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ウイスキー響について
日本におけるウイスキーづくりの歴史を拓いたのは、サントリーホールディングス株式会社の創業者である鳥井信治郎氏でした。
そして、「ウイスキー響」は、サントリーホールディングス株式会社が創業90周年の記念の年、1989年に生み出した日本発祥のウイスキーです。
この記事では、ウイスキー響の歴史や、特徴・種類について紹介していきます。
ボトルのこだわり
ウイスキー響はボトルにも大きなこだわりがあります。響が入っているデキャンタボトルには、24面のカットが入っていることをご存知でしょうか。
この「24」という数字には、「1日を刻む24の時間」と「季節の移ろいを示す24の節気」という意味合いがあります。つまり、ウイスキー響は、「時の象徴」とも言えるでしょう。
この「時」には、響が生み出されるまでにかかった時間、ウイスキーの熟成にかかる時間など、様々な意味が詰め込まれています。
名前の由来
「響」という名前には、サントリーホールディングス株式会社の企業理念、「人と自然と響きあう」という思いが込められています。
ウイスキーづくりを通じて、世界中の人々や自然と共生したいという願いが形となったウイスキーであると言えるでしょう。
ウイスキー響の特徴について
サントリーホールディングス株式会社では、様々な蒸溜釜と樽を使い分け、多彩な原酒をつくっていますが、その中から厳選した原酒をブレンドしてつくられているのが「響」です。
ウイスキー響は、山崎蒸溜所・白州蒸溜所・知多蒸溜所の3カ所でつくられた原酒を使用しています。そのため、ウイスキー響の特徴は、フルーティーな香りと甘い香りのハーモニーとなっています。
では、響にはどんな種類があるのでしょうか。ラインナップを見ていきましょう。
ウイスキー響のラインナップ6選
ここからは、サントリーホールディングス株式会社のウイスキーの代表作である「響」のラインナップをご紹介します。
同じ銘柄で異なる年代のものを飲み比べることを「縦飲み」と言いますが、ぜひ全ラインナップの飲み比べにも挑戦してみてください。
1:響 21年
「響21年」は、21年以上の長期熟成を経た原酒を入念に吟味してブレンドしたウイスキーです。
フルーティーな香りに、なめらかな口当たり、そして気品のあるコクを味わえます。ビスケットのような味わいを感じることができますが、ロックにするとスパイシーさも感じられるボトルです。
この「響21年」は、響のラインナップの中で最も受賞歴の多いボトルで、世界のウイスキー品評会でも多数の受賞歴を持ち、世界的にも非常に評価されています。
2:響 30年
「響30年」は、30年以上の長期熟成を経た原酒を入念に吟味してブレンドしたウイスキーで、年間数千本しかつくられない非常に希少な限定品です。生産数が少ないため、ブレンドをすべて手作業で行っていることが大きな特徴の1つです。
香りはフルーティーですが、味わいは濃厚で甘みを感じられます。希少価値が高いので、なかなか手に入れることのできないボトルです。
3:響 BLENDER'S CHOICE
「響 BLENDER’S CHOICE」は、熟成年数の異なる様々な樽の原酒をブレンドしたウイスキーです。
名前のとおり、ブレンダーが厳選し、繊細にブレンドを重ねているため、甘みや爽やかさを感じる香りに加えて、奥深い甘みを味わえるボトルです。
この「響BLENDER’S CHOICE」は飲食店向けに販売されているものなので、店頭では手に入りにくくなっています。
4:響 JAPANESE HARMONY -Master’s Select
「響 JAPANESE HARMONY -Master’s Select-」は、後述する「響 JAPANESE HARMONY」に山崎シェリーカスク原酒をブレンドしたウイスキーで、免税店限定品です。
華やかで甘い香りに、甘みとほろ苦さが融合した味わいが感じられます。「響 JAPANESE HARMONY」の味わいに、甘やかなコクと樽材の残り香の余韻が加わって、奥深さを醸し出しているボトルです。
5:響 JAPANESE HARMONY
「響 JAPANESE HARMONY」は、日本の自然や日本人特徴の繊細な部分などをコンセプトにつくられたウイスキーで、熟成年数にこだわらず匠の技でつくりあげられました。
現在販売されている響のレギュラーボトルで、フルーティーな香りに爽やかな甘さを味わえるボトルとなっています。
6:響 17年
「響17年」は、サントリーホールディングス株式会社が創業90周年を迎える記念の年である1989年に発売した、初の響です。17年以上熟成させた原酒をブレンドしてつくられたウイスキーです。
様々なフルーツがハーモニーを奏でるような味わいを感じることができ、最初は甘さ、次に爽やかさを感じられます。
公式ホームページでは販売休止中となっており、希少性が高くなっているボトルです。
ウイスキー響の製造について
響は、製造にも妥協なくこだわりを持って取り組み続けています。
日本の自然や技術が生んだこのウイスキーを通じて、世界中の人々や自然と共生していきたいという想いが、響をつくりあげていると言っても過言ではないでしょう。
では、それほどのこだわりを持つウイスキー響の製造場所や製法について、以下で詳しく見ていきましょう。
製造場所
ウイスキー響は、サントリーホールディングス株式会社が所有する、国内3カ所の蒸溜所で製造された原酒をブレンドしてつくられています。
・山崎蒸溜所
宇治川、桂川、木津川の三川が合流する京都府の蒸溜所です。華やかな香りのモルト原酒がつくられています。
・白州蒸溜所
山梨県の甲斐駒ケ岳にある蒸溜所です。爽やかな香りのモルト原酒がつくられています。
・知多蒸溜所
愛知県の知多半島にある蒸溜所です。麦芽やトウモロコシなどの穀類を原料としたグレーン原酒がつくられています。
製法
仕込みから熟成まで様々な工夫を凝らし、世界でも類を見ないほどの多彩な原酒をつくり分けています。樽の数は80万個以上とも言われ、その中からブレンダーが原酒を厳選し、響をつくりあげています。
同時期に同手法で仕込んだ原酒でも、樽の種類や置き場所によって香りや味わいが異なります。その個性と熟成時期を見極めてブレンドし、響の味を決めるマスターブレンダーは、創業者の鳥井信治郎氏の血縁者が代々受け継いでいます。
この匠の技なくして、響は決して完成しません。
ウイスキー響の歴史について
響が誕生したのは、サントリーホールディングス株式会社が90周年を迎えた1989年です。
「日本人の感性で、世界に愛されるウイスキーをつくりたい」と、日本のウイスキーの歴史を拓いた創業者の鳥井信治郎氏の意思を継いだ、信治郎氏の次男である佐治敬三氏が響を生み出しました。
生み出されるまでの長い期間、その間に培った技術や想いがウイスキーという形となったのが、この「響」です。
ウイスキー響について詳しく知ろう
長い時間や妥協のない想い、磨き上げられた技術などが欠けることなく集結した結果として生まれたウイスキーだということがお分かりいただけたことでしょう。
知れば知るほど奥深く、その香りや味わいに酔いしれたいと思う気持ちが募ってくるのではないでしょうか。本記事を参考に、ぜひ響についてさらなる理解を深めてみてください。