こちらの記事では初心者におすすめのミシンやミシンの準備方法、基本・応用の縫い方などについて解説しています。
おうち時間が増えたのをきっかけに、これからミシンを使って洋裁を始めてみたいという方は、是非参考にしてみてください。
目次[ 表示 ]
初心者におすすめのミシンとは
在宅時間が増え、ミシンを使って何か作ってみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事では、中学校の家庭科で勉強して以来ミシンに触っていない、ミシンの使い方がわからないという初心者の方に向けて、ミシンの準備や縫い方について解説していきます。
まず、ミシンには家庭用、職業用(業務用)、工業用、ロックミシンがあります。家庭用ミシンには、電子ミシン、電動ミシン、コンピュータミシンの3種類があります。
コンピュータミシンは、現在主流となっている家庭用ミシンで、縫い目の調節や糸の準備などサポート機能が豊富です。ディスプレイでエラー内容を教えてくれるため、初心者でも使いやすい仕様になっています。
ミシンの各部位の名称
ここでは、ミシンの各部位の名称と主な働きについて説明します。
・天びん:上糸を引き上げる
・糸調子調節ダイヤル:糸調子を調節するダイヤル
・はずみ車(プーリー): 手回しすることで針の上下や、1針ずつ縫うことができる
・押さえ:布地を押さえて安定させるもの
・送り歯:布を送る働き
・角板:ボビンをセットする場所のフタ
・針板:針の周りを覆う金属の板
・フットコントローラー:ペダルを足で踏むことでミシンのスタートとストップをするコントローラー
ミシンの準備6STEP
続いては、ミシンの準備について説明します。ミシンの準備6STEPには、ミシンを広いところに設置する、針をセットする、下糸用のボビンを巻く、下糸をセットする、上糸をセットする、試し縫いをする、の6つがあります。
以下で詳しく説明しますので、是非参考にしてみてください。
1:ミシンを広いところに設置する
ミシンを使う際は左右にスペースを空けた広い場所に設置すると良いでしょう。広い場所に設置することで、スムーズに布が送りやすくなります。
また、まち針やハサミなどの裁縫道具や材料なども手元にまとめて置けるため、ミシンで縫う際に近くて便利です。
必ず電源オフにする
ミシンを準備する際は電源をオフにしておきましょう。ミシンの電源を入れたまま部屋の中を移動してしまうと、火災や感電、故障などの原因になります。また、スイッチの誤作動によるけがを防止するために、実際に縫い始めるまでは電源を切っておくことを心掛けましょう。
2:針をセットする
布地に合った針を選んだら、はずみ車を手前に回し針を上にあげます。押さえ上げレバーを上げ、針を持ちながら針止めねじをゆるめて針を外します。これから使う針の平らな面を合わせるように、ピンにあたるまで差し込みセットします。
針止めねじを針が落ちなくなるまで指で軽くしめ、その後付属のドライバーなどで締めましょう。
また、布地の種類に合わせて押さえの圧を変更します。押さえ圧調整機能を使用して、薄い生地の場合には圧力を弱く、厚い生地の場合には圧力を強く設定しましょう。
なお、縫いの種類によって押さえを変更する必要があります。例えば、ゴムカタン糸でシャーリングを施す際には、ゴムシャーリング押さえを使用しなければいけないため、注意しましょう。
3:下糸用のボビンを巻く
角板を外して中からボビンを取り出し、ミシン糸を糸たて棒に差し込んで、上から糸コマ押さえで固定します。糸巻き糸案内どおりに糸をかけていき、糸の端をボビンの穴から少し出しておきましょう。
ボビンを糸巻軸に取り付けて、カチッと音がするまで右側へスライドさせたら、スタートボタンを押して糸を巻いていきます。二~三重に巻いたら一度ストップさせ、糸端を切ります。再びスタートを押し、最後まで糸を巻き、糸をカットしたら完了です。
なお、ボビンの巻き方が綺麗にできないと下糸が絡まる可能性があるため注意しましょう。
4:下糸をセットする
多くの家庭用ミシンは針の下に下糸ボビンをセットする水平釜方式です。その場合、角板を外し、ボビンの糸の向きが反時計周りになるようにセットします。その際、糸端が角板から出るように少し出しておきましょう。
垂直釜の場合は、ボビンケースにボビンを入れてセットします。糸が切れるのを防ぐため、ボビンケースのネジを回して、糸調子を調節しましょう。
5:上糸をセットする
電源がオフになっているか確認してから押さえと針を上げ、糸巻き糸案内どおりに糸をかけ下ろし、針棒糸かけに糸をかけていきましょう。糸が通ったら、糸端を針穴の前から奥へと通します。
ミシンによっては自動の糸かけ機能がついているものがあります。また、針に糸を通すのが難しい場合は糸通しを使うとスムーズに通せて便利です。
6:試し縫いをする
ミシンの準備が整ったら、実際の布で試しに縫ってテストしましょう。あらかじめ試し縫いをすることで両手の使い方の感覚を掴むことができます。
縫い始めは左手で布を軽く押さえ、右手で布をつまみながらまっすぐ縫い進めていきます。縫い目が曲がらないように両手を添えながら縫っていき、ある程度進んだら糸を切りましょう。布の表から上糸、裏から下糸の縫い目に問題がないかチェックしていきます。
糸調子に注意
試し縫いをする際は、糸調子に気を付けましょう。糸調子とは上糸と下糸の強さのバランスのことで、このバランスが合わないと縫い目にしわが寄ったりして綺麗に仕上げることができません。
