスポッティングの捉え方を楽しめるのでおすすめです!

是非興味を持ちましたら聴いてみてください!

トレインスポッティングから学ぶ90年代ファッション

出典:「Trainspotting 公式Facebook

次に劇中から学び取れる当時の90年代ファッションについて紹介していきたいと思います!

ブリット・ポップ・ファッション

出典:「Liam Gallager official instagram

90年代は音楽、ファッション、ストリートカルチャーなど若者にとってのカルチャーが盛り上がり、確立されたスタイルを持つカルチャーが形成された時期でもありました。

基本的にブリットポップファッションというと、当時若者から絶大な人気を誇っていたロックバンドOasisのギャラガー兄弟やそのライバルであるBlurのデーモン・アルバーンなどのスターたちによって、ファッションのトレンドが確立されていきました。

またイギリスの労働者階級の人々によって着こなされてきたヴィンテージの服も人気がありました。
このように伝統的なものと新しく出てきたものが融合された結果、90年代のファッションというものが確立されていきました。

それではアイテム別に、当時のファッションを紹介していきたいと思います!

スポーツジャンパー

出典:「Trainspotting 公式Facebook

スポーティーなジャケットがトレンドとして流行りました。実際に劇中でもレントンは、ネイビーのアディダスのジャケットを、デニムジーンズと組み合わせています。

まさにブリットポップファッションを表すコーディネートですね。
このようなスポーティーな服がファッションとして着こなされたきっかけは、Oasisのリアム・ギャラガーがアディダスをファッションとして着始めたからと言われています。

デニムジャケット

出典:「Trainspotting 公式Facebook

デニムジャケットは当時も今も人気ですよね!このベグビーの着こなしもばっちり決まっています。デニムのジャケットに下は綺麗めなスラックスを合わせています。

他にもチノパンやミリタリー系のボトムスと合わせてみても、ブリットポップファッションのスタイルとマッチします!

ボーダーTシャツ

出典:「Trainspotting 公式Facebook

ボーダーTシャツも90年代を代表するファッションアイテムの1つです。ジャケットの下に着てアクセントを付けています。

デニムジーンズ

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次に紹介するのがレントンが劇中でも履いている細身のグレージーンズです。映画に使用されている楽曲のアーティストとして知られているIggy popも同じように細身のグレージーンズを履くスタイルで有名でした。

コンバースのスニーカー

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コンバースのスニーカーはローカット・ハイカットに限らず当時も今も人気です。レントンは使用感のあるコンバースのハイカットを足首で一周させています。画像を見てもわかるように、ジーンズを靴下のなかにインするスタイルですね。これは似合う似合わないが出てくるかとは思いますが、当時のファッションの1つとして挙げられます。

一見ダサいのにかっこいい、「ダサかっこいい」

出典:「Trainspotting 公式Facebook

正直なことを言ってしまうと、90年代のブリットポップファッションの中には、ダサいと感じるものもあるかとは思いますが、実際に本場の彼らが着ているのを見るとなんともかっこよく感じてしまうものです

これは服自体は一見パッとしなくても、彼らのバックグラウンドがそのファッションとマッチしていることがかっこよく見える理由であると考えられます!
時代背景によって形成されたファッションは時代を超えても評価され、当時の人々が着こなしているのを見ると、確立されたかっこよさを感じることができます。

そのため2020年代の現在もブリットポップファッションにあこがれる方が大勢いるのでしょう。若者のカルチャーが盛んだった90年代に形成されたファッションは今も多くの人々に愛され続けています。

トレインスポッティングから学ぶ当時の時代背景の考察

出典:「Trainspotting 公式Facebook

ここまではカルチャーの方に焦点を充ててきましたが、次は90年代当時の時代背景について考察していきたいと思います。

オイルショックによる失業者の急増

出典:「Trainspotting 公式Facebook

トレインスポッティングから学べる当時の時代背景の1つに「失業者の急増」が挙げられます。
トミーが恋人にフラれた後に、山へ行くシーンがあります。その際にレントンが「こんな国はクソだ!」と吐き捨てる場面があります。この場面は個人的不満を表しているだけでなく、隠された経済的な時代背景があることが読み取れます。