正しい糸調子では表には上糸、裏には下糸の縫い目だけが見えるのに対し、上糸の調子が強い場合は布地の表に下糸が見え、上糸の調子が弱い場合には布地の裏に上糸が見えてしまいます。
そのため、バランスが合わない場合には糸調子調節ダイヤルを回し、上下糸のバランスを整えましょう。
【基本編】ミシンの使い方のポイント6選
続いては、ミシンの使い方のポイント6選を説明します。基本編のポイントは、縫う時の押さえ方、試し縫いのやり方、直線縫いのやり方、角の縫い方、返し縫いの基本、糸切りのやり方です。
長く触っておらず、ミシンの使い方がわからないという方は是非参考にしてみてください。
1:縫う時の押さえ方
布を押さえる時は生地を強く押さえたり引っ張ったりしないように気を付けましょう。左手は優しく生地の上に置き、右手で縫いたい方向にミシンの動きを誘導します。
また、布の材質が特殊でミシンの押さえに張り付いてしまう場合は、ウォーキングフットを活用しましょう。
また、布が薄くて扱いにくい場合は、ハトロン紙を使用するとスムーズに縫い進めることができます。縫い終わった後はハトロン紙を破いて布から外していきましょう。
まち針を使うのもおすすめ
布のずれを防ぐために、まち針でしっかり止めておきましょう。まち針は作業中に留めた場所がわからないなど手間取ってしまったり、小ささから失くしやすいというデメリットがあります。
そのため、まち針の代わりにミニクリップを使っても良いでしょう。クリップには外しやすく失くしにくいというメリットがあります。
2:試し縫いのやり方
実際に縫う布のハギレを2枚用意し、試し縫いで練習しましょう。本番と同じ布、厚み、糸、縫い目でミシンをかけていきます。
まっすぐ縫い進めていき、ある程度進んだら糸をカットして、縫い目をチェックしましょう。縫い目のバランスが悪い場合は、糸調子を調節します。
3:直線縫いのやり方
ミシンの針板に付いているガイドの縦の線と布の端が合うように、まっすぐ縫い進めていきます。針やチャコペンのラインを見ながら縫うと曲がりやすくなってしまうため注意が必要です。
直線縫いは基本の縫い方で、袋縫いなどをする時にも使用するため、しっかりとマスターしておきましょう。
4:角の縫い方
まずは角に向かって縫っていき、角まで来たら針が刺さっている状態で押さえを上げましょう。縫いたい方向に向かって生地を動かしたら押さえを下げ、縫い進めると綺麗な角が出来上がります。
はずみ車や押さえレバーで作業するため、使い方がわからないという方はあらかじめチェックしておきましょう。
5:返し縫いの基本
ミシンに布をセットしたら押さえを下げて3針程縫います。次に返し縫いボタンを押し、布が後ろに向かって最初の位置まで縫い進んだらボタンを押して止めましょう。最初の位置まで返し縫いができたら、通常通りに縫い進めていきます。
糸端は結んだりせずに縫い目のきわでカットしましょう。このように縫い始めや縫い終わりに返し縫いをすることで、糸のほつれを防ぐことができます。
6:糸切りのやり方
縫い終わりに返し縫いをしたところで糸を10cm程度引っ張って出し、カットします。
有名ブランドのミシンには自動糸切り機能や自動ねじ切り装置がついており、縫い終わりにミシンが自動で上糸と下糸をカットしてくれるため、便利です。
【応用編】ミシンの使い方のポイント3選
ここまではミシンの各部名称や使い方の基本などを説明しましたが、より深いコツを習得したい方には、応用したテクニックが必要になるでしょう。
以下では、ジグザグ縫いやボタンホール縫い機能、文字入れや模様入れ機能などの応用編について説明しますので、興味がある方は是非参考にしてみてください。
1:ジグザグ縫いに変えてみよう
ジグザグ縫いは、布が端からほつれないように端縫いをする際に使用される縫い方です。ミシンの模様選択からジグザグ縫いを選んで使用してみましょう。縫い始める前にはずみ車を回して、針の位置を布端に落とすのがポイントです。
2:ボタンホール縫い機能を使おう
ボタンホール縫い機能を使用すると、押さえにボタンをセットするだけでボタンの大きさに合わせたボタンホールが出来上がります。コートやパンツなどボタンをつける必要があるものを作る時は、こちらの機能を使うと便利です。
ミシンの機種によって対応できるボタンホールの種類や大きさが異なるため、購入を検討されている方は目的に合った機能が備わっているか、あらかじめチェックしておきましょう。
3:文字入れや模様入れ機能を使おう
文字入れや模様機能が付いているミシンが多く発売されており、ミシンを使って名前や数字、図形などの刺繍を入れることができます。
模様機能を使用することで布地や用途に合った縫製ができ、仕上がりの質がぐんと上がります。
例えば、裾上げにはかくし縫い、ニットなどの伸縮地にはニット糸であるレジロン糸を使用して伸縮縫いをします。粗ミシンをギャザー作りに使用すると、手縫いよりも美しい仕上がりになるでしょう。
また、本格的な刺繍やキャラクターの刺繍など機種によってさまざまな刺繍を楽しむことができます。刺し子のような風合いが生まれるハンドステッチミシンなども販売されています。
模様縫いの糸の始末方法
模様縫いの糸の始末には、縫い始めと縫い終わりで針を2、3回同じ場所に刺し、止め縫いをしましょう。糸を引っ張ってもほつれなくなれば上手に止め縫いができています。ミシンによっては、止め縫い機能がついているものもあります。
ミシンの使い方を学ぼう
ここまで、ミシンの種類や準備方法、基本・応用の使い方を説明しました。
ミシンを使って何か作品を作ってみたいという方は、ミシンの準備方法や縫い方を学び、ハンドメイドを楽しみましょう。