1980年から90年にかけて、イギリスは1970年後半に起こった第二次オイルショックの影響を受けていました。その中でも製造業が盛んだった当時のイングランドとスコットランドは、多くの失業者を生み出す結果となりました。

失業者の急増によって、犯罪に手を出す人々や、子供に十分な教育を与えることができない家庭が増え、非行や薬物に手を染めてしまう若者が急増します
このように当時のイングランド、スコットランドを襲っていた経済的影響は、当時の労働者階級の人々の生活揺を揺るがしました。

若者による犯罪、酒、薬物の蔓延り

出典:「Trainspotting 公式Facebook

この映画のテーマでもある「若者による非行」は現在でも解決されていない、イギリスの大きな社会問題です。皆さんも一度は耳にしたことあるかとは思いますが、ヨーロッパは薬物犯罪が日本よりも大きな問題となっており、その中でもイギリスは薬物の取り締まりが緩く社会に今も蔓延っています。

ライターの私もイギリスに留学経験がありますが、普通に街の裏路地で薬物が売られていたり、大学の学生の中で麻薬が横行している光景を目の当たりにしました。これらは現在でもイギリスの薬物犯罪は全く解決されていないと言えるでしょう。

2020年のイギリスの国家統計局(ONS)のイギリス国内の薬物関連死者数の推移を見ると2020年で1993年以来最多と集計されました。

この2020年で過去最多を記録した理由は様々なことが挙げられますが、1つにイギリス国内の「リハビリサービスの弱体化」が挙げられます。近年、薬物に苦しんでいる患者をケアする施設の機能が低下したため、薬物で苦しむ患者が増えていったとされています。イギリス政府は過去15年間で最大の「1億4800万ポンド」の投資を薬物防止政策に行っています。

出典:「英BBC

この映画の原作の小説を執筆した「マーク・ウェルシュ」さんのインタビューによると、この小説を執筆した背景には、彼自身の経験が大きく影響しているようです。

スコットランドで少年時代を過ごしたウェルシュ氏は、薬物が地元のスコットランドで蔓延り、その影響で周りの友人が中毒になったり、HIVに感染していく様を目の当たりにしました。周りの幼馴染がことごとく体調を崩していく姿を見て、「なぜこんなことに?」と考えるようになり、怒りを覚えるようになります。

そこで彼は、小説を書くことでその現実に対処して、より多くの人々に薬物犯罪の現状を知ってもらおうとしました。ウェルシュ氏が当時感じた、HIVや薬物の恐ろしさに反応した人々の怒りと不信が、彼の執筆を駆り立てたと言えるでしょう。

薬物を断とうとする若者の葛藤

出典:「Trainspotting 公式Facebook

この映画を鑑賞して、最も衝撃を受けたことは、いかに薬物犯罪から手を引くことが難しいかということです。実際にレントンは薬物を断つため様々な事を試しますが、最終的には上手くいかず、ましてや自分の仲間も同じように手を汚してしまう結果となってしまいます。

若い年齢の大事な時期で、このような取り返しのつかない犯罪に手を染めてしまうことで、とんでもない惨事が起こってしまうこと。そして普通の生活に戻るには、かなり困難な環境であったことが伺えます。

当時もこのように、自分の力で薬物を断とうとする若者が多くいましたが、それぞれ大きな葛藤を抱え、毎日を過ごしていたことがわかります。
映画からうかがえるオシャレな側面だけでなく負の一面もしっかりとらえることは、とても大切です。

トレインスポッティングを観終えて

出典:「Trainspotting 公式Facebook

日本ではなかなか馴染みのない時代背景やカルチャーを楽しむことができる映画として、とても見応えのある映画だといえるでしょう。

私は映画を鑑賞したことでよりイギリスのカルチャーや音楽、ファッションに興味を持つことができました。

また2016年に公開された映画「Trainspotting2(トレインスポッティング2)」はトレインスポッティングから30年後の世界を描いています!前作を鑑賞済みの方は、楽しめると思うので是非チェックしてみてください!

なり

この記事を書いた人

なり

東京都出身の「なり」です。 主に、音楽・映画・暮らしのジャンルを執筆しています。 音楽と映画をこよなく愛しています! 都内でバンド活動を行っています。 皆様の生活に役立つような情報を発信してまいります!

